2012年10月26日


レオンカヴァッロ:歌劇《道化師》 第1幕『衣装をつけろ』

レオンカヴァルロ:歌劇「道化師」
定価:¥ 1,800
新品最安価格:12%OFF ¥ 1,572 (5店出品)
4.0点 カラヤンとスカラ座
3.0点 このCDよりビデオの方がいいと思いますが?
発売日:2008-01-16
メーカー:ユニバーサル ミュージック クラシック
クリエーター:カラヤン(指揮) ミラノ・スカラ座管弦楽団(演奏)
時間:77(分)

♪19世紀後半イタリアのヴェリズモ・オペラの名作

19世紀後半のイタリアのオペラには、ヴェリズモという新しい動きがありました。
これはそれまでのロマン主義的なオペラの内容とは違い、
暴力や血生臭い事件までも扱う、現実主義的な傾向です。
ヴェルディのオペラにも、そうしたものが感じられる作品はありますが、
ヴェリズモは更にその色合いを、一歩進めて全面に出しているのが特徴です。

そしてこの動きはイタリアではなく、フランスが発祥だという見方もあります。
そう、それはあまりにも有名なビゼーの歌劇『カルメン』です。
薄汚れたタバコ工場を舞台に女工たちの喧嘩、山賊の登場といった、
それまでの夢物語のような話とはまったく違ったリアルさがあるこの作品こそ、
後のヴェリズモの現実主義につながる要素が集約されていると言えます。

イタリアに起こったヴェリズモは、二つの大きな作品を生みました。
マスカーニの『カヴァレリア・ルスティカーナ』とレオンカヴァッロの『道化師』です。
この両作品はヴェリズモ・オペラの双生児とも呼ばれ、上演時間の短さ、
また場面転換が必要ないこともあり、一夜に2本続けての上演もよくあります。
LPレコード時代には3枚組に2作品を収録というケースもありました。

そもそもはレオンカヴァッロがマスカーニの『カヴァレリア−』を見て、
自分もこんな感動的な歌劇を書きたいと思い立ったのが、『道化師』誕生のきっかけです。
文学的才能もあったレオンカヴァッロ自身が物語の台本を書き、
作曲もした上で、当時あった一幕物のオペラの懸賞募集に応募したのでした。

ところがなぜか二幕物だった『道化師』は規定外で落選。
しかし作品に目をつけた主催の音楽出版社の社長ソンツォーニョは、
等外入賞としてこれを取り上げ、1892年にミラノのヴェルメ劇場で、
指揮者トスカニーニのタクトで初演され、『カヴァレリア−』並の大成功を収めました。

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物語は前奏曲や序曲なしに、バリトンが歌うプロローグで始まります。

「皆さん、我々道化師も人の子です。恋もあり嫉妬もします…。」

旅劇団で道化師役の座長カニオは、妻ネッダの浮気を知り嫉妬と怒りに苦しみます。
しかし非情にも舞台の幕は開き、カニオは悲痛な思いのまま切々と歌うのです。

「オレは女房に浮気されて悔しい。だのに道化芝居をやらなくてはならない!」

これが有名なテノールのアリア『衣装をつけろ」です。

その後、美しい間奏曲を挟み、続く第二幕は劇中劇です。
亭主の留守に男と妻が浮気するという筋に、現実と芝居の見境がつかなくなったカニオは、
演技を忘れて本当に妻と愛人のシルヴィオをナイフで刺してしまいます。
そして、「道化芝居は終わった!」と叫んでくずれ落ち、舞台の幕は下りるのです。

レオンカヴァッロは判事だった父が担当した、実際の事件を元にしたと言っていますが、
現在では当時のフランスの戯曲や、スペインの劇を参考にしたとの説が有力です。
歌劇『道化師』はテノール歌手カルーソによって、人気を決定的なものとしました。





レオンカヴァッロ:歌劇《道化師》 第1幕『衣装をつけろ』 [3:27]
Ruggero Leoncavallo:"Vesti la giubba" from I Pagliacci



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2012年10月10日


ワーグナー:歌劇《ローエングリン》 第3幕への前奏曲 [新録音2012]

ワーグナー:管弦楽曲集(1)
定価:¥ 1,700
新品最安価格:¥ 3,911 (2店出品)
中古最安価格:¥ 2,735 (2店出品)
5.0点 ワーグナーの決定盤
発売日:2002-10-25
メーカー:EMIミュージック・ジャパン
アーティスト:クレンペラー(オットー)

♪ワーグナーの音楽を愛しその世界に生きたバイエルン国王ルートヴィッヒ2世

19世紀バイエルン公国の、第4代国王だったルートヴィッヒ2世は、
多くの凝った宮殿や城を築いたことから、“メルヘン王”とも呼ばれていました。

幼い頃に過ごしたホーエンシュヴァンガウ城は、白鳥の騎士ローエングリンや
中世のゲルマン伝説などに基づく壁画や、白鳥にちなんだ装飾で満ちていました。
それらに囲まれて育ったルートヴィッヒは、元来、読書や夢想を好む性格もあって、
白鳥の騎士に自らを重ね、中世に憧れる夢見がちな青年へと成長していきました。

そんなルートヴィッヒ2世が15歳になった時のことです。
彼は初めてワーグナーの歌劇「ローエングリン」を観て衝撃を受けます。
舞台に展開していたのは城内でずっと見てきた伝説の世界そのものだったのです。
白鳥に引かれた舟に乗る聖杯の騎士ローエングリンの姿が、
絵画ではなく動きを伴った形として、目の前に存在していたのでした。

この時ルートヴィッヒはあまりの感動に、客席で震え涙を流していたといいます。
その様子は周囲の者たちもあきれるほどだったようです。
作曲者ワーグナーの芸術の世界に心酔した彼は、この偉大な芸術家を擁護することが、
権力者として生まれた自分に課せられた、使命とまで信ずるようになったのです。

1864年、父マクシミリアン2世が逝去し、18歳でバイエルン王となった彼は、
まず手始めに宮廷秘書のフィスターマイスターに命じてワーグナーを宮廷へ呼び、
その時からルートヴィッヒのワーグナーに対する手厚い援助が開始されました。
当時ワーグナーは既に作曲家としての名声を手に入れ、財を成していましたが、
不安定な収入と極度の浪費癖から生活は逼迫し、
借金から逃れるために国を渡り歩いていたほどでした。

こうした状況下にあった51歳の、もう若くはないワーグナーにとって、
国王からの申し出は願ってもなくありがたいものでした。
ルートヴィッヒはワーグナーの膨大な借金を肩代わりし、破格の年金を与え、
貴族の屋敷が並ぶミュンヘン市内の一等地ブリエンナー街に豪華な邸宅を与えました。

あまりに大作で上演は不可能とされていた楽劇「ニーベルングの指輪」のための
大劇場の新設を提案したほか、ワーグナーのために音楽院を設立するなど、
自分にとっての夢の体現者であるワーグナーへの援助を惜しみませんでした。

しかし、バイエルン公国はカトリック信仰の厚い国で、
急進的な思想を持つワーグナーは、危険人物として快く思われない存在でした。
その上、リストの娘コジマとの不倫スキャンダルが世間を賑わし、
さらには国王による破格の額の待遇がミュンヘン市民の強い反感を買い、
ついにワーグナーはミュンヘンからの退去を余儀無くされました。

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しかしその後も国王からワーグナーに対する援助は変わりなく続けられ、
距離を隔てた二人が交わした電報書簡は700通に及ぶといいます。
人との交流を避けたルートヴィッヒでしたが、ワーグナーに対しては心を開き、
国王としての立場がもたらす心労や悩みを、隠さず打ち明け相談していました。

普墺戦争勃発後はシュタルンベルグ湖に浮かぶ薔薇島(ローゼンインゼル)に閉じこもり、
昼夜逆転した生活で外部との接触を断ち、現実から逃れ自分の世界に生きた国王ルートヴィッヒ2世。
美や理想の実現に対する願望と行為が、あまりに極端で一途過ぎたためか、
世間からは変人扱いされながらも、芸術とワーグナーに対する信を生涯貫き、
わずか40歳という若さで謎の死を遂げ、この世を去ったのでした。





ワーグナー:歌劇《ローエングリン》 第3幕への前奏曲 [新録音2012]
Richard Wagner:Prelude to Act3 from Lohengrin [NEW REC 2012]



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2012年06月19日


ワイル:歌劇《三文オペラ》から 「匕首マッキーの歌 (マック・ザ・ナイフ)」

ワイル:三文オペラ
中古最安価格:31%OFF ¥ 1,399 (7店出品)
5.0点 大満足です
5.0点 モラルはその次ーー第2の三文フィナーレ
発売日:1997-05-25
メーカー:ポリドール
アーティスト:コロ(ルネ) アドルフ(マリオ) デルネシュ(ヘルガ)

♪20世紀前半のドイツの作曲家クルト・ワイルの出世作

「マック・ザ・ナイフ」の名でスタンダードナンバーとしても知られるこの曲は、
20世紀前半のドイツの作曲家クルト・ワイルの出世作「三文オペラ」で、
序曲に続いて主人公メッキー・メッサーが歌う「メッキー・メッサーのモリタート」です。

この音楽劇は1928年の作で、原作はシェークスピア時代の、
英国の劇作家ジョン・ゲイ作のコメディ劇「ベガーズ・オペラ」です。
それから200年の時を経て、ハウプトマンがドイツ語訳を施し、
更にプレヒトが三幕八場の歌劇台本にしたものにワイルが作曲しました。

「三文オペラ」はそれまでのオペラの常識や枠にははまらない、
いわばアンチテーゼ的な意味あいも持った異色の作品で、
完成年にベルリンで上演されると、一大センセーションを巻き起こしました。

作品のジャンルとしては演劇、オペラ、オペレッタなど、
多様な区分に当てはまりながらも、そのどれでもないというスタイルで、
クラシックのオペラとして紹介されつつ、演劇の扱いにもなっています。
ただ、こうしたベルリン・オペレッタが、
後のアメリカのミュージカルの原型になっていったことはたしかです。
ワイル自身は「三文オペラ」についてこう語っています。

「むしろこれはオペラの白痴化に反撃しようとする試みなのです。
私にはオペラの方がオペレッタよりはるかに愚かしく、現実離れしていて、
その志向においてもっと低級なものだと思います。」

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このオペラは楽器編成からみてもジャズ的要素が濃く、
例えば「メッキー・メッサーのモリタート(匕首マッキーの歌)」の場合では、
オルガンやバンジョーといった、通常は見られない楽器も登場します。
そしてリズムは4ビート、和声を彩るピアノもジャズ的です。

ですからジャズシンガーたちが、こぞってカバーしたのも当然の流れで、
フランク・シナトラを始めとする多くの歌手たちが十八番としてきました。

ワイルはこのオペラを7部からなる管楽合奏の組曲に編曲しています。
「小さな三文音楽(Eine Kline Dreigroschenmusik)」と題したこの作品も、
オペラと同様、ジャズ的風味を活かして大成功を収めました。

「マック・ザ・ナイフ」は最近、ロト6のテレビCMでも流れているので、
耳にしてご存知の方も多いと思います。





ワイル:歌劇《三文オペラ》から 「匕首マッキーの歌 (マック・ザ・ナイフ)」
Kurt Weill:Die Dreigroschenoper (The Threepenny Opera)
"Die Moritat von Mackie Messer" ("The Ballad of Mack the Knife")



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2012年03月28日


ビゼー:組曲《美しきパースの娘》から 「セレナード - 小さな木の実」

ビゼー:アルルの女第1組曲&第2組曲&子供の遊び&美しきパースの娘
新品最安価格:14%OFF ¥ 1,538 (5店出品)
レビュー平均: 4.0点 (3人がレビュー投稿)
4.0点 有名曲の個性的演奏+チョイ秘曲の美しさ♪
4.0点 ビゼーの遺産、レーグナーの遺産
4.0点 印象に残る冒頭のメロディー
発売日:2006-09-06
メーカー:キングレコード
アーティスト:レーグナー(ハインツ)

♪ビゼーのアリアから生まれた「みんなのうた」の名曲

『美しきパースの娘』はビゼーが、1866年に作曲した全4幕のオペラ・コミックです。
ウォルター・スコットの小説『The Fair Maid of Perth』を元に台本が作成され、
1867年12月26日に、パリのリリック座にて初演されました。

物語の舞台は14世紀、内乱期のスコットランドの首都パース。
婚約間近のキャサリンとヘンリーが、誤解やすれ違いからいさかいになり、
領主やジプシーの女王らを巻き込みながらも、最後には結ばれるという愛憎劇です。

歌劇はあまり人気を得られず、今日でもほとんど上演されませんが、
これを惜しんだビゼーは、第2幕から5曲を選び、演奏会用の組曲としました。
組曲は「前奏曲」「オーパード」「セレナード」「行進曲」「ジプシーの踊り」の構成です。

このうち、第2幕と第4幕で歌われるアリア「セレナード」こそが、
後にNHK「みんなのうた」で、「小さな木の実」として知られることになる歌の原曲です。
石川皓也編曲・海野洋司作詞により、1971年、1983年、1995年に放送されました。

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オペラではヘンリーが恋人を取り戻そうと、切々と歌い上げるアリアですが、
「小さな木の実」は父を亡くした少年の、物語性のある歌になっています。
海野洋司さんが交通遺児を励ます趣旨で作詞されたとのことです。

『美しきパースの娘』は、実はもうひとつ有名な旋律を生んでいます。
『アルルの女』第2組曲の、フルートソロが印象的な「メヌエット」です。
この旋律は『美しきパースの娘』第2幕の、ロスシー伯爵とマブの二重唱の伴奏を、
ギローが編曲・転用したもので、原曲とは大きく異なっています。





ビゼー:組曲《美しきパースの娘》から 「セレナード - 小さな木の実」
Georges Bizet:La jolie fille de Perth "Serenade"



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2012年03月25日


ビゼー:《カルメン》 第1組曲から 「間奏曲」

ビゼー:<アルルの女><カルメン>組曲
新品最安価格:22%OFF ¥ 1,389 (8店出品)
レビュー平均: 5.0点 (1人がレビュー投稿)
5.0点 まさにフランス音楽の真骨頂
発売日:2009-05-20
メーカー:ユニバーサル ミュージック クラシック
アーティスト:モントリオール交響楽団 デュトワ(シャルル)

♪激しく情熱的なオペラの幕間に咲く可憐な一輪の花

今でこそオペラの不朽の名作として、動かぬ地位にあるビゼーのカルメンですが、
1875年の初演は惨憺たるもので、明らかに不成功と言い切れるほどのものでした。

当時のフランスのオペラ界では、華麗で娯楽として家族でも楽しめる、
オペラ・コミックという軽いオペレッタのようなものが人気でした。
スッペオッフェンバックなどの作曲家たちも、この例に漏れません。

しかし、ビゼーは違いました。
すでに「真珠取り」や「アルルの女」といった、現代にも残る作品を発表していた彼は、
当時のフランスのオペラ界の風潮に満足しきれず、
この状況に革命を起こすような作品を作りたいと考えていました。

そこで選んだ題材が、プロスペル・メリメの小説『カルメン』です。
人殺しや密輸人すら登場するこの物語は、オペラ・コミックには全く不適当でした。
作品を注文したオペラ・コミック劇場の支配人ルーヴァンは、当然これに反対。

ビゼーは台本作家のアンリ・メイヤックとリュドヴィク・アレヴィと相談して、
原作よりソフトな口当たりになるように、設定等を変えアレンジしました。
こうしてオペラ『カルメン』は、1874年にようやく完成して練習に入りました。

翌年の3月3日、初演会場のオペラ・コミックはビゼーの新作を見ようと、
つめかけたパリの名士たちやオペラファンで満員でした。
しかしふたを開けてみれば、ヒロインは薄汚れたタバコ工場の女工。
そしてケンカは始まる、泥沼の愛憎劇は展開するで、
夢のようなひと時を期待した聴衆は、一気に冷めてしまったのです。

結局、ビゼーはカルメンの真価を見ないまま、3ヶ月後に急逝してしまいます。
オペラ・コミックは台詞に音楽のつかない、ミュージカルのような形ですが、
ビゼーの死後、エルネスト・ギローがカルメンの台詞をレチタティーヴォに改作して、
グランド・オペラとして上演すると、その人気は見るみる高まっていったのでした。

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魅力的なアリアや旋律の多いカルメンには、様々な抜粋・編曲版があります。
中でも有名なのがフリッツ・ホフマンの選曲・編曲による第1組曲と第2組曲です。
指揮者によっては演奏順を変えたり、第1・第2組曲を1つの組曲として演奏したり、
2つの組曲から選曲してオリジナルの組曲を編むなど、その形態も多様です。

前奏曲」「ハバネラ」「闘牛士の歌」と、誰もが知る曲が並びますが、
フルート・ソロが印象的な、第3幕への「間奏曲」も組曲の内のひとつです。
この曲は1872年作曲の劇付随音楽「アルルの女」から転用されました。





ビゼー:《カルメン》 第1組曲から 「間奏曲」
Georges Bizet:Carmen Suite No.1 "Intermezzo"



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