2020年02月11日


リヒャルト・シュトラウス:交響詩 《死と変容》 Op.24 [2020][AR] / Richard Strauss:Tod und Verklarung Op.24

R-Strauss-03.jpg♪現世での激しい闘争の果てに天上界から射すひと筋の光

ベートーヴェン、ワーグナー、ブルックナー、ブラームスなど、ドイツ・オーストリア系の偉大な管弦楽曲の系譜を継ぐ名作です。

この曲には上記の作曲家たちの最良の部分が濃縮されており、それでいながら巨大な管弦楽を巧みに駆使したシュトラウス自身の力量も示されています。

シュトラウスには優れた交響詩が多くありますが、そのどれとも違う異質な次元の音楽です。

題材はシュトラウスをワーグナーに開眼させたマイニンゲンのヴァイオリニスト、アレキサンドル・リッテルの詩に基づくとされますが、実際はシュトラウスの音楽をリッテルがあとから詩に置き換えたとも言われています。

― ひとつの灯火しかない淋しいみじめな部屋に病人が寝ている。
死が沈黙のうちに彼の元へと近づいてくる。
彼は死の苦悶に悶えながら、それに対し必死に抵抗する。

そして激しい闘いの果てに、かすかな光と共にあの世の世界が開けてくる。
その浄らかな光明に病人は両手を伸ばしつつ息を絶つ。
しかし横たわる彼の顔は崇厳な微笑を湛えていた…



「死と変容」には現世に執着し、欲望の中に迷い苦しむ人間(肉体)の姿と、浄化された精神的な存在(意識)としての姿が対照的に描かれています。

それは極めて宗教的な世界観で、仏教が示す泥沼の現世と、そこから茎を伸ばし大輪の花を咲かせる蓮の花のようでもあります。

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2020年01月22日


ビゼー: 《アルルの女》第2組曲 第4曲:ファランドール [2020][AR] / Georges Bizet: L'Arlesienne: Orchestral suite No.2:IV. Farandole

Bizet-04.jpg♪友人エルネスト・ギローの手により完成された壮大な終曲

『アルルの女』(L'Arlesienne)は、ジョルジュ・ビゼーによる全27曲の付随音楽。アルフォンス・ドーデの同名の短編小説『アルルの女(フランス語版)』およびそれに基づく戯曲の上演のために1872年に作曲されました。

付随音楽から編曲された2つの組曲が一般には最も広く知られています。

作曲期間が短く、契約の関係で極めて小編成のオーケストラしか使えなかったため、作曲には大変苦労したという話が伝わっています。初演の評価は芳しくなく、6年後に再演された時は大好評のうちに迎えられましたが、その時すでにビゼーはこの世の人ではありませんでした。

一般に知られているのは、演奏会用に劇付随音楽から数曲を選んだ組曲で、第1組曲はビゼー自身が通常オーケストラ向けに編成を拡大して組曲としたものです。劇付随音楽が初演された直後の1872年11月10日に初演されて成功を収めました。



第2組曲は、ビゼーの死後の1879年に彼の友人エルネスト・ギローの手により完成されました。ギローは管弦楽法に長けており、「アルルの女」以外の楽曲も加えて編曲しました。

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2020年01月07日


ボロディン:歌劇 《イーゴリ公》より 「ダッタン人の踊り」 [2020][AR] / Alexander Porfir'yevich Borodin: Prince Igor : Polovtsian Dances

Borodin.jpg♪どこか懐かしく琴線に触れる名旋律

『イーゴリ公』は、ボロディンによって書かれた序幕付きの4幕からなるオペラです。

中世ロシアの叙事詩『イーゴリ遠征物語』を題材に、1185年、キエフ大公国の公(クニャージ)イーゴリ・スヴャトスラヴィチによる、遊牧民族ポロヴェツ人に対する遠征を描いています。

ボロディンはこの作品を完成させないまま1887年に死去したため、リムスキー=コルサコフとグラズノフの手により完成されました。

総譜には「このオペラはリムスキー=コルサコフが序幕と第1・2・4幕、第3幕の「ポロヴェツ人(韃靼人)の行進」の編曲されていなかったところを編曲し、グラズノフはボロディンに残された断片を使い、第3幕を構成し作曲し、ボロディンが何度かピアノで弾いた序曲を思い出し再構成と作曲をした。」と書かれています。



初演は1890年11月4日、サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場にて行われました。アメリカでの初演は1915年12月30日、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場にて行われました。日本での初演は1965年のスラブ歌劇ザグレブ国立劇場合唱団、管弦楽はNHK交響楽団によります。

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2020年01月01日


ヨハン・シュトラウス1世:ラデツキー行進曲 Op.228 [2020][AR] / Johann Strauss I.:Radetzky-Marsch Op.228

J.Strauss-1-01.jpg♪ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートでお馴染みの人気曲

『ラデツキー行進曲』作品228は、ヨハン・シュトラウス1世が作曲した行進曲です。
作曲者の最高傑作といわれ、クラシック音楽全体でみても有数の人気曲です。

1848年革命の最中に、当時はオーストリア帝国領であった北イタリアの独立運動を
鎮圧したヨーゼフ・ラデツキー将軍を称えて作曲されました。

当時イタリア半島では民族統一運動が盛んで、オーストリア帝国領であった北イタリアでは
「ドイツ民族からの独立」を目指して激しい闘争が繰り広げられていました。
1848年7月、ヨーゼフ・ラデツキー将軍の率いるオーストリア陸軍がこれの鎮圧に成功しました。

この勝利を記念するために、「イタリアで戦った勇敢なる将兵の賞賛と傷病兵への募金を兼ね、
寓意的、象徴的表現と格別な啓蒙を意図した大勝利感謝祭」が8月31日に開かれることになりました。

シュトラウスはこの祝典のために新曲を依頼され、作曲に取りかかりました。
かつての楽団員ですでに独立していたフィリップ・ファールバッハ1世の協力を得て、
ウィーンの民謡を2つ採り入れて、わずか2時間で完成したといわれています。



この行進曲はやがてオーストリア帝国の愛国の象徴として扱われるようになりました。
帝政が廃止された現在のオーストリア共和国でも国家を象徴する曲であり、
国家的な行事や式典でたびたび演奏されています。

また、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるニューイヤーコンサートでは、
1958年以降は2005年を除いて、毎年プログラムのアンコールの最後の曲として、
必ず演奏される曲として知られています。

現在演奏されているものは、長年にわたって手を加えられてきたものであり、
原典版とは大きく楽器法や音の強弱などが変化しています。
自筆譜は紛失したとみられていましたが、1978年4月に破棄されて断裁される寸前だった
楽譜の山の中から発見されました。

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2019年12月28日


リスト:愛の夢 第3番 変イ長調 「おお、愛しうる限り愛せ」(ピアノ&管弦楽版)[2019][AR]/ Franz Liszt:Liebestraume No.3 "O lieb, so lang du lieben kannst"

Liszt-01.jpg♪歌曲を自らピアノ曲に編曲したロマンティックな作品

「愛の夢」はリストの作品の中でも、特に美しい旋律が魅力の有名なピアノ曲。
元はドイツの詩人フェルディナント・フライリヒラートの詩集から、
「おお、愛しうる限り愛せ」にリストが曲をつけ、歌曲として発表していたもの。

これを後に自身がピアノ用に編曲し、同じように歌曲から編曲した2曲とあわせ、
「愛の夢 - 3つのノクターン」として出版されたものが、現在知られる作品です。
この3曲はいずれも、キリスト教的な人間愛をテーマにした詩が採られています。

一般に「愛の夢」といえば、男女の恋愛を描いたものというイメージがありますが、
ロマンティックな曲調に反して実際はそうではなく、
宗教心の厚かったリストの精神が反映された、格調高い作品になっています。




『おお、愛しうる限り愛せ』 詩:フェルディナント・フライリヒラート(大意)

愛しなさい、あなたが愛しうる限り
愛しなさい、あなたが望むだけ
時は来る、あなたが墓の前で悲しむ時が

だから心を尽くし、人を愛せよ
あなたに対して他者の心が
あたたかな愛で脈打つ限り

あなたに胸を開く人があれば
あなたはその人にできる限りのことをせよ
その人の時を喜びで満たし
一時も暗いものにすることがあってはならない

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