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2010年02月20日


メンデルスゾーン:《無言歌集第2巻》 「ヴェネツィアの舟歌 第2」 Op.30-6

メンデルスゾーン:無言歌集
田部京子
コロムビアミュージックエンタテインメント(2002-06-21)
おすすめ度の平均: 5.0
5癒しの作品
5とてもチャーミングな演奏
5まさに言葉の無い歌
5理想的なメンデルスゾーン

♪水の都ヴェニスにゆれるゴンドラをイメージして

「疲れたよ、ひどく疲れた…」
メンデルスゾーンが病床で最期に発したとされる有名な言葉です。

この言葉は人生に疲れた彼の心情の表れと捉えられてきました。
しかし最近の研究では、次々と訪れる見舞い客の対応に疲れ、
思わず発してしまっただけという見方もあるようです。

メンデルスゾーンと親交のあったゲーテにも、
「もっと光を!」というよく知られた最期の言葉がありますが、
あれも単にカーテンを開けて外の光をもっと入れてくれ、
という意味に過ぎなかったともいわれています。

富裕な銀行家の家に生まれ、不自由なく幸せに生きたメンデルスゾーン。
波乱万丈の人生を送った作曲家たちが多い中にあって、
ひとりぐらいは満たされたまま生涯を閉じる者があってもいいのではないでしょうか?

メンデルスゾーンの父は彼が見聞をひろめ、教養を高めるために、
海外に旅行することを勧め、そのための援助を惜しみませんでした。
そしてその旅行は彼に作曲での多くのインスピレーションをもたらしました。

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メンデルスゾーンは旅先から家族に送る手紙に、
その土地の思い出や風景を表した旋律を添えることを常としていました。
無言歌集には彼自身が名づけた三つの「ヴェネツィアの舟歌」が含まれていますが、
これもイタリア旅行で得た着想や、家族に書き送った旋律のひとつであったかもしれません。

無言歌集第2巻の6曲目として収録された「ヴェネツィアの舟歌 第2」は、
3曲の同名曲の中でも特に親しまれ、演奏される機会も多い作品です。




Felix Mendelssohn:Venetian Gondola Song Op.30-6

http://classical-music.aki.gs/Menndelssohn-Venetian-Gondola-Song-No2.mp3



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2010年02月15日


シューベルト:即興曲集 D935/Op.142 第2番 変イ長調

シューベルト:4つの即興曲
ルプー(ラドゥ)
ユニバーサル ミュージック クラシック(2006-04-12)
おすすめ度の平均: 5.0
5弱音のコントロールが実に見事
5弾き込まれたシューベルト

♪シューベルトの才能が自由に開花した即興曲集

旋律創作の才能の非凡さから歌曲王と称されるシューベルト。
一方でシューマンが「ベートーヴェンをも凌ぐ」と評したほどに、
ピアノ曲のジャンルでも高く評価されています。

わけてもピアノソナタのように構成や形式のしっかりしたものよりも、
即興曲や楽興の時といった自由な小品で持ち味を発揮しました。

4曲ずつの2組からなる即興曲集はシューベルト最晩年の作品です。
そして歌心に満ちた最もシューベルトらしい作品としても愛されています。
またメンデルスゾーン、ショパン、ドビュッシーといった
ロマン派以降のピアノ音楽の興隆の先がけになったともいわれています。

シューベルト以前はモーツァルト、ベートーヴェンなどのピアノソナタが、
ピアノ音楽の王道として君臨していたのです。
シューベルトがイメージの趣くままに紡いだ自由なピアノ小品の数々は、
その後に続く多くの作曲家たちのインスピレーションの源にもなっていきました。

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正式にピアノを学んだこともなく、またピアノ演奏の名手でもなかった彼が、
即興曲を始めピアノソナタなど100曲以上にもなるピアノ曲を残せたのは、
彼が楽器としてのピアノの機能を十二分に理解していたためといわれています。




F.Schubert:Impromptus in A-flat major, Op142-2

http://classical-music.aki.gs/026-Schubert-IMPROMPTUS-Op142-2.mp3



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2010年02月11日


ブラームス:ワルツ第15番 変イ長調 Op.39-15

ブラームス:2台のピアノのための作品集
アルゲリッチ(マルタ)
ワーナーミュージック・ジャパン(2004-01-21)
おすすめ度の平均: 3.5
3曲によってピアノを交互に演奏している
3ワルツ集は名演だけど、全体的にはイマイチ?
4やっぱり、原曲のピアノ5重奏には勝てないかな
4まさに新鮮なブラームス像

♪ウィーンに来て間もなく書いた優美なワルツ

この作品を書いた頃、世間はJ.シュトラウスのウィンナーワルツ全盛期。
ブラームスはといえば故郷ハンブルクを無評価の失意の内に去り、
ウィーンで作曲家として新たな生活を始めて3年目の年でした。

当初、4手のピアノ連弾用に作曲された作品集は、
ブラームス自身の見込みに反して家庭音楽としても反響を呼び、
同時に編曲されていた独奏版も発表されるに至りました。

独奏版を献呈された音楽評論家のハンスリックは
「真面目で無口なブラームス。
あのシューマンの弟子で、北ドイツのプレテスタントで、
シューマンのように非世俗的な男がワルツを書いた。」
と語り、驚きを示したといいます。
踊るための娯楽音楽に過ぎないと、当時考えられていたワルツを、
絶対音楽の推進者とされていたブラームスが作曲したためです。

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シュトラウスやショパンのような華やかさや技巧性はなく、
小規模で素朴なブラームスのワルツ集ではありますが、
楽曲ごとに様々な性格の違いが見られ、
またブラームス的な緻密さや落ち着いた趣をもった魅力的な作品集です。

16曲のワルツの中で最も人気の高い第15番は、
原調ではイ長調でしたが、独奏版では変イ長調に替えられています。
今回の演奏は変イ長調の独奏版です。




J.Brahms:Walzer No.15 in A-flat major, Op.39-15

http://classical-music.aki.gs/133-Brahms-Waltz-No15.mp3



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2010年02月06日


フォーレ:組曲《ドリー》から 第1曲 子守歌 Op.56-1

ドリー〜フランス近代ピアノ・デュオ作品集1
ジョワ&ロバン=ボノー
ワーナーミュージック・ジャパン(2001-07-25)
おすすめ度の平均: 5.0
5ドリーが素敵デス
5フランスの香りのするピアノデュオ

♪少女への愛情に満ちた可憐なピアノ小品集

組曲ドリーはやさしくあたたかな子供向けのピアノ連弾曲集です。
そしてすべての曲はひとりの可憐な少女に捧げられています。

少女の名はエレーヌ。
彼女はドリーの愛称で可愛がられていました。

フォーレはドリーの誕生日が来ると、毎年1曲ずつをプレゼント。
これは1893年から1897年まで続きました。

ドリーの母親であるエンマは後にドビュッシーの妻になった人です。
ドビュッシーはエンマとの子であるシューシューのために、
有名な「子供の領分」を作曲しました。
そのため「ドリー」と「子供の領分」は、姉妹作として並べ評されることもあります。

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そして実はフォーレとエンマはただの知人ではなく、
愛人関係であったともいわれています。
つまりドリーはフォーレの実の子だったということです。

ひとりの少女のために何年にも渡ってピアノ作品を作曲して捧げ続けた背景には、
そうした隠された事情があったのかもしれません。

第1曲「子守歌」は組曲中でも人気の作品です。
ピアノ以外にも様々な楽器用にアレンジされ親しまれています。
今回はフルートとハープによる演奏でお届けします。




G.Faure:Dolly Suite "Berceuse" Op.56-1

http://classical-music.aki.gs/Faure-Dolly-Suite-Berceuse.mp3



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2009年12月12日


ショパン:ピアノソナタ第3番 ロ短調 Op.58 第1楽章


ショパン:24の前奏曲
ショパン:24の前奏曲
posted with あまなつ on 2009.12.12
マガロフ(ニキタ)
コロムビアミュージックエンタテインメント(2003-03-26)
おすすめ度の平均: 5.0
5円熟味のある落ち着いた演奏
5ピアノソナタが秀逸
5死の前年、ショパン演奏の頂点


♪ショパンの独創性と古典的構成美の見事な融合

形式的な型を好まず自由な作風を得意としたショパン。
膨大な数のピアノ曲中、ピアノソナタと呼ばれる作品はわずか3曲。

内最初の1曲は習作で、第2番は有名な第3楽章の葬送行進曲に、
他の楽章を後から付け足したもの。
ということで正真正銘ショパンのピアノソナタといえば
まずこの第3番ということになります。

そして第3番では第1楽章の出来ばえが素晴らしく、
規模としても他楽章より抜きん出ていると言えます。
ショパンならではの幻想性、自由さがあるとはいえ、
伝統的なAABA'というソナタ形式を踏まえた、重厚で実に立派な音楽です。

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ニ長調の第2主題はいかにもショパンという甘美な旋律ですが、
前後の構築性ががいつにも増してしっかりしているため、
更にそのロマン性が際立って聴こえてきます。
伝統的な形式とショパンらしいロマンチシズムが見事に融合した、
傑作と呼ぶにふさわしい音楽です。

ピアノソナタ第2番と第3番は共に、フランス中部のノアンにある、
ジョルジュ・サンドの本邸で作曲されました。




F.Chopin:Piano Sonata No.3 Op.58 1st Movement

http://classical-music.aki.gs/Chopin-PianoSonata-No3-1st.mp3



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2009年12月06日


ベートーヴェン:ピアノソナタ 第31番 変イ長調 Op.110 第2,第3楽章

アシュケナージ(ウラジミール)
ポリドール(1994-04-22)

おすすめ度の平均: 4.5
4どこか安堵感のある3つのソナタ
5絶妙のタッチ

♪すべての苦痛を浄化するかのようなフーガの響き

ベートーヴェンは大のワイン愛好家でした。
毎日のようにバーに通い、気に入ったワインを嗜んでいたようです。
しかしこれが後に彼を苦しめることになります。

当時のワインは製造の技術力を補うために、
亜鉛を入れて味を甘くまろやかにしていました。
また容器にも鉛を使用していたようです。

そのためベートーヴェンの毛髪からは通常の100倍もの鉛が検出されたといいます。
これが耳の病や晩年の内臓疾患、強いては死にもつながったという説もあります。
ピアノソナタ第31番を書いた年に彼は黄疸を発病し、
その苦しみに大変悩まされていました。

短いながら強いアクセントになっている第2楽章に続く、
第3楽章の“嘆きの歌”と呼ばれる、短調のもの悲しい旋律には、
その表れか、いつになく弱々しく悲嘆的な彼の姿が映し出されています。

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いつもは短調でも力強く推進的なのが、ここではそうした威勢の見る影もありません。
そしてその後に続くフーガにも、苦悩に立ち向かうというよりは、
それを受け入れることで昇華されていくような、
自然体で伸びやかな響きが感じられます。
物事をありのままに受けとめ肯定することで、苦痛から開放されるといった感じでしょうか。

フーガは昇りつめるように進んでいき、ついには明るく確信に満ちた終結を迎えます。
この後であらためて第1楽章を聴き返してみると、
闘い終わったあとの静けさのような、穏やかな感情が込み上げてきます。

第31番の変イ長調という調性は、同じくやすらぎを感じさせる
「運命」の第2楽章、ソナタ「悲愴」の第2楽章などと同じです。




L.V.Beethoven:Piano Sonata No.31 in A flat major, Op.110
2. Allegro molto
3. Adagio ma non troppo fuga - Allegro ma non troppo

http://classical-music.aki.gs/Beethoven-PianoSonata-No31-2nd-3rd.mp3



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2009年11月12日


ベートーヴェン:ピアノソナタ 第31番 変イ長調 Op.110 第1楽章

ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ全集
バックハウス(ウィルヘルム)
ポリドール(1999-06-02)
おすすめ度の平均: 4.5
5バックハウス讃
5言葉に表すのは難しい…
5永遠の指針となりうる名盤
5新全集には新全集の良さが……

♪最晩年の楽聖が到達した清浄な世界

既に越えてしまった音楽、彼岸に達してしまった音楽です。

ベートーヴェンは生涯にわたってピアノソナタを書き続けました。
分けても最後の第31番と第32番は大作「ミサ・ソレニムス」と
並行して作曲され、ベートーヴェンが行き着いた
ピアノ音楽の集大成的作品とされています。

第31番では自らが“嘆きの歌”と呼んだ悲痛な旋律を含む
第3楽章が有名ですが、その影でひっそりと佇む第1楽章には、
無心で野に咲き揺れる花のような透明感と可憐さがあります。

幾多の辛酸をなめてきたベートーヴェンだからこそたどり着いた境地。
もうこの世の闘争やわずらいとは関係のない世界です。
これは後期の弦楽四重奏曲にも同じような心境がうかがえます。

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この曲を作曲当時のベートーヴェンは健康をひどく害し、
経済的にも決してゆとりがあるとは言えませんでした。
しかしそうした外的な状況と反するかのように、
彼の心境は益々高く透徹としたものになっていったのです。

インド哲学にも精通し単にキリスト教に止まらない広い宗教観を持っていたことも、
ベートーヴェンの晩年の思想や精神性に大きく影響していたかもしれません。




L.V.Beethoven:PianoSonata No.31 in A flat major, Op.110
1. Moderato Cantabile molto espressivo

http://classical-music.aki.gs/Beethoven-PianoSonata-No31-1st.mp3



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2009年10月16日


モーツァルト:ピアノソナタ第8番 イ短調 K.310 第1楽章

モーツァルト : ピアノ・ソナタ第11番イ長調K.331「トルコ行進曲付」
クラウス(リリー)
ソニーレコード(1995-10-21)
おすすめ度の平均: 5.0
5過度な甘さを抑え、滋味溢れる最高の演奏
5日曜日にどうぞ

♪パリでの挫折を反映したかのような悲劇的色調

その頃パリはフランス革命直前の喧騒の中にありました。

1777年の秋、21歳のモーツァルトは新たな職を求めて
故郷ザルツブルグを離れ、マンハイムを経てパリへと向かいました。

神童と呼ばれた少年時代、熱狂的に歓迎してくれたパリ。
しかし今では革命でそれどころではなく、
モーツァルトの希望はすぐに打ち砕かれてしまいます。
結局、新たな地での就職活動は全くの徒労に終わってしまいました。

加えて同行した母マリア・アンナは重い病にかかり、
やがてそれは彼女を死へと至らしめてしまいます。
マンハイムで出会ったアロイジアに失恋したのもこの時期です。
(アロイジアは後にモーツァルトの妻となるコンスタンツェの姉です)

こうしたできごとが影響したためか否か、
ピアノソナタ第8番には全編に深い悲しみが影を落としています。

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短調のピアノソナタはモーツァルトにとって
第8番イ短調と第14番ハ短調の2曲のみです。
これは交響曲でも短調が25番と40番のみという点で共通しています。

第8番の第1楽章は左手が激しい八分音符のリズムを刻むところから始まりますが、
これを現代のピアノで弾くと重くなり過ぎるため、
わざと調律を変えて当時のフォルテピアノのニュアンスに
近づけて演奏されることもあります。




W.A.Mozart:Piano Sonata No.8 in A minor, K.310
1. Allegro maestoso

http://classical-music.aki.gs/Mozart-PianoSonata-No8-1st.mp3



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2009年09月27日


ブラームス:4つの小品 第1曲 間奏曲 ロ短調 Op.119-1

ブラームス:後期ピアノ小品集
グリモー(エレーヌ)
ワーナーミュージック・ジャパン(2002-10-23)
おすすめ度の平均: 5.0
5多少荒削りだが、すばらしい
5左利きの孤狼
5美しい閃き
5おおげさでない、ブラームス
5すばらしい!

♪ブラームスの生前に出版された最後のピアノ曲集

「4つの小品」はブラームス最晩年にして最後のピアノ作品です。
1892年から1893年にかけて出版された4つの曲集のひとつで、
生前に出版された最後のピアノ曲集でもあります。

「あなたがきっと喜んでくださると思い、
あなたのためにピアノの小品を書こうとしていました・・・。」

第1曲の間奏曲についてブラームスは、
書簡の中でこのような冒頭からなる文章で、
その思いをクララ・シューマンに伝えています。
これを受けてクララはこのインテルメッツォを“悲しくやさしい”と表現しました。

一見淋しげでありながらそれに浸ることなく、
自らの心情を達観するような穏やかさがあります。
これは晩年のブラームスの作品に共通して言えることです。

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またこの作品はブラームスにとって最後というのみではなく、
ある意味ロマン派の時代にひと区切りつける作品と言えるのかもしれません。
ブラームス以降、時代はシェーンベルクなどに代表される、
調性の希薄な音楽へと向かっていきます。
そうした趣きはこの第1曲の間奏曲にすら、垣間見ることができるのです。




J.Brahms:4 Pieces, Op.119-1

http://classical-music.aki.gs/132-Brahms-4Pieces-Op119-1.mp3


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2009年09月06日


ショパン:ノクターン 第8番 変ニ長調 Op.27-2

ショパン:ノクターン(全曲)
ポボッカ(エバ)
ポニーキャニオン(1999-07-16)
おすすめ度の平均: 5.0
5ベスト・ノクターン!
5とても神秘的なノクターン
5隠れた名盤
5良い演奏ですねぇ

♪ショパンのノクターンのひとつの頂点

英国の作曲家ジョン・フィールドによって創始されたノクターンは、
その歌謡性が稀代の旋律作家であるショパンと抜群に相性がよく、
ノクターンという形式に則ってショパンはいくつもの名曲を残しました。

当初のノクターンは左手が伴奏、右手が歌曲風の旋律という
単純なピアノ小品でしたが、ショパンはこれを基に
独自の激情性やより高度な音楽性を加味し、
芸術作品として申し分ないレベルにまで引き上げました。

よく知られるノクターン第2番などはその点ではまだまだ
ショパンの本領が発揮されておらず、
むしろ第8番や第13番こそが頂点であるという見方も多いようです。

テレーズ・ダボニー伯爵夫人に捧げたことから“貴婦人の夜想曲”
と呼ばれる第8番には、メンデルスゾーンがこの曲を聴いた感激のあまり、
家族に手紙でそれを伝えたという逸話も残されています。

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現在では創始者のフィールドはほとんど顧みられず、
ノクターンといえばショパンということになっていますが、
当のショパンは作曲家として、またピアニストとして
フィールドのことをとても敬愛していました。

ショパンがノクターンを出版し「フィールドを越えた」と評価された時にも
「フィールドと並び賞されて、僕はうれしさで走り回りたい気分です」
とそのよろこびを手紙に記しています。
このことからもショパンがいかに、ピアノにおける歌心、
歌謡性を重視していたかが窺われます。




F.Chopin:Nocturn No.8 Op.27-2

http://classical-music.aki.gs/042-Chopin-Nocturne-No8.mp3


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