2011年03月13日


J.S.バッハ:最愛のイエスよ、我らここに集いて BWV.731

バッハ:オルガン作品集
定価:¥ 1,575
レビュー平均: 5.0点 (3人がレビュー投稿)
5.0点 地味かつ滋味に溢れた選曲・演奏
5.0点 「オルガン名曲集」ではありません
5.0点 さすが
発売日:2005-06-22
メーカー:BMG JAPAN
アーティスト:レオンハルト(グスタフ)

♪バッハ自身が6度の編曲を重ねた美しいオルガン・コラール

バッハは作曲の題材として好んでコラール(讃美歌)を取り上げていました。
前回のカンタータ第140番や同じくカンタータ147番などもそうです。

これらの場合、元のコラール旋律はそのまま残しつつ、
それを装飾する対旋律などで劇的に盛り上げています。
むしろバッハの作った伴奏的な対旋律の方が、遥かに華やかでいいぐらいです。

そして今回のオルガン・コラール「最愛なるイエスよ、我らここに集いて」も、
同名の讃美歌21-51を題材に編曲された作品です。
バッハはこのコラールを気に入っていたらしく、計6回の編曲が施されています。

作品としてはBWV373/633, 634/706/730, 731 ということになります。
それらは番号を追うごとに変化を重ねていて、
最後のBWV731では最早、原型の讃美歌の痕跡がまったく見られないほどです。

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元の讃美歌は誰もが歌えるようなシンプルで親しみやすい小品ですが、
バッハはこれに少しずつ手を加え、旋律を変え、伴奏に色を添え、
まったく見違えるような高貴で、芸術的な作品に仕上げています。

このことからバッハが編曲家としても優れていたことに加え、
何より作曲家として美しい旋律を紡ぐことに長けていたのがよくわかります。
現代のポップスにも通じるような作曲、編曲の原点を、
バッハは200年以上も前にすでに自分のものとし、極めていたのです。

アフリカでの医療やノーベル賞などで、偉人伝でもおなじみのシュバイツァー博士が、
熱心なバッハの研究者であり、今も評価される著書を残しつつ、
オルガン奏者としても晩年に到るまで活動していたことは、あまり知られていません。
このコラールでは還暦時(1935-36年)の情感あふれる録音が残されています。





J.S.バッハ:最愛のイエスよ、我らここに集いて BWV.731
J.S.Bach:Liebster Jesu, wir sind hier BWV.731

[オーボエと弦楽のための編曲版]



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2010年10月10日


シューマン:クライスレリアーナ Op.16 第1曲 Agitatissimo ニ短調

シューマン:子供の情景/クライスレリアーナ 他
ホロヴィッツ(ウラディミール)
SMJ(SME)(M)(2008-11-19)
おすすめ度の平均: 5.0
5『子供の情景』はやはりホロヴィッツ
5最高の完成度

♪シューマンのピアノ曲を代表する名作

シューマンにピアノを教えたハイデルベルク大学のヴィーク教授は、
娘クララとシューマンの恋仲を認めず、結婚にも猛反対しました。
まだ無名の作曲家シューマンの将来に不安を感じていたのです。

その頑迷さは強固で、遂にはシューマンが裁判を起こす程でした。
そうした最中、シューマンはクララにこのような手紙を送っています。

「この前、君に手紙を書いてから新作を一冊仕上げました。
僕はこれを”クライスレリアーナ”と名付けるつもりです。
この作品は君と、君への僕の想いが主役を果たす音楽です。
これを君に捧げます。他の誰でもなく、君に。」


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クライスレリアーナにはシューマンのクララに対する恋の陶酔と、
それが叶わぬかもしれない焦燥感が交錯して表れています。
健全な「子供の情景」「謝肉祭」などとは違う、シューマンの別の側面を示した作品です。

タイトルのクライスレリアーナは彼が愛読したホフマンの同名小説に由来します。
物語の主人公クライスラーは哲学的思考と屈折した精神の持ち主。
また叶わぬ恋を描いたこの小説に、クララへの複雑な恋愛感情を投影したともいわれています。

しかし、完成された作品はクララではなく、ショパンに献呈されました。
シューマンは評論家としてシューベルト、ショパン、ブラームスらを世に紹介しています。






Robert Schumann:Kreisleriana Op.16
1. Äußerst bewegt (Extremely animated), D minor
シューマン:クライスレリアーナ Op.16 第1曲 Agitatissimo ニ短調.mp3


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2010年03月31日


J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻 第24番 ロ短調 BWV869

バッハ:平均律クラヴィーア曲集 全曲
リヒテル(スヴャトスラフ)
BMG JAPAN(2002-08-21)
おすすめ度の平均: 4.5
5リヒテルの遺産
5究極のバッハ
5名演奏です!
5宇宙の音楽
5名盤です

♪12音と24の調性で解き明かされる大宇宙の神秘

音楽の旧約聖書と称されるバッハの平均律クラヴィーア曲集は、
巻頭の言葉通りに受け取るなら、若い学生達の有益な手引書、
また学習を終えた者には楽しみとしての作品集ということになります。

原題は“よく調律された”を意味し、必ずしも平均律とは限りません。
こうした事柄はこの作品を説明する上で避けられない話題ですが、
バッハが作品に込めた深い真意をもっと汲み取るべきかもしれません。

12平均律は一オクターブを12音に等分した調律法です。
これは厳密には音程にぶれが生じるなど問題がありながらも、
現代のポップスなどを始め多くの音楽で用いられる手法です。
ベートーヴェンもビートルズも美空ひばりも、
みなこの同じ約束の中で音楽が生み出されています。
これはよく考えればすごいことです。

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多少のぶれがあるとはいえ、なぜ音は12分割でほぼ収まるのでしょうか?
12音と24の調性が広く音楽の基本として成立するのは、
当たり前のようでいて不思議です。

バッハはこの不思議に神や宇宙の神秘を垣間見、
それを12音と24の調性で音楽によって表現、確証しようと試みたのかもしれません。
あるいは自身が信じた神を称えようとしたのかもしれません。

その思いは音楽家というより数学者のそれと言ってもいいほどです。
バッハが学者や知識人からも広く支持される理由は、
こんなところにあるとも言えると思います。




J.S.Bach:The Well Tempered Clavier No.1 in B minor, BWV869
24. Prelude&Fuga

http://classical-music.aki.gs/Bach-The-Well-Tempered-Clavier-1-24.mp3



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2009年05月18日


J.S.バッハ:リュート組曲 第3番 イ短調 BWV995 第5楽章 ガヴォット

バッハ:リュート組曲
ウィリアムス(ジョン)
ソニーレコード(1995-03-24)
おすすめ度の平均: 5.0
5バッハ:リュート組曲
5歴史的名盤
5ポリフォニーを気軽に、生涯聞ける1枚
5あきれるほどの「キレ」

♪リュートを愛したバッハの隠れた逸品

リュートは主に中世の時代に演奏されたギターの前身的楽器です。
ギターより弦の数が多く、音色はとてもやわらかです。

バッハはこのリュートという楽器を愛していました。
しかし自分では弾けなかったため、代わりにラウテン・ヴェルクという
音色はリュートに近い鍵盤楽器を愛用していたといいます。

この楽器またはリュートでの演奏のために、
バッハは7曲のリュート作品を残しています。
うち4曲がリュート組曲で第3番は無伴奏チェロ組曲第5番の編曲、
第4番は無伴奏バイオリンパルティータ第3番の編曲です。



更にこれを現代ではギター用に編曲して演奏するのが一般的です。
その際にはギターで弾きやすいように、
例えば第3番であればト短調からイ短調へと調を替えるのが通例になっています。

そして更に今回はこれをピアノの音色で奏でてみました。
ギター版とはまた一味違った趣きをお楽しみください。




J.S.Bach:Lute Suite No.3 BWV995 5.Gavotte

http://classical-music.aki.gs/Bach-Lute-Suite-No3-Gavotte.mp3



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2009年05月12日


J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番 第3楽章 ガヴォット

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ
クレーメル(ギドン)
ユニバーサル ミュージック クラシック(2005-10-19)
おすすめ度の平均: 4.5
4私は80年録音版の方が好きです。
5クレーメルの真髄

♪バッハのガヴォットとしても親しまれる有名曲

埋もれていた無伴奏チェロ組曲を発掘したのはカザルスですが、
同じく練習曲程度の認識で長らく忘れられていた
「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ」が、
再び表舞台の日の目を見るようになったのは、
名ヴァイオリニストのヨアヒムによるところが大きいといわれます。

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今では当たり前のように演奏され聴かれるバッハの名曲の数々が、
ほとんど評価されないまま眠っていたのは驚きです。
マタイ受難曲でさえメンデルスゾーンが蘇演するまで、
100年もの長い間埋もれていたというのですから・・・。

今回のパルティータからの1曲であるガヴォットは
「バッハのガヴォット」という俗称でも通じるような有名曲です。
楽しげな旋律は様々な楽器用にもアレンジされ親しまれています。




J.S.Bach:Partita No.3 for Violin Solo BWV1006 3.Gavotte

http://classical-music.aki.gs/Bach-Partita-No3-3-Gavotte.mp3



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