テレビ・映画&CM etc. … 最近話題のクラシック

スポンサードリンク




2014年03月27日


ショパン:ノクターン 第2番 変ホ長調 Op.9-2 [新録音2013]

ショパン:夜想曲集
新品最安価格:¥ 2,079 (8店出品)
5.0点 心に寄り添うノクターン
5.0点 うっとり
発売日:2006-11-08
メーカー:ユニバーサル ミュージック クラシック
アーティスト:バレンボイム(ダニエル)
フォーマット:Limited Edition

♪ヴァイオリンやチェロの独奏曲にも編曲される名旋律

優れた旋律作家であるショパンが書いた、最も美しい旋律のひとつにして、
すべてのクラシック音楽の中でも、片手に入るかもしれないほどの名旋律です。

音楽家として身を立てることを志し、ショパンがパリにやって来て間もない頃、
アイルランド出身の作曲家ジョン・フィールドが同じくパリを訪れ、
自身が創作したノクターンという甘美なピアノ曲でもてはやされていました。

元来、流れるような美しい旋律を作ることに長けていたショパンにとって、
その才能を存分に発揮できるノクターンは、まさに打ってつけの形式でした。
また当時、パリのサロンで貴婦人たちにピアノを弾いては聴かせていた彼には、
甘く親しみやすいノクターンはアピールするのに絶好の音楽でもありました。

そこでショパンは作品9の、3曲のノクターンを続け様に作曲します。
そのうちのひとつが、作品9の第2番として知られる、ノクターン変ホ長調です。

あまりに魅力的な旋律から、ヴァイオリンやチェロなど、
様々な器楽独奏曲に編曲され、親しまれています。

スポンサードリンク


初期の作品のためフィールドの影響がまだ色濃く、
後の充実したノクターンの作品群に比べると内容に乏しいとの声もあります。
たしかに主題となる旋律を繰り返すだけで、名作とされる他のショパンの
ノクターンの大作に比べると、劇的な展開もなく物足らないかもしれません。

しかし、もしこの曲がショパンの後期に作曲されたとしても、
おそらくほとんど変わらない構成、展開だったかもしれません。
それほどに旋律そのものの完成度が高く、余計なものを加える余地がないからです。

あたかも元からどこかに完成形として存在した旋律が、
ショパンという音楽家を通して地上に降りてきたかのようです。


ショパン:ノクターン 第2番 変ホ長調 Op.9-2 [4:35]
F.Chopin:Nocturn No.2 in E-flat major, Op.9-2

http://classical-sound.up.seesaa.net/Chopin-Nocturn-No2-2013.mp3



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 19:44 | 器楽曲・ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月14日


シューマン:《子供の情景》 Op.15 第7曲 『トロイメライ』

シューマン:子供の情景/クライスレリアーナ 他
新品最安価格:13%OFF ¥ 1,445 (6店出品)

5.0点 最高の完成度
5.0点 ホロヴィッツ体験。
5.0点 『子供の情景』はやはりホロヴィッツ
発売日:2008-11-19
メーカー:SMJ(SME)(M)
アーティスト:ヴラディーミル・ホロヴィッツ

♪子供時代への憧れや追想を描いた大人のための音楽

「小さな楽しいピアノ曲を30ばかり作曲しました。そのうち12曲を選んで《子供の情景》
という題をつけました。あなたはきっと喜んで弾いてくださると思います。」

これはシューマンがまだ結婚前に、やがて妻となるクララに送った手紙です。
ふたりはたがいに想い合っていましたが、クララの父ヴィークは猛反対していました。

「クララは本当に僕を愛してくれるが、僕は永久に彼女を諦めねばならないのだろうか。」

ヴィークの怒りの激しさに、シューマンは一時、自信を失いかけていました。
シューマン25歳、クララ16歳という年の差も、ヴィークが許せなかった点かもしれません。
しかし、クララのシューマンへの愛は強かったのです。

「私はどんな事態が起ころうとも、ロバートを見捨てません。」

と、心に固く誓うのでした。

シューマンの代表作のひとつ《子供の情景》は、こうしたことがあった時期に作曲されました。
この13曲からなる小品集には、子供の頃への憧れや追想が描かれています。

「これは、子供のための曲ではなく、大人の回想であり、大人のためのものです。」

10年後に友人に宛てた手紙でこう書いているように、《子供の情景》は子供が
演奏したり聴くためではなく、大人が子供時代を振り返るためのものです。

「僕はこの曲を弾くと、幼い日の思い出が甦ってきて感動してしまう。」

とシューマンは常々、周囲に語っていたといいます。

スポンサードリンク


《子供の情景》でもっとも知られるのは、第7曲『トロイメライ(夢想)』です。
シンプルながら旋律の美しさは比類がなく、余計な装飾や大掛かりな展開を必要としない、
洗練された完成度の高さを感じさせます。
またシューマンならではの凝った和声進行が楽曲に色を添えています。

とにかく旋律そのものに力があるので、ヴァイオリンやチェロなどの器楽曲として
編曲されたり、歌詞をつけて歌われたりと様々な形で親しまれています。
ショパン『別れの曲』やバッハ『G線上のアリア』のような、クラシック名旋律の代表的な
曲のひとつとして、CDのコンピレーションアルバムにもよく収録されています。

*ヴァイオリン編曲版を公開していましたが、今回は原曲のピアノ版です。





シューマン:《子供の情景》 Op.15 第7曲 『トロイメライ』 [2:53]
Robert Schumann:Kinderszenen Op.15 7. Träumerei



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 07:29 | 器楽曲・ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月07日


リスト:《巡礼の年 第2年イタリア》 S.161 第4曲 「ペトラルカのソネット第47番」

リスト/巡礼の年:第2年「イタリア」
定価:¥ 2,039
新品最安価格:12%OFF ¥ 1,788 (5店出品)

4.0点 新年最初に聴く
発売日:1994-09-05
メーカー:ユニバーサルクラシック
アーティスト:ブレンデル(アルフレッド)
時間:47(分)

♪イタリアの抒情詩人ペトラルカのソネットから作られた作品

あの日、あの月、あの年 あの季節、あの時間、あの時、あの一瞬 あの場所で私は捕われたのだ 美しい二つの目に、そしてあなたの奴隷となった (ソネット第47番より)

あたかも現代のヒット曲の歌詞のような、この熱く甘い詩を書いたのは、
14世紀イタリア・ルネサンスを代表する叙情詩人、フランチェスコ・ペトラルカです。

…1327年のある日のこと、ペトラルカは教会でラウラという女性に出会いました。
一目見たその瞬間、ペトラルカはラウラに心を奪われ、恋に落ちたのです。

私はこの地上で天使の姿を、 比類なき美をこの目で見た それを想うと嬉しくなり、悲しくもなる 目に見えるものはすべて、まるで夢か幻のようだ (ソネット第123番より)

しかし、ペトラルカは修道士でした。
恋愛や結婚を禁じられ、神にその一生を捧げるべき聖職者の身。
その上ラウラは、“夫人”や“奥様”といった表現から、多分、既婚者だったとうかがえます。
ラウラへの愛に苦悩するペトラルカは、自らの想いを詩に託したのでした。

スポンサードリンク


苦しみを糧として、泣きながら笑い、 死も生も同じようにいとおしい、 こんな私にしたのは、奥様、あなたなのです (ソネット第104番より)

これらの詩-ソネットはペトラルカの代表作『カンツォニエーレ』に収められています。
ソネットとはイタリアで生まれた14行の定型詩のことで、「小さな歌」を意味しており、
ペトラルカと、叙事詩『神曲』で知られるダンテによって完成されました。

1837年7月から1839年11月にかけて、リストはマリー・ダグー伯爵夫人と共に
イタリア旅行へ出かけ、文学作品や絵画など、様々な芸術作品に触れました。
それらから受けたインスピレーションを元に作曲された、
7つのピアノ曲がまとめられたのが、《巡礼の年 第2年イタリア》です。

『ペトラルカのソネット』第47番、第104番、第123番の3曲は、
それぞれ第4曲、第5曲、第6曲としてここに収められています。
マリー・ダグー伯爵夫人との、道ならぬ恋の只中にあったリストにとって、
ラウラへの断ち切れない想いを綴ったペトラルカの抒情詩は、
自らの心情をそのままに映し出した鏡のように思えたかもしれません。

リストは『カンツォニエーレ』の中から、第47番、第104番、第123番を選び、
まずはテノール独唱用の歌曲として作曲しました。
さらに、同時期にピアノ曲にも編曲し、《第2年イタリア》の作品としたのです。

一方、ラウラとペトラルカは、実際には交際をしていなかったといわれます。
ふたりはその後、会うこともなく、約20年後の1348年にラウラは亡くなりました。
しかし、ペトラルカはラウラがいなくなったその後も、
彼女を失った悲嘆を歌う詩など、ラウラへ充てた詩を書き続けたのでした。





リスト:《巡礼の年 第2年イタリア》 S.161 第4曲 「ペトラルカのソネット第47番」 [5:30]
Franz Liszt:Years of Pilgrimage "Second Year: Italy" S.161
4. Sonetto 47 del Petrarca (Petrarch's Sonnet 47)



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 09:16 | 器楽曲・ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月01日


リスト:《巡礼の年 第1年:スイス》 S.160 8. 郷愁 - ル・マル・デュ・ペイ

Annees De Pelerinage
新品最安価格:30%OFF ¥ 2,270 (3店出品)

5.0点 リストファン必聴
5.0点 優しく美しい調べを
5.0点 タダみたいなもん
発売日:2002-09-29
メーカー:Dg Imports
アーティスト:ラザール・ベルマン
ディスク数:3
時間:176(分)

♪スイスのレマン湖畔に居を移し作曲された《巡礼の年 第1年》

『巡礼の年(年報)』はリストが20代から60代にかけて、40年以上もの長期に渡り、
断続的に創作を続けた、ピアノ独奏曲を全4集にまとめた作品です。

《第1年:スイス》《第2年:イタリア》《ヴェネツィアとナポリ(第2年補遺)》《第3年》には、
それぞれに旅行中の印象的なできごとや目にした風景、またその地に関係した
文学作品などから作曲されたピアノ曲が収められています。

ヴィルトゥオーソとして時代を席巻した若かりし頃から、カトリックの僧職について、
音楽と信仰を重ねていった、晩年までの変遷がそこに表されています。

10代前半で天才としてウィーンでもてはやされ、その後すぐにパリでも
社交界の花形となり、ヨーロッパの楽壇の寵児となったリストは、
3度に渡りイギリスを訪問し、国王ジョージ4世のために演奏などもしていました。
そこから約10年間は、パリがリストにとっての生活の拠点でした。

そんな彼は1833年(22歳)に出逢った、マリー・ダグー伯爵夫人と激しい恋に落ちました。
そしてふたりは社交界の喧騒を去り、スイスへ恋の逃避行をするのです。
1835年から1836年の2年間のできごとです。

(ふたりはやがて三児をもうけますが、そのうちの次女が有名なコジマです。
コジマは指揮者ビューローの元を去り、愛人のワーグナーへ走りました。
このことは父リストを苦しめましたが、やがてはコジマを許すのでした。)

スイスのレマン湖畔に居を移したリストは、夫人と共に愛を育みながら、
美しい自然に囲まれて、平穏な心境の中、作曲に従事しました。
その時の作品を後にまとめたのが《巡礼の年 第1年スイス》です。

これらの曲はまずは、3部19曲からなる《旅人のアルバム》としてまとめられ、
1842年に出版されましたが、このうち第1部の5曲と第2部の2曲を改訂し、
更に2曲を追加して1855年に《巡礼の年 第1年スイス》として出版されました。

スポンサードリンク


第8曲の『郷愁 Le mal du pays』は、フランスの作家・モラリストであるセナンクール
(1770〜1846)の小説『オーベルマン』から着想を得て作曲されています。
主人公であるオーベルマンが「自分の唯一の死に場所こそアルプスである」と
パリから友人に書き綴った、望郷の念が音楽で表現されています。
また、序文として『オーベルマン』からの長大な引用が掲げられています。

村上春樹さんの新作『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』では、
この曲が『ル・マル・デュ・ペイ』として登場し、重要な役割を果たしています。
小説のおかげでベルマン演奏のCDが、大きな話題となっているようです。





リスト:《巡礼の年 第1年:スイス》 S.160 8. 郷愁 - ル・マル・デュ・ペイ [6:01]
Franz Liszt:Years of Pilgrimage "First Year: Switzerland" S.160
8. Le mal du pays (Homesickness)



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 01:01 | 器楽曲・ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月02日


ブラームス:主題と変奏 ニ短調 Op.18b (弦楽六重奏曲第1番第2楽章 ピアノ独奏版)

ブラームス:弦楽六重奏曲第1番変ロ長調 作品18
新品最安価格:3%OFF ¥ 1,818 (1店出品)

3.0点 何故
4.0点 弦楽六重奏曲第一番と第二楽章のピアノ独奏版
発売日:2000-11-01
メーカー:ソニーレコード
アーティスト:スターン(アイザック)
時間:49(分)

♪シューマンの妻クララへの想いを込めた情熱的なピアノ曲

ロマン派の代表的な作曲家で、評論家としても知られるシューマンの妻にして、
自身も有能なピアニスト・作曲家であったクララ・シューマン。
彼女とブラームスの関係は、クラシック音楽史上でも特別なロマンスであり、
またその実際の関係性については、多分にミステリアスなところがあります。

シューマン夫妻とブラームスが知り合ったのは、彼がまだ20歳の青年の頃。
無名だったブラームスは、1853年、ドイツ・デュッセルドルフに
シューマンを訪ね、そこで自作を演奏し夫妻を感嘆させました。
ブラームスの才能を見抜いたシューマンは、音楽雑誌でこれを絶賛。
ブラームスは将来有望な若き音楽家として、世に出ることになったのです。

ブラームスにとって14歳年上のクララは、尊敬する師匠シューマンの妻であり、
最初はそうした師弟的な関係の感情しかなかったようです。
しかし、後にシューマンが精神を患い、ライン川に身を投げて自殺を図った頃から、
クララに対するブラームスの感情に変化が見え始めます。
クララと子供たちを守らなければ、という思いが愛情へと変わっていったのです。

ブラームスはクララに宛てた手紙に、溢れんばかりの熱情を綴っています。

『どれほどあなたにお会いしたく思っていることか!どんな物音を聞いても
窓辺に駆け寄ります。あなたのことばかり思い続けているのです。
あなたを思い、あなたのお手紙を読み返し、あなたのお写真を眺めること以外、
何も手につきません。あなたなしにはもうこれ以上耐えられません。
気も狂わんばかりに待ち焦がれている者の悲しみをやわらげてください。』

スポンサードリンク


ブラームスは自らの想いをクララに伝えるべく、自作の弦楽六重奏曲第1番の、
第2楽章をピアノ独奏用に編曲し、クララの41歳の誕生日にプレゼントしました。
それが『主題と変奏 ニ短調 (Theme and Variations, Op.18b)』。
クララと出会ってから7年後の1860年、ブラームス27歳の作品です。

ビオラとチェロを追加した重厚な弦楽六重奏の響きが、
そのままピアノの低音を強調した編曲にも活かされています。
クララに対する熱く深い想いが10分間に封じ込まれているかのようです。

自殺未遂の2年後にシューマンは亡くなってしまいましたが、
結局、ふたりの関係に進展はなく、結ばれることもありませんでした。
内向的なブラームスと理性的なクララの性格がそうさせたのかもしれません。

時は過ぎ、1896年5月20日、クララがこの世を去るとまるで後を追うように、
翌1897年4月3日の朝、ブラームスは64歳で息を引き取りました。
クララの死後、ブラームスはその思いをこう語っています。

『ああ、何ということだ。この世ではすべてが虚しい。私が本当に愛した
ただ一人の人間。その人を今日、私は墓に葬ってしまったのだ…。』





ブラームス:主題と変奏 ニ短調 Op.18b (弦楽六重奏曲第1番第2楽章 ピアノ独奏版) [10:28]
J.Brahms:Theme and Variations, Op.18b



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 16:26 | 器楽曲・ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月11日


ショパン:エチュード 第1番 ハ長調 Op.10-1

ショパン:12の練習曲 作品10/作品25
新品最安価格:12%OFF ¥ 1,572 (6店出品)
5.0点 唯一無二の演奏
5.0点 現代の至高の藝術
5.0点 人間はここまで正確になれるのか
発売日:2008-01-23
メーカー:ユニバーサルクラシック
アーティスト:ポリーニ(マウリツィオ)

♪技巧の習得と芸術性をあわせ持つショパンの練習曲集

ピアノの練習曲は内容的に、次の3タイプに大きく振り分けられます。

ひとつはバイエルやツェルニーのような、運指や技巧を鍛えるためのもの。
もうひとつはショパンのように本来、練習を目的としながらも、
ただの練習曲にとどまらない、高度な芸術性を兼ねているもの。
そして最後はリストのように、最初から演奏会で披露することを目的とした、
ジャンル的な形としての演奏会用練習曲です。

ショパンとリストの練習曲には、各々の音楽家としての志向性が表れています。
生涯に数える程しかコンサートを開かなかったショパンには、
練習曲を人前で演奏するといった外向きの発想はなく、
自作の2曲のピアノ協奏曲の練習用というのが、元来の作曲の動機でした。
ですからピアノ協奏曲の典型的な音型を基に作曲されています。

対してリストはヴィルトォーゾ的な大技を、ステージで華やかに魅せるのを
旨としていましたから、超絶技巧練習曲のように完全な芸術作品が生まれています。

ショパンは全24曲の練習曲集の作曲にあたり、クレメンティ、モシェレスといった、
19世紀前半に書かれたピアノ教則本の先達の作品を参考にしました。
これらは形式や技法を包括しながら、実践力を身につける内容でしたが、
ショパンはそこから一歩進めて、作品に芸術音楽としての深みをもたせました。

スポンサードリンク


別れの曲」や「革命」といった美しい旋律と叙情性あふれる楽曲を聴けば、
ショパンの練習曲が単なる技巧習得を目的としていないのは一目瞭然です。
それでありながら、基本は練習曲として充分に成立しているため、
ピアノ学習の最終段階の課題として、今日でも広く用いられています。

練習曲第1番ハ長調は「滝」や「階段」などの愛称でも知られます。
ショパンにとってハ長調は最も弾きづらい調性とされていましたが、
難曲ぞろいのショパンの練習曲中でも、この曲は特に難しいといわれます。
指の動きにも益して、柔軟な右手首の使い方が要求されます。

またこの曲はハ長調という調性と、同一音型で和声が変化する進行から、
J.S.バッハの《平均律クラヴィーア曲集》第1巻第1番のプレリュードへの
オマージュと見て間違いなさそうです。
実際、2つの練習曲集全体が、平均律クラヴィーア曲集を模範としています。





ショパン:エチュード 第1番 ハ長調 Op.10-1 [2:10]
F.Chopin:Etude No.1 in C major, Op.10-1



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 08:31 | 器楽曲・ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月15日


ドビュッシー:ベルガマスク組曲 第4曲 『パスピエ』

ドビュッシー:ピアノ作品全集
新品最安価格:13%OFF ¥ 3,641 (5店出品)
5.0点 理知的で明晰なドビュッシー全集
5.0点 現在、ドビュッシーを弾かせたら、ベロフが最高。
5.0点 レファレンス・コレクション
発売日:2007-08-29
メーカー:コロムビアミュージックエンタテインメント
アーティスト:ベロフ(ミシェル)
ディスク数:5

♪ベルガマスク組曲の終曲に置かれた不思議な雰囲気のピアノ曲

ベルガマスク組曲といえば何と言っても有名なのが「月の光」です。
ヴェルレーヌの詩にインスパイアされたこの曲は、その美しい旋律と叙情性から、
ドビュッシーの全作品の中でも特に愛され、管弦楽版としても親しまれています。

4曲からなるこの組曲の終曲に置かれたのが「パスピエ」。
第3曲「月の光」に続く第4曲ですが、この曲、少し趣きが変わっています。
まず「パスピエ」という形式ですが、フランスのブルターニュに起源を発し、
17世紀にパリで大流行した、8分の3拍子ないしは8分の6拍子の速い舞曲です。
passa-piedないしはpasse-piedが語源で、「通行する足」の意味を持ちます。

簡単に言ってしまえば、ワルツ調の社交ダンス曲といったところですが、
ドビュッシーのパスピエは違っていて、4拍子の行進曲風です。
左手はスタッカートでペダルを踏まず、キビキビと奏でられ、
右手も基本的に小気味よく進み、時にレガートで彩を添えます。

実はこの作品、当初はパスピエではなく「パヴァーヌ」という題名でした。
「月の光」も当初の「感傷的な散歩道」から改題されています。
「パヴァーヌ」といえばドビュッシーも影響を受けたフォーレ作が有名です。
これと混同されるのを避けて、直前になって題を差し替えたとも見られています。

ドビュッシーの「パスピエ」は、冨田勲さんによる編曲でも知られています。
こちらはシンセサイザーによる現代的な演奏ですが、
スタッカート主体の曲調がマッチして、まるでドビュッシーがデジタル全盛の
今の時代を見据えて作曲したかのような違和感のなさです。

スポンサードリンク


また、RPGのドラクエ1のフィールド曲「広野を行く」の出だしが、
パスピエに似ているとも言われ、実際、ドラクエシリーズの作曲者、
すぎやまこういちさんは、モチーフとして意識したと語っているようです。
ドラクエはテーマ曲もワーグナーの前奏曲を思わせるところがあります。

個人的には今回、「パスピエ」を制作していて何度か、
きゃりーぱみゅぱみゅさんの「つけまつける」を思い出しました。
どこか旋律に似た雰囲気があるのです。

このようにドビュッシーは印象派というひと括りでは済ませられない、
時代を越えた先鋭性を持っていました。

クラシックは苦手でも、ドビュッシーのピアノ曲は聴くという声も耳にします。
形式主義やロマン派などの枠を打ち破り、旋法や和声においても
独自の語法を確立させたドビュッシーは、現代に生きる作曲家なのです。





ドビュッシー:ベルガマスク組曲 第4曲 『パスピエ』 [4:06]
Claude Achille Debussy:Suite bergamasque 4. Passepied



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 17:00 | 器楽曲・ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月11日


フォーレ:シシリエンヌ Op.78 [ピアノ版]

特撰!ピアノ名曲150<1> エリーゼのために/ジムノペディ
新品最安価格:14%OFF ¥ 1,806 (5店出品)
5.0点 選曲、値段、演奏、からお勧め
5.0点 安心して聴ける定番集
発売日:2005-07-27
メーカー:コロムビアミュージックエンタテインメント
アーティスト:メジューエワ(イリーナ)

♪優雅さと気品に満ちたフォーレのシシリエンヌ

シシリエンヌは17-18世紀のイタリア、シチリア半島の舞曲の名称が語源です。
シチリアーノ、シシリアーノ、シチリアーナ、シチリア舞曲などとも呼ばれ、
シシリエンヌはフォーレの出身のフランス語の読み名です。

6/8拍子、または8/12拍子のゆったりとした優雅なテンポが特徴で、
フォーレのほかにもバッハやヘンデル、レスピーギが作品を書いています。

いずれもよく知られた名曲揃いですが、フォーレのシシリエンヌは、
起伏の大きな旋律の美しさ、また特有の気品ある趣きから、
特に愛され、様々な器楽用にも編曲されています。

組曲「ペアレスとメリザンド」の弟3曲として管弦楽版がよく知られるこの曲、
元来はモリエールの喜歌劇「町人貴族」の劇音楽として作曲され、
それが1897年に、チェロとピアノのための作品として出版されました。

さらに翌年の1898年に弟子のケクランが管弦楽版に編曲したものが、
「ペアレスとメリザンド」の劇付随音楽として挿入されたのです。
シシリエンヌは主人公の2人が愛を語らうシーンで演奏されます。

ケクランの編曲では主旋律がチェロからフルートに替えられています。
そしてピアノのパートを奏でるのはハープです。
これがあまりに見事にはまっているため、現代でも器楽で演奏する際は、
フルートが旋律を奏で、ピアノやハープが伴奏を担当するのが一般的です。

スポンサードリンク


余談ですが私はこの曲がグリーン・スリーヴスに似ていると思い、
それを知人に告げると「フォーレの方が音楽的に上だ」と言われました。

たしかにその通りです。
あちらはスコットランド民謡、こちらはフランスの大家による作品で、
和声や構成など、比べるまでもないほどシシリエンヌの方が立派です。

ですが、グリーン・スリーヴスにはまた、それなりの魅力があります。
2小節目で旋律が長調の6度に飛ぶところなど特に…。
私にとってはどちらも捨てがたい、選ぶことのできない名曲です。





フォーレ:シシリエンヌ Op.78 [ピアノ版] [4:30]
Gabriel Urbain Faure:Sicilienne Op.78 [Piano ver.]



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 02:02 | 器楽曲・ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月06日


シベリウス:ロマンス 変ニ長調 Op.24-9

ロマンス~ピアノ小品集
定価:¥ 1,050
新品最安価格:15%OFF ¥ 885 (5店出品)
5.0点 品の良い一枚。
5.0点 素敵です。
5.0点 プーランク
発売日:2006-12-20
メーカー:コロムビアミュージックエンタテインメント
アーティスト:田部京子

♪妻アイノに捧げられたスケールの大きなピアノ作品

シベリウスは北欧フィンランドを代表する、国民的な作曲家です。
1865年12月8日にヘルシンキの北方約100kmのハメーンリンナに生まれました。
この年は後期ロマン派の巨匠、リヒャルト・シュトラウス誕生の翌年にあたります。

9歳でピアノの手ほどきを受け始めたシベリウスは、
10歳で最初の作品、ヴァイオリンとチェロのための「水滴」を作曲。
15歳からは軍楽隊長にヴァイオリンを習い始め、25歳まで続けました。

それもあって当初シベリウスはヴァイオリニストを志していました。
ウィーンフィルハーモニーのオーディションも受けた事があります。

作曲は独学で勉強していましたが、20歳でヘルシンキ音楽院に入学すると、
そこで本格的に作曲を学び始め、二年後には奨学金を得てベルリンに留学。
ベッカーから対位法を、フックスからは作曲法と器楽法を学びました。
さらに24歳でウィーン音楽院に移り、カール・ゴルトマルクにも師事しました。

1892年、27歳で故郷に帰ると、アイノ・ヤルネフェルトと結婚。
自身の母校で教鞭をとりつつ、作曲家としての創作活動に励みました。
特に1899年の「フィンランディア」は国民賛歌に選定され、
シベリウスはこの功績により国家から、終生年金を受け取るまでになったのです。

スポンサードリンク


その後は七つの交響曲やいくつかの交響詩などによって、
押しもおされぬ大家としての地位を確立していきますが、
自身の作品に対する批判精神が強くなったためか、
60歳にして交響曲などの大作はまったく世に出なくなってしまいます。

実際は、第7番に続く第8番も何度か完成していたものの、
納得いかず燃やしたこともあったとされ、結局発表されることはありませんでした。
ピアノ曲の作曲は青年期に始まり、64歳ごろまで絶え間なく続けられました。

「ロマンス」は初期の「ピアノのための10の作品集 Op.24」の第9曲です。
ウィーンから帰り結婚した、妻アイノへの想いが込められているといわれています。
ユニゾンを活かした重厚感のある作品で、ピアノ曲というよりは、
オーケストラ曲のスケッチともとれるような趣きが感じられます。
後の交響曲大家シベリウスならではの、スケール感のある作品です。





シベリウス:ロマンス 変ニ長調 Op.24-9 [3:28]
J.Sibelius:Romance in D-flat major, Op.24-9



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 06:58 | 器楽曲・ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする