2023年01月22日


ビゼー: 《アルルの女》第2組曲 第3曲:メヌエット [2023] / Georges Bizet: L'Arlesienne: Orchestral suite no.2:III. Menuet

Bizet-03s.jpg♪友人エルネスト・ギローが他の歌劇から旋律を引用

『アルルの女』(L'Arlesienne)は、ジョルジュ・ビゼーによる全27曲の付随音楽。
アルフォンス・ドーデの同名の短編小説『アルルの女(フランス語版)』および、
それに基づく戯曲の上演のために1872年に作曲されました。

作曲期間が短く、契約の関係で極めて小編成のオーケストラしか使えなかったため、
作曲には大変苦労したという話が伝わっています。

初演の評価は芳しくなく、6年後に再演された時は大好評のうちに迎えられましたが、
その時すでにビゼーはこの世の人ではありませんでした。

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2023年01月18日


ショパン:ポロネーズ 第6番 変イ長調 Op.53 「英雄」 [2023] / Frederic Francois Chopin:Poronase No.6 A-flat Major, OP.53 "Heroic"

Chopin-08s.jpg♪美しくも華麗なる情熱のポロネーズ

「英雄ポロネーズ」の通称でショパンの作品中でも高い人気を誇るこの曲は、
彼がマジョルカ島から帰った1840年にアウグスト・レオの依頼により作曲されました。

“ポロネーズ”は愛国心や民族精神が込められたポーランドに古くから伝わる民族舞踊で、
婚礼や祭りなどのたびに人々は、このリズムに合わせて歌ったり踊ったりしていました。

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2022年12月30日


ボロディン:歌劇 《イーゴリ公》より 「ダッタン人の踊り」 [2022] / Alexander Porfir'yevich Borodin: Prince Igor : Polovtsian Dances

Borodin-01.jpg♪懐かしく琴線に触れる名旋律

『イーゴリ公』は、ボロディンによって書かれた序幕付きの4幕からなるオペラです。
中世ロシアの叙事詩『イーゴリ遠征物語』を題材に、1185年、
キエフ大公国の公(クニャージ)イーゴリ・スヴャトスラヴィチによる、
遊牧民族ポロヴェツ人に対する遠征を描いています。

ボロディンはこの作品を完成させないまま1887年に死去したため、
リムスキー=コルサコフとグラズノフの手により完成されました。

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2022年12月17日


チャイコフスキー:バレエ音楽《くるみ割り人形》から 第2幕 第14曲 パ・ド・ドゥ [2022] / P.I.Tchaikovsky:The Nutcracker Act2 14. Pas de Deux -Adage

Tchaikovsky-03s.jpg♪クリスマスにふさわしい包容力ある旋律

「花のワルツ」「こんぺい糖の踊り」など、誰もが知る名旋律が並び、
音楽を聴くだけでも充分に楽しめるチャイコフスキーの「くるみ割り人形」。

毎年、クリスマスになるとこのバレエが上演され、
併せて作曲家自身が選んだ楽曲で構成された組曲も親しまれています。

物語は主人公のクララがクリスマスの夜に見た夢が題材で、
ロマンチックでメルヘンに富んだ世界が、華やかな踊りと音楽で展開していきます。

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2022年12月02日


ワーグナー:楽劇 《ニュルンベルクのマイスタージンガー》 第1幕への前奏曲 [2022] / Richard Wagner:Die Meistersinger von Nuernberg Vorspiel act 1

Wagner-03.jpg♪独立して演奏される機会も多い堂々たる前奏曲

楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」は、神話や架空の世界を舞台とする
壮大なスケールの他の多くのワーグナー作品とは違い、
中世ドイツのマイスタージンガーたちの実生活を題材とした、
ワーグナーとしては珍しくユーモラスで楽しい作品です。

14世紀ドイツには、職人たちの親方でありながら詩人、音楽家としても活動する
「マイスタージンガー」と呼ばれる存在が多くいました。
ことにニュルンベルク地方で盛んで、今もギルドの集会所などに面影を残しています。

作曲は1845年に着手され1867年に完成、翌年にミュンヘンで初演されました。
抒情的で美しい旋律の「懸賞の歌」は、劇中で最も知られています。

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2022年11月23日


ベートーヴェン:コリオラン序曲 Op.62 [2022] / Ludwig Van Beethoven:"CORIOLAN" OVERTURE Op.62

Beethoven-08.jpg♪「運命」第1楽章にも通じる不屈の精神を描く

「コリオラン」とはブルタークの英雄伝に登場するローマの英雄。

シェークスピアが戯曲『コリオレーナス』でも取り上げたこの人物を主人公に、
戯曲家コリンは悲劇を書き上げ、これに触発されたベートーヴェンは、
1807年の初め頃に演奏会用序曲としてこの曲を作曲しました。

ワーグナーは「偉大な力、不撓の自信と熱狂せる反抗心が、憤怒、憎悪、復讐、
破壊的精神のうちに台頭する姿を、眼前に髣髴たらしめる」とこの曲を評しました。

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2022年10月29日


ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 Op92 第2楽章 [2022] / Ludwig Van Beethoven:Symphony No.7 in A major, Op.92:II. Allegretto

Beethoven-05.jpg♪格調高く威厳に満ちた極美のアレグレット

この楽章に対するこれまでの個人的な認識は、全体に長調で溌剌とした
勢いのある第7番にあって、唯一の短調によるまったく違う表情が、
この交響曲に深い趣きをもたらしているというものでした。

しかし今回の制作ではそれに加えて、新しい発見がありました。
それは、ベートーヴェンの厳しいまでの意志力の表現です。




冒頭からしばらくは低音を中心に弦だけが演奏を続けていますが、
短調ではあるものの、音が細かく刻まれることで緊張感が保たれ、
決して悲しみに沈みこまない決然とした、前を見据える強い意志を感じさせています。

ベートーヴェンの音楽は人に泣き言を言うことをゆるしません。
もっと強くたくましく、自分を信じて歩みゆけと呼びかけています。

そうした精神は第7のアレグレットのような音楽にあっても、
確実に根底に流れていると感じました。
悲哀が漂う、ただのロマンティックな音楽ではないことは確かです。

第7交響曲は1813年12月8日、ベートーヴェン自身の指揮により初演されました。

*演奏と音響を改めた新録音です。全体にテンポを落とし、より重厚感を出すことを心がけました。
ベルリンフィルハーモニー大ホールの舞台から20m付近の音響を使用しています。


ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 Op92 第2楽章 [2022]
Ludwig Van Beethoven:Symphony No.7 in A major, Op.92
II. Allegretto [9:48]




Beethoven-Symphony-No7-2nd-2022.mp3



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2022年10月15日


シューベルト:交響曲 第9番 ハ長調 D 944『ザ・グレイト』第1楽章 [2022] / Franz Peter Schubert:Symphony No.9 in C major, D 944 "The Great":I. Andante - Allegro ma non troppo

Schubert01.jpg
♪尊敬するベートーヴェンの高みを目指して

1827年の3月、ベートーヴェンが重体に陥ったとのうわさがウィーンの街を走りました。

当時30歳になり貧困と病魔に苦しんでいたシューベルトの友人たちは、
彼を尊敬するベートーヴェンに一目、会わせようと、
シューベルトの歌曲を写した楽譜をベートーヴェンの枕元に持ち込みました。

楽譜を静かに一ページずつめくっていたベートーヴェンは、ほどなくして感嘆の声をあげました。

「シューベルトのうちには神のひらめきがある」

その後、シューベルトは友人と共にベートーヴェンを訪れることになりました。
ベートーヴェンは二人を部屋に招き入れると、次のような言葉を友人に告げました。

「ヒュッテンブレンナー 、シューベルトは私の魂を持っている。今に世界にその名を知られる人だ」

それから間もなくの1827年3月26日、ベートーヴェンはこの世を去りました。

ベートーヴェンは死の直前に「なぜもっと早くシューベルトを知ることができなかったのか」
と嘆いたといわれています。




一年が過ぎた1828年の3月、シューベルトは下書きもなしに、一気呵成に交響曲を書き上げました。
それがのちの1838年にシューマンによって発見され、メンデルスゾーンの指揮で初演されることになる
「未完成」と並ぶシューベルトの不滅の名曲「ザ・グレイト」です。

作曲当時、友人たちに「もう歌曲はやめた。これからはオペラとシンフォニーだけを作曲する」
と語っていたシューベルトが、尊敬するベートーヴェンの交響曲の高みになんとか達しようと、
その熱意と心魂を傾けた一大傑作となりました。

ベートーヴェンが告げた通り、その魂を継ぐ壮大な作品を書き上げたシューベルトは、
「ベートーヴェンがいないこの世にこれ以上生きて、何の意味があるだろうか」と言い残し、
1828年11月19日、偉大な作曲家の後を追うように飢餓によりこの世を去りました。享年31歳でした。

友人たちはその棺を担ぎ、ウィーンのベートーヴェンの墓地のとなりに葬りました。

*2007年の初公開から15年ぶりの新演奏、新録音です。
*ベルリンフィルハーモニー大ホールのステージから20m付近の音響を採用しています。


シューベルト:交響曲 第9番 ハ長調 D 944『ザ・グレイト』第1楽章 [2022]
Franz Peter Schubert:Symphony No.9 in C major, D 944 "The Great"
I. Andante - Allegro ma non troppo [15:31]



Schubert-Symphony-No9-TheGreat-1st-2022.mp3



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2022年09月25日


ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18 第1楽章 [2022] / Sergey Rachmaninov:Piano Concerto No.2 in C minor, Op.18:I. Allegro moderato

Rachmaninoff-04.jpg♪自身の内面に潜む闇と徹底的に対峙

現在、世界は漠然とした不安に覆われています。
パンデミックは完全に終息したとは言い切れず、それに加えて今年に入ってからは、
ロシアによるウクライナ侵攻が、いつ終わるともわからない状況です。

ニュースを見れば否が応でもこうした情報は入ってきて、知らずに精神に影を落とし、
少なからず心と体に変調をきたしても決しておかしくはありません。

マイナスの感情は自分にはそのつもりはなくとも、心の奥底に住み着いて、
理由のわからない不安、焦燥感、パニック、憤りの原因になることもあります。

音楽療法ではこうした症例に対処する場合、まずは患者の状態と同調することで、
カタルシスの効果を生み、そこから少しずつ気持ちを向上させていきます。
落ち込んだ気分の時に、いきなり明るく力強い音楽を聴かされても、
かえって余計に落ち込みを強めてしまうことになり兼ねません。

この曲を作曲したラフマニノフは9歳でペテルブルク音楽院に入学し、
12歳でモスクワ音楽院に移ると在籍中にピアノ協奏曲第1番、歌劇「アレコ」、
前奏曲嬰ハ短調などを作曲。いずれも高評価を受け、天才作曲家として前途洋々でした。
また、ピアニストとしても、当時一流の腕前を誇っていました。

そんな彼が初めて挫折を味わったのは、1897年、24歳の秋のことです。
自作の交響曲第1番が酷評を買い、重度のうつ状態に陥ってしまいました。
生まれついて繊細で神経質だった彼は、大きな精神的打撃を受けました。




ピアノ協奏曲第2番には、この時の心情が色濃く反映されています。
特に第2、第3楽章に続いて最後に書き上げられた第1楽章には、
救いの見えない苦しい心境が、主題を奏でる弦楽器群の低音にも表れています。

この楽章で彼は自らのマイナス感情と徹底的に対峙しています。
見て見ぬふりを続ける限りそうした感情はくすぶり続けますが、
自身がしっかり見て認知するだけで、次第に効力を失っていきます。

精神科の博士で音楽愛好家でもあったニコライ・ダールはラフマニノフに、
この状態を乗り越え、協奏曲の傑作を書くという暗示を与えました。
4ヶ月に及ぶ連日の治療が功を奏し、ラフマニノフは徐々に意欲を取り戻し始め、
ついにはピアノ協奏曲の不朽の名作、第2番ハ短調を完成させたのです。

*ベルリンフィルハーモニー大ホールのステージから20m付近の音響を採用しています。
*強奏時にオケの音が混濁しないように、金管を抑えるなどの変更を行っています。
*演奏の全体を見渡せるように展開部の速度を落としています。


ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18 第1楽章 [2022]
Sergey Rachmaninov:Piano Concerto No.2 in C minor, Op.18
I. Allegro moderato [11:19]



Rachmaninov-PianoConcerto-No2-1st-2022.mp3



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2022年09月11日


モーツァルト:交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」第4楽章 [2022] / W.A.Mozart:Symphony No.41 in C major, K.551 "Jupiter":IV. Molto allegro

mozart-04.jpg♪力強く確信に満ちたモーツァルト最後の交響曲の最終楽章

もし交響曲を音楽の集大成と考えるなら、
41番はモーツァルトの音楽人生の総決算と言えるかもしれません。

モーツァルトにとって最後の交響曲となった「ジュピター」。

その最終楽章は例えようもなく神々しく煌びやかで、
あたかも天使たちが乱舞する天上世界を進みゆくかのようです。

前作の40番は肉体的にも経済的にも厳しかった、
モーツァルトの実生活を反映したかのような短調の交響曲でした。



しかし41番にはそれを打ち消すような明るさ、力強さがあります。

管楽器が順にコラールを奏でる部分は、まるで天国の門が開かれ、
その先に待つ神の面前に歩み出るようなイメージが広がります。

その後も音楽は迷いなき行進を続け、確信に満ちたまま全曲を締めくくります。

*公開していた第1楽章の音響・演奏内容を修正して差し替えました。
ベルリンフィルハーモニー大ホールのステージから20m付近の音響を採用しています。


モーツァルト:交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」第4楽章 [2022]
W.A.Mozart:Symphony No.41 in C major, K.551 "Jupiter"
IV. Molto allegro [7:48]




Mozart-Symphony-No41-Jupiter-4th-2022.mp3



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