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2012年08月13日


ベートーヴェン:ヴァイオリンと管弦楽のための“ロマンス” 第1番 ト長調 Op.40

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
定価:¥ 1,250
新品最安価格:14%OFF ¥ 1,075 (4店出品)
5.0点 アッカルドの美音
5.0点 先入見なしに聴いて欲しい一枚です。
5.0点 この曲の長大さを感じさせない演奏です
発売日:2005-06-22
メーカー:ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
アーティスト:ジュリーニ(カルロ・マリア)

♪楽聖のロマンティックな側面が表れたふたつのロマンツェ

2曲あるロマンスはベートーヴェンのロマン性が最も強く出た作品です。
正式にはどちらも「ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス」の名を持ちます。

実際に作曲された順は、作品番号とは反対になっています。
すなわちまず、第2番ヘ長調Op.50が1798年頃に書き上げられ、
それから4年後の1802年頃に、第1番ト長調Op.40が作曲されました。

どちらも夢見るような叙情性と甘美な曲調が特徴ですが、
第1番には落ち着き払った品格があり、第2番は流麗で女性的と言えるかもしれません。
一般的には旋律がはっきりした、親しみやすい第2番の方がより広く知られています。

ベートーヴェンは田園交響曲スプリング・ソナタ(ヴァイオリンソナタ「春」)などの、
自然を感じさせる牧歌的でのどかな曲に、しばしばヘ長調の調性を用いました。
そんなことからも、第2番ヘ長調からは女性的なものが感じられるのかもしれません。
そういえばロマンス第2番と「春」の第1楽章の主題はどこか似ています。

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さて、今回の主役第1番ト長調に話を戻しましょう。
この曲が書かれた1802年の大きな作品と言えば、ハイドン、モーツァルトから離れて
独自性を打ち出し始めた交響曲第2番があげられます。

そして、私生活のできごととしては何と言っても、
有名なハイリゲンシュタットの遺書が書かれたことに尽きます。
この年の5月から約半年間に渡るハイリゲンシュタットの滞在は、
ベートーヴェンに熟考の時を与え、その後の作曲に、いえ人生そのものに関わるような、
内的な変化をもたらしたことが遺書からはうかがえます。

というのも、死後の財産分与についての指示には、自殺の意図が読み取れますが、
同時に「牧人の歌が聴こえなかった時には、あわや自殺しようとしたこともある。
しかし、私の芸術だけがそうした思いから引き戻した。
生涯を終わらせずにこれたのも、徳と私の芸術のおかげだ。」
とも、10月6日と10日の2通の封書には記されているのです。

実際、遺書から程なくして、分厚いスケッチ帳を抱えてウィーンに戻った彼は、
自らの使命に目覚めたかのように、それまでにない筆致で次々と作品を仕上げ、
翌1803年から1804年にかけては、革新的な大作の英雄交響曲を完成させています。

ロマンス第1番ト長調の作曲の背景には、こうした激動の精神的変遷があったのです。
しかし、それを微塵も感じさせない程に、この曲はどこまでも穏やかで可憐です。





ベートーヴェン:ヴァイオリンと管弦楽のための“ロマンス” 第1番 ト長調 Op.40
Ludwig van Beethoven
Romance for Violin and orchestra No.1 in G major, Op.40



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2012年07月27日


レハール:ワルツ 《金と銀》 Op.79

ウィンナ・ワルツ・コンサート
定価:¥ 1,050
新品最安価格:34%OFF ¥ 690 (8店出品)
5.0点 最高の「金と銀」
3.0点 金と銀
発売日:2002-06-21
メーカー:コロムビアミュージックエンタテインメント
アーティスト:ケンペ(ルドルフ)

♪稀代の旋律作家レハールの魅力がつまった名ワルツ

フランツ・レハールはハンガリーのコマーロム出身の作曲家です。
作曲のジャンルは交響詩やピアノソナタを含め、多岐にわたりましたが、
何と言ってもオペレッタでの成功が圧倒的です。
ヨハン・シュトラウス2世以降、最大にして最後の喜歌劇作曲家ともいえます。

1870年生まれのレハールは、吹奏楽団の隊長だった父から音楽を習い、
1882年から1888年まではプラハ音楽院に学びました。
そこで作曲した二つのピアノソナタがドヴォルザークの目にとまり、
作曲家になることを勧められました。

卒業後はエルベルフェルトの劇場の管弦楽団で第一ヴァイオリンを弾き、
その後は作曲の時間を作るため、父の楽団の楽長次席となり、
二十歳となった1890年からは、各地の楽団の指揮者を務めました。
そして1902年に喜歌劇「ウィーンの女」がヒットしたことを機に、
いよいよ作曲家としての道を本格的に歩み始めたのでした。

喜歌劇やそこから編曲のワルツなどが有名なレハールですが、
『金と銀』は始めから独立した管弦楽曲として作曲されたワルツです。
1902年の謝肉祭の間に催された、ある舞踏会のために作曲されました。
主催は当時のウィーン社交界の中心人物であったパウリーネ・メッテルニヒ侯爵夫人。

彼女は毎年、謝肉祭で開かれる舞踏会にテーマをつけていました。
レハールが作曲の依頼を受けた、その年のテーマは「金と銀」。
会場は銀色に照らされ、天井には金色の星が煌き、壁一面に金銀の飾りが付けられ、
参加者も金銀に彩られた思い思いの装飾を纏っていたと伝えられています。

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1902年1月27日に開催された舞踏会でお披露目されたワルツ『金と銀』は、
当初はウィーンでもあまり話題になりませんでしたが、譜面が出版されるとその年には、
ロンドン、ニューヨーク、パリ、ベルリン、モスクワとたちまち大ヒットを記録。
今日ではレハールの代表作として、また代表的なウィンナワルツとして世界中で愛され、
ヨハン・シュトラウス2世等の作品と共によく演奏されています。

魅力的な旋律が次々と並ぶ様は、師匠のドヴォルザークに勝るとも劣らずで、
類まれなメロディーメイカーとしての実力が存分に発揮されています。
シュトラウスの「美しく青きドナウ」と頂点を二分するワルツと言えましょう。





レハール:ワルツ 《金と銀》 Op.79
Franz Lehár:Walzer Gold und Silber Op.79



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2012年07月19日


リヒャルト・シュトラウス:ツァラトゥストラはかく語りき Op.30 1. 導入部 [2012]

R.シュトラウス:ツァラトゥストラはかく語りき、ドン・ファン
定価:¥ 1,800
新品最安価格:12%OFF ¥ 1,572 (6店出品)
中古最安価格:13%OFF ¥ 1,562 (1店出品)
発売日:2011-09-07
メーカー:ユニバーサル ミュージック クラシック
アーティスト:カラヤン(ヘルベルト・フォン)
時間:70(分)

♪ニーチェの未完の詩作から得たインスピレーションによって作曲

「ツァラトゥストラはかく語りき」は、ドイツの哲学者ニーチェの未完の哲学的詩作です。
主人公のツァラトゥストラはゾロアスター教の開祖とされるペルシャの伝説的人物。
彼は13歳で故郷を捨て山に入り、10年間の瞑想生活を過ごします。
そしてある朝、日の出と共に目覚め、太陽に悟りを得たことを告げるのです。

山を降りた彼は俗界に帰り、予言者として新たな思想を説き始めます。
自分の知恵を人間のおごりが謙虚になるまで、不満足が満足になるまで
分け与えたいと考えるこの主人公こそが、他ならぬニーチェ自身の象徴であり、
「ツァラトゥストラはかく語りき」は、ニーチェの哲学的思索の集大成とも言える作品なのです。

若い頃、ミュンヘンの大学で哲学を専攻し、ニーチェの思想に共鳴したシュトラウスは、
「ツァラトゥストラ」に感銘を受け、そこから得た霊感を元に1曲の管弦楽曲を書き上げました。
それが標題を「ツァラトゥストラはかく語りき」とした、作品30の交響詩です。

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シュトラウスはスコアの冒頭に、ニーチェの原著から序文を掲げていますが、
この交響詩はニーチェの著作の音楽化を試みたのではなく、
シュトラウス自身の言葉によれば、「人類の発展の観念がその起源から様々な経過をたどり、
ニーチェの超人の観念に至るまでを音楽で表そうとした」作品です。
シュトラウスは標題に添えて「ニーチェに自由に従った」とも記しています。

この交響詩は導入部と8つの章で構成され、切れ目なく演奏されます。

1. Einleitung (導入部)
2. Von den Hinterweltlern (世界の背後を説く者について)
3. Von der großen sehnsucht (大いなる憧れについて)
4. Von den Freuden und Leidenschaften (喜びと情熱について)
5. Das Grablied (墓場の歌)
6. Von der Wissenschaft (学問について)
7. Der Genesende (病より癒え行く者)
8. Das Tanzlied (舞踏の歌)
9. Nachtwandlerlied (夜の流離い人の歌)

1896年の2月にミュンヘンで作曲が始まり、同年の8月24日に完成。
11月27日に、フランクフルトの博物館協会のコンサートにおいて、
シュトラウス自身の指揮によって初演され、大きな反響と反論を呼びました。

導入部が映画「2001年宇宙の旅」で使用され、一躍有名になったのはご存知の通り。
当初、レコード会社の意向により指揮者・演奏団体が伏せられたため、
カール・ベーム指揮、ベルリン・フィルハーモニーの演奏がサントラ盤に収録されていましたが、
実際はカラヤン指揮のウィーン・フィルハーモニーの演奏で、後年サントラも入れ替えられました。

録音の会場となったウィーンのゾフィエンザールにオルガンがなかったため、
導入部最後のパイプオルガンの和音は、郊外の教会で別録りしてミックスされました。
ウィーン・フィルとの共演を望み、デッカの録音技術に惚れ込んでいたカラヤンが、
それまで専属だったEMIからデッカに移籍して最初の録音がこの作品でした。

*楽曲ファイルは演奏と音響を改めた新録音です。





リヒャルト・シュトラウス:ツァラトゥストラはかく語りき Op.30 1. 導入部 [新録音2012]
Richard Strauss:Also sprach Zarathustra Op.30
1. Einleitung



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2012年06月23日


ワイル:組曲《小さな三文音楽》から 6. キャノン砲の歌 (歌劇「三文オペラ」)

皇帝円舞曲(巨匠クレンペラーの世界)
新品最安価格:¥ 7,660 (1店出品)
中古最安価格:¥ 4,800 (1店出品)
レビュー平均: 4.0点 (1 人がレビュー投稿)
4.0点 klempererの別の一面かな
発売日:2002-07-26
メーカー:EMIミュージック・ジャパン
アーティスト:クレンペラー(オットー)
時間:56(分)

♪オペラからミュージカルまで…ジャンルを越えて活躍した奇才

クルト・ワイルは20世紀前半に活動したドイツの作曲家。
1900年3月2日に生まれ、1950年4月3日、ニューヨークで死没しました。

ベルリン高等音楽院でフンパーデインクに作曲を指示。
卒業後は作曲家、指揮者として名をなしました。

早くから交響曲を書くなど、才能を見せ始めていましたが、
彼の名声を決定的にしたのは、何と言っても歌劇「三文オペラ」です。
200年前の音楽劇「乞食オペラ」のリメイクではありますが、
音楽は純然たるオリジナルで、ジャズを取り入れるなど画期的なものでした。

しかし、台本のプレヒトとは見解の違いから決裂してしまいます。
そして、反体制だった彼の存在は、台頭するナチスから疎まれ、
コンサートに妨害が入るまでになっていました。

そこでワイルはドイツを去り、新天地をアメリカに求めました。
それまでの生活をすべて捨て去り、ドイツ語すら話さなくなりました。

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アメリカでの彼はミュージカルの作曲を精力的にこなしていきます。
これがその後のアメリカのミュージカルの、大きな土台となったのです。
ジャンル越えて多くのミュージシャンたちが、ワイルから受けた影響を表明しています。

ところでワイルは「三文オペラ」を管楽器のみのオーケストラ作品、
「小さな三文音楽」として、7曲からなる組曲に編曲していますが、
これを勧めたのは大指揮者オットー・クレンペラーです。
現代音楽の旗手だったクレンペラーはワイルとも交流があり、
組曲の初演を務めたばかりではなく、晩年のフィルハーモニア管弦楽団を含めて、
生涯に二度の録音を行っています。
フィルハーモニアの方は、クレンペラーらしい実直な演奏です。

組曲は歌劇の中から選ばれた次の7曲で構成されています。

組曲《小さな三文音楽》
1. 序曲
2. モリタート(匕首マッキーの歌)
3. 代わりにの歌
4. 気楽な生活のバラード
5. ボリーの歌
6. キャノン砲の歌
7. 終曲




ワイル:組曲《小さな三文音楽》から 6. キャノン砲の歌 (歌劇「三文オペラ」)
Kurt Weill:Kleine Dreigroschenmusik (A Little Threepenny Music)
6. Cannon song



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2012年05月18日


J.S.バッハ:G線上のアリア - 管弦楽組曲 第3番 ニ長調 BWV1068 [新録音2012]

バッハ:管弦楽組曲第2番&第3番
新品最安価格:¥ 1,340 (3店出品)
5.0点 名演
4.0点 バッハ管弦楽組曲2番3番他
5.0点 ザ・王道
発売日:2006-11-08
メーカー:ユニバーサル ミュージック クラシック
アーティスト:リヒター(カール)
フォーマット:Limited Edition

♪美しい弦のアンサンブルが紡ぎ出す清浄な音世界

パッヘルベルのカノンショパンの別れの曲ドヴォルザークの新世界より
スメタナのモルダウエルガーの威風堂々ホルストのジュピター…。
クラシックには挙げればきりがない程の名旋律がありますが、
この曲の美しさ、品格はやはり群を抜いているでしょう。

J.S.バッハの『G線上のアリア』は、管弦楽組曲第3番の第2曲アリアを、
ドイツの名ヴァイオリニスト、アウグスト・ウィルヘルミ(1845-1908)が、
ヴァイオリンのG線のみで弾けるように編曲したことがきっかけで
ヴァイオリン独奏曲としても、いっそう広まり有名になった曲です。

G線は4本あるヴァイオリンの弦の中でも、一番音の低い弦で、
柔らかさと力強さを併せ持つ、豊かな音色が特徴です。
ウィルヘルミはこれを活かして、アリアを魅力的な独奏曲へと仕上げたのです。

バッハは1717年から1723年、年齢にして32歳から38歳頃までの間、
ケーテン地方を統治するレオポルド公の宮廷楽長を務めていました。
レオポルド公は若年ながら優秀な宮廷楽団を抱え、
自身も弦楽器やクラヴィアを器用に弾きこなす音楽通でした。

バッハはこの楽団を指導しながら、教会音楽とは趣きの異なる、
管弦楽曲や、協奏曲、室内楽曲などを自由に作曲しました。
この時代がバッハのケーテン時代と呼ばれています。

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4曲あるバッハの管弦楽組曲は、どれもこのケーテン時代に書かれました。
規模の大きな序曲で始まり、様々な古典舞曲を並べるのがこれら組曲の特色です。
こうした組曲の形式は、バッハの時代に好まれ、多くの作曲家たちが用いていました。

管弦楽組曲第3番の編成はオーボエ、トランペット、打楽器、弦楽部。
楽曲は1.序曲、2.アリア、3.ガヴォット、4.ブーレー、5.ジーグで構成され、
第2曲アリアは通常の弦楽器と通奏低音のみで演奏されます。

第1ヴァイオリンが奏でる主旋律は、冒頭からしばらく一音を保ち、
これに寄り添う第2ヴァイオリン、内声を豊かに響かせるヴィオラ、
そして下降するチェロの低音が絶妙なアンサンブルを見せ、
聴く者を清浄で崇高な世界へと誘っていきます。

*演奏と音響を改めた新録音です。





J.S.バッハ:G線上のアリア - 管弦楽組曲 第3番 ニ長調 BWV1068 [新録音2012]
J.S.Bach:Orchestral Suite No.3 in D major, BWV1068 2. Air



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2012年04月20日


エルガー:威風堂々 第1番 ニ長調 Op.39 [新録音2012]

エルガー:「威風堂々」第1番~第6番、弦楽セレナード
新品最安価格:42%OFF ¥ 1,737 (11店出品)
レビュー平均: 5.0点 (1人がレビュー投稿)
5.0点 エルガー・チクルス完結!
発売日:2009-10-21
メーカー:エクストン
アーティスト:アシュケナージ(ウラディーミル)
フォーマット:SACD

♪第2の国歌としてイギリス国民に愛される名歌

イギリス・ロンドンで毎年夏に開催される、世界的なクラシック音楽祭「ザ・プロムス」。
8週間に及ぶシリーズの最終日(ラスト・ナイト)では、BBC交響楽団と合唱団、
そして聴衆が一体となって、『威風堂々』を歌い上げてフィナーレを締めくくります。
その高揚感に満ちたシーンからは、いかにイギリス国民が第2の国歌として、
この曲を愛しているかが、否が応でも伝わってきます。

『威風堂々』とひと口に言えば、ニ長調の第1番か、あるいはその中間部(2:00)の、
トリオの有名な旋律、『希望と栄光の国』(Land of Hope and Glory)を想起しますが、
実際にはエルガー自身が完成させた、第1番から第5番までの5曲と、
アンソニー・ペインが補完した第6番の、全6曲の行進曲集を指します。

原題"Pomp and Circumstance"は、シェイクスピアの戯曲『オセロ』第3幕第3場の、
『Pomp and Circumstance of gloriouswar』という台詞から取られています。
「壮麗、華麗」を意味するPomp、「儀式張った、物々しい」を意味するCircumstance。
『威風堂々』の訳はこれらから考えて、かなり意訳に近いかもしれませんが、
ウェーバーの『魔弾の射手』のように、指折りの名訳と呼んでもいいと思います。

1901年に作曲の第1番は、友人のアルフレッド・ロードウォルドに捧げられました。
ロードウォルドはリヴァプールで繊維会社を経営する実業家で、
自ら組織するリヴァプール・オーケストラ協会の指揮者でもありました。

彼はエルガーの理解者として経済的な援助を惜しまず、
これに感謝したエルガーは、ロードウォルドとオーケストラに第1番を捧げたのです。
作曲年の10月19日にリヴァプールにて、ロードウォルドの指揮で初演されました。

3日後の1901年10月22日、ロンドンのクイーンズホールでの演奏会は大盛況で、
秩序を回復するために、2度のアンコールに応えたと指揮者ウッドは伝えています。

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国王エドワード7世は中間部のメロディを「いずれ世界中に広まるだろう」と絶賛し、
エルガーに歌詞を付けることを勧めました。
そこでエルガーは翌年に、国王のための『戴冠式頌歌』(Coronation Ode)を作曲。
終曲に中間部の旋律を用いて、作家A.C.ベンソンの祖国を讃える内容の詩を付け、
『希望と栄光の国』というアルト独唱、合唱団と管弦楽のための曲に仕上げました。

さらにこの曲の人気に目をつけた出版社が、独立した歌曲として売り出し、
『希望と栄光の国』は国歌に次ぐ、国民的な愛唱歌となっていったのです。
現在でもザ・プロムスなどにおける演奏がBBCで放映される際には、
歌曲の最初の部分でエリザベス2世女王の映像が、必ず流されることになっています。

*演奏と音響を刷新した新録音です





エルガー:威風堂々 第1番 ニ長調 Op.39 [新録音2012]
Sir Edward William Elgar:Pomp and Circumstance March No.1 in D Op.39



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2012年04月16日


ヘンデル:王宮の花火の音楽 HWV351 4. 歓喜

ヘンデル:水上の音楽
新品最安価格:14%OFF ¥ 858 (4店出品)
レビュー平均: 4.3点 (7人がレビュー投稿)
4.0点 大人(たいじん)のヘンデル!
5.0点 セルの面目躍如
5.0点 ヘンデル・水上の音楽、王宮の花火の音楽
発売日:2002-03-27
メーカー:ユニバーサル ミュージック クラシック
アーティスト:セル(ジョージ)

♪戦争終結の和約を祝した花火大会の華やかな音楽

1749年4月27日、ロンドン中心部の王宮に隣接するグリーンパークは、
この日の催し物を見ようと詰めかけた、多くの群集で埋め尽くされていました。
イギリスが参戦し1740年に始まった、オーストリア継承戦争の終結に際して開かれた、
アーヘンの和約(1748年10月)を祝して企画された大規模な花火大会です。

時の国王ジョージ2世は、この祝典を盛り上げるための音楽の作曲を、
国王と同世代で旧知の仲だったヘンデルに依頼しました。
1710年からヘンデルは活動の拠点をロンドンに移していました。
そして、50以上のオペラやオラトリオにより、その地位を不動のものにしていたのです。

当初ヘンデルは弦楽を伴う管弦楽曲として作曲する予定でしたが、
勇壮さを求めた国王の要望に応え、大編成の管楽器と打楽器用に仕上げました。
それはトランペット9、ホルン9、オーボエ24、ファゴット12、コントラファゴット1、
ティンパニー3、小太鼓2、更にセルバンを加えた、総勢57人による大合奏でした。

初演ではこれに管楽器を追加して、結局数は100本以上になったといいます。
花火大会の1週間前の公開練習には、1万2千人が集まり評判を呼びました。

こうして開かれたグリーンパークの花火大会でしたが、
序曲が演奏されて101発のカノン砲が撃たれたあと、思わぬ悲劇が起こります。
花火の打ち上げ開始から、ほどなくして雨が降り出し、花火の着火もままならず、
なんとか着火できても発射台が転倒して花火が木造建築に引火し、
ついにはジョージ2世の像までが焼け落ちてしまったのです。

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悲鳴をあげて逃げ惑う群衆…大会は大失敗です。
責任者セルヴァンドーニは半狂乱になり、役員に切りつける騒ぎにまでなりました。
ところがこのことで、人々の関心はヘンデルが作曲した音楽に集まり、
結果として「王宮の花火の音楽」は、期待通りの大成功を収めたのでした。

祝賀会のあと、ヘンデルはこれに弦楽器を加え、管楽器の編成を調整し、
演奏会用の管弦楽曲として、5月にロンドンの慈善音楽会で演奏しました。
序曲と花火の合間に演奏する舞曲風の小曲からなる「王宮の花火の音楽」は、
その後、ハーティやストコフスキーなど様々な指揮者が編曲し、組曲としています。





ヘンデル:王宮の花火の音楽 HWV351 4. 歓喜
George Frideric Handel:Music for the Royal Fireworks
4. La Réjouissance: Allegro



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2012年04月12日


クラーク:トランペット・ヴォランタリー (デンマーク王子の行進曲)

クラシック・ウイントン~ベスト・アルバム~
新品最安価格:20%OFF ¥ 1,340 (10店出品)
レビュー平均: 4.5点 (2人がレビュー投稿)
5.0点 ゴキゲンです
4.0点 聖グレゴリウスの祈り
発売日:2004-11-17
メーカー:ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
アーティスト:マルサリス(ウイントン)

♪結婚式でもおなじみの優雅なトランペット曲

この曲は長らくイギリスの大作曲家ヘンリー・パーセルの作とされてきました。
しかし実際は同じくイギリスのバロック期の作曲家ジェレマイア・クラークの作品です。

クラークは1674年にロンドンで生まれたとされています。
セント・ポール大聖堂でジョン・ブロウに師事。
後に王室礼拝堂のオルガン奏者となり、同時に作曲活動を続けました。
身分が上の美しい女性に恋した彼は、銃で自らの命を絶ったということです。

《トランペット・ヴォランタリー》として、結婚式でもよく聴かれるこの曲は、
クラークが「ハープシコードのためのエア選曲集」という当時の曲集に寄せた、
《デンマーク王子の行進曲 - The Prince of Denmark's March》という曲が原曲です。

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チェンバロ用の鍵盤曲だったこの曲を、1900年頃の指揮者ヘンリー・ウッドが、
トランペットとオルガン用に編曲した際、「パーセルのトランペット・ヴォランタリー」
と紹介したことが、その後に続いた作曲者の誤解を招いてしまったようです。

ウッドが使用したらしい、19世紀のオルガン用編曲版にはパーセル原曲と記され、
また、パーセルの作品群の資料中に、作者不明としてこの曲が混入していたことが、
ウッド自身にも誤解を生じさせたともみられています。

《デンマーク王子の行進曲》はクラーク作曲の管楽器のための組曲にも含まれ、
このことから原曲は、トランペットと管楽器のアンサンブルだった可能性もあります。

「ヴォランタリー」は教会の礼拝前後と、その合間に演奏されるオルガン曲です。
華やかな曲調から、結婚式の退場の際に用いられることもあります。

余談ですがこの曲には日本の唱歌「お正月」「春が来た」に聴こえる部分があります。
またビートルズの「It's all too much」の後半で、この曲の冒頭フレーズが登場しています。





クラーク:トランペット・ヴォランタリー (デンマーク王子の行進曲)
Jeremiah Clarke:Trumpet Voluntary - The Prince of Denmark's March



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2012年01月26日


ドビュッシー:交響詩《海》 1. 海の夜明けから正午まで

交響詩「海」(ドビュッシー管弦楽名曲集)
新品最安価格:¥ 1,685 (2店出品)
レビュー平均: 5.0点 (2人がレビュー投稿)
5.0点 豊かな残響の中からくっきりした色彩が!
5.0点 交響詩「海」といえばこの演奏
発売日:2002-06-19
メーカー:EMIミュージック・ジャパン
アーティスト:マルティノン(ジャン)

♪印象主義音楽を代表するドビュッシーの最高傑作のひとつ

『海 - 管弦楽のための3つの交響的素描』は、一般に交響詩《海》とも呼ばれます。
全3楽章からなるこの曲の内容は立派で、ほとんど交響曲と言ってもいいほどです。
作曲が始められたのは1903年の夏頃のこと。
ドビュッシーはブルゴーニュ地方にある、妻リリー・テクシーの実家に滞在中でした。

そこは海の見えない場所でしたが、彼は作曲家メサジェへの手紙にこう書いています。
「でも私には無数の思い出があります。私の考えではそれの方が現実よりましです。」
その後、ロンドン近郊のドーバー海峡に面した、イエストバーンの海辺に移り住み、
1905年3月5日、その地で充実したこの交響楽は完成しました。

当初は「サンギネールの島々の美しい海」「波の戯れ」「風が海を踊らせる」という
副題を持つ3つの楽章から構成されることがメサジェに伝えられていましたが、
最終的にはそれらの副題は除かれ、次のタイトルがつけられました。

1. 海の夜明けから正午まで (De l'aube à midi sur la mer)
2. 波の戯れ (Jeux de vagues)
3. 風と海の対話 (Dialogue du vent et de la mer)

《海》はドビュッシーの管弦楽作品としては、1年半という短期間で作曲されています。
「夜想曲」には約5年、「映像」3部作には7年の月日が費やされました。
しかし《海》の作曲中はドビュッシーにとって、特に辛い時期でもありました。

1899年に結婚した妻リリー・テクシエとの関係は、3年もすると冷めたものになり、
1904年妻リリーを捨て、自分の生徒の母親であり、著名な銀行家の妻でもあった
エンマ・バルダックと駆け落ちをするというスキャンダルを起こしてしまったのです。

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ショックを受けたリリーは、ピストルで胸を撃ち自殺を計ります。
幸い未遂で済んだものの、ドビュッシーの元からは多くの友人が去り、
世間の批判の矢面に立たされ、事はパリ中の騒動へと発展してしまいました。

そうした最中、1905年にエンマ・バルダックとの同棲が始まり、
長女クロード=エンマ(シュウシュウ)が誕生。
心境も落ち着き、制作も進んで《海》は完成へとたどり着いたのでした。

初版の表紙には葛飾北斎の冨嶽三十六景「神奈川沖浪裏」が採用されました。
これはドビュッシー本人の希望によるもので、
当時のフランスの日本ブームや、ドビュッシーの東洋趣味が表れています。
この頃、彼の部屋にはこれとまったく同じ絵が飾られていました。





ドビュッシー:交響詩《海》 1. 海の夜明けから正午まで
Claude Debussy:The sea, three symphonic sketches for orchestra
1. "From dawn to noon on the sea" or "From dawn to midday on the sea"



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posted by アンドウトワ at 17:31 | 管弦楽曲 (Orchestral) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月02日


モーツァルト:セレナード第10番 変ロ長調 『グラン・パルティータ』 K.361 (370a) 第3楽章

モーツァルト:グラン・パルティータ
新品最安価格:17%OFF ¥ 865 (8店出品)
レビュー平均: 5.0点 (1人がレビュー投稿)
5.0点 3楽章以外も聴いて
発売日:2002-01-23
メーカー:ワーナーミュージック・ジャパン
アーティスト:アーノンクール(ニコラウス)

♪管楽器による音楽の最高峰に立つ傑作


このジャンル全体の頂点とみなされるものである。
これに続くものは後世にも出ていない。
                                ― A.アインシュタイン

映画や舞台で有名な『アマデウス』で、サリエリが初めてモーツァルトを知る場面。
セレナーデ第10番第3楽章の妙なる調べが彼の心を捉え、陶酔へと誘っていきます。

「それは私の耳にしっかりとついて離れず、胸を刺し貫き、息が詰まるほどだった。
やがて、心を和らげるようなクラリネットの音色が響いてきた。
うっとりとするその調和、私は歓びに全身が震えた。」(第一幕第五場)

あたかも天からの音のように響くモーツァルトの天才の響きに、
サリエリはかつてない感動を覚え、それがやがて嫉妬へと変貌していくのです。
モーツァルトを最も憎んだ人間が、実はモーツァルトを最も理解していたという筋です。

セレナーデ第10番は『グラン・パルティータ』(大組曲)の名でも知られています。
これは後世につけられたものですが、曲の特徴を捉えていることから定着しています。
当時ウィーンでは「ハルモニー」または「ハルモニームジーク」と呼ばれる、
管楽合奏が流行していて、第10番はその演奏のために書かれました。

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大組曲と呼ばれるように楽器編成も演奏時間も大規模で、
通常の八重奏に管楽器4本とコントラバス1台を加えた13人の合奏で、
全7楽章が50分近くかけて演奏される、当時としては異例の作品でした。

モーツァルト自身は低音にコントラバスを指定していますが、
管楽器のみの演奏用に低音をコントラ・ファゴットで代用することもあります。
そのため一様に「13管楽器のためのセレナーデ」とも呼ばれています。

1784年3月23日のブルク劇場での初演には、次のような評伝が残されています。
「モーツァルト氏による4楽章からなる作品で、輝かしく崇高なものであった。
それは13の楽器、すなわち、ホルン4、オーボエ2、ファゴット2、クラリネット2、
バセット・ホルン2、コントラバスからなる編成で、どの楽器をも名手が担当していた。
その効果のなんと素晴らしかったことか。輝かしく壮大で、高雅かつ崇高であった。」





モーツァルト:セレナード第10番 変ロ長調 『グラン・パルティータ』 K.361 (370a) 第3楽章 Wolfgang Amadeus Mozart:Serenade No.10 for winds in B flat major
K.361/370a 3. Adagio



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posted by アンドウトワ at 07:21 | 管弦楽曲 (Orchestral) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする