2016年02月07日


ロドリーゴ:アランフェス協奏曲 第2楽章から

アランフェス協奏曲
アランフェス協奏曲
posted with あまなつ on 2009.10.21
村治佳織
ビクターエンタテインメント(2000-03-23)
おすすめ度の平均: 5.0
4よく考えられた演奏で心に響く
5これ以上をいつ聴くことが出来るだろう・・・
5ギターの誤解が解けました。
5アランフェス!
5本当は大変なんです


♪初めての子を失った悲しみを詠うギターの調べ

スペインの首都マドリードから南へ約47キロほど離れた土地に、
豊かな水と森に恵まれた美しい街・アランフェスはあります。
乾燥地帯が多いスペインにあってタホ川源流の水が齎す恵みは、
アランフェス一帯を潤し古くから王の離宮や庭園が作られてきました。

スペイン内戦中にこの地を妻と共に訪れたロドリーゴは、
盲目の身でありながらも肌で、耳で、香りでアランフェスの自然を感じ、
やがてひとつの協奏曲へと結実する音楽の楽想を練りました。
それが20世紀を代表するギター協奏曲として、
また彼の代名詞的作品として有名な「アランフェス協奏曲」です。


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戦後すぐの1940年に、作曲にも協力した名ギタリスト、
レヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサの独奏で初演されました。

ロドリーゴはこの曲に内戦で傷ついたスペインやアランフェスの
平和への想いを込めたと言われ、分けても第2楽章には
長子を流産して悲しみに暮れる夫人への、慰めの意も込められていると、
後年になって自身が告白しています。

この楽章は「恋のアランフェス」というムード音楽に編曲されるなど、
ポピュラー・クラシックとしても大変親しまれています。


ロドリーゴ:アランフェス協奏曲 第2楽章から
Joaquín Rodrigo Vidre:Concierto de Aranjuez 2. Adagio


*楽曲の著作権が継続中のため音源はストリーミング再生のみです


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2014年09月22日


ヘンデル:合奏協奏曲 ニ短調 Op.6-10 第5楽章 「ガヴォット」

ヘンデル:合奏協奏曲集 作品6(全曲)
価格:
イタリア合奏団
日本コロムビア(2007-08-28)
売り上げランキング: 14339

♪ヴィヴァルディやコレッリを手本とした合奏協奏曲の名作

合奏協奏曲はイタリアバロックの時代に興隆した形式で、
ヴィヴァルディやコレッリなどによって頂点を極めました。

ヘンデルの合奏協奏曲集はそうした作品以外では最高と呼べるもので、
自身も相当な自信をもっていたと見え、自ら予約出版をしたほどでした。

合奏協奏曲と一般的な協奏曲の違いとは何かというと、
協奏曲ではひとりの独奏者とオーケストラの掛け合いなのが、
合奏協奏曲では複数の腕利きのソリストたちと、器楽合奏の対話になっている点です。
また合奏協奏曲は楽章の数は3つではなく、四楽章以上で構成されているのが通例です。

ヘンデルの合奏協奏曲集は全12曲からなります。
これらの曲を、1739年9月29日から10月30日までの、
わずか一ヶ月間で、すべて書き上げたというから驚きです。

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作曲当時のヘンデルは生活に苦しんでいました。
というのも、戦争のため音楽会は数ヶ月も中止されていたからです。
その窮乏をしのぐために作曲された作品のひとつが、
合奏協奏曲集 作品6の12曲だったのです。

第10番第5楽章のガヴォットはギター合奏でもよく知られ、
有名な新堀ギター音学院のテーマ曲にもなっています。

今回はこの曲を、原曲とは調を変えたギター版でお届けします。





ヘンデル:合奏協奏曲 ニ短調 Op.6-10 第5楽章 「ガヴォット」[2:36]
Georg Friedrich Handel: Concerto Grosso Op.6-10
5. Gavotte



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2014年03月30日


ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18 第1楽章 [2台ピアノ版]

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番/ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
クライバーン(ヴァン)
BMG JAPAN(2004-12-22)
おすすめ度の平均: 4.5
5シティコネクションの曲だよ。
4やはりうまい
5歴史的名盤
531年前に初めて買ってもらったLP
440数年ぶりのクライバーン

♪2台のピアノのうち1台はオーケストラパートを担当

ラフマニノフは作曲家であると同時に自身が凄腕のピアニストでした。
ですから協奏曲などでもオーケストラパートはまず、ピアノスケッチとして残していたようで、
それが今日でも合奏用に用いられています。

今回の演奏では思いきったテンポチェンジなどを取り入れてみましたが、
実際はかなり息の合った達人同士でもないと、こうした演奏は難しいとは思います。
ここでは自動演奏ならではのプレイをお楽しみください。

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ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18 第1楽章 [2台ピアノ版]
Sergey Vasilievich Rakhmaninov:Piano Concerto No.2 in C minor, Op.18
1. Allegro moderato (2Piano)

http://classical-music.sakura.ne.jp/Rachmaninov-PfConNo2-1-2Piano.mp3



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2014年02月21日


ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18 第1楽章 [新録音2013]

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番、≪音の絵≫から 他
新品最安価格:14%OFF ¥ 903 (5店出品)
5.0点 グリモーの唄
5.0点 隅々まで格好良い名演
5.0点 巨匠の弾く世界とは違うこれはこれでよい世界
発売日:2011-07-20
メーカー:ワーナーミュージック・ジャパン
アーティスト:エレーヌ・グリモー

♪自らの苦境を乗り越えて書き上げた不朽の名作

チャイコフスキーを敬愛し、作曲家としてその後継者の道を歩んだラフマニノフ。
作品の上でもチャイコフスキーに勝るとも劣らない名作を残しました。
それが、ピアノ協奏曲第2番、チャイコフスキーの第1番とよく比較されます。

チャイコフスキーのピアノ協奏曲は壮麗、絢爛で明るい輝きに満ちていますが、
ラフマニノフは相対して、陰鬱で幻想的な雰囲気をもっています。
彼が少年時代から繊細な性格であったことが影響しているといわれます。

ラフマニノフは9歳でペテルブルク音楽院に入学し、12歳でモスクワ音楽院に移ると、
在籍中にピアノ協奏曲第1番、歌劇「アレコ」、前奏曲嬰ハ短調などを作曲。
いずれも高評価を受け、天才作曲家として前途洋々でした。
また、ピアニストとしても、当時一流の腕前を誇っていました。

そんな彼が初めて挫折を味わったのは、1897年、24歳の秋のこと、
自作の交響曲第1番が悪評を買い、重度のうつ状態に陥ってしまうのです。
人一倍神経質だった彼が受けた精神的打撃は、ことのほか大きいものでした。

ピアノ協奏曲第2番には、この時の心情が色濃く反映されています。
特に第2、第3楽章に続いて最後に書き上げられた第1楽章には、
救いの見えない苦しい心境が、低音の弦楽器群にも表れています。
人間の深層に潜む、否定的感情があぶり出されるかのようです。

しかし、この窮地を救ったのが、彼を心配する友人たちに紹介された、
精神科の博士で音楽愛好家でもあった、ニコライ・ダールでした。
彼はラフマニノフにこの状態を乗り越え、協奏曲の傑作を書くという暗示を与えました。
4ヶ月に及ぶ連日の治療が功を奏し、ラフマニノフは徐々に意欲を取り戻し始め、
そして、ピアノ協奏曲の不朽の名作、第2番ハ短調を完成させたのです。

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音楽療法的にみても、この協奏曲は実によくできた構成になっています。
まずは、うつ状態の患者と同調することで、カタルシスの効果を生み、
そこから少しずつ気持ちを向上させて、最後は完全に復調するという展開です。
第2番の協奏曲は陰鬱な第1楽章から希望の第3楽章までが、
こうした流れに沿って自然に移行していくように組み立てられているのです。

そればかりではなく、第1楽章に漂う才気には、シューベルトの未完成や、
チャイコフスキーの悲愴に匹敵するほどの霊感さえ感じられます。
ラフマニノフがたどった安易ではない精神的変遷が、このような傑作につながったのです。
また、旋律が美しくダイレクトに届いてくる点も、彼の真骨頂といえるでしょう。


ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18 第1楽章 [新録音2013] [11:28]
Sergey Rachmaninov:Piano Concerto No.2 in C minor, Op.18
1. Allegro moderato

https://classical-sound.up.seesaa.net/Rachmaninov-PianoConcerto-No2-1st-2013.mp3



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2013年04月14日


モーツァルト:ホルン協奏曲 第1番 ニ長調 第1楽章 K.412+K.514 (386b)

モーツァルト:ホルン協奏曲集第1番・第2番・第3番・第4番
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5.0点 最高
5.0点 1番も良いけど、2番や3番も聴いてね
3.0点 カリカリ
発売日:2002-12-18
メーカー:ワーナーミュージック・ジャパン
アーティスト:バウマン(ヘルマン) アーノンクール(ニコラウス)
フォーマット:Original recording remastered

♪友人のホルン奏者のために書かれた明るく朗らかな音楽

モーツァルトには大変気の合った仲の良い、ホルン奏者の友人がいました。
彼の名はロイトゲープことヨーゼフ・ライトゲープ(Joseph Leitgeb、1732年-1811年)。

ロイトゲープはザルツブルクの宮廷楽団で活動した後、ウィーンへ移り、
音楽家と同時にチーズ商の顔を持ち、その道でも成功したという人物です。

彼は生来、底抜けの楽天家で、モーツァルトとは波長が合ったようです。
そんな友人ロイトゲープのために、モーツァルトは4曲のホルン協奏曲を書きました。
(一部の作品はジョヴァンニ・プントのために作曲されたとする説もあります)

これらの協奏曲はバルブのないナチュラルホルンのために作曲されました。
当時のホルンは演奏上の制約も多く、扱いにくい楽器でしたが、
ロイトゲープのためならということで、4曲もの作品が書かれたのです。

第1番から第4番までの作品は、番号順のままに作曲されたと考えられていましたが、
近年の研究では第2番、第4番、第3番、第1番の順で作曲されたと考えられています。
また作曲年代が後になるにつれて、作品も演奏が楽なように書かれています。
変ホ長調で3曲書いた後、最後の第1番は半音下げたニ長調になっています。

これは1792年に60歳で演奏家を引退した、ロイトゲープの体力の低下を配慮し、
モーツァルトがあえてそうした容易な内容にしたという見方もあります。

第1番の管弦楽の編成は、オーボエ2本・ファゴット2本と弦楽合奏です。
第1楽章は、小学校の音楽鑑賞材料や、テレビ朝日『いきなり!黄金伝説。』の
BGMとしても使用されていて有名です。

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第2楽章ロンドについては「初稿」では管楽器なしで、「改訂稿」では、
管楽器はファゴットなしのオーボエ2本のみになっています。

このようになった理由は、第1番はモーツァルトの死により第2楽章が未完となり、
それを弟子のジュスマイヤーが補筆完成させたためと見られています。
改訂稿(ジュスマイヤー版)の譜面には、ジュスマイヤーにより
「ウィーン、聖金曜日、1792年」という日付が記されています。

ホルン協奏曲の楽譜には、モーツァルトによる楽しい落書きが残されています。
「さあ行け!ロバくん」、「ちょっとひと息」といったロイトゲープへの言葉からは、
ふたりの微笑ましい友情関係が伝わってきます。





モーツァルト:ホルン協奏曲 第1番 ニ長調 第1楽章 K.412+K.514 (386b) [4:47]
W.A.Mozart:Horn Concerto No.1 in D major, K.412
1. Allegro



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2013年02月28日


チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35 第2楽章

チャイコフスキー : ヴァイオリン協奏曲
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5.0点 わくわくだっ
5.0点 20世紀の名演奏ベスト10
5.0点 チャイコンのイチオシ
発売日:1996-02-21
メーカー:ソニーレコード
アーティスト:スターン(アイザック)

♪ロシア的な情感あふれるチャイコフスキーの旋律美

1877年5月初めにチャイコフスキーに宛てて、一通の手紙が送られてきました。

「恋焦がれて自殺をします。すぐに来てください!」

送り主はモスクワ音楽院の教え子だった、アントニーナ・イワーノヴナ・ミリューコワ。
後にチャイコフスキーの夫人となる女性です。

チャイコフスキーは5月8日には結婚の意志を、友人に手紙で伝えています。
そしてふたりはその年の7月6日に、モスクワの聖ゲオルギー教会で挙式しました。
音楽院でロシア聖歌史を講じていた、ラズモフスキーが司式にあたり、
証人は弟のアナトーリーとヴァイオリニストのコテックでした。

しかし程なくしてこの結婚は失敗だったことにチャイコフスキーは気づきます。
そして同月の26日には夫人を置いて、単身カーメンカへと出立してしまうのです。

「もし私がこの殺人的な心理的葛藤から逃れて勝利者になれるとすれば、
それはあなたのおかげです。あなたのおかげです。」

と費用を立て替えてくれたフォン・メック夫人にお礼の手紙を書いたのでした。

モスクワに帰ってからも妻との関係は良好なものにはならず、
疲れたチャイコフスキーはモスクワ川に入って、未遂に終わった自殺を試みました。
また、仕事と偽って再び逃れて行った先のペテルブルグでは、
重度の神経症の発作で、意識不明の状態に陥ってしまいました。
10月2日にはアナトーリーに連れられ、外国旅行へと出発しています。

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フォン・メック夫人の援助によって、経済的にゆとりができたチャイコフスキーは、
夫人のすすめもあって、翌1878年にはモスクワ音楽院の教授職を退き、
イタリア、スイス、フランスと、自由なヨーロッパ旅行に出かけました。

ヴァイオリン協奏曲はこうした旅行の開放感の中で生まれました。
パリで聴いたサラサーテによる、ラロのスペイン交響曲の名人芸的演奏は、
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲への意欲をかりたてました。

そしてスイスの保養地クララン滞在中に訪ねて来た弟子のヴァイオリニスト、
ヨーゼフ・コチェークの助言を受けながら、協奏曲は1ヶ月足らずで完成しました。
旅行中の作曲にも関わらず、使用された主題にはロシア風のものが多く、
特に第2楽章カンツォネッタの旋律は、彼の真骨頂ともいえる美しさです。





チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35 第2楽章 [5:48]
Peter Ilyich Tchaikovsky:Violin Concerto in D major, Op.35
2. Canzonetta: Andante attacca



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2013年02月23日


チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 Op.23 第1楽章 [2013完全版]

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
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リヒテル(スヴャトスラフ)
ユニバーサル ミュージック クラシック(2007-09-25)
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♪壮麗にして華やかなピアノ協奏曲の代名詞的な作品

交響曲第3番やバレエ『白鳥の湖』などを書き上げ、いよいよ円熟期に入ったこの頃、
チャイコフスキーは後に彼の代表作のひとつとなる名作に着手します。
それは1874年の弟モデストへの手紙で、初めて構想が示されました。

「ピアノ協奏曲に手をつけたいのだが、なぜか始められない。」

しかし同年の12月21日には、4手連弾の編曲で作品は完成していました。
チャイコフスキーは出来上がったばかりのピアノ協奏曲第1番を、
24日のクリスマスイヴの夜、ニコライ・ルービンシテインと
理論のグーベルト教授に、自らのピアノ演奏で初披露しました。

この曲はニコライに献呈され、彼が初演することを想定していましたが、
ニコライは喜ぶどころか大変立腹し、技術面において厳しく酷評しました。
あまりに難曲な上に、作曲にあたって何の相談もなかったのが気に障ったようです。

そこでチャイコフスキーはニコライへの献呈を取り下げ、
当時、ロシア音楽への理解の深かったドイツのピアニスト・指揮者である、
ハンス・フォン・ビューローに、あらためて作品を献呈しました。

ビューローは1860年代から80年代にかけて何度もロシアを訪れ、
チャイコフスキーを初めとするロシア音楽の、西洋への普及に貢献しました。
曲を受け取ったビューローはすぐにその真価を認め激賞し、
1875年10月25日、米国のボストンで自らのピアノ独奏により初演を行いました。

これが大成功を収め、その後の演奏会でもビューローはアンコールに応え、
演奏の度に第3楽章を繰り返さなければならなかったと、
チャイコフスキーに宛てた手紙の中で伝えています。

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「ビューローから私の協奏曲について書いてある、アメリカの新聞の切抜きが、
山のように入った手紙が届きました。」

チャイコフスキーはリムスキー=コルサコフへの手紙の中で、
ビューローから届いたこのうれしい知らせを紹介しています。
これがきっかけとなり彼の名声は世界へとひろがっていきました。

間もなくルービンシテインも曲のよさを認め、自らも演奏するようになりました。
ニコライの態度に不満を持っていたチャイコフスキーもやがて心を開き、
彼の意見を参考にして曲の改訂をしたといわれています。





チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 Op.23 第1楽章 [2013完全版] [20:17]
P.I.Tchaikovsky:Piano Concerto No.1 in B flat minor, Op.23
1. Allegro non troppo e molto maestoso - Allegro con spirito


http://classical-music.aki.gs/PianoConcerto-No1-1st-2013.mp3



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2012年11月03日


コレッリ:クリスマス協奏曲 ト短調 Op.6-8 第6楽章

クリスマス・アダージョ・カラヤン
定価:¥ 2,039
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4.0点 アダージョ・カラヤンの中でも秀逸
5.0点 これは良い!クリスマスを過ぎても聴ける。
発売日:1996-10-25
メーカー:ポリドール
アーティスト:カラヤン(ヘルベルト・フォン)

♪ヴィヴァルディ、J.S.バッハにも影響を与えたイタリアバロックの大家

アルカンジェロ・コレッリはイタリアのイモーラ出身のバロック時代の作曲家です。
生まれたのは1653年ですから、ヴィヴァルディや大バッハより20~30年上になります。
当時はまだ初期の楽器だったヴァイオリンの技法を開拓し、
ヴァイオリン曲を多数残し、後世の作曲家たちにも大きな影響を与えました。
大バッハがコレッリの研究に勤しんだことはよく知られています。

コレッリはヴァイオリンをバッサーニに、対位法をマッティオ・シモネリに学び、
ドイツを旅行した後、1672年にフランスはパリに出ました。
1685年にイタリアに帰りローマに居住、当時の法王に仕え、毎週演奏を行っていました。
またクリスチナ女王やモデナ公の宮廷に出入りし、音楽をもって奉仕していました。

音楽のみならず絵画にも見識があったコレッリは、名画の優れたコレクターでもあり、
没後にはその膨大なコレクションと共に、巨万の富が発見されました。
生前は質素な生活ぶりだったため、その資産に人々は驚いたといいます。

作曲家としてのコレッリは、自分の納得のいく作品以外は破棄したとみられ、
作品の数としては決して多い方とはいえません。
しかしそれだけに残された楽曲のどれもが、珠玉の輝きを放っています。
60曲のソナタは多くが2挺のヴァイオリンと1挺のチェロ、鍵盤楽器という編成です。

コレッリはソナタと共に合奏協奏曲の作曲家として名を残していますが、
中でも「クリスマス協奏曲」と呼ばれる作品6の8は特に有名です。
作品6の12曲は最初の8曲は教会用、あとの4曲は一般用の協奏曲です。

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教会用の第8番は第6楽章に「キリスト降誕の夜のために」と記されていることから、
これをとって楽曲全体が「クリスマス協奏曲」と呼ばれています。
第6楽章パストラールはシチリア地方の民謡を用いて有名で、
ベツレヘムの野に天使の舞う、キリスト降誕の夜を表したものとされています。
短調が多い全曲にあって、一気に晴れ渡るような明るさがあり、
リズムや旋律も親しみやすいことから、大変人気のある楽章です。





コレッリ:クリスマス協奏曲 ト短調 Op.6-8 第6楽章 [3:38]
Arcangelo Corelli:Concerto Grosso in G minor, Op.6-8
"Christmas Concerto" 6. Pastorale



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2012年10月30日


コレッリ:クリスマス協奏曲 ト短調 Op.6-8 第3楽章

コレッリ:合奏協奏曲集 作品6(全曲)
新品最安価格:26%OFF ¥ 1,321 (5店出品)
5.0点 バロック音楽の先駆者コレッリの協奏曲集
発売日:2010-09-22
メーカー:日本コロムビア
アーティスト:イタリア合奏団
フォーマット:Blu-spec CD
ディスク数:2

♪親しみやすさと気品あふれるコレッリのクリスマス協奏曲

クリスマスに流れるクラシック音楽と言えば、何を思い出すでしょうか?
J.S.バッハ/グノーシューベルトG.カッチーニの3大アヴェ・マリアは定番です。
他にはその時々で様々な聖歌や讃美歌、またはパッヘルベルのカノンや、
マスネのタイスの瞑想曲のような、静かで旋律の美しい曲が選ばれたりしますが、
そうしたクリスマス音楽のラインナップに、ぜひ加わってほしい作品があります。
それはイタリアのバロックの作曲家コレッリのクリスマス協奏曲。
それも第3楽章のアダージョ−アレグロ−アダージョです。

コレッリのクリスマス協奏曲は12曲からなる、合奏協奏曲集Op.6の第8番で、
最終楽章に「キリスト降誕の夜のために」と記されているためこの名がついています。
従ってクリスマス協奏曲と言えば、この第6楽章パストラールが顔になっていて、
クリスマスのみならず、普段でもよく単独で演奏されています。

しかし、クリスマスを祭りではなく、キリストの誕生を厳かに祝い、
近しい人たちとの愛を、静かに確かめ合う日だとするならば、
むしろ穏やかなアダージョの方が、そうしたムードにぴったりかもしれません。
音楽的にも芳醇で、親しみやすい上に気品があります。

そしてこのアダージョの面白いのは、所謂“カノン進行”が登場することです。
それも締め括りではベースラインがバッハの「G線上のアリア」のように下降するので、
まるで現代のポップスを聴いているかのような感覚になります。

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実はコレッリは「カノン」で知られるパッヘルベルと同じ1653年の生まれで、
イタリアとドイツの違いはあれど、同じバロック期を生きた作曲家です。
クリスマス協奏曲を含む合奏協奏曲集Op.6は、パッヘルベルの死から8年後、
コレッリの死の翌年1714年に弟子のフォルナーリが校訂、編集し出版されました。
同じ時代にこの2曲が作曲されたことは、とても興味深い事実です。

クリスマス協奏曲のアダージョは基本的に高音がアルペジオ、低音が旋律です。
旋律部分に歌詞をつければ、いいクリスマスソングになりそうです。
そしてこのアダージョは、ラッセル・クロウ主演の2003年のアメリカ映画、
「マスター・アンド・コマンダー」のサントラ使用曲としても知られています。
ラッセルが演じるジャック・オーブリー艦長と軍医のスティーブン・マチュリンが、
ヴァイオリンとチェロによる二重奏を奏でるシーンで登場します。





コレッリ:クリスマス協奏曲 ト短調 Op.6-8 第3楽章 [3:02]
Arcangelo Corelli:Concerto Grosso in G minor, Op.6-8
"Christmas Concerto" 3. Adagio-Allegro-Adagio



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2012年05月22日


モーツァルト:ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488 第2楽章

モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 第24番
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5.0点 芳醇旨口の強烈な逆襲
5.0点 内田光子の再録
5.0点 さらなるモーツァルト表現の高みへ
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メーカー:ユニバーサル ミュージック クラシック
クリエーター:内田光子(演奏) クリーヴランド管弦楽団(演奏)

♪歌にもなった繊細で優美な緩徐楽章

モーツァルトは1781年(25歳)に故郷ザルツブルクからウィーンに拠点を移します。
そしてここからいよいよ、その天才ぶりが存分に発揮されていきます。
妻共々、金銭感覚に疎く、常に生活に苦しみ始めるのもこの頃からです。

暖をとるゆとりもなく、冬の晩に妻と踊り明かし、寒さを凌いだという話もあるほど。
しかし、その貧乏生活がモーツァルトに、驚異的な速度で作品を書かせました。
ウィーンの音楽好きの貴族たちは、金銭的な援助を一切しませんでした。
ですからモーツァルトはひたすら新作を書き、演奏会を開くしかなかったのです。

ピアノ協奏曲はそのいい例で、窮状を打開するために予約演奏会を催しては、
それに合わせてギリギリで作品を仕上げ、練習する間もなく本番に入っていました。
そして自ら演奏して収入を得て、なんとかその都度を凌いでいたのです。

ですが、そうした現実生活には関係なく、作品は深化をみせていきます。
この時期に書かれたピアノ協奏曲は特に傑作揃いで、
1785年の第20番ニ短調を筆頭に、死の直前に書かれた第27番変ロ長調まで、
駄曲はまったく無く、モーツァルトのキャリアの中でも重要な作品が並びます。

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1786年春の予約演奏会のために作曲された第23番イ長調は、
トランペットとティンパニという、華やかな楽器のない室内楽的な作品で、
当時まだ新しかったクラリネットを、オーボエの換わりに用いています。
こうした木管群の響きが第23番に、より落ち着いた雰囲気をもたらしています。

またこの曲の第1楽章では、モーツァルト自身がカデンツァを書き残しています。
第20番以降の作品でこの作業はほとんど見当たらず、
即興性の余地のない、完成したイメージが彼の中にあったことを思わせます。

第2楽章は8分の6拍子の、シチリアーノ風のアダージョです。
感傷的な旋律の深い趣きは、モーツァルトの緩徐楽章の中でも格別です。
80年代に薬師丸ひろ子さんがこの曲に歌詞をつけて、
「花のささやき」というタイトルで歌っていたことでも知られています。





モーツァルト:ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488 第2楽章 [6:30]
Wolfgang Amadeus Mozart:Piano Concerto No.23 in A major, K.488
2. Adagio



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