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2011年10月17日


リスト:ラ・カンパネラ (パガニーニ大練習曲 第3番 S.141-3)

リスト巡礼
新品最安価格:¥ 2,940 (5店出品)
中古最安価格:7%OFF ¥ 2,734 (1店出品)
レビュー平均: 4.2点 (4人がレビュー投稿)
5.0点 本質はデヴューから変わっていない〜♪
2.0点 呼吸音の強調が不自然
5.0点 辛辣な批評を書いたがこんなに成長されるとは
発売日:2011-06-22
メーカー:日本コロムビア
アーティスト:長富彩

♪ピアノ音楽の代名詞として愛され続ける名作

リストの心は沈んでいました。
パリでピアノ教師を続ける中で出逢った、セレブな役人の令嬢、
カロリーヌ・エリックとの交際が、彼女の家の事情によって途絶え、
リストと引き離されたカロリーヌが他に嫁いでしまったからです。

当時のリストは十代にして天才ピアニストの名を欲しいままにし、
パリの社交界でも演奏家として、教師として花形の存在でした。
しかし、カロリーヌとの一件以降、彼は自室に引きこもり、
外に出ても教会の祭壇の前で祈り、沈思黙考するという日々でした。

そんなリストに人生の一大転機が訪れます。
ある日、とある街角で彼は、一枚のポスターに目を留めました。
それは当時ヨーロッパ中に、その名をとどろかせていたヴァイオリンの鬼才、
ニコロ・パガニーニの演奏会を告知するものでした。

早速券を手に入れ、訪れたパガニーニの演奏会に、リストは度肝を抜かれました。
ステージに現れたパガニーニはやせた色黒で、猫背な不気味な出で立ちでしたが、
ひとたび演奏が始まると、何かに憑かれたかのような激しさで、
そこにいたすべての観客たちを圧倒したのです。
それは最早、人間離れした異界の者の姿でした。

しかし、その演奏はただ超絶的なばかりではなく、
音楽の細やかなひだをなぞり、人の魂に触れるような表現をも兼ね備えていました。
それはリストがずっと願ってきた音楽でもありました。

「僕はピアノのパガニーニになるんだ!」 ― そう叫んだリストはこの瞬間に目覚め、
いよいよ大ピアニストの道を歩んで行くことになります。
そしてパガニーニに傾倒した彼は、6曲からなる「パガニーニ練習曲」を作曲しました。

この作品はいずれもパガニーニの曲からその題材を得ていて、
「24のカプリース」からの5曲と、「ヴァイオリン協奏曲第2番」の終楽章を用いています。
最初の出版では「パガニーニによる超絶技巧練習曲」となっていましたが、
13年後の大改訂版では「パガニーニの大練習曲」とされ、これが普及しました。

第3曲「ラ・カンパネラ」は協奏曲第2番の終楽章の主題に基づいています。
原曲を活かしつつ、ピアノならではの魅力を存分に加味した名作で、
作品中で最も知られるだけでなく、ピアニストの腕前を披露するための、
ピアノ音楽の象徴的な位置づけにさえなっています。

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第6曲の基の「カプリース第24番」の主題は、ブラームスも「パガニーニの主題による変奏曲
第1巻で取り上げ、ラフマニノフは「パガニーニの主題によるラプソディ」で、
管弦楽伴奏つきのピアノ曲として作品に仕上げています。

「パガニーニ大練習曲」はたしかに技巧的な作品ではありますが、
それだけにとどまらない、洗練された詩情を含んでいます。

*この曲は既に掲載済みですが、前回から5年を経て改めて録音し直しました





リスト:ラ・カンパネラ (パガニーニ大練習曲 第3番 S.141-3)
Franz Liszt:Grandes Etudes de Paganini, S.141
No.3 "La Campanella"



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posted by アンドウトワ at 17:05 | 器楽曲・ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月10日


J.S.バッハ:インヴェンション 第1番 ハ長調 BWV 772

バッハ:インヴェンションとシンフォニア
新品最安価格:9%OFF ¥ 1,425 (3店出品)
レビュー平均: 4.0点 (1人がレビュー投稿)
4.0点 とても自然でオーソドックスな演奏
発売日:2011-01-26
メーカー:カメラータ・トウキョウ
アーティスト:ピヒト=アクセンフェルト(エディット)

♪弟子や息子の学習のために作曲された鍵盤楽曲

J.S.バッハとベートーヴェンの音楽の違いは何か…。
大きくまとめてしまうと、バッハがポリフォニー(複旋律音楽) なのに対して、
ベートーヴェンはホモフォニー(和声付単旋律音楽)ということになります。

つまりバッハは伴奏のない複数の旋律が絡み合っていく音楽。
ベートーヴェンは旋律と和声(伴奏)が、はっきり分かれている音楽なのです。
ハイドンから始まったホモフォニーは、現代のバンド音楽にも通じています。

また両者の違いはメインの鍵盤楽器の違いにも表れています。
バッハのバロック時代のハープシコード(チェンバロ)は、
内部で弦を引っ掻いて音を出す構造のため、強弱というものがありません。
どう弾いてもほとんど一定の音量、音の強さで鳴ります。

一方、ベートーヴェンの古典派時代の鍵盤楽器であるピアノは、
ご存知の通り、弦を叩いて音が出るので、指の加減で強弱がつきます。
ですから表現に微妙な機微を与えることができるのです。
そしてこの違いがそのまま、それぞれの音楽形態にも表れています。

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インヴェンションは、弟子や息子の鍵盤学習のために書かれた作品です。
公開演奏が目的ではなく、現代でも練習教材として用いられますが、
グールドなどによって優れた録音も多く残されています。

またインヴェンションは正確には《インヴェンションとシンフォニア》という、
30曲からなる小品集の、前半15曲のことを指します。
インヴェンションは2声体の鍵盤楽曲で、シンフォニアは3声体です。
後半15曲のシンフォニアは慣用的に、《3声インヴェンション》と呼ばれる事もあります。





J.S.バッハ:インヴェンション 第1番 ハ長調 BWV 772
J.S.Bach:invention No.1 in C major, BWV 772 (Harpsichord)

J.S.Bach:invention No.1 in C major, BWV 772 (Piano)



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posted by アンドウトワ at 02:38 | 器楽曲・ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月02日


ショパン:ノクターン 第1番 変ロ短調 Op.9-1

ショパン:夜想曲全集
新品最安価格:15%OFF ¥ 2,506 (8店出品)
レビュー平均: 4.6点 (14人がレビュー投稿)
5.0点 間違いなく「天下一品」のノクターン!
4.0点 偉大なるスタンダード?
5.0点 最高のノクターン
発売日:1995-10-01
メーカー:ポリドール
アーティスト:アシュケナージ(ウラジミール)

♪創始者ジョン・フィールドに倣って作った初期のノクターン

ショパンといえば何と言ってもその旋律の美しさ。
別れの曲」「ノクターン第2番」など、歌にもなるほどの名旋律が目白押しです。
そうしたショパンのカラーが発揮されやすかった形式のひとつに、
アイルランドの作曲家ジョン・フィールドが創始したノクターンがあります。

特にショパンの初期のノクターンは、シンプルでフィールドの模倣に近い分、
左手は伴奏、右手は旋律という区分がはっきりして、
メンデルスゾーン無言歌集のように、歌心が前面に出ています。
その代表例がノクターン変ホ長調の第2番と言えるでしょう。

ショパンがパリのサロン界で女性たちに持て囃され始めた頃、
フィールドも2年間(1832-1833)パリに滞在し、ショパンに影響を与えました。
ノクターンの甘い旋律は貴婦人たちの受けもよく、
しばらくはフィールドのスタイルに則って作曲を続けていました。

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しかしマズルカポロネーズなど既存の形式を、芸術の域にまで高めたショパンです。
当然、ノクターンに関してもすぐに自分のものとし、
フィールドにはない構成や展開で、芸術的内容の濃いものに高めていきました。
最初は旋律中心に入り、やがて激しい中間部を経て、また静かに閉じる形などです。

ノクターン第1番は初期の作品ですが、シンプルな中にも独特な情緒があります。
1831年の作曲で、カミイユ・プレイエル夫人に献曲されました。
ニークスは「夜とそのしじまに生まれる情感を暗示する」と語っています。





ショパン:ノクターン 第1番 変ロ短調 Op.9-1
F.Chopin:Nocturne No.1 in B flat-minor, Op.9-1



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2011年09月23日


ショパン:エチュード 第13番 変イ長調 Op.25-1 「エオリアンハープ」

ショパン:12の練習曲 作品10/作品25
新品最安価格:18%OFF ¥ 1,474 (6店出品)
レビュー平均: 4.6点 (19人がレビュー投稿)
5.0点 現代の至高の藝術
5.0点 唯一無二の演奏
5.0点 人間はここまで正確になれるのか
発売日:2008-01-23
メーカー:ユニバーサルクラシック
アーティスト:ポリーニ(マウリツィオ)

♪自然の風が奏でる楽器エオリアンハープに例えたシューマン

19歳のショパンが友人たちと共に、初めて訪れた憧れの街ウィーンは、
この若き才能あふれる演奏家を、あたたかな好意をもって迎え入れました。
2回にわたる演奏会はいずれも大成功。
聴衆たちは熱狂的な歓声と賞賛を惜しみませんでした。

「どうしてこれほどの音楽の勉強がワルシャワでできたのか?」
批評家で雑誌記者のブラヘトカはそう言って、驚きを隠せませんでした。

しかし、その後ショパンが祖国を後にし、満を持して再訪した折のウィーンは、
あの時の熱狂がうそのように静まり、彼に対して冷ややかでした。
演奏会はほとんど開けず、経済的にも苦しかったショパンは、
ウィーンでの成功を諦め、1831年7月にドイツ経由でパリに向かいました。

最初の2年間は不遇だった、ショパンのパリでの生活でしたが、
やがてサロンの女性たちを中心に、演奏家として、
またピアノ教師としても、その支持を集めていきました。
そうした状況下で、ピアノのエクササイズとして作曲したのが、
後に練習曲集に改名、及び出版されたOp.10の12曲の作品集です。

さらに追加で12曲がOp.25の練習曲集として出版され、
これらはレッスン用のみならず、サロンでの演目にも用いられました。
ですからいわゆる練習曲には収まらない、情緒や芸術性を併せ持っています。

Op.25の第1曲「エオリアンハープ」の呼称は、シューマンの言葉によります。

「デリケートな上の音と基礎となるバスの音だけが聞こえ、
エオリアンハープを思い起こさせる。この曲はエチュードというよりは詩である。
ショパンがアルペジオの16分音符すべてが聞こえるように演奏することを
望んだと考えるのは間違いで、As Durの和音のうねりなのである。
この曲が終ったとき、我われはもう一度見たいような夢から目覚めた印象を受ける。」

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一方この曲は「牧童」の名で呼ばれることもあります。
これはショパンが、雨宿りの牧童が静かに笛を吹く姿を想像して作ったと、
自ら語ったという伝聞に基づいています。

尚、エオリアンハープは自然の風で鳴る、琴のような形の弦楽器です。
17世紀から19世紀のヨーロッパで流行しました。





ショパン:エチュード 第13番 変イ長調 Op.25-1 「エオリアンハープ」
F.F.Chopin:12 Etudes, Op.25
1. Allegro sostenuto (Aeolian Harp)



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2011年08月14日


リスト:《2つの伝説》 1. 小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ S.175-1

ラ・カンパネラ(ベスト・オブ・リスト)
新品最安価格:16%OFF ¥ 1,255 (12店出品)
レビュー平均: 5.0点 (2人がレビュー投稿)
5.0点 天才的な演奏が多い。
5.0点 強烈。
発売日:2007-06-20
メーカー:TOSHIBA-EMI LIMITED(TO)(M)
アーティスト:シフラ(ジョルジュ)

♪小鳥と聖フランチェスコの対話を繊細に表現

2人の聖フランチェスコをテーマにした作品『2つの伝説』から第1曲です。
こちらの主役はアッシジの聖フランチェスコ。
“フランチェスコ”とひと口に言えば、1181〜1182年にイタリアのアッシジに生まれ、
後にフランシスコ会を創設した聖人、アッシジのフランチェスコを指します。

裕福な家庭に生まれたフランチェスコは、若き日を放蕩のままに過ごしていました。
しかしある夜、神の声を聞いたことで改心を始め、すべての財産を捨て、
自給自足の生活の中、ひたすら神に祈るようになっていきました。

自然と一体化した聖人として、国や教派を超えて世界中の人から愛され、
小鳥への説教という伝説も、そんな彼を象徴するようなものになっています。
「キリストの教えを小鳥に説くと、小鳥たちはじっと彼の声に耳を傾けた」
という伝説を描いた、ジオットのフレスコ画はよく知られるところです。

晩年のリストは尊敬するアッシジのフランチェスコに帰依し、
その僧位を四つも受けたほどでした。
そして、アッシジのフランチェスコに纏わる伝説の中でも特に有名な、
ベバニャへ赴く聖人が小鳥に説教したという伝説を選び、
ピアノ音楽『2つの伝説』の第1曲の題材としました。

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この伝説は教会書籍『聖フランチェスコの小さな花』の第16章にあり、
リストはこれにインスピレーションを受けて作曲したのでした。

高音のトリルやトレモロはあたかも小鳥たちのさえずりを、
低音の威厳ある響きはフランチェスコの言葉を表現しているかのようです。
聖人が説くキリストの教えに、即座に反応する小鳥たちの姿が、
目に浮かぶように生き生きと描かれています。

どこまでもダイナミックに、パオラのフランチェスコの奇蹟を描いた第2曲に対し、
第1曲は繊細で細やかな機微の表現が魅力です。
宗教的合唱曲『アッシジの聖フランチェスコの太陽賛歌』の主題が引用されています。
『2つの伝説』は1865年8月29日に、リスト自身によりブダペストで初演されました。





リスト:《2つの伝説》 1. 小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ S.175-1
Franz Liszt:St.Françios d'Assise, la prédication aux oiseaux
Légendes S.175-1



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posted by アンドウトワ at 06:46 | 器楽曲・ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月07日


リスト:《2つの伝説》 2. 水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ S.175-2

ホロヴィッツ未発表カーネギー・ホール・ライヴ[2]~シューマン:幻想曲、ショパン:舟歌、リスト:伝説~水の上を歩くパオラの聖フランチェス
新品最安価格:16%OFF ¥ 2,110 (4店出品)
レビュー平均: 4.0点 (1人がレビュー投稿)
4.0点 イスラメイもいいけれど…
発売日:2009-10-21
メーカー:BMG JAPAN Inc.
アーティスト:ホロヴィッツ(ウラディミール)

♪パオラの聖フランチェスコが起こした奇蹟をダイナミックに表現

若い頃から信仰心が厚く、作品にもその傾向が見られていたリストですが、
十年来に渡って交際を続けてきた、ザイン=ヴィットゲンシュタイン侯爵夫人である
カロリーネとの結婚を、式の前夜に取り消されたことがきっかけとなり、
精神的な虚脱感から抜け出すため、マドンナ・デル・ロザリオ修道院に入りました。
そして37歳にしてピアノを捨て、下級聖職者として修行する身となったのです。

『2つの伝説』はこうしたできごとがあった、1861年〜1863年にかけて作曲されました。
2曲は同名異人のふたりの聖フランチェスコに纏わる伝説をテーマとしています。

パオラの聖フランチェスコは、アッシジのフランチェスコが1226年に没してから
約200年後の1416年に、南イタリアのパオラ生まれた修道士です。
少年期をフランシスコ会で送った彼は、やがてミニモ会(最も小さい者の意)を創立。

後に、フランス国王ルイ11世を救うためにフランスへ派遣され終油を授けたほか、
シャルル6世、ルイ12甥に仕え、シャルル8世の教育にも貢献しました。
清貧を貫き、数々の奇蹟を起こし、人々の支持を集めました。

彼が起こした奇蹟の中でも特によく知られるのが、メッシーナ海峡にマントを広げ、
その上に立って、左手に燃える石炭をもち、海を歩いて渡ったというものです。
この奇蹟を描いたシュタインレの絵画を、リストは自宅に所有していました。
『水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ 』は、この絵画にインスパイアされた作品です。

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宗教的合唱曲《パオラの聖フランシスに寄す》(1862)からの主題が引用され、
荒れる海上を悠然と歩くフランチェスコの姿を、劇的に表現しています。
この曲にはリスト自身によるオーケストラ版も存在しますが、
近年の研究ではピアノ版よりオーケストラ版が先だったという説もあります。
それほどに壮大でダイナミックな作品です。

パオラの聖フランチェスコは、リストの守護聖人でもありました。
フランツ・リストの「フランツ」は、パオラの聖フランチェスコの名前に由来します。
ですからリストは終生、この作品を愛し大事にしていたようです。

リストは楽譜の序文として、聖フランチェスコとその奇蹟に関する長文を記しています。





リスト:《2つの伝説》 2. 水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ S.175-2
Franz Liszt: "St.Françios de Paule marchant sur les flots"
Légendes S.175-2



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posted by アンドウトワ at 07:07 | 器楽曲・ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月28日


ベートーヴェン:劇付随音楽『アテネの廃墟』 第5曲 「トルコ行進曲」 (A.ルビンシテイン編)

ラフマニノフ愛奏曲集
定価:¥ 1,325
発売日:1996-09-01
メーカー:ポリドール
カテゴリー:CD
アーティスト:ラフマニノフ(セルゲイ)
時間:59(分)

♪モーツァルトとは対照的に無骨で勇壮なトルコ行進曲

ひと口に「トルコ行進曲」と言えば、おそらく多くの人がモーツァルトのピアノソナタ、
第11番第3楽章の流麗な旋律を思い浮かべるかもしれません。
あちらは由紀さおり・安田祥子姉妹が紅白で歌うなど、あまりに有名ですが、
ベートーヴェンの「トルコ行進曲」も、初心者のピアノ練習曲として親しまれています。

オスマン帝国による二度のウィーン包囲と、それに随行した軍楽隊メフテルの音楽は、
18世紀頃の西欧に、トルコ趣味の大流行をもたらしていました。
そして当時の作曲家たちも、その大きな影響を受け、自らの作品に反映させました。
モーツァルトやベートーヴェンもその例にもれません。

メフテルは一拍目にアクセントを置く、一定のリズムを繰り返すのが特徴です。
モーツァルトもベートーヴェンも、主にこのリズム的側面を取り入れ、
後にそれぞれ「トルコ行進曲」と、呼ばれることになる作品を作ったのです。

ベートーヴェンのそれはまず、1809年の「6つの変奏曲Op76」の主題として現れました。
そして1811年から1812年にかけて作曲した、ドイツ劇場のこけら落とし用の作品、
劇付随音楽『アテネの廃墟』に、ピアノ曲からオーケストレーションを施し転用されました。

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さらに後年、ロシアのピアニスト・作曲家であるアントン・ルビンシテインが、
再度ピアノ曲として編曲したものが、現在演奏会では一般に用いられています。
アントンの弟は、やはり有名なピアニスト、ニコライ・ルビンシテインです。
チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を酷評したことでも知られていますね。

アントンは作曲家としては“ベートーヴェンの再来”と言われましたが、
現在では愛らしい小品「へ長のメロディー」が知られるのみです。
そして編曲の代表作であるベートーヴェンの「トルコ行進曲」では、
ピアニッシモから始まりフォルテッシモに到達すると、また徐々に小さくなり、
最後は消え入るようにピアニッシシモで終わるという編曲で、
軍楽隊が遠くから近づき、目の前を過ぎてやがて去っていく様子を描いています。





ベートーヴェン:劇付随音楽『アテネの廃墟』 第5曲 「トルコ行進曲」 (A.ルビンシテイン編)
L.V.Beethoven:Turkish March (arranged by Anton Rubinstein)



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2011年05月19日


ベートーヴェン:ピアノソナタ 第21番 ハ長調 Op.53 「ヴァルトシュタイン」 第1楽章

バックハウス/ベートーヴェン:四大ピアノ・ソナタ集
新品最安価格:16%OFF ¥ 840 (6店出品)
レビュー平均: 4.6点 (23人がレビュー投稿)
5.0点 これぞ達人!
5.0点 う~ん、どうでしょうか?
5.0点 バックハウスのシンプルな演奏が一番心地よい
発売日:2001-04-25
メーカー:ユニバーサル ミュージック クラシック
アーティスト:バックハウス(ヴィルヘルム)

♪ヴァルトシュタイン伯に献呈された中期の傑作ソナタ

ヴァルトシュタイン伯爵はパトロンとしてベートーヴェンを支えた特に重要な人物です。
その交流の始まりはボン時代に遡り、貧乏な家庭に育ったベートーヴェンに、
貴族的な上品さを教え、ウィーンの社交界デビューへ導いたのは伯爵の力です。

「不断の努力をもってモーツァルトの精神をハイドンの手から受け取りたまえ」

ベートーヴェンがウィーンへ発つ際、ヴァルトシュタイン伯は記念帳にそう記しました。
伯爵はボン時代にはシュタイン製のピアノを、そしてウィーン時代の1803年には、
エラール製の新しいピアノをベートーヴェンに贈っています。

フランス産でタッチの軽い、エラール製を想定して書かれたのがソナタ第21番です。
タッチが重く深くなった現代のピアノでは、第3楽章が難関とされています。
特にコーダのオクターブグリッサンドは技術的にも高度なものが必要とされ、
これを避けて他の奏法を代替として用いるピアニストもいます。

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ベートーヴェンはこのソナタを恩人である伯爵に捧げました。
このことから第21番は「ヴァルトシュタイン」の名で呼ばれるようになりました。
他にも伯爵に献呈された曲は数多く存在しますが、この作品のみが
「ヴァルトシュタイン」と呼ばれる事実が、第21番の質の高さを物語っています。

第2楽章は演奏時間として3分程度の、小休止的な音楽ですが、
元来は両端楽章に劣らぬ長大なものでした。
しかしこれは長過ぎるとの理由から外され、
「アンダンテ・ファヴォリ WoO57」という独立した作品として出版されました。

「ヴァルトシュタイン」は「熱情」「悲愴」と並ぶ、中期ソナタの傑作とされています。





ベートーヴェン:ピアノソナタ 第21番 ハ長調 Op.53 「ヴァルトシュタイン」 第1楽章
L.V.Beethoven:Piano Sonata No.21 in C major, Op.53 "Waldstein"
1. Allegro con brio



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2011年05月11日


サティ:グノシエンヌ 第1番

3つのジムノペディ~サティ・ピアノ作品集
定価:¥ 1,800
レビュー平均: 4.4点 (9人がレビュー投稿)
5.0点 音楽のアールデコ
5.0点 ロジェの演奏が抜群
5.0点 それぞれの曲が、一篇の詩のようでした。
発売日:2003-06-25
メーカー:ユニバーサル ミュージック クラシック
アーティスト:ロジェ(パスカル)

♪独自の音楽語法で現代音楽を先取りするサティの代表作

19世紀末、モンマルトルの文学酒場「黒猫」のピアニストをしていたサティは、
ジョセファン・ペラダンという神秘小説家と出会い、彼が主宰する秘密結社
「聖堂と聖杯のカトリック・薔薇十字教団」の公認の作曲家・聖歌隊長となりました。
秘密結社といえばフリーメイソンのような団体が想起されますが、
薔薇十字教団はそれよりも宗教色が強いのが特徴です。
サティはこの教団のために3つの作品を書いています。

「グノシエンヌ」は「知る」というギリシア語をもとにしたサティの造語ですが、
神秘教会グノーシス派がその語源になっているとも言われています。
薔薇十字教団は錬金術やカバラを扱う秘教的な団体でした。

そして、サティと教団が関わったのは1890年から2年ほどのこと。
「グノシエンヌ 第1番」の作曲は、ペラダンと出会った1890年なので、
タイトルに教団の影響があることは想像に難くありません。

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全6曲からなる「グノシエンヌ」は、1889年のパリ万国博覧会で知った、
民族舞踊合唱団によるルーマニア音楽の影響が強いとされています。

透明感ある「ジムノペディ」に比べると、東洋的で奇妙な印象も強く、
「思考の端末で」「うぬぼれずに」「頭を開いて」といった演奏者への指示、
拍子記号や小節線もない、自由な発想の譜面など、
現代音楽を先取りするサティの音楽世界の原点とも言える作品です。





サティ:グノシエンヌ 第1番
Erik Alfred Leslie Satie:Gnossiennes No.1



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