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2012年07月08日


バルトーク:ルーマニア民俗舞曲 Sz.56 1. 棒踊り

リリー・クラウス コレクション2 バルトーク:ルーマニア民族舞曲
定価:¥ 1,260
新品最安価格:13%OFF ¥ 1,084 (6店出品)
レビュー平均: 5.0点 (1 人がレビュー投稿)
5.0点 ピアノ嫌いのための
発売日:2007-08-08
メーカー:コロムビアミュージックエンタテインメント
アーティスト:クラウス(リリー)
時間:53(分)

♪作曲とともに民俗音楽の採集と研究に意欲を燃やしたバルトーク

20世紀のベートーヴェンともいわれるハンガリーの大作曲家バルトーク。
作曲家の3大Bといえばバッハ、ベートーヴェン、ブラームスですが、
ブラームスに替えてオーストリアではブルックナーが入るように、
3大Bに並べて称されることもあるほど、その評価は絶対的です。

そんなバルトークには作曲家、演奏家の他にもうひとつの顔があります。
それは世界的な民俗音楽研究の権威という一面です。
彼はハンガリーや、ルーマニアなどの民謡を一万種も蒐集し、
そのうちの1000曲ほどを世に送り出しています。

1904年の23歳の頃、ゲルリーツェプスタ(現在スロヴァキア領)において、
バルトークは初めてトランシルヴァニア出身者の歌うマジャル民謡に触れました。
そして翌1905年に、パリのルビンシュタイン音楽コンクールに出場し、
そこでハンガリーでは知られていなかったドビュッシーの音楽を知り、
また民謡について科学的アプローチを始めていたコダーイに出会いました。

1906年からコダーイや研究者達と共にハンガリー各地の農民音楽の採集を始め、
1913年にはアフリカのアルジェリアまで足を伸ばすなど活動は精力的でした。
1907年、26歳でブダペシュト音楽院ピアノ科教授に就任すると、
更なる民謡の採集が進み、民謡の編曲なども行うようになりました。

作品としてはピアノ小品や、ヴァイオリン協奏曲第1番の2楽章、
また1908年の弦楽四重奏曲第1番にも民謡採集の影響が表れています。
1911年には、自身にとって唯一のオペラとなった《青ひげ公の城》が、
ハンガリー芸術委員会賞から演奏不可能という事で拒絶されたため、
失望した彼は2、3年は作曲をせず、民謡の収集と整理に集中していました。

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1934年には音楽院ピアノ科教授を退職、科学アカデミーの民俗音楽研究員となり、
自分や研究者達が収集したコレクションの整理に取り組める環境を得ました。
バルトークの民俗音楽研究はただの収集活動にとどまらず、
それを分析し自らの音楽語法に昇華させた点に大きな意義があります。

「ルーマニア民俗舞曲」はバルトークのそうした民謡採集と研究がもたらした、
1915年に作曲された6曲からなるピアノの小品の組曲です。
1917年、自身により小管弦楽に編曲され、彼の最もよきルーマニアの友人であり、
また最も民謡採集に協力した人物であるイオン・ブシツィアに献呈されました。





バルトーク:ルーマニア民俗舞曲 Sz.56 1. 棒踊り
Bartók Béla Viktor János:Romanian Folk Dances, Sz.56, BB68
1. Bot tánc / Jocul cu bâtă (Stick Dance)



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2012年07月03日


ドビュッシー:前奏曲集 第1巻 10. 沈める寺

ドビュッシー:前奏曲集第1巻
新品最安価格:¥ 1,676 (6店出品)
中古最安価格:30%OFF ¥ 700 (3店出品)
5.0点 急がず 遅過ぎず 大き過ぎず 小さ過ぎず
発売日:2007-02-28
メーカー:ユニバーサル ミュージック クラシック
アーティスト:ベネデッティ=ミケランジェリ(アルトゥーロ)
フォーマット:Limited Edition

♪海底から浮上し再び沈み行く大聖堂の姿を描く

ショパンやスクリャービンと同じく12曲ずつ全2巻の、24曲の前奏曲を残したドビュッシー。
第1巻は1910年に、そして第2巻は1913年にそれぞれ出版されました。
近代ピアノ音楽の最高峰にして、彼の最高傑作とも呼ばれる作品です。

グレゴリオ聖歌に象徴されるように、西洋クラシック音楽の出発点はモノフォニー-単旋律でした。
それが大バッハによって複数の旋律が高度に絡み合うポリフォニーが極められ、
やがて主旋律に対して伴奏的な和声が伴うホモフォニーが登場します。
これは現代のポピュラー音楽などにも通じています。

そして古典派、ロマン派、後期ロマン派と時代が進むにつれ、
ワーグナーがそうであるように、むしろ和声が前に出るようになっていきました。
これは調性の崩壊に関わる地点にまで至りましたが、
ドビュッシーもまた、音楽における和声の役割を追求した作曲家でした。
旋律に頼らずハーモニーと音の響きで、印象派の絵画のように色彩を描こうとしたのです。

そうした彼の探求の成果が、24の前奏曲集には大いに活かされています。
そしてその究極とも言えるのが、第1巻第10曲の「沈める寺」です。
美しくも高度な和音は時に、片手だけで7音を鳴らすことを要求します。
指は5本ですから、1本で2つの鍵盤を同時に押さえなければなりません。

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この曲のイメージの元になっているのは、ブルターニュ地方の古い伝説です。
コルアイユの王グラドロンは、愛する娘ダユーの為にイースの都を建設しました。
イースは立派な水門と堤防に守られた、海面よりも低い土地に建設された都市。

しかしダユーは放蕩三昧で、彼女が治めるイースは欲と快楽の都になっていました。
この堕落したイースの都に罰を与えるべく神の使いの男が現れ、
彼の言葉に従った結果、繁栄した都は一瞬にして海底に沈んでしまいました。

海底に眠るイースの都は、グラドロンの教会でミサが行われなくなるとき、
この世のものとは思えないほど、美しい姿で浮上してくると言われています。
「沈める寺」は海底の静謐な世界から、徐々に浮上するグラドロン教会が、
やがて完全に海上に姿を現し、そこから鐘の音と祈りの合唱を鳴り渡らせると、
再び深海へと沈んでいく光景を、和音を中心とした音で描写しています。

フランスの首都パリ-Parisの語源は、Par-Is=「イースのような」と言う意味です。
またイースは『トリスタンとイゾルデ』のイゾルデの生地としても知られています。





ドビュッシー:前奏曲集 第1巻 10. 沈める寺
Claude Debussy:Préludes, Book1 10. La cathédrale engloutie



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2012年06月03日


サン=サーンス:死の舞踏 Op.40 (リスト編曲 S.555)

アンコール
新品最安価格:12%OFF ¥ 1,789 (4店出品)
レビュー平均: 4.8点 (5人がレビュー投稿)
5.0点 強烈な個性
5.0点 ヴィルトオーゾ
4.0点 聴衆を熱狂させたピアニストの超絶技巧
発売日:1990-04-21
メーカー:BMGビクター
アーティスト:ホロヴィッツ(ウラジミール)

♪幻想的なハロウィンの一夜を描いた交響詩

『死の舞踏』はサン=サーンスが1874年に作曲した有名な交響詩です。
原曲は1872年作曲の歌曲で、詩人アンリ・カザリスの詩に着想を得ています。

― ハロウィンの深夜0時になり教会の鐘が鳴り終わると、
死の神が現れヴァイオリンを弾き、墓石を叩いて合図をする。
すると大勢の骸骨たちが現れて、不気味な踊りを始め、それは激しさを増す。

夜中に響き渡る骨と骨が擦れあう音。
最高潮では「最後の審判」の「怒りの日」をもじった旋律が姿をみせる。
しかし雄鶏の声が夜明けを告げると、骸骨たちは墓場に帰っていく…。

こうした様が音楽で描かれ、カザリスの奇怪な詩の世界を表現しています。
また、スコア冒頭ではカザリスの詩から、以下の数行が引用されています。


ジグ、ジグ、ジグ、墓石の上
踵で拍子を取りながら
真夜中に死神が奏でるは舞踏の調べ
ジグ、ジグ、ジグ、ヴァイオリンで

冬の風は吹きすさび、夜は深い
菩提樹から漏れる呻き声
青白い骸骨が闇から舞い出で
屍衣を纏いて跳ね回る

ジグ、ジグ、ジグ、体を捩らせ
踊る者どもの骨がかちゃかちゃと擦れ合う音が聞こえよう

静かに!突然踊りは止み、押しあいへしあい逃げていく
暁を告げる鶏が鳴いたのだ


リストはこの曲を1876年にピアノ・ソロ用にアレンジしています。
サン=サーンスにとっての出世作となった歌劇「サムソンとデリラ」の初演で、
自らタクトを振るなど、リストはサン=サーンスを評価し擁護していました。

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実は管弦楽版の『死の舞踏』は発表当初、評判はよくありませんでした。
初演の夜も演奏会場には、非難の口笛が鳴り渡ったと伝えられています。
しかしリストはこれにも態度を変えず、ピアノ曲として新たな生命を吹き込んだのです。

リストが亡くなった1886年、サン=サーンスは1曲の交響曲を書き上げました。
「オルガン付き」の名で知られる代表作、交響曲第3番ハ短調です。
サン=サーンスはこのスコアに「リストを追慕して」と記し、
生前に自分の音楽を理解してくれた、彼に対する感謝と敬慕の念を示したのでした。





サン=サーンス:死の舞踏 Op.40 (リスト編曲 S.555)
Saint-Saens:Danse macabre Op.40 (Liszt arr. S555/R240)



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posted by アンドウトワ at 16:35 | 器楽曲・ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月30日


ショパン:ノクターン 第5番 嬰ヘ長調 Op.15-2

ショパン:夜想曲全集
新品最安価格:12%OFF ¥ 3,564 (5店出品)
レビュー平均: 4.3点 (12人がレビュー投稿)
4.0点 安らぎます
5.0点 清楚に全てを語りつくしたノクターン
発売日:1996-10-25
メーカー:ユニバーサルクラシック
アーティスト:ピリス(マリア=ジョアオ)

♪晴れやかで流麗にして甘美なノクターンの人気曲

ノクターン第5番嬰ヘ長調は、1833年出版の『3つのノクターン』Op.15の第2曲です。
第1曲のノクターン第4番ヘ長調と同じく、1831年から32年にかけて作曲されました。
Op.15はノクターンの創始者ジョン・フィールドの影響から抜け始めた作品で、
後の作風にも通じるような、ショパンのオリジナリティが随所に表れています。

世間的にも“ショパンのノクターンはフィールドを超えた”と評価されますが、
当のショパンは「フィールドと並び賞されて、僕は嬉しくて走り回りたい気分です。」
と手紙の中でその喜びをあらわにしています。
旋律を大事にするフィールドを、ショパンはとても敬愛していたのです。

第5番はショパン特有の翳りや感傷的なところがなく、
どこまでも晴れやかで流麗、甘美な作品です。
Doppio movimentoと表示された中間部は、煌びやかなアルペジオが印象的で、
嬰ハ長調の5連符の上に付点リズムという独創的な構成です。
シンプルながら3部形式の中に魅力が凝縮されていて、
演奏効果も高く人気があるため、頻繁に取り上げられています。

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作曲された1831-32年は、ショパンがパリに来て、まだ駆け出しの頃で、
社交界の貴婦人たちを相手に自作を披露したり、レッスンを施したりしながら、
作曲家、演奏家としての基盤を固めていた時代です。

若き無名の音楽家を、パリはそう簡単には受け入れてくれませんでしたが、
リストはこの天才を見逃さず、積極的にパリの楽壇に紹介しました。
これが追い風となり、ショパンは気鋭の音楽家として花開いていったのです。

やがてショパンの音楽は革新性をもって、独自の世界を築き始め、
ついには恩人リストに勝るとも劣らぬ、変幻自在の境地へと到りました。
男性的で劇的な演奏効果で、外に向けてアピールするリストの音楽と、
女性的な繊細さで、ひとりの人に向けて聴かせるようなショパンの音楽。
両者はあたかも太陽と月のように、それぞれの光を輝かせていたのです。





ショパン:ノクターン 第5番 嬰ヘ長調 Op.15-2
Frédéric François Chopin:Nocturne No.15 in F sharp major, Op.15-2



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posted by アンドウトワ at 18:18 | 器楽曲・ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月26日


ショパン:ノクターン 第13番 ハ短調 Op.48-1

ショパン:夜想曲集
新品最安価格:¥ 1,450 (9店出品)
レビュー平均: 5.0点 (2人がレビュー投稿)
5.0点 心に寄り添うノクターン
5.0点 うっとり
発売日:2006-11-08
メーカー:ユニバーサル ミュージック クラシック
アーティスト:バレンボイム(ダニエル)
フォーマット:Limited Edition

♪敬虔な静謐さと劇的な激しさ…ショパンのノクターンを代表する傑作

ノクターンほどショパンの作風にあった形式もないかもしれません。
美しく優雅な旋律を中心とした、甘美で感傷的な音楽。
ショパンという作曲家が内包していたものを、最も自然に表現できたジャンルです。

ノクターンの歴史は古く、発祥は中世にまで遡ります。
それをピアノ独奏曲として確立させたのが、英国の作曲家ジョン・フィールドです。
フィールドのノクターンは、右手が奏でる歌謡風の旋律に、
左手が奏でるアルペジオの伴奏が伴うという単純なものでした。
考え方としてはメンデルスゾーンの無言歌に近いとも言えます。

フィールドは1832年から1833年にかけてパリに滞在しました。
この時にショパンは影響され、自らもノクターンを本格的に作り始めたのです。
“本格的に”としたのは17歳の頃にも、既にノクターンが作曲されているからで、
この事からもワルシャワ時代から、フィールドのことは知っていたと思われるからです。

映画「愛情物語」で知られる第2番変ホ長調は、ショパンの代名詞的な有名曲ですが、
この曲などはまさにフィールドの影響が残る、比較的シンプルな内容です。
しかしここからショパンのノクターンは徐々に深化を見せ始め、
中期から後期にかけては最早、別物と言える芸術作品へと変貌を遂げていきます。

そうした作品群の中でも、最高傑作との声も多いのが、第13番ハ短調Op.48-1です。
Op.48の2曲はジョルジュ・サンドとの仲も良好だった1841年の作。
精神的には安定しているはずですが、特にOp.48-1には激しい悲しみがあります。

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様式はA-B-A' からなる三部形式。しかし、内容は独創的です。
同主調のハ長調に転じたBのコラール(2:02)には、祈るような敬虔さがあります。
それが次第に力強い激情を見せ始め、そのまま再現部へとつながっていきます。
このA'(4:10)の部分が白眉なのです。

Aと同じ旋律を扱っているとは言え、3連符に乗ったその音楽は遥かに情熱的で、
ショパンの内に秘めた感傷や憧憬が迸るかのようです。
Cm-Fm7-G-Cm という和音進行も、たたみ掛けるような3連と共に、
Aの時よりも一際強い感傷性をもって、聴く者の胸に響いてきます。

「2倍の速さで」という指示の通り、この部分には男性的な激しさがあります。
それと同時に内向きなナイーヴさもあり、そんなところも含めて、
最もショパンらしさが集約された音楽と言ってもいいと思います。

コラール部後半の盛り上がりや、再現部の激情など、ドラマ性も大きいため、
第13番ハ短調はピアニストが演奏会で、好んで取り上げる作品にもなっています。





ショパン:ノクターン 第13番 ハ短調 Op.48-1
Frédéric François Chopin:Nocturne No.13 in C minor, Op.48-1



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posted by アンドウトワ at 16:13 | 器楽曲・ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月09日


サティ:ジムノペディ No.1 [ピアノ版]

3つのジムノペディ~サティ・ピアノ作品集
新品最安価格:12%OFF ¥ 1,572 (10店出品)
レビュー平均: 4.6点 (10人がレビュー投稿)
5.0点 音楽のアールデコ
5.0点 ロジェの演奏が抜群
5.0点 それぞれの曲が、一篇の詩のようでした。
発売日:2003-06-25
メーカー:ユニバーサル ミュージック クラシック
アーティスト:ロジェ(パスカル)

♪音楽の新しい地平を開いた異端の作曲家エリック・サティ

90年代前半、日本ではバブル経済が崩壊し、人々は癒しを求め始めていました。
アロマ・テラピーやヒーリング・グッズ、スピリチュアル本などが持て囃され、
TV-CMで流れた坂本龍一さんのピアノ曲が、インストにも拘らず大ヒットした時代です。

音楽の世界ではヒーリング系のコンピレーション・アルバムが数多く発売され、
ジャンルを越えて様々な曲が、1枚の中に収録されていました。
そうした状況の中、クラシック系で最も人気だったのがサティだったと思います。
分けても『ジムノペディ No.1』は、サティの代名詞的な曲として頻繁に取り上げられ、
オリジナルのピアノはもちろん、色々なアレンジ版も巷を賑わしていました。

『ジムノペディ』とはアポロ神の祝日に、裸身の若者たちが舞踊を奉納したという、
古代ギリシャの祭典「ジムノペディア」に由来したサティの造語です。
これが描かれた壺画にインスパイアされ、作曲されたとも言われています。
中世の教会旋法を用いた、4分の3拍子の簡素ながら洗練された音楽です。

サティはクラシックの世界でも極めて異端な人です。
13歳でパリ音楽院に入学した才能の持ち主でありながら、
既存の音楽体系に飽き足らず、退学して独自の音楽世界を構築していきました。

反体制的な気質の持ち主でしたが、それは音楽に対しても同じで、
いわゆる西洋音楽的な理論を、ことごとく打ち砕いた人でした。
例えばワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」が、調性崩壊の第一歩とされていますが、
サティのそれはもっと大胆で、和音的に理論外の試みと言えるものでした。

また、楽譜の調号や小節線、拍子記号をなくしたり、オーケストラ曲の楽器として
サイレン、飛行機の爆音、タイプライター、ピストル、ダイナモの音を導入するなど、
すべてが規格外と言える作曲家でした。

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そして「家具の音楽」という概念を生み出し、音楽は襟を正して鑑賞すべし、
という考えに反旗を翻し、家具の様にただそこにある音楽を提唱しました。
これはまさしく現代のBGMであり、ヒーリング音楽にも通じる先駆的なものです。

ドビュッシー、ラヴェル、ストラヴィンスキーなど、同時代の作曲家たちは、
そろってサティの作曲技法に影響されたことを表明しています。
そしてイーノ、ケージ、ライヒといった現代音楽家たちにも、
その流れは連綿と受け継がれているのです。

21世紀の現代でもまったく古さを感じさせないどころか、
未だに時代の一歩先を行っているかのような、異端の作曲家エリック・サティ。
様々な困難が続く現代日本にも、その癒しの旋律は必要なものなのかもしれません。

*ドビュッシーによる管弦楽版を公開していましたが、今回は原曲のピアノ版です。





サティ:ジムノペディ No.1 [ピアノ版]
Erik Alfred Leslie Satie:Gymnopédies No.1



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2012年04月04日


プーランク:即興曲第15番 ハ短調 「エディット・ピアフを讃えて」

田部京子ベスト~CDデビュー10周年記念盤
新品最安価格:14%OFF ¥ 1,716 (4店出品)
レビュー平均: 5.0点 (1人がレビュー投稿)
5.0点 なんとなく名曲集、ではありません。
発売日:2003-10-22
メーカー:コロムビアミュージックエンタテインメント
アーティスト:田部京子

♪伝説のシャンソン歌手エディット・ピアフへのオマージュ

「ピアフはまさに、偉大というべき存在だった。彼女の真似は誰にもできない。 - F.プーランク」

プーランクの即興曲第15番ハ短調は、「エディットピアフを讃えて」の副題の通り、
フランスの伝説的なシャンソン歌手、エディット・ピアフに捧げられた作品です。

20世紀前半から、中頃にかけてのフランス芸術界は、詩人ジャン・コクトーを中心に、
様々なジャンルの芸術家たちが、フランス芸術の新たな在り方を模索していました。
ピアフはコクトーの盟友で、その親友的関係はコクトーの晩年まで続きました。

自身もフランス6人組の一人として、新しい音楽の在り方を探していたプーランクは、
コクトーの元に頻繁に出入りする中で、ピアフとも交流を持つようになったのです。

プーランクはこの曲で、ピアフの芸術家としての姿勢や存在、生き方を讃えました。
クラシックとシャンソンというジャンルの違いを越えて、
二人はたがいに認め合い、理解し合える間柄だったのです。

ですからプーランクはこのピアノ曲のモチーフとして、
ピアフも大事に歌っていた、あるシャンソンのフレーズを引用しました。
日本では「枯葉」のタイトルで知られる、スタンダード曲「Autumn Leaves」です。

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シャンソンが元になっているためか、この曲は現代的で洒落た風情があり、
プーランクのピアノ・ソロ作品の中でも、異質な存在になっています。
1959年のプーランク60歳、ピアフ44歳の年に作曲されました。

短調で進められて来たこの曲が、最後に光射すように長調に転じて、
そのまま締めくくられるのかと思いきや、再び短調で終わるのが印象的です。
あたかも波乱万丈だったピアフの人生を、そこに映し出しているかのようです。

この曲を聴くとブラームスの「間奏曲」や、シベリウスの「樅の木」などの、
感傷的で少し寂しげなピアノ曲も聴きたい気分になります。
クラシックをあまり聴かない方でも、すんなり入ってくる作品だと思います。




プーランク:即興曲第15番 ハ短調 「エディット・ピアフを讃えて」
Francis Poulenc:Improvisation 15 Hommage à Edith Piaf

プーランク:即興曲第15番 ハ短調「エディット・ピアフを讃えて」 - ストリーミング再生



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2012年03月22日


モーツァルト:ソナチネ 第1番 ハ長調 K.V.439b 第4楽章

ソナチネ・アルバム(1)
新品最安価格:12%OFF ¥ 3,109 (6店出品)
レビュー平均: 4.4点 (7人がレビュー投稿)
5.0点 教材に最適!
5.0点 教材にはバッチリです
5.0点 うれしい全曲収録!
発売日:2004-06-21
メーカー:フォンテック
アーティスト:オムニバス(クラシック)

♪バセットホルンのためのディベルティメントをピアノ版に編曲

日本ではテレビのバラエティ番組の、BGMとしてもお馴染みのこの曲は、
モーツァルトの6曲のウィーンソナチネから、第1番の第4楽章アレグロです。

原曲は「2つのクラリネットとファゴットのための5つのディヴェルティメント 変ロ長調」。
これに編曲が施され、「フォルテピアノのためのソナチネ集」として出版されました。

1783年に作曲されたこの曲は、当初「バセットホルン三重奏」という形でした。
バセットホルンはモーツァルトの時代まで使われていた楽器で、
彼の作品では他に「レクイエム ニ短調」などでも登場します。

モーツァルトが27歳の頃、ウィーンの友人ジャカン家のために書かれた作品で、
1803年にブライトコップ&ヘルテルから、まずは第2番のパート譜が出版されました。
そして1813年にはジムロックから「6つのセレナード」として全曲が出版されています。

この時点で楽器編成は「クラリネット2、ファゴット1、ホルン2」に変更。
更にモーツァルトのオペラを、他者が編曲した第6番が追加されました。

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その後、1877-83年の編纂で、後世に加えられたと思われる部分は排除され、
「2つのクラリネットとファゴットのための5つのディヴェルティメント 変ロ長調」
として整理されると、これが広く一般化していったのです。
ここで調性もバセットホルンに適したへ長調から変ロ長調に変えられました。

「フォルテピアノのためのソナチネ集」はウィーンのアルタリアから
1805年に出版され、その後もいくつかの版が出されました。
編曲はFr.カウアーとされていますが、詳細は定かではありません。
モーツァルト自身によるとする説もあるぐらいです。

また、“ウィーンのソナチネ”と呼ばれる理由については、
モーツァルトがウィーンで作曲したことに加え、1931年にマインツで出版された
Schott版「ウィーン・ソナチネ集 - オリジナル・ピアノ・エディション」の
タイトルに由来するともいわれています。





モーツァルト:ソナチネ 第1番 ハ長調 K.V.439b 第4楽章
W.A.Mozart:Sonatina No.1 in C Major, K.V.439b
4. Allegro



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2012年03月07日


スコット・ジョプリン:メイプル・リーフ・ラグ

ラグタイム・ミュージック集
新品最安価格:27%OFF ¥ 948 (4店出品)
レビュー平均: 5.0点 (1人がレビュー投稿)
5.0点 絶品のラグタイム集
発売日:2007-01-24
メーカー:EMIミュージック・ジャパン
アーティスト:カティア&ラベック(マリエル)

♪ラグタイムというジャンルを確立させた象徴的な作品

ラグタイム王と呼ばれるスコット・ジョプリンの出世作にして代表的な作品です。
無名時代のジョプリンは、アメリカのミズーリ州セダリア市にあった社交クラブ、
“Maple Leaf Club”で、ピアノ演奏をして生計を立てていました。

ある日、そこに訪れたひとりの男性、楽器商のジョン・スタークとの出会いが、
ジョプリンの、そしてスターク自身の人生を大きく変えていくことになります。
スタークは楽器商であり、楽譜の取り扱いはしていませんでした。

しかし、ジョプリンが演奏する「メイプル・リーフ・ラグ」のとりこになったスタークは、
ジョプリンに曲の楽譜化と出版の話を持ちかけ、当時の黒人としては異例の、
印税契約を交わした上で、楽曲の出版にこぎつけたのです。

こうして発売された「メイプル・リーフ・ラグ」はたちまち大ヒット。
その年だけでシートミュージックとして、7万5千部を売り上げたといいます。
ラグタイム自体はジョプリン以前から存在していましたが、
この大ヒットにより決定的な市民権を得たと言えます。

また、酒場の一ピアノ弾きに過ぎなかったジョプリンが、
ラグタイム王として一躍有名になったのも、すべてはこの曲が始まりです。
以来、彼の作品には、“Composer of Maple Leaf Rag”(メイプル・リーフ・ラグの作者)
という宣伝文が添えられ、売り出されるのが慣例になりました。

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ところで、ラグタイムのピアノ演奏では、右手をどれだけスイングさせるかが、
表現上のひとつのポイントにもなってきます。
シンコペーションを軸にした右手のフレーズは、黒人の自由の象徴でもあって、
ただ機械的に裏打ちを強調するだけではなかったようなのです。

ジョプリンは自著の教則用楽譜「School of Ragtime」(1908)で、
「Play slowly until you catch the swing」(スイングを感じるまで遅く弾け)と書き、
他の箇所でも決して早く弾かないよう念を押しています。
これは右手をスイングさせるには、中庸のテンポが好ましいという意味で、
彼自身が残したピアノロール演奏でも、かなりスイングしているのが確認できます。

しかし譜面上はそうした指示はないので、そのさじ加減は、
それぞれのプレイヤーの感覚と判断にゆだねられています。
ですからまったくスイングしてない演奏から、強くシャッフルした演奏まで、
私たちは様々な形の表現を耳にすることができるのです。





Scott Joplin:Maple Leaf Rag
スコット・ジョプリン:メイプル・リーフ・ラグ



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