2011年09月14日


ペルゴレージ:シチリアーノ

アヴェ・マリア~オーボエ作品集~
新品最安価格:16%OFF ¥ 2,564 (4店出品)
レビュー平均: 5.0点 (1人がレビュー投稿)
5.0点 オーボエが歌うイングリッシュホルンが祈る
発売日:2009-10-24
メーカー:マイスター・ミュージック
アーティスト:池田昭子 石田三和子

♪J.S.バッハ、モーツァルトにも影響を与えたイタリア・バロックの天才

ペルゴレージが生きた1710年から1736年はバロックも終盤という時代でした。
イタリアではバロック音楽の中心人物ヴィヴァルディ(1678-1741)が、
ドイツでは音楽の父であるJ.S.バッハ(1685-1750)が活躍していました。
ペルゴレージは両巨匠の存命中に生まれ、二人に先立って亡くなっています。

ペルゴレージは大成功となった『奥様女中』のようなオペラ・ブッファと、
『スターバト・マーテル』のような宗教作品の作曲家として知られています。
前者ではモーツァルトやロッシーニへ続く、オペラ・ブッファの基礎を築いたとされ、
後者では同名曲を作曲した、後の多くの作曲家たちに影響を与えたとされています。

J.S.バッハは『スターバト・マーテル』の作曲は行なっていませんが、
ペルゴレージのこの曲を、最晩年に丸ごと編曲しています。
ドイツ語の旧訳聖書・詩編51にテキストを入れ替え、調性はト短調からヘ短調に移した、
モテット『いと高き者よ、私の罪をあがなってください BWV1083』がそれです。

バッハは青年期にヴィヴァルディの協奏曲を編曲して研究していました。
このように他人の作品や自作の編曲を行うことはよくありましたが、
最晩年に原曲を大きな変化もつけずに、ほぼそのままの形で用いたことは、
その意味合いを考えると、とても興味深いことだと言えると思います。

ペルゴレージの初期古典派ともいうべき作風を、学びたかったのかもしれませんが、
もっと純粋にバッハは、ペルゴレージの『スターバト・マーテル』という作品自体を愛し、
それに何らかの形で関わりたかっただけなのかもしれません。
それほどに少し聴いただけでは、ほとんど違いがわからないような編曲です。

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ところでペルゴレージの『シチリアーノ』は、どこかで聴いた気がしないでしょうか?
バッハの有名な「フルートソナタ」BWV1031の『シチリアーノ』と似ています。
もっとも最近ではBWV1031は息子のエマヌエル・バッハ作という説もありますが、
そこに父からの指導、助言があったとも言われています。

いずれにしても年代や状況からして、ペルゴレージが真似たとは考え難く、
むしろバッハ親子のどちらかが、ペルゴレージに影響された可能性はあります。
もちろんまったくの偶然で、似通ったということもあるかもしれませんが…。





ペルゴレージ:シチリアーノ
Giovanni Battista Pergolesi:Siciliana



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2011年03月20日


ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第14番 嬰ハ短調 Op.131 第6楽章

ベートーヴェン:序曲集、弦楽四重奏曲第14番 [DVD]
定価:¥ 5,000
新品最安価格:14%OFF ¥ 4,252 (5店出品)
発売日:2008-12-24
メーカー:ユニバーサル ミュージック クラシック
出演:バーンスタイン(レナード)
アスペクト比:1.33:1
フォーマット:Color Dolby DTS Stereo
時間:92(分)

♪「音をもって表現しうるもっとも悲痛なるもの」…ワーグナー

9曲の交響曲、16曲の弦楽四重奏曲、32曲のピアノソナタ - 。
この三つのジャンルがベートーヴェン作品の主要な柱とされています。

交響曲がベートーヴェンの顔であることは言うまでもありませんが、
残るふたつもベートーヴェンが、生涯に亘って手がけた言わばライフワークです。
ですからそこにはその時々のベートーヴェンの精神的、音楽的過程が表れています。

ベートーヴェンが弦楽四重奏曲に着手したのは、交響曲と同じ30歳の時でした。
耳疾をきっかけに社交的だった性格が一変したベートーヴェン。
カントやプラトンなどの哲学書を読み、思索にふけり、人生に真摯になっていきます。
そこには親友でヴァイオリニストのカール・アメンダの存在がありました。

夜を徹してたがいの思想を語り合ったアメンダとベートーヴェンは、
切磋琢磨し刺激しあう中で、やがてそれぞれの進む道へ歩んでいきます。
アメンダは教会の司教に、ベートーヴェンは音楽で啓蒙する作曲家に。

弦楽四重奏曲にはベートーヴェンのこうした思想性が色濃く表れています。
マーラーの編曲でも知られる、第11番「セリオーソ」から十数年を経て、
その間に第九やミサ・ソレムニスなどの大曲を挟みながら、
再びベートーヴェンは金字塔となる、後期弦楽四重奏曲の作曲に着手します。

これらは第九以降のベートーヴェンの心境を知る手がかりとなる作品群です。
大規模な管弦楽曲を離れたベートーヴェンは、
残りの情熱のすべてを弦楽四重奏曲の作曲に注ぎ込みました。

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その頂点のひとつとも言えるのが弦楽四重奏曲 第14番 作品131です。
他からの要望ではなく自らの創作欲のままに作られたこの作品は、
奥行きと深みのある、高い芸術性を聴くものに感じさせます。

第1楽章をワーグナーは「音をもって表現しうるもっとも悲痛なるもの」と評し、
カール・ホルツに連れられて、初演を聴いたシューベルトは大変興奮して、
「この曲のあとに一体何を書けというのだろう」と語ったといわれています。





ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第14番 嬰ハ短調 Op.131 第6楽章
L.V.Beethoven:String Quartet No. 14 in C♯ minor, Op. 131
6. Adagio quasi un poco andante



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2011年03月16日


ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第13番 変ロ長調 Op.130 第5楽章 「カヴァティーナ」

ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集
定価:¥ 6,300
5.0点 タカーチの最高傑作では!
5.0点 静かに!
5.0点 素晴らしい演奏
発売日:2004-12-22
メーカー:ユニバーサル ミュージック クラシック
アーティスト:タカーチ弦楽四重奏団

♪晩年のベートーヴェンが涙しながら書いた至高の旋律

「自分がこれまで作曲してきた中で、最も感動的な楽章」
こう語ったというベートーヴェンは、涙しながらこの音楽を作曲したと伝えられます。

第九以降の後期弦楽四重奏曲である、第13番の第5楽章「カヴァティーナ」は、
名旋律の多いベートーヴェンが書いた、最も美しいアダージョのひとつです。
これに比肩するのはおそらく、第九の第3楽章ぐらいでしょう。

「カヴァティーナ」でのベートーヴェンには、それまでのような闘いの姿はありません。
“苦悩を突き抜けて歓喜へ”といった激しい精神的な奮起や、
自分との闘いといった世界を越えた、別次元の心境を感じさせます。
交響曲では描いた理想や理念に徹したベートーヴェンですが、
ここでは自らの胸のうちを開いて見せているかのようです。

人生のすべてをあるがままに受け入れ、味わいかみ締めるような趣き。
そこには祈り、憧憬、希求、孤独、感謝、諦観といった矛盾するような様々な感情が、
不思議な統一感をもってひとつの音楽の中に集約されています。
苦難の多かったベートーヴェンが晩年にたどり着いた至高の境地です。

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フルトヴェングラーはこの楽章を自ら弦楽合奏用に編曲、録音しています。
第13番の最終楽章には元々、後に「大フーガ」となる作品が置かれていましたが、
フルトヴェングラーはこの曲においても、名演とされる録音を残しています。

「大フーガ」はあまりに長大だったため、出版社などが差し替えを促しました。
ベートーヴェンは珍しくそれを受け入れ、新たに軽いタッチの楽章を書きました。
しかしそれはあくまで対応策で、第13番の終楽章はやはり「大フーガ」です。
最近では第13番のあとに「大フーガ」を加える演奏も増えています。





ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第13番 変ロ長調 Op.130 第5楽章 「カヴァティーナ」
L.V.Beethoven:Strings Quartet No.13 in B flat major, Op.130
5. Cavatina. Adagio molto espressivo



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2010年06月19日


ガブリエル=マリ:金婚式 -La Cinquantaine-

ヴァイオリン名曲集ア・ラ・カルト
ギトリス(イヴリー)
TOSHIBA-EMI LIMITED(TO)(M)(2007-08-22)
おすすめ度の平均: 5.0
5二度目に納得する演奏
5彷徨えるギトリス
5まさに至上最高の妖艶な音色

♪ヴァイオリン愛好家にも人気の優雅な小品

ヴァイオリン小品の名曲として大変親しまれている作品です。
元は管弦楽曲・ピアノ独奏曲でしたが、
ヴァイオリンとピアノ用の室内楽として編曲され、
そちらはヴァイオリン愛好家からも人気です。

クライスラーの「愛の悲しみ」を思わせるような優雅な旋律は、
それ自体がヴァイオリンの特性によくあっているのかもしれません。

結婚50周年である金婚式を祝う内容のこの曲は、
実際の金婚式でもパーティーの席で演奏されるなどして場を飾っています。

出だしは短調でどこか物悲しさもありますが、
中間部では同主調の長調に転じ、力強く祝福のムードを盛り立てます。
この部分が好きだという声もよく耳にします。

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作曲のガブリエル・マリーは19世紀中頃のパリに生まれた指揮者、作曲家です。
パリ音楽院に学び、ピアノ奏者・ティンパニ奏者として活動した後、
数年間に渡りコンセール・ラムルーの合唱指揮者を務めました。
ワーグナーに傾倒していたマリーは、
「ローエングリン」のパリ初演時の合唱を指揮しました。

その後は国民音楽協会を始め、各所で指揮者としての活動を続けました。
作曲家としてはこの「金婚式」のみで知られています。






Gabriel Marie:La Cinquantaine
ガブリエル=マリ:金婚式.mp3



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2009年09月11日


クライスラー:愛の喜び

クライスラー:自作自演集
クライスラー(フリッツ)
BMG JAPAN(2002-07-24)
おすすめ度の平均: 5.0
5クライスラーの人柄が偲ばれる優しい演奏
5ノスタルジック気分満点
5高校時代の愛聴盤がCDで蘇った

♪愛され続けるヴァイオリン小品の定番曲

クライスラーはオーストリア出身の作曲家、ヴァイオリニストです。
ウィーンの医師の子として1875年に生まれた彼は
早くから音楽的才能を見せ、7歳で特例によりウィーン音楽院に入学。
卒業後はパリ音楽院に学び、12歳でそこを主席で卒業します。

翌年にはニューヨークでヴァイオリニストとしてデビューしますが、
家庭事情などにより一旦は音楽を離れて陸軍将校を務め、
数年間、医学や美術を学びました。

ブランクを経た後再び表舞台に復帰したクライスラーは、
ベルリンフィルとの共演、ロンドンデビューと国際的に活躍しました。

作曲家としては多くの魅力的なヴァイオリン曲を作曲しましたが、
ベートーヴェンやブラームスのヴァイオリン協奏曲のカデンツァなども、
クライスラーが残した大きな仕事のひとつです。

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また彼は自作曲を過去の作曲家の作品として発表していたことでも有名で、
30数年後にそれを明かした時には一大センセーションになりました。

愛の喜びはクライスラーの代名詞的に広く知られるヴァイオリン小品です。
題名の通りに愛がもたらす喜びや快活な気分を、親しみやすい旋律で明朗に描いています。




クライスラー:愛の喜び
Kreisler:Liebesfreud


*楽曲の著作権が継続中のため音源はストリーミング再生のみです



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