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2019年09月05日


エルガー:威風堂々 第1番 ニ長調 Op.39 [2019][AR] / Edward William Elgar:Pomp and Circumstance March No.1 in D major, Op.39

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イギリス・ロンドンで毎年夏に開催される、世界的なクラシック音楽祭「ザ・プロムス」。
8週間に及ぶシリーズの最終日(ラスト・ナイト)では、BBC交響楽団と合唱団、
そして聴衆が一体となって、『威風堂々』を歌い上げてフィナーレを締めくくります。
その高揚感に満ちたシーンからは、いかにイギリス国民が第2の国歌として、
この曲を愛しているかが、否が応でも伝わってきます。

『威風堂々』とひと口に言えば、ニ長調の第1番か、あるいはその中間部(2:00)の、
トリオの有名な旋律、『希望と栄光の国』(Land of Hope and Glory)を想起しますが、
実際にはエルガー自身が完成させた、第1番から第5番までの5曲と、
アンソニー・ペインが補完した第6番の、全6曲の行進曲集を指します。

原題"Pomp and Circumstance"は、シェイクスピアの戯曲『オセロ』第3幕第3場の、
『Pomp and Circumstance of gloriouswar』という台詞から取られています。
「壮麗、華麗」を意味するPomp、「儀式張った、物々しい」を意味するCircumstance。
『威風堂々』の訳はこれらから考えて、かなり意訳に近いかもしれませんが、
ウェーバーの『魔弾の射手』のように、指折りの名訳と呼んでもいいと思います。

1901年に作曲の第1番は、友人のアルフレッド・ロードウォルドに捧げられました。
ロードウォルドはリヴァプールで繊維会社を経営する実業家で、
自ら組織するリヴァプール・オーケストラ協会の指揮者でもありました。

彼はエルガーの理解者として経済的な援助を惜しまず、
これに感謝したエルガーは、ロードウォルドとオーケストラに第1番を捧げたのです。
作曲年の10月19日にリヴァプールにて、ロードウォルドの指揮で初演されました。

3日後の1901年10月22日、ロンドンのクイーンズホールでの演奏会は大盛況で、
秩序を回復するために、2度のアンコールに応えたと指揮者ウッドは伝えています。




国王エドワード7世は中間部のメロディを「いずれ世界中に広まるだろう」と絶賛し、
エルガーに歌詞を付けることを勧めました。
そこでエルガーは翌年に、国王のための『戴冠式頌歌』(Coronation Ode)を作曲。
終曲に中間部の旋律を用いて、作家A.C.ベンソンの祖国を讃える内容の詩を付け、
『希望と栄光の国』というアルト独唱、合唱団と管弦楽のための曲に仕上げました。

さらにこの曲の人気に目をつけた出版社が、独立した歌曲として売り出し、
『希望と栄光の国』は国歌に次ぐ、国民的な愛唱歌となっていったのです。
現在でもザ・プロムスなどにおける演奏がBBCで放映される際には、
歌曲の最初の部分でエリザベス2世女王の映像が、必ず流されることになっています。

*演奏と音響を刷新した新録音です。弦楽器のスタッカートを強調しメリハリをつけました。それを活かすために音響は残響を浅めにしました。




エルガー:威風堂々 第1番 ニ長調 Op.39 [2019][AR]
Edward William Elgar:Pomp and Circumstance March No.1 in D major, Op.39 [6:32]


Elgar-Pomp-and-Circumstance-March-No1-2019-AR.mp3



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2019年08月28日


リヒャルト・シュトラウス:ツァラトゥストラはかく語りき Op.30 1. 導入部 [2019][AR] / Richard Strauss:Also sprach Zarathustra Op.30 1. Einleitung

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「ツァラトゥストラはかく語りき」は、ドイツの哲学者ニーチェの未完の哲学的詩作です。
主人公のツァラトゥストラはゾロアスター教の開祖とされるペルシャの伝説的人物。
彼は13歳で故郷を捨て山に入り、10年間の瞑想生活を過ごします。
そしてある朝、日の出と共に目覚め、太陽に悟りを得たことを告げるのです。

山を降りた彼は俗界に帰り、予言者として新たな思想を説き始めます。
自分の知恵を人間のおごりが謙虚になるまで、不満足が満足になるまで
分け与えたいと考えるこの主人公こそが、他ならぬニーチェ自身の象徴であり、
「ツァラトゥストラはかく語りき」は、ニーチェの哲学的思索の集大成とも言える作品なのです。

若い頃、ミュンヘンの大学で哲学を専攻し、ニーチェの思想に共鳴したシュトラウスは、
「ツァラトゥストラ」に感銘を受け、そこから得た霊感を元に1曲の管弦楽曲を書き上げました。
それが標題を「ツァラトゥストラはかく語りき」とした、作品30の交響詩です。

シュトラウスはスコアの冒頭に、ニーチェの原著から序文を掲げていますが、
この交響詩はニーチェの著作の音楽化を試みたのではなく、
シュトラウス自身の言葉によれば、「人類の発展の観念がその起源から様々な経過をたどり、
ニーチェの超人の観念に至るまでを音楽で表そうとした」作品です。
シュトラウスは標題に添えて「ニーチェに自由に従った」とも記しています。




この交響詩は導入部と8つの章で構成され、切れ目なく演奏されます。

1.Einleitung (導入部)
2.Von den Hinterweltlern (世界の背後を説く者について)
3.Von der großen sehnsucht (大いなる憧れについて)
4.Von den Freuden und Leidenschaften (喜びと情熱について)
5.Das Grablied (墓場の歌)
6.Von der Wissenschaft (学問について)
7.Der Genesende (病より癒え行く者)
8.Das Tanzlied (舞踏の歌)
9.Nachtwandlerlied (夜の流離い人の歌)

1896年の2月にミュンヘンで作曲が始まり、同年の8月24日に完成。
11月27日に、フランクフルトの博物館協会のコンサートにおいて、
シュトラウス自身の指揮によって初演され、大きな反響と反論を呼びました。

スタンリー・キューブリック監督の映画「2001年 宇宙の旅」では、
まだ未開の人類が初めて自我に目覚める場面で象徴的に使用されています。
これにより同曲は一躍、世界中にその名を知られる作品になりました。


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リヒャルト・シュトラウス:ツァラトゥストラはかく語りき Op.30 1. 導入部 [2019][AR]
Richard Strauss:Also sprach Zarathustra Op.30 1. Einleitung [1:56]


Richard-Strauss-Also-sprach-Zarathustra-Einleitung-2019-AR.mp3



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2019年08月07日


ワーグナー:歌劇《ローエングリン》第1幕への前奏曲 [2019][AR] / Richard Wagner:"Lohengrin" Prelude to Act I

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「おそらくワーグナーの手による最も成功した、かつ最も霊感に満ちた作品」
チャイコフスキーが1871年に、この曲について評した言葉です。

楽曲全編に漂う神妙なインスピレーションは例えようがなく、
あたかも天界の神々の世界に通じるような宗教的な響きがあります。

またこの曲はチャップリンの1940年の映画「独裁者」で感動的に使われています。




ラストシーンでナチスの追っ手に見つかり、失意に伏した恋人ハンナたちに、
チャップリン扮するユダヤ人の床屋がラジオを通じて語りかけます。

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「ハンナ泣くのはおよし、ほら雲の切れ間から日が射して来たよ」

ここで前奏曲が絶望の世界に降り注ぐ、天界からの救いの光のように流れて来ます。
そして映画はまだ見ぬ希望を予感するかのように、
顔を上げ空に目を向けるハンナのアップで締めくくられています。

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チャップリンはヒットラーが愛したワーグナーの音楽をあえて使用することで、
この曲は戦争のためではなく、平和のために存在するのだと伝えたかったのかもしれません。


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ワーグナー:歌劇《ローエングリン》第1幕への前奏曲 [2019][AR]
Richard Wagner:"Lohengrin" Prelude to Act I [10:53]


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2019年05月28日


ベートーヴェン:コリオラン序曲 Op.62 [2019][AR] / Ludwig Van Beethoven:"CORIOLAN" OVERTURE Op.62

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「コリオラン」序曲は1807年の初め頃に作曲された演奏会用序曲です。
同じ年にベートーヴェンは、交響曲第4番、第5番、第6番と、
ピアノ協奏曲第4番、ヴァイオリン協奏曲などを作曲しました。

こうした多忙な中でこの序曲は短期間に一気に書かれたといいます。




交響曲第5番「運命」の第1楽章とは同じハ短調、アレグロ・コン・ブリオである他、
動機の執拗な展開など類似点が多く見出せます。


ベートーヴェン:コリオラン序曲 Op.62 [2019][AR]
Ludwig Van Beethoven:"CORIOLAN" OVERTURE Op.62 [10:40]


Beethoven-Coriolan-Overture-2019-AR.mp3



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2019年05月09日


J.S.バッハ:羊は安らかに草を食み 《狩のカンタータ》 BWV.208 [2019][AR] / J.S.Bach:Sheep May Safely Graze BWV.208

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「羊は安らかに草を食み」は、J.S.バッハによるソプラノアリアで、
世俗カンタータ第208番、通称「狩猟カンタータ」としても知られています。

同じくバッハ作曲の「主よ、人の望みのよろこびよ」と同じように、
結婚式でも頻繁に演奏されますが、もともとはヴァイセンフェルス公爵の
誕生日のお祝いのために書かれました。

11年前にソプラノのボーカロイド音源で公開しましたが、
今回はストリングスオーケストラ主体の演奏でお届けします。


J.S.バッハ:羊は安らかに草を食み 《狩のカンタータ》 BWV.208 [2019新録音][AR]
J.S.Bach:Sheep May Safely Graze BWV.208 [3:21]




J.S.Bach-Sheep-May-Safely-Graze-2019-AR.mp3



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