スポンサードリンク




2012年08月27日


グラナドス:スペイン舞曲集 2. オリエンタル Op.37-2

小山実稚恵 国民楽派ピアノ・セレクション
定価:¥ 2,000
新品最安価格:30%OFF ¥ 1,400 (6店出品)
4.0点 あくまでもひたむきに
発売日:2007-04-25
メーカー:ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
アーティスト:小山実稚恵
時間:76(分)

♪ショパンを想わせる繊細で美しいピアノ小品

グラナドスはアルベニスと並ぶ、スペインの国民的作曲家です。
スペイン音楽の基礎を作り、後のファリャなどの先達となりました。
スペインのショパン、スペインのグリーグとも呼ばれ、
共演したカザルスはグラナドスを「私たちのシューベルト」と評したそうです。
それ程に彼の音楽は叙情的で美しく、旋律にも親しみやすさがありました。

作曲の上ではスペインの民俗音楽を基盤とした面がある一方、
ショパンやシューマンのような、ロマン派的な側面をも持ち、
また同時代のドビュッシーなど、印象派の影響も見受けられます。

グラナドスは1867年7月27日、スペインのレリダに生まれました。
バルセロナでスペイン民族音楽の先駆者ペドレルから作曲を学び、
20歳でフランス人のパトロンによって、パリでピアノを学びました。
1883年にピアノの賞を受けた後、1889年にバルセロナに帰郷。
独奏会を催して絶賛を受け、音楽家としての足場を作りました。
そして1892年に発表した三つのスペイン舞曲によって真価が確立したのです。

1898年、オペラ「マリア・デル・カルメン」が初演。
1901年にはグラナドス・アカデミーを設立し、ピアノを教えました。
この組織は後に、アリシア・デ・ラローチャらのピアニストを生んでいます。

1911年発表の組曲「ゴイェスカス」は3年後の1914年にオペラ化され、
1916年にはニューヨークのメトロポリタン歌劇場で初演されました。
これに立ち会った帰りの船がドイツ軍に撃沈され、
グラナドスとその妻はそのまま帰らぬ人となったのでした。

グラナドスの代表作「スペイン舞曲集」の第2曲「オリエンタル」は、
最も知られる第5曲「アンダルーサ」の情熱的なムードとは対極的な、
繊細でショパンを想わせるトリルも印象的な珠玉の小品です。

スポンサードリンク


オリエンタルとは15世紀までスペインを支配したイスラムのことです。
スペイン舞曲集は各曲にタイトルがつけられていますが、
これは出版社によるもので、グラナドス自身は関与していません。
しかしどれもわかりやすく曲の内容を示して秀逸です。

「オリエンタル」には東洋風の音階による旋律部分があり、
おそらくそれをイメージして、このタイトルがつけられたと考えられます。





グラナドス:スペイン舞曲集 2. オリエンタル Op.37-2
Enrique Granados y Campiña
Danzas espanolas 2. Oriental Op.37-2



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 16:28 | 器楽曲・Piano | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月22日


グラナドス:スペイン舞曲集 5. アンダルーサ(祈り) Op.37-5

スペインの熱い夜/熊本マリ スペイン名曲集
定価:¥ 3,000
新品最安価格:36%OFF ¥ 1,900 (9店出品)
5.0点 最高!
5.0点 宝石のように煌めくスペイン曲集
5.0点 ダウンタウンの松本人志です
発売日:2004-10-06
メーカー:キングレコード
アーティスト:熊本マリ

♪ロマンティックなピアノ曲で知られる近代スペイン音楽の開拓者

1916年3月24日、時は第一次世界大戦の最中のことです。
作曲家グラナドスとその妻を乗せたリバプール経由の客船「サセックス」は、
スペインへ帰国途上の英仏海峡に差し掛かっていました。
歌劇「ゴイェスカス」のニューヨーク初演が大成功を収めての帰還です。

思えばこの船旅は当初から予定されたものではなく、
当時のアメリカ大統領だったウィルソンの招きによる演奏会のために、
スペイン直行便をキャンセルしてのものでした。
しかしこの変更が後の悲劇を招いてしまったのです。

2人の乗った客船は戦時下のドイツ海軍の標的となってしまい、
潜水艦の魚雷によって海の藻屑となったのです。
一命を取り留め一旦は救命艇に引き揚げられたグラナドスでしたが、
波間に漂う妻アンバロの姿を見ると、すぐさま助けに飛び込み、
そのまま妻と共に帰らぬ人となってしまったのでした。

スポンサードリンク


このできごとを扱ったニュースは瞬く間に世界を駆けめぐり、
各国の新聞紙上で大きく報道されました。
しかし結果としてグラナドスの名は、これにより人々に知れ渡ったのでした。

グラナドスを代表する作品のひとつとして知られるのが、
各々3曲ずつで4集、全12のピアノ曲からなるスペイン舞曲集です。
ジプシーを通じて東洋の文化も流れ込んだスペインの音楽は、
南欧の明るさと異国の旋律や奔放なリズムが入り混じった独特なものです。
グラナドスはこれをベースに、オリジナリティに富んだ舞曲を生み出しました。

これらはヴァイオリンやギター、管弦楽など様々に編曲されていますが、
中でもギター編曲によって一躍有名になったのが、第5曲アンダルーサです。
「アンダルシア風」の意を持つこの曲は、スペインの熱い情緒を湛え、
左手のギター奏法を思わせる動きに乗って、哀愁漂う旋律が奏でられます。
中間部は一転して穏やかで、「祈り」の副題に相応しい敬虔な雰囲気を醸しています。





グラナドス:スペイン舞曲集 5. アンダルーサ(祈り) Op.37-5
Enrique Granados y Campiña
Danzas espanolas 5. Andaluza (Playera) Op.37-5



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 08:33 | 器楽曲・Piano | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月18日


ベートーヴェン:6つのバガテル Op.126

ベートーヴェン : ピアノ協奏曲全集
新品最安価格:12%OFF ¥ 3,496 (6店出品)
5.0点 デリケートでストロング
4.0点 今でも愛聴盤です!
5.0点 エレガントなピアノ、正確無比なオケ
発売日:1996-03-01
メーカー:ポリドール
アーティスト:アシュケナージ(ウラジミール)
ディスク数:3

♪ベートーヴェン最晩年にして最後のピアノ曲

6つのバガテルは1824年完成の、ベートーヴェンの最後のピアノ曲です。
死が2年後に迫った最晩年の作品ということもできます。
1824年と言えば、やはり最後の交響曲となった「第9」Op.125の完成年でもあり、
6つのバガテルOp.126はその直後に仕上げられました。

前年の1823年には「デイアベリ変奏曲」と「ミサ・ソレムニス」が書かれています。
更にその前年1822年は最後のピアノソナタ第31番と32番作曲の年です。
バガテル以降は5つの弦楽四重奏曲とひとつのカノンしか残しておらず、
そんなところからもベートーヴェン最晩年の心境がうかがえる作品にもなっています。

バガテルとは短かく文学的なピアノ小品曲のことです。
ベートーヴェンの有名なバガテルでは「エリーゼのために」があげられます。
これは単独のバガテルですが、ベートーヴェンは作曲の過程で未使用の旋律がたまると、
それらをピアノ小品のバガテルとして仕上げ、数曲ずつまとめて出版していました。

作品126についてベートーヴェンは「自分が書いた最高のバガテル」と記しています。
また第1曲のスケッチの欄外に「小曲の連作 Ciclus von Kleinigkeiten」と
書き込まれていることから、6曲を通して演奏することが意図されています。

スポンサードリンク


6つのバガテルは作品全体を穏やかな楽想が占めています。
まず第1、第3、第5曲は透明感あふれ、平穏な心境が伝わってきます。
こと第3曲のカデンツァやその後のトリル、アルペジオの何と軽やかなことでしょうか。
ベートーヴェンの心はもうすでに、半分天国にあるかのようです。

第2曲と第4曲は短調で足早な曲調ではあるものの、かつてのような切迫感はなく、
全体の緩やかな流れに、ほんの少し強めのアクセントを置いたというニュアンスです。
そして終曲の第5曲は、冒頭と最後の急速なプレストを除けば、
やはり平和的なアンダンテが、楽曲のほとんどの部分を占めています。

あまりに透徹として一切の翳りや不安もなく、どこまでも天上的な響きのためか、
劇的な効果の求められる演奏会では、取り上げられる機会が少ないようです。
しかしベートーヴェンが最後にたどり着いた境地を知る手だてとして、
そして何より私たちが心の平安をこの音楽から得るために、
6つのバガテルはもっと広く愛されてほしい作品だと思います。
シンプルな小品とはいえそこには、ピアノ音楽のエッセンスが凝縮されているのです。





ベートーヴェン:6つのバガテル Op.126
Ludwig van Beethoven:6 Bagatelles Op.126
1. Andante con moto 2. Allegro 3. Andante

4. Presto 5. Quasi allegretto 6. Presto



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 01:36 | 器楽曲・Piano | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月08日


バルトーク:ルーマニア民俗舞曲 Sz.56 1. 棒踊り

リリー・クラウス コレクション2 バルトーク:ルーマニア民族舞曲
定価:¥ 1,260
新品最安価格:13%OFF ¥ 1,084 (6店出品)
レビュー平均: 5.0点 (1 人がレビュー投稿)
5.0点 ピアノ嫌いのための
発売日:2007-08-08
メーカー:コロムビアミュージックエンタテインメント
アーティスト:クラウス(リリー)
時間:53(分)

♪作曲とともに民俗音楽の採集と研究に意欲を燃やしたバルトーク

20世紀のベートーヴェンともいわれるハンガリーの大作曲家バルトーク。
作曲家の3大Bといえばバッハ、ベートーヴェン、ブラームスですが、
ブラームスに替えてオーストリアではブルックナーが入るように、
3大Bに並べて称されることもあるほど、その評価は絶対的です。

そんなバルトークには作曲家、演奏家の他にもうひとつの顔があります。
それは世界的な民俗音楽研究の権威という一面です。
彼はハンガリーや、ルーマニアなどの民謡を一万種も蒐集し、
そのうちの1000曲ほどを世に送り出しています。

1904年の23歳の頃、ゲルリーツェプスタ(現在スロヴァキア領)において、
バルトークは初めてトランシルヴァニア出身者の歌うマジャル民謡に触れました。
そして翌1905年に、パリのルビンシュタイン音楽コンクールに出場し、
そこでハンガリーでは知られていなかったドビュッシーの音楽を知り、
また民謡について科学的アプローチを始めていたコダーイに出会いました。

1906年からコダーイや研究者達と共にハンガリー各地の農民音楽の採集を始め、
1913年にはアフリカのアルジェリアまで足を伸ばすなど活動は精力的でした。
1907年、26歳でブダペシュト音楽院ピアノ科教授に就任すると、
更なる民謡の採集が進み、民謡の編曲なども行うようになりました。

作品としてはピアノ小品や、ヴァイオリン協奏曲第1番の2楽章、
また1908年の弦楽四重奏曲第1番にも民謡採集の影響が表れています。
1911年には、自身にとって唯一のオペラとなった《青ひげ公の城》が、
ハンガリー芸術委員会賞から演奏不可能という事で拒絶されたため、
失望した彼は2、3年は作曲をせず、民謡の収集と整理に集中していました。

スポンサードリンク


1934年には音楽院ピアノ科教授を退職、科学アカデミーの民俗音楽研究員となり、
自分や研究者達が収集したコレクションの整理に取り組める環境を得ました。
バルトークの民俗音楽研究はただの収集活動にとどまらず、
それを分析し自らの音楽語法に昇華させた点に大きな意義があります。

「ルーマニア民俗舞曲」はバルトークのそうした民謡採集と研究がもたらした、
1915年に作曲された6曲からなるピアノの小品の組曲です。
1917年、自身により小管弦楽に編曲され、彼の最もよきルーマニアの友人であり、
また最も民謡採集に協力した人物であるイオン・ブシツィアに献呈されました。





バルトーク:ルーマニア民俗舞曲 Sz.56 1. 棒踊り
Bartók Béla Viktor János:Romanian Folk Dances, Sz.56, BB68
1. Bot tánc / Jocul cu bâtă (Stick Dance)



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 16:42 | 器楽曲・Piano | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月03日


ドビュッシー:前奏曲集 第1巻 10. 沈める寺

ドビュッシー:前奏曲集第1巻
新品最安価格:¥ 1,676 (6店出品)
中古最安価格:30%OFF ¥ 700 (3店出品)
5.0点 急がず 遅過ぎず 大き過ぎず 小さ過ぎず
発売日:2007-02-28
メーカー:ユニバーサル ミュージック クラシック
アーティスト:ベネデッティ=ミケランジェリ(アルトゥーロ)
フォーマット:Limited Edition

♪海底から浮上し再び沈み行く大聖堂の姿を描く

ショパンやスクリャービンと同じく12曲ずつ全2巻の、24曲の前奏曲を残したドビュッシー。
第1巻は1910年に、そして第2巻は1913年にそれぞれ出版されました。
近代ピアノ音楽の最高峰にして、彼の最高傑作とも呼ばれる作品です。

グレゴリオ聖歌に象徴されるように、西洋クラシック音楽の出発点はモノフォニー-単旋律でした。
それが大バッハによって複数の旋律が高度に絡み合うポリフォニーが極められ、
やがて主旋律に対して伴奏的な和声が伴うホモフォニーが登場します。
これは現代のポピュラー音楽などにも通じています。

そして古典派、ロマン派、後期ロマン派と時代が進むにつれ、
ワーグナーがそうであるように、むしろ和声が前に出るようになっていきました。
これは調性の崩壊に関わる地点にまで至りましたが、
ドビュッシーもまた、音楽における和声の役割を追求した作曲家でした。
旋律に頼らずハーモニーと音の響きで、印象派の絵画のように色彩を描こうとしたのです。

そうした彼の探求の成果が、24の前奏曲集には大いに活かされています。
そしてその究極とも言えるのが、第1巻第10曲の「沈める寺」です。
美しくも高度な和音は時に、片手だけで7音を鳴らすことを要求します。
指は5本ですから、1本で2つの鍵盤を同時に押さえなければなりません。

スポンサードリンク


この曲のイメージの元になっているのは、ブルターニュ地方の古い伝説です。
コルアイユの王グラドロンは、愛する娘ダユーの為にイースの都を建設しました。
イースは立派な水門と堤防に守られた、海面よりも低い土地に建設された都市。

しかしダユーは放蕩三昧で、彼女が治めるイースは欲と快楽の都になっていました。
この堕落したイースの都に罰を与えるべく神の使いの男が現れ、
彼の言葉に従った結果、繁栄した都は一瞬にして海底に沈んでしまいました。

海底に眠るイースの都は、グラドロンの教会でミサが行われなくなるとき、
この世のものとは思えないほど、美しい姿で浮上してくると言われています。
「沈める寺」は海底の静謐な世界から、徐々に浮上するグラドロン教会が、
やがて完全に海上に姿を現し、そこから鐘の音と祈りの合唱を鳴り渡らせると、
再び深海へと沈んでいく光景を、和音を中心とした音で描写しています。

フランスの首都パリ-Parisの語源は、Par-Is=「イースのような」と言う意味です。
またイースは『トリスタンとイゾルデ』のイゾルデの生地としても知られています。





ドビュッシー:前奏曲集 第1巻 10. 沈める寺
Claude Debussy:Préludes, Book1 10. La cathédrale engloutie



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 13:43 | 器楽曲・Piano | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする