
『ラデツキー行進曲』作品228は、ヨハン・シュトラウス1世が作曲した行進曲です。
作曲者の最高傑作といわれ、クラシック音楽全体でみても有数の人気曲です。
1848年革命の最中に、当時はオーストリア帝国領であった北イタリアの独立運動を
鎮圧したヨーゼフ・ラデツキー将軍を称えて作曲されました。
当時イタリア半島では民族統一運動が盛んで、オーストリア帝国領であった北イタリアでは
「ドイツ民族からの独立」を目指して激しい闘争が繰り広げられていました。
1848年7月、ヨーゼフ・ラデツキー将軍の率いるオーストリア陸軍がこれの鎮圧に成功しました。
この勝利を記念するために、「イタリアで戦った勇敢なる将兵の賞賛と傷病兵への募金を兼ね、
寓意的、象徴的表現と格別な啓蒙を意図した大勝利感謝祭」が8月31日に開かれることになりました。
シュトラウスはこの祝典のために新曲を依頼され、作曲に取りかかりました。
かつての楽団員ですでに独立していたフィリップ・ファールバッハ1世の協力を得て、
ウィーンの民謡を2つ採り入れて、わずか2時間で完成したといわれています。
この行進曲はやがてオーストリア帝国の愛国の象徴として扱われるようになりました。
帝政が廃止された現在のオーストリア共和国でも国家を象徴する曲であり、
国家的な行事や式典でたびたび演奏されています。
また、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるニューイヤーコンサートでは、
1958年以降は2005年を除いて、毎年プログラムのアンコールの最後の曲として、
必ず演奏される曲として知られています。
現在演奏されているものは、長年にわたって手を加えられてきたものであり、
原典版とは大きく楽器法や音の強弱などが変化しています。
自筆譜は紛失したとみられていましたが、1978年4月に破棄されて断裁される寸前だった
楽譜の山の中から発見されました。
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