2020年06月24日


オンライン特別プログラム - ベートーヴェン「運命」バーチャルコンサート / Online Virtual Concert - L.V.Beethoven:Symphony No.5 in C minor, Op.67

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「ハイリゲンシュタットの遺書」と呼ばれる手紙があります。

これはベートーヴェンが悪化する難聴への絶望と、それでも果たさなければならない芸術家としての
使命感との間で揺れ動く心情を綴ったもので、甥であるカールと弟のヨハンに宛てられています。

『…6年このかた治る見込みのない疾患が私を苦しめているのだ。
物の判断も出来ない医者達のために容態はかえって悪化し、症状は回復するだろう
という気休めに欺かれながら1年1年と送るうちに、今ではこの状態が永続的な
治る見込みのないものだという見通しを抱かざるを得なくなったのだ。

人との社交の愉しみを受け入れる感受性を持ち、物事に熱しやすく、感激しやすい
性質をもって生まれついているにもかかわらず、私は若いうちから人々を避け、
自分ひとりで孤独のうちに生活を送らざるをえなくなったのだ。

耳が聞こえない悲しみを2倍にも味わわされながら、自分が入っていきたい世界から
押し戻されることがどんなに辛いものであったろうか。

…そのような経験を繰り返すうちに私は殆ど将来に対する希望を失ってしまい
自ら命を絶とうとするばかりのこともあった。』

http://www.kurumeshiminorchestra.jp/beethoven_heiligenstaedt.html

新進気鋭の音楽家としてウィーンの社交界に登場したベートーヴェンは、
自在な変奏による得意のピアノ即興演奏で名をはせた存在でした。

後年のイメージとは違い、ベートーヴェンは社交好きで人とのつながりも多く、
人々にもてはやされる日々は彼の心を高揚させました。

しかし、30代になるにつれ、彼の耳は次第に具合が悪くなり、
やがてはまともに人の声も聞きとれず、会話も困難になっていきました。

音楽家として耳が聞こえなくなるという事態はあってはならないもので、
ベートーヴェンはこの事実を悟られまいと社交界から遠のいていきました。
元来、人付き合いを好む彼には、難聴と同じくらいに苦痛なことでした。

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(ベートーヴェンが散策した19世紀のハイリゲンシュタット)

人々の前から姿を消したベートーヴェンは、療養でウィーン郊外のハイリゲンシュタットに居を構え、
自然豊かなこの地で演奏よりも作曲に専念するようになっていきました。
日の出と共に作曲を開始すると昼過ぎには切り上げ、午後は数時間をかけて周辺を散策しました。
おそらく歩きながら楽想を練り、翌日には朝から譜面に書き留めていたものと思われます。



『そのような死から私を引き止めたのはただ芸術である。私は自分が果たすべきだと
感じている総てのことを成し遂げないうちにこの世を去ってゆくことはできないのだ。』

芸術家としての使命感から自ら命を絶つことを思いとどまったベートーヴェンは、
このような暮らしの中で後年に残る数々の名曲を生み出していきました。

そうした作品のひとつが交響曲第5番「運命」です。
過酷な運命に立ち向かい、人としての務めを果たすべく克服していく様を描いたこの曲は、
作曲から200年以上を経た今も、逆境に苦しむすべての人を励まし鼓舞し続けています。

遺書から6年が過ぎた1808年、「運命」は「田園」と共に作曲家自身の指揮で初演されました。
「運命」の作曲に着手したのは、遺書を書いた1801年から1802年の頃とみられています。


ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 Op.67 「運命」 第1楽章 [2020][IR]
Ludwig Van Beethoven:Symphony No.5 in C minor, Op.67
I. Allegro con brio [10:29]



Beethoven-Symphony-No5-1st-2020-IR.mp3



ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 Op.67 「運命」 第2楽章 [2020][IR]
Ludwig Van Beethoven:Symphony No.5 in C minor, Op.67
II. Andante con moto [12:34]



Beethoven-Symphony-No5-2nd-2020-IR.mp3



ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 Op.67 「運命」 第3楽章 - 第4楽章 [2020][IR]
Ludwig Van Beethoven:Symphony No.5 in C minor, Op.67
III. Allegro - IV. Allegro-Presto [20:01]



Beethoven-Symphony-No5-3rd-4th-2020-IR.mp3

*ベルリンフィルハーモニー大ホールの音響を使用しています。
*[IR]とはインパルス&レスポンシブの略です。


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2020年06月17日


オンライン特別プログラム - ブルックナー 交響曲第8番 バーチャルコンサート / Online Virtual Concert - Anton Bruckner:Symphony No.8 in C minor

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この4月からバーチャルコンサート・シリーズで公開してきた楽曲のほとんどには、
あるひとつの共通項があり、それが一貫したシリーズのテーマにもなっています。

それは楽曲の構成はいずれも、ベートーヴェンの交響曲「運命」がモデルになっていて、
短調の第1楽章に始まり、同主調で長調の終楽章に終結することです。
全編を通じて暗闇から光、苦難から勝利、絶望から希望へと至る変遷が描かれています。

例えばベートーヴェン自身の「第九」はニ短調からニ長調、
ブラームスの交響曲第1番はハ短調からハ長調、
ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」はホ短調からホ長調、
チャイコフスキーの交響曲第5番もまたホ短調からホ長調、
そしてラフマニノフのピアノ協奏曲第2番はハ短調からハ長調という具合です。

今回のブルックナーの交響曲第8番も、そうした「運命」モデルを踏襲した作品で、
「運命」と同じくハ短調からハ長調という展開を通じて、闇に対する光の完全勝利を描いています。
また、第8の第1楽章では「第九」第1楽章のタターンという動機が用いられ、
「第九」と同じく第2楽章に短調のスケルツォ、第3楽章に緩徐楽章が置かれています。



しかし、ベートーヴェンの場合は人間が主役として中心にあるのに対して、
ブルックナーではむしろ大宇宙や大自然が前面に出て、
その偉大さを前にして佇む人間存在の孤独さ、小ささが描かれています。

ですから第8でも苦難に立ち向かう英雄像が見えるものの、闘争の末に勝利するというより、
一旦はすべてを受け入れ、その上でそれらを超えていくというような懐の深さも感じます。

第4楽章のコーダでは、それまでの楽章の主題が長調で混然一体となって絡み合い、
否定しようもない完全な光の勝利が爆発するなか、圧倒的な威力で全曲を終結します。

第1楽章の最後では短調で物寂しく響いた「ミレド」のフレーズ(正確には半音下降を含む)は、
終楽章の最後ではオーケストラの全体合奏で華々しく「ミレド」と長調で演奏されています。


ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 第1楽章 [2020][IR]
Anton Bruckner:Symphony No.8 in C minor
I. Allegro moderato [17:38]



Bruckner-Symphony-No8-1st-2020-IR.mp3



ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 第2楽章 [2020][IR]
Anton Bruckner:Symphony No.8 in C minor
II. Scherzo. Allegro moderato - Trio. Langsam [16:34]



Bruckner-Symphony-No8-2nd-2020-IR.mp3



ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 第3楽章 [2020][IR]
Anton Bruckner:Symphony No.8 in C minor
III. Adagio. Feierlich langsam [26:55]



Bruckner-Symphony-No8-3rd-2020-IR.mp3



ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 第4楽章 [2020][IR]
Anton Bruckner:Symphony No.8 in C minor
IV. Finale. Feierlieh, nicht schnell [26:17]



Bruckner-Symphony-No8-4th-2020-IR.mp3


*第2楽章は初出、第4楽章は12年ぶりの新演奏・新録音です。
*全楽章にベルリンフィルハーモニー大ホールの音響を使用しています。


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2020年06月11日


エルガー:《エニグマ変奏曲》 Op.36 - 第9変奏 「二ムロッド」 [2020][IR] / Elgar: Variations On An Original Theme, Op.36 "Enigma" - 9. Nimrod (Adagio)

Elgar-03.jpg♪友人とベートーヴェンを語り明かした夜の思い出

ある日のこと、エルガーがピアノに向かい、とりとめもなく旋律を奏でていると、
ひとつの旋律が夫人の注意を引き、「もう一度聴かせてほしい」と頼まれました。
その旋律こそが『エニグマ変奏曲』全体の基となる主題になりました。

エルガーはこの主題から次々と、即興的に変奏を弾き始め、
それぞれの変奏を友人たちの音楽的な肖像としてまとめました。
たとえば、第1変奏は夫人のキャロライン・アリス・エルガーを表し、
譜面には「第1変奏 L'istesso tempo "C.A.E."」と頭文字を記すといった具合です。

ただ、はっきりとは人物名を記さず、楽曲全体を通した隠し主題があるという理由から、
『独創主題による変奏曲(Variations on an Original Theme for orchestra)』という
正式名称よりも『エニグマ(謎の)変奏曲』という通称が一般化しています。

14の変奏からなるこの変奏曲の中でも、もっとも高い人気を誇り、
単独の演奏会用ピースとしても取り上げられるのが、第9変奏「二ムロッド」です。
二ムロッドとは出版社勤務の友人イェーガーにエルガーがつけた愛称で、
彼の高貴な人柄がその音楽を通して描き出されています。




エルガーとニムロッドはある夜に、ベートーヴェンの緩徐楽章について語り合いました。
その時の記憶が第9変奏「二ムロッド」に反映されています。
それだけにこの音楽には崇高な気高さがあります。
背後にうしろで手を組みたたずむベートーヴェンの姿が透けて見えるかのようです。

尚、今回からベルリンフィルハーモニー大ホールの音響をリバーブに使用しています。
過去にはウィーン・コンツェルトハウスの音響をメインに使用していましたが、
今後は近代的なオーケストラサウンドが堪能できるベルリンフィル大ホールの音響で録音していきます。

参考として、新しい音響で録音した演奏(ハイライト)をお聴きください(mp3)

♪ブルックナー:交響曲第8番 第1楽章より
♪ブラームス:交響曲第4番 第1楽章より
♪ベートーヴェン:交響曲第7番 第2楽章より
♪ワーグナー:楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》第1幕への前奏曲より
♪チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」第1楽章より
♪ラフマニノフ:パガニーニの主題による変奏曲 第18変奏より
♪ムソルグスキー(ラヴェル編):展覧会の絵「キエフの大門」より


エルガー:《エニグマ変奏曲》 Op.36 - 第9変奏 「二ムロッド」 [2020][IR]
Elgar: Variations On An Original Theme, Op.36 "Enigma"
9. Nimrod (Adagio) [7:59]



Elgar-Enigma-Variations-9-Nimrod-2020.mp3



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2020年06月05日


オンライン特別プログラム - ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 バーチャルコンサート / Online Virtual Concert - Sergey Rachmaninov:Piano Concerto No.2 in C minor, Op.18

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ラフマニノフは身長2mに達しようかという大男でした。
彼がピアノの前に座ると、ピアノがまるでおもちゃのように見えたといいます。
この長身と長い指を活かした演奏はダイナミックでピアニストとしても注目の存在でした。

小さい頃から神童と持て囃され、学生時代から発表した自作曲も次々と高評価を受け、
ラフマニノフはピアニスト・作曲家として前途洋々とした道を歩んでいました。

ところが1897年、24歳の秋、順風満帆の彼の音楽家人生に大きな壁が立ちはだかります。
ペテルブルクで初演された交響曲第1番が悪評を受け、彼は一気に自信を消失しました。

生まれつき繊細で神経症気味だったラフマニノフは、ショックでひどいうつ状態に陥り、
創作意欲も失せ、音楽家人生も終わったと危ぶまれるほどになりました。
各種の治療を試みたものの事態は一向に改善されず、絶望的な状況は続きました。

こうした様子を見て心配した彼の友人が紹介したのが、精神科医ニコライ・ダール博士です。
ラフマニノフは1900年1月から4月まで連日のように博士のもとへ通い治療を受けました。
これが功を奏しラフマニノフの症状は徐々に好転していきました。

ダール博士が施したのは一種の暗示療法でした。
博士は「あなたは今に世界に知られる傑作を書くことになる」とラフマニノフに言い続けました。

失われていた創作意欲を取り戻し始めたラフマニノフは、ついには新作の着手を決意しました。
こうして作曲を再び開始した復帰第一作が「ピアノ協奏曲第2番ハ短調」です。

ラフマニノフは手始めにまず第2楽章から取り掛かり、次いで第3楽章を仕上げました。
そして最後に時間をかけて第1楽章を完成させました。



1901年10月27日、27歳の時、モスクワで彼自身のピアノとモスクワ・フィルハーモニーの演奏により、
「ピアノ協奏曲第2番ハ短調」は初演され、すぐさま大絶賛を浴びました。
その後、1905年にはこの曲にグリンカ賞が贈られ、ラフマニノフの名は不動のものとなりました。

英国映画「逢いびき」で使用され、米ロック歌手エリック・カルメンの「All By Myself」に
引用されたことでも知られる第2楽章は、ラフマニノフが復帰で最初に着手した楽章ということもあり、
強度のうつ状態にあった彼の精神状態が少なからず反映されているといわれています。

冒頭の弦楽による和音の進行は、彼が尊敬した先輩チャイコフスキーの交響曲第5番第2楽章を思わせ、
その後も同じように祈りにも似た、切実で精妙な調べが続いていきます。
特に終結へと向かう10:36からの展開は美しく、すべての悲しみが洗い流されるかのようです。


ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18 第1楽章 [2020][VR]
Sergey Rachmaninov:Piano Concerto No.2 in C minor, Op.18
I. Allegro moderato [11:09]



Rachmaninov-PianoConcerto-No2-1st-2020-VR.mp3



ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18 第2楽章 [2020][VR]
Sergey Rachmaninov:Piano Concerto No.2 in C minor, Op.18
II. Largo [12:01]



Rachmaninov-PianoConcerto-No2-2nd-2020-VR.mp3



ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18 第3楽章 [2020][VR]
Sergey Rachmaninov:Piano Concerto No.2 in C minor, Op.18
III. Allegro vivace [12:33]



Rachmaninov-PianoConcerto-No2-3rd-2020-VR.mp3


*第2,3楽章は約13年ぶりの新演奏・新録音です。
*音源にはアルゴリズムリバーブとVR(3D・立体音響)処理を施しています。


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2020年05月31日


オンライン特別プログラム - チャイコフスキー 交響曲第5番 バーチャルコンサート / Online Virtual Concert - P.I.Tchaikovsky:Symphony No.5 in E minor, Op.64

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交響曲第5番を書いた頃のチャイコフスキーは、ひどく疲れていました。
まるで創作意欲がなく、楽想も気分も何も湧きませんでした。

作曲に先立ち彼は支援者のメック夫人に、次のように書き送っています。

「それほど年を取ったとは思いませんが、年を感じ始めました。
私は近頃、疲れます。夜、ピアノを弾くことも本を読むことも苦労になりました」

こうした状況を打破するためか、第4番から10年ぶりに取り掛かったのが第5番です。
ベートーヴェンの第5番「運命」と同じく、苦難との闘いとそれに対する勝利が描かれています。

しかし、主人公には「運命」のようなたくましさはなく、ナイーブで傷つきやすい姿があります。
その分、生身の人間には共感できる部分が多く、また甘美な旋律は彼ならではのものです。

第1楽章の冒頭では、クラリネットが全楽章を貫く陰鬱な主題を奏でます。
困難に見舞われても、それに立ち向かう気力もなく、仕方なくとぼとぼと歩き始めます。
その嘆きは次第に大きくなり、苦しさを叫ぶ絶叫は頂点に達します。

第2楽章は短調のほの暗い弦楽合奏に始まり、やがて夢幻的な旋律をホルンが奏でます。
続く主題もこの上なく美しく、ふたつの主題は旋律作家チャイコフスキーの真骨頂です。

最近、この楽章は「祈り」を表現していると感じています。
苦しい状況にあっても、どうか心には安らぎがあるようにという願いです。
しかし、美しい旋律のあとにも、過酷な運命の主題が再び襲い掛かってきます。

第3楽章は一時、すべてを忘れて憩いの時を持つワルツです。
主人公は楽しかった過去の思い出に浸っているかのようです。
しかしここでも、最後に運命の主題が静かな影を落とします。



そして第4楽章の冒頭では、第1楽章の運命の主題が長調に転じて演奏されます。
しばらくは各楽器により明るい気分が表現されますが、その後にまたも闘いが開始されます。
音楽は様々な変遷を経たのち、最後にオーケストラ全体での勝利の行進になります。

短調だった第1楽章の第2主題もコーダで長調になり、金管が高らかに謳いあげます。
そして最後に念を押すように、全体が「タタタタン」とリズムを踏みしめて締めくくられます。
「タタタタン」はベートーヴェン「運命」の主要な動機でもあります。


チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 Op.64 第1楽章 [2020][VR]
Peter Ilyich Tchaikovsky:Symphony No.5 in E minor, Op.64
I. Andante - Allegro con anima [16:51]



Tchaikovsky-Symphony-No5-1st-2020-VR2.mp3



チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 Op.64 第2楽章 [2020][VR]
Peter Ilyich Tchaikovsky:Symphony No.5 in E minor, Op.64
II. Andante cantabile, con alcuna licenza [15:11]



Tchaikovsky-Symphony-No5-2nd-2020-VR2.mp3



チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 Op.64 第3楽章 [2020][VR]
Peter Ilyich Tchaikovsky:Symphony No.5 in E minor, Op.64
III. Valse (Allegro moderato) [6:48]



Tchaikovsky-Symphony-No5-3rd-2020-VR2.mp3



チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 Op.64 第4楽章 [2020][VR]
Peter Ilyich Tchaikovsky:Symphony No.5 in E minor, Op.64
IV. Finale (Andante maestoso - Allegro vivace) [13:36]



Tchaikovsky-Symphony-No5-4th-2020-VR2.mp3


*第1,3,4楽章は14年ぶりの新演奏・新録音です。
*「田園」「未完成」に引き続き音源にVR処理(3D・立体音響)を施しています。


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2020年05月23日


オンライン特別プログラム - シューベルト 交響曲第8番「未完成」 バーチャルコンサート / Online Virtual Concert - Franz Peter Schubert:Symphony No.8 in B minor, D.759 "Unfinished"

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シューベルトとベートーヴェンは同時代のウィーンに生きた作曲家です。
生年はベートーヴェンが27年先ですが、亡くなったのはわずか2年も違いません。

そんなシューベルトは友人の引き合わせで、最晩年のベートーヴェンに会ったことがあります。
病床でシューベルトの楽譜に目を通したベートーヴェンはページをめくり声をあげました。

「シューベルトのうちには神のひらめきがある」

また、友人とシューベルトを前にして、ベートーヴェンはこう賞賛しました。

「シューベルトは私の魂をもっている。今に世界にその名を知られる人だ」

ベートーヴェンが亡くなったのはそれから間もない1827年3月26日のことでした。

シューベルトの「未完成」は長らくベートーヴェンの「運命」と人気を二分する、
レコードや演奏会でも定番の交響曲の組み合わせでした。
「運命」「未完成」「新世界より」を3大交響曲とする演奏会もあります。

それだけに「未完成」がもつ音楽の佇まいは立派で、まさに名曲の趣きがあります。
本来、4楽章であるべき交響曲が2楽章で終わっているため「未完成」と呼ばれるものの、
内容は2楽章でも充分に完結しており、この後に何を付けても役不足になりそうです。
ブラームスはこれについて「天才の直感で途中で筆を置いたのだろう」と言っています。

しかし、「未完成」が世に出たのはシューベルトの死後37年が過ぎてからでした。
彼をベートーヴェンに引き合わせた友人のヒュッテンブレンナーが所蔵していたのです。

シューベルトは絶えず貧困に苦しんだ人で、亡くなった時はほとんど餓死状態でした。
楽譜一枚を買うことさえできず、ピアノもないため、友人たちのピアノを借り歩いたほどです。

「私の音楽は私の才能と貧乏の産物ですが、自分が一番苦しいときに作った音楽を、
世間の人は好むらしい」とシューベルトは言っています。

1828年11月19日、「このようなところにはいられない。ここにはベートーヴェンはいないんだ」
とうわごとのようにつぶやくと、シューベルトは31年の短い生涯を終えました。
彼の父や兄たちはお金を出し合い、彼の墓を敬愛するベートーヴェンのそばに置きました。



ところで、日本における新型コロナウイルスの新規感染者数は減少傾向を見せ、
25日にも首都圏の緊急事態宣言が解除されようかという方向に向かっています。

世間では自粛ムードも薄まり、徐々に人出も多くなりつつあるようです。
これは多くの日本人の超常的な意志と努力の賜物だと思います。

しかし、一方で実際の医療現場では、現在も医療スタッフの闘いが続いているようです。
医療従事者たちは自らの生活を犠牲にし、生命をかけて任務にあたっています。
また今も、患者とその家族が苦しみの最中にあります。

こうした現状を見ると、まだまだ気を引き締めなければならないと感じました。
医療現場がかつての落ち着きを取り戻したときに、初めて収束と言えるのかもしれません。


焦点:「解除の日」遠い医療現場、聖マリアンナ病院の葛藤
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200522-00000102-reut-asia


シューベルト:交響曲 第8番 ロ短調 D759 「未完成」 第1楽章 [2020][VR]
Franz Peter Schubert:Symphony No.8 in B minor, D.759 "Unfinished"
I. Allegro moderato [12:25]



Schubert-Symphony-No8-Unfinished-1st-2020-VR.mp3



シューベルト:交響曲 第8番 ロ短調 D759 「未完成」 第2楽章 [2020][VR]
Franz Peter Schubert:Symphony No.8 in B minor, D.759 "Unfinished"
II. Andante con moto [11:43]



Schubert-Symphony-No8-Unfinished-2nd-2020-VR.mp3



*第2楽章は14年ぶりの新演奏・新録音です。
*「田園」に引き続き音源にVR処理(3D・立体音響)を施しています。


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2020年05月17日


オンライン特別プログラム - ベートーヴェン「田園」バーチャルコンサート / Online Virtual Concert - L.V.Beethoven:Symphony No.6 in F major, Op.68 "Pastorale"

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交響曲第6番「田園」は、ベートーヴェンの9つの交響曲の中でも異質な存在です。

「英雄」「運命」「第九」などの有名曲は、いずれも男性的な強さ、困難に立ち向かう意志を描いていますが、「田園」にはそうした闘争の姿はなく、自然への感謝と穏やかな心境のみが表されています。

ベートーヴェンは「田園」について、「自然の描写というより人間感情の表現」と説明しています。
ベートーヴェンは自然が見せる様々な表情を通して、人生そのものを描いているのです。

第6番「田園」は、全くタイプの違う第5番「運命」と同時進行で作曲されました。
そしてどちらも1808年、38歳の年に書き上げられ、その年の12月にウィーンで同時に初演されました。
コンサートでは、第1部で「田園」、第2部で「運命」がベートーヴェン自身の指揮で演奏されています。

ベートーヴェンは激しい闘争の「運命」と、静かでやすらかな「田園」の二面性をもって、
様々なできごとが起こる人間の人生を総括的に描こうとしたのかもしれません。
そして人間には、強さとやさしさの両面が必要だと伝えているような気がします。



「運命」と「田園」を作曲した頃のベートーヴェンは、耳疾の療養のために、しばしばウィーン郊外の
ハイリゲンシュタットに居を構え、そこで作曲の作業を進めました。
朝は日の出とともに作曲を始め、午後2時頃まで仕事を続けると、その後はウィーン近郊を
日が暮れるまで、時には夜中までをかけて延々と散歩で歩き回っていたといいます。

毎日のように、自然の中を散策したベートーヴェンはそこからインスピレーションを受け、
おそらくは歩きながら作曲の構想を頭の中でまとめていたのかもしれません。

ベートーヴェンは親しいドロスティック男爵夫人に、「誰か、私より田園生活の好きな人がいるでしょうか?色々な木々や茂みは、私の心の疑問に答えてくれるようです」と書き送っています。

第2楽章「小川のほとりの情景」には次のような説明がついています。

「さらさらと流れる小川のせせらぎにも似た弦楽器の音。そして、それを伴奏にしてきれいな懐かしい旋律は、時には初夏の野辺を照らす太陽のように、また楽し気に飛び交う小鳥の群れようにも聴こえるでしょう。やがてフルートがナイチンゲールの声を吹き、オーボエがうずらの鳴き声をまね、クラリネットはカッコウの歌をうたいます」

「田園」を作曲した頃のベートーヴェンは、ほとんど聴覚を失くしていました。
ですから第2楽章の最後に奏でられるナイチンゲールの声も、うずらの鳴き声も、
カッコウの歌も実際には聴こえていませんでした、ベートーヴェンはそれらを心の耳で聴き、
想像をめぐらせ、音符にして譜面に書き留めていたのです。


ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調 Op.68 「田園」 第1楽章 [2020][AR/VR]
Ludwig Van Beethoven:Symphony No.6 in F major, Op.68
I. Allegro ma non troppo(田園に着いた時のさわやかな気分) [13:41]



Beethoven-Symphony-No6-1st-2020-AR-VR.mp3



ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調 Op.68 「田園」 第2楽章 [2020][AR/VR]
Ludwig Van Beethoven:Symphony No.6 in F major, Op.68
II. Andante molto mosso(小川のほとりの情景) [14:10]



Beethoven-Symphony-No6-2nd-2020-AR-VR.mp3



ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調 Op.68 「田園」 第3楽章, 第4楽章, 第5楽章 [2020][AR/VR]
Ludwig Van Beethoven:Symphony No.6 in F major, Op.68
III. Allegro(農民たちの楽しい集い) - IV. Allegro(雷雨・嵐)
- V. Allegretto(羊飼いの歌・嵐のあとの感謝と喜び)[19:05]



Beethoven-Symphony-No6-3rd-4th-5th-2020-AR-VR.mp3


*今回から音源にVR処理を追加し、より音響の立体感と距離感が増しています。
実際のコンサートホールの客席に近い感覚になっていると思います。


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2020年05月07日


E.モリコーネ:映画「ミッション」から “ガブリエルのオーボエ” / Ennio Morricone:Gabriel's Oboe from "The Mission"

Morricone.jpg♪イタリアの祈りのヴァイオリンが感動を呼ぶ

映画「ニューシネマ・パラダイス」で知られるイタリア映画音楽の巨匠、
エンニオ・モリコーネを代表する曲として近年、特に人気の高い作品です。

モリコーネが作曲を担当した1986年のイギリス映画「ミッション」は、
1750年代の南米・パラナ川上流域(現在のパラグアイ付近)を舞台に、
先住民族へのキリスト教布教に従事するイエズス会宣教師たちの姿を描いています。
布教活動は困難を極め、先住民に襲われ命を落とす者もいたほど。

宣教師ガブリエルはそんな状況下、ひとり森林に分け入り、
神への賛美の曲を自らのオーボエで奏でます。
それに惹かれ、警戒しながらも少しずつガブリエルに近づく先住民たち…。




やがて音楽の音色は両者を結びつけ、ジャングルに「賛美の教会」が建てられます。
この音楽が「ガブリエルのオーボエ」として知られる曲です。
劇中では無伴奏の演奏で、途中で途切れてしまいますが、
他にモリコーネ自身のオーケストラ版を始め、様々な編曲版があります。

サラ・ブライトマンが歌う「ネッラ・ファンタジア」は、この曲に歌詞をつけたものです。
歌にすることを断り続けるモリコーネに対し、何度にも渡る手紙での交渉の末、
やっとのことで許可に至ったとサラ・ブライトマンは語っています。
その後イル・ディーヴォやポール・ポッツ等、多くの歌手がこの歌をカバーしています。

最近ではイタリア在住の日本人ヴァイオリニスト横山令奈さんの演奏が話題になっています。
横山令奈さんは新型コロナウイルスの医療に従事する現場の医師たちに向け、
近隣の建物の屋上からこの曲を無伴奏で演奏して届け、感動を呼んでいます。

*今回はオーボエをヴァイオリンに変え、ニ長調に移調して新たに録音しました。


E.モリコーネ:映画「ミッション」から “ガブリエルのオーボエ”
Ennio Morricone:Gabriel's Oboe from "The Mission" [2:24]




*作曲家の著作権が継続中のため音源はストリーミング再生のみです



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2020年05月05日


オンライン特別プログラム - ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 バーチャルコンサート / Online Virtual Concert - Antonin Dvorak:Symphony No.9 in E minor, Op.95 "From the New World"

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今回も引き続き特別プログラムでお届けします。

交響曲第9番「新世界より」はドヴォルザークが作曲した最後の交響曲。
「新世界」とはこの曲が作曲されたアメリカのことで、故郷ボヘミアへの想いが込められています。

1892年、ニューヨークに新設されたナショナル音楽院の院長に招かれたドヴォルザークは、
故郷をしばらく離れることになるこの任務を快く引き受けました。
彼は大の鉄道ファンだったため、アメリカに行けば好きなだけ鉄道を見れると思ったのです。

妻子を連れて初めてアメリカに渡ったドヴォルザークは、当初はそこでの日々に満足していましたが、
やがてすぐに故郷ボヘミアが恋しくなり、極度のホームシックにかかってしまいました。
素朴な人情家の彼にとって、機械文明のアメリカはあまり馴染める場所ではなかったようです。

そこでドヴォルザークはアメリカでありながらボヘミア人が多く住み、
ボヘミアをそのまま移したようなアイオア州のスピルヴィルという地区に暮らすようになりました。
「新世界より」を始め、弦楽四重奏曲「アメリカ」やチェロ協奏曲などの名曲は、
スピルヴィルで過ごした2年間のうちに書き上げられました。

これらの曲には5音階(ペンタトニック)の旋法が多用されており、
ドヴォルザークがアメリカの黒人霊歌や原住民の民謡に影響されたのを物語っています。



「新世界より」を象徴するのは何と言っても第2楽章のラルゴです。
のちに弟子のフィッシャーが合唱曲「Going Home」に編曲して大人気になりました。
日本でも「遠き山に日は落ちて―」の歌詞で知られる「家路」として有名です。
イングリッシュホルンで奏でられるどこか寂しい旋律を通じてドヴォルザークは、
遠く離れた懐かしい故郷ボヘミアへの想いを切々と表現しています。

「新世界より」はまた、交響曲としてはかなり速い作業で作曲が進められました。
アメリカに来た翌年の1893年1月10日にスケッチが着手され、5月24日には完成しています。
そして、その年の12月16日にアントン・ザイドルが指揮する
ニューヨーク・フィルハーモニック協会の演奏会で初演されました。


ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 Op.95 「新世界より」 第1楽章 [2020][VR]
Antonin Dvorak:Symphony No.9 in E minor, Op.95 "From the New World"
I: Adagio - Allegro molto [12:54]



Dvorak-Symphony-No9-From-the-New-World-1st-2020-VR.mp3



ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 Op.95 「新世界より」 第2楽章 [2020][VR]
Antonin Dvorak:Symphony No.9 in E minor, Op.95 "From the New World"
II: Largo [14:05]



Dvorak-Symphony-No9-From-the-New-World-2nd-2020-VR.mp3



ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 Op.95 「新世界より」 第3楽章 [2020][VR]
Antonin Dvorak:Symphony No.9 in E minor, Op.95 "From the New World"
III: Scherzo (Molto vivace) [8:17]



Dvorak-Symphony-No9-From-the-New-World-3rd-2020-VR.mp3



ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 Op.95 「新世界より」 第4楽章 [2020][VR]
Antonin Dvorak:Symphony No.9 in E minor, Op.95 "From the New World"
IV: Allegro con fuoco [12:05]



Dvorak-Symphony-No9-From-the-New-World-4th-2020-VR.mp3


*第3楽章は13年ぶりの新演奏・新録音です。
*第2楽章および両端楽章も演奏と音響を改めた新録音です。
*全楽章を3D・立体音響の音源に差し替えました。6/5


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2020年04月30日


オンライン特別プログラム - ブラームス 交響曲第1番 バーチャルコンサート / Online Virtual Concert - Johannes Brahms:Symphony No.1 in C minor, Op.68

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今回も通常とは違うスタイルでお届けします。

交響曲第1番はブラームスが22歳で作曲に着手してから、21年もの歳月をかけて完成した力作です。
全部で4曲あるブラームスの交響曲の中でもひと際力強く、たくましさがあり、
困難に怯まずに立ち向かっていこうという前向きなエナジーに満ちています。
4曲を並べて聴くと、明らかに1番だけが異質の精神性を持っていることがわかります。

ブラームスは先人ベートーヴェンの巨大な交響曲群を意識するあまり、
それを超えなければならないと推敲に推敲を重ねました。
前の3つの楽章は約10年でスケッチを終えたものの、
第4楽章の完成には更に10年もの月日を費やさなければなりませんでした。
それだけにこの曲は、交響曲史上でも特筆すべき壮大さと感動的で充実した内容を持っています。

指揮者のハンス・フォン・ビューローはそれを「ベートーヴェンの第10交響曲」と表現しました。
その言葉の通り、第1番には普段のブラームスには見られないような気迫が感じられ、
音楽的には後期ロマン派の香りが漂うものの、根底に流れる強い意志力はベートーヴェンそのものです。

第1楽章はあたかも運命の鉄槌が振り下ろされるかのようなティンパニーの序奏に始まり、
その後はオーボエとチェロが沈みきった心を表現すると、意を決して困難との闘いが始まります。
この闘いは外部の敵が相手というより、くじけそうな自身の弱さとの闘いとも思えます。

第2楽章は穏やかなやすらぎの音楽で、過酷な戦闘の合間のひと時の休息です。
第3楽章も激しさはない箸休め的な小品で、最後には希望を象徴する第4楽章の主題も見え隠れします。



そしてこの交響曲では最も長い演奏時間を要する第4楽章が始まります。
長い闘いの果てに訪れた、希望の兆しを表すかのようなアルペンホルンの主題(3:22)は感動的で、
あたかも遠い水平線か雲海の彼方から、ゆっくりと昇り始める朝の太陽のようです。

また、ベートーヴェン第九の「歓喜の歌」に似た主題も胸に沁みるものがあります。
交響曲第1番はベートーヴェン「運命」と同じくハ短調で始まりハ長調で終結する、
「苦悩を突き抜けて歓喜へ至れ」というベートーヴェンのモットーをも感じさせています。
ブラームスが最初の交響曲でいかにベートーヴェンを強く意識していたかがわかります。

終楽章の最後は交響曲史上最大と言われるスケールの大きなコーダを迎え、
闘いの完全勝利を告げるファンファーレが鳴り渡ると、畳み掛けるように凱歌が続きます。
そして念を押すようにハ長調に転じた和声が踏みしめられ、全曲が輝かしく締めくくられます。


ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68 第1楽章 [2020][VR]
Johannes Brahms:Symphony No.1 in C minor, Op.68
I. Un poco sostenute - Allegro [15:06]



Brahms-Symphony-No1-1st-2020-VR.mp3



ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68 第2楽章 [2020][VR]
Johannes Brahms:Symphony No.1 in C minor, Op.68
II. Andante sostenuto [9:27]



Brahms-Symphony-No1-2nd-2020-VR.mp3



ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68 第3楽章 [2020][VR]
Johannes Brahms:Symphony No.1 in C minor, Op.68
III. Unpoco allegretto e grazioso [5:18]



Brahms-Symphony-No1-3rd-2020-VR.mp3



ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68 第4楽章 [2020][VR]
Johannes Brahms:Symphony No.1 in C minor, Op.68
IV. Adagio - Allegro non troppo ma con brio [19:10]



Brahms-Symphony-No1-4th-2020-VR.mp3


*第2楽章、第3楽章は14年ぶりの新演奏・新録音です。
*両端楽章も演奏と音響を改めた新録音です。
*全楽章の音源を3D・立体音響に差し替えました。6/5


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posted by クラシック名曲サウンドライブラリー at 03:01 | 交響曲 (Symphony) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする