♪第71話:20年間の親の介護生活を経てステージに立ったクラリネット奏者の魂の演奏
みなさん、こんにちは!
CMSL所属のピアニスト永井美里です。
私たちの音楽はみなさんに聴いていただくことで初めて完成すると思っています。お忙しい中、いつもお越しいただき本当にありがとうございます。
さて、早速ですが今回お届けするラフマニノフのふたつの音源には、録音時期に約半年以上もの隔たりがあります。まずひとつ目の第2楽章は2023年6月に行われたコンサートでの録音で、冒頭から印象的な独奏を聴かせるクラリネットは当時首席だった今野千紗さんが務めています。
今野さんは今から20年以上前に、各所のコンクールで優秀な成績を収め将来を嘱望されたクラリネット奏者でした。音大を卒業していよいよこれからという時に、母子家庭で一緒に暮らしていたお母さまが倒れて、そのまま人の手を借りずには生きられない体になってしまいました。
最初は2, 3年の間、入院生活が続いていましたが、退院すると一人娘の千紗さんが面倒を見ることになり、施設やヘルパーなどの外部の援助をお母さまが拒んだこともあり、結局そのまま20年近くに渡り千紗さんがひとりで介護する生活が続きました。
家にひとりきりになるのをお母さまが極端に恐れたため、食材の買い出しなどで出かける以外は散歩もままならないという日々が続きました。
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