2023年05月14日
ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調 Op.90 第1楽章 [2023] / Johannes Brahms:Symphony No.3 in F major, Op.90:I. Allegro con brio
♪第5話:トワはいかにしてCMSLの指揮者になったのか…初めて明かす自身の過去と未来への展望
こんにちは。
CMSLシンフォニックオーケストラのアンドウトワです。今日は自分のことについて少しお話させてください。
まず今回の顔写真と最初のプロフィール写真が、あまりに違うと思われるかもしれません。
その通りです。私自身も初めてあのプロフィール写真を見た瞬間、思わず「誰これ?」と声に出してしまいました。
あれは俗に言う"奇跡の一枚"のようなもので、後にも先にもあのテイストを出せたのはあれ一枚のみでした。コンマスのレアも私と同じで、最初のプロフィール写真と同じセッティングで何枚撮影しても、二度と同じような写真は撮れませんでした。
まるで詐欺のような話ですがガロ理事長は私のプロフィール写真を見て「韓国で活動してるなんとかサクラみたいでいいじゃないか」と無責任なことを言いました。
私はすぐに「宮脇咲良さんですか?とんでもない、あんな綺麗な方と一緒にしたら失礼です。ファンにも叱られますよ」と答えました。
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2023年05月11日
カリンニコフ:交響曲第1番 ト短調 第1楽章 提示部 [2023] / V.S.Kalinnikov:Symphony No.1 in G minor I. Allegro moderato
♪第4話:オーディションで「鳥の歌」を奏でた理世の思い
はじめまして、こんにちは。
CMSLシンフォニックオーケストラでチェロの主席を務めています貴島理世です。よろしくお願いいたします。
私はまだ学生です。高校に通いながらオケを両立させています。
トワさん、レアさん、美里さんは理事長にスカウトされたみたいですが、私は楽団員募集の告知を見てオーディションでこのオケに入りました。
私と同じような立場で、今も学校に通っているメンバーは何人かいます。
CMSLのオケがリニューアルするにあたって新加入したほとんどの楽団員は、オーディションの通過者たちです。
ガロ理事長は審査の現場で実技と面接に立ち会いました。
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2023年04月29日
ブラームス:交響曲 第4番 ホ短調 Op.98 第1楽章 [2023] / Johannes Brahms:Symphony No.4 in E minor, Op.98 I. Allegro non troppo
♪第1話:オケの再スタートになぜ「ブラ4」? 理事長が明かした意外な理由とは
みなさま、はじめまして。
この度、CMSL Symphonic Orchestraの主席指揮者に就任しましたアンドウトワです。
本日はゴールデンウィークの貴重なお時間を割き、当オーケストラの演奏会に足をお運びいただき誠にありがとうございます。
このオーケストラは既にお伝えしている通り、長かったコロナ禍の影響もあり、経営は至って苦しい状況にあります。
本来であればもう消滅していてもおかしくないところを、以前からご愛顧してくださる方々のご支援もあり何とかここまで持ちこたえてきました。
今回、オーケストラが再スタートを切るにあたり、楽団員の多くは刷新されました。
オケを去った有能な楽団員の方々には申し訳ない気持ちでいっぱいです。
ですがその分、新たな活動を託された私たちは、全力で一つひとつの演奏に向き合っていくつもりです。
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2023年04月19日
ラフマニノフ:交響曲第2番 ホ短調 Op.27 第3楽章 [2023] / Sergei Vasil'evich Rachmaninov:Symphony No.2 in E minor, Op27 III. Adagio

♪オーボエと弦が奏でる感動的な旋律
「交響曲第2番」はラフマニノフが私生活の上でも1902年にナターリヤと結婚、
翌年には長女を、1907年には次女を授かった、公私ともに充実していた時期の作品です。
1906年10月から1907年4月にかけて、ドレスデンと夏の間だけ帰国して過ごした
妻の実家の別荘地、イワノフカで作曲されました。
初稿にはひどく不満足だったものの、数か月の改作を経てこの作品を仕上げると
1908年1月26日にサンクトペテルブルクにて自身の指揮で初演を行いました。
演奏は大成功を収め、初演から10か月後に2度目のグリンカ賞を授けられました。
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2023年03月26日
ベートーヴェン:交響曲 第3番 変ホ長調 Op.55 「英雄」 第1楽章 [2023] / L.V.Beethoven:Symphony No.3 in E flat major, Op55 "EROICA" 1. Allegro con brio

交響曲第3番「英雄」は、ベートーヴェンが尊敬したナポレオンに捧げられた作品で、
完成した当初は総譜の表紙に「ナポレオン・ボナバルト」と書かれていました。
しかし、ナポレオンが権力を象徴する皇帝の座についたのを知ったベートーヴェンは、
顔面蒼白になり「あの男も単なる俗物であったか」と怒りに打ち震えました。
そして総譜表紙の「ボナバルト」の文字を荒々しく消すと、気を静めたのちにペンを取り、
「Symphonia Eroica - 一人の偉大な人の思い出のために」と表題を改めました。
この瞬間、「英雄交響曲」は誰かひとりの"英雄"に捧げられたのではなく、
すべての人の心にある、愛・勇気・正しさとそれを行う人を描いた作品となりました。
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2023年03月19日
シューマン:交響曲第3番 変ホ長調 Op.97「ライン」第1楽章 [2023] / Robert Alexander Schumann:Symphony No.3 in E flat major, Op.97 "Rheinische":I. Lebhaft

交響曲第3番変ホ長調「ライン」は1850年に作曲され、1851年2月6日に
デュッセルドルフにおいてシューマン自身の指揮によって初演されました。
シューマンが完成した4番目の交響曲で、実質的には最後のものにあたります。
しかし、2番目のものが後年改訂出版されて「第4番」とされたため、第3番に繰り上がりました。
「ライン」の副題はシューマン自身が付けたものではありません。
日本初演は1927年9月25日、日本青年館にて近衛秀麿と新交響楽団によって行われました。
シューマンの交響曲のなかで最も早く日本で演奏されています。
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2023年02月17日
チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 Op.64 第2楽章 [2023] / Peter Ilyich Tchaikovsky:Symphony No.5 in E minor, Op.64:II. Andante cantabile, con alcuna licenza

深い闇の彼方から朧気に響くホルンの音。
それはあたかも心の平安を求める、祈りの声のようでもあります。
第2楽章は厳かでやや陰鬱な弦の序奏のあと、
夢幻的であまりに美しい主題がホルンのソロで奏でられます。
この主題が弦によって再現されると息をつく間もなく、
さらに美しい第2主題が続けて演奏されます。
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チャイコフスキー:交響曲 第6番 ロ短調 Op.74 《悲愴》 第1楽章 [2023] / Peter Ilyich Tchaikovsky:Symphony No.6 in B minor, Op.74 "Pathetique":I. Adagio - Allegro non troppo

交響曲第6番『悲愴』はただの音楽ではありません。
チャイコフスキーが作曲の大家ではなく、ひとりの人間として明かした心の真実です。
彼は作曲しながら感情の迸りを抑えられず、涙で譜面が見えなかったと語っています。
第1楽章は『悲愴』の核心であり、特に展開部 (11:45) には最も長い演奏時間が費やされています。
ここに"人間"チャイコフスキーが伝えたかったことのすべてが集約されています。
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2022年10月29日
ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 Op92 第2楽章 [2022] / Ludwig Van Beethoven:Symphony No.7 in A major, Op.92:II. Allegretto

この楽章に対するこれまでの個人的な認識は、全体に長調で溌剌とした
勢いのある第7番にあって、唯一の短調によるまったく違う表情が、
この交響曲に深い趣きをもたらしているというものでした。
しかし今回の制作ではそれに加えて、新しい発見がありました。
それは、ベートーヴェンの厳しいまでの意志力の表現です。
冒頭からしばらくは低音を中心に弦だけが演奏を続けていますが、
短調ではあるものの、音が細かく刻まれることで緊張感が保たれ、
決して悲しみに沈みこまない決然とした、前を見据える強い意志を感じさせています。
ベートーヴェンの音楽は人に泣き言を言うことをゆるしません。
もっと強くたくましく、自分を信じて歩みゆけと呼びかけています。
そうした精神は第7のアレグレットのような音楽にあっても、
確実に根底に流れていると感じました。
悲哀が漂う、ただのロマンティックな音楽ではないことは確かです。
第7交響曲は1813年12月8日、ベートーヴェン自身の指揮により初演されました。
*演奏と音響を改めた新録音です。全体にテンポを落とし、より重厚感を出すことを心がけました。
ベルリンフィルハーモニー大ホールの舞台から20m付近の音響を使用しています。
ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 Op92 第2楽章 [2022]
Ludwig Van Beethoven:Symphony No.7 in A major, Op.92
II. Allegretto [9:48]
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Beethoven-Symphony-No7-2nd-2022.mp3
2022年10月15日
シューベルト:交響曲 第9番 ハ長調 D 944『ザ・グレイト』第1楽章 [2022] / Franz Peter Schubert:Symphony No.9 in C major, D 944 "The Great":I. Andante - Allegro ma non troppo

♪尊敬するベートーヴェンの高みを目指して
1827年の3月、ベートーヴェンが重体に陥ったとのうわさがウィーンの街を走りました。
当時30歳になり貧困と病魔に苦しんでいたシューベルトの友人たちは、
彼を尊敬するベートーヴェンに一目、会わせようと、
シューベルトの歌曲を写した楽譜をベートーヴェンの枕元に持ち込みました。
楽譜を静かに一ページずつめくっていたベートーヴェンは、ほどなくして感嘆の声をあげました。
「シューベルトのうちには神のひらめきがある」
その後、シューベルトは友人と共にベートーヴェンを訪れることになりました。
ベートーヴェンは二人を部屋に招き入れると、次のような言葉を友人に告げました。
「ヒュッテンブレンナー 、シューベルトは私の魂を持っている。今に世界にその名を知られる人だ」
それから間もなくの1827年3月26日、ベートーヴェンはこの世を去りました。
ベートーヴェンは死の直前に「なぜもっと早くシューベルトを知ることができなかったのか」
と嘆いたといわれています。
一年が過ぎた1828年の3月、シューベルトは下書きもなしに、一気呵成に交響曲を書き上げました。
それがのちの1838年にシューマンによって発見され、メンデルスゾーンの指揮で初演されることになる
「未完成」と並ぶシューベルトの不滅の名曲「ザ・グレイト」です。
作曲当時、友人たちに「もう歌曲はやめた。これからはオペラとシンフォニーだけを作曲する」
と語っていたシューベルトが、尊敬するベートーヴェンの交響曲の高みになんとか達しようと、
その熱意と心魂を傾けた一大傑作となりました。
ベートーヴェンが告げた通り、その魂を継ぐ壮大な作品を書き上げたシューベルトは、
「ベートーヴェンがいないこの世にこれ以上生きて、何の意味があるだろうか」と言い残し、
1828年11月19日、偉大な作曲家の後を追うように飢餓によりこの世を去りました。享年31歳でした。
友人たちはその棺を担ぎ、ウィーンのベートーヴェンの墓地のとなりに葬りました。
*2007年の初公開から15年ぶりの新演奏、新録音です。
*ベルリンフィルハーモニー大ホールのステージから20m付近の音響を採用しています。
シューベルト:交響曲 第9番 ハ長調 D 944『ザ・グレイト』第1楽章 [2022]
Franz Peter Schubert:Symphony No.9 in C major, D 944 "The Great"
I. Andante - Allegro ma non troppo [15:31]
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