2020年04月08日


フランシスコ・タレガ:アルハンブラの思い出 / Francisco Tarrega:Recuerdos de la Alhambra

Tarrega_001.jpg♪ギターのトレモロ奏法を活用して名高い作品

フランシスコ・タレガ(慣用的にタルレガ、またはアクセント記号を重視してターレガとも。Francisco Tarrega, 1852年11月21日 - 1909年12月15日)は、スペインの作曲家・ギター奏者。

カステリョン県ヴィラ=レアル出身。幼い頃に用水路に落ちて危うく失明しかけ、おそらくはこのため(目が不自由でも音楽で生計が立つだろうという父親の考え)に、家族に連れられカステリョーン・デ・ラ・プラーナに移り、音楽学校に進みました。最初の音楽教師エウゲニ・ルイスとマヌエル・ゴンサレスはいずれも盲人でした。

1862年にギター奏者のフリアン・アルカスに神童と認められ、その奨めによりスペイン楽壇の中心地バルセロナを訪れました。父親は伴奏楽器の色合いが強かったギターだけでなく、ピアノの勉強もすることを望みました。

アルカスが海外ツアーでいなくなり、10歳ばかりのタレガはカフェやレストランでギター演奏をすることで研鑽を積んでいました。しかし、それが見つかり間もなく父親によって連れ戻されました。1865年に家出し、バレンシアでロマの一団に加わるも、再び父親に見つかり連れ戻され、もう一度家出しバレンシアに行くと、今度は自発的に戻り、家計を助けるようになりました。

1874年にマドリッド音楽院に進学。豪商アントニオ・カネサの援助のもとに、作曲をエミリオ・アリエータに師事。1870年代末までにギター教師として立ち(門人にミゲル・リョベートとエミリオ・プジョル)、定期的な演奏会も行いました。ギターのヴィルトゥオーソとして鳴らし、「ギターのサラサーテ」の異名をとった彼は、バルセロナに定住して1909年に逝去しました。




『アルハンブラの思い出』(西: Recuerdos de la Alhambra)は、タレガが1896年に作曲したギター独奏のための性格的小品。原語の発音に近い『アランブラの思い出』と表記されることもあります。

高度な演奏テクニックであるトレモロ奏法を活用した曲としても名高く、右手の薬指、中指、人差し指で一つの弦を繰り返しすばやく弾くことによりメロディを奏します。親指はバス声部と伴奏の分散和音を担当します。

>> 続きと試聴&ダウンロード音源はこちら [Download]

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2016年02月29日


ポール・マッカートニー (ザ・ビートルズ):ヘイ・ジュード


ヘイ・ジュード◎イエスタデイ
新品最安価格:13%OFF ¥ 3,554 (6店出品)
5.0点 革命的演奏
5.0点 山下にしかできないビートルズ!
4.0点 再創造する山下はギター界のグールドか?
発売日:2000-01-21
メーカー:日本クラウン
アーティスト:山下和仁


♪ジョン・レノンの息子ジュリアンを励ますために作曲されたスタンダード

68年全米チャート9週連続第1位、全世界で1300万枚を売り上げたビートルズ最大のヒット曲です。
ジョン・レノンの息子ジュリアン(当時5歳)は、父親が家を空ける事が多く寂しがっていました。
ジョンと妻のシンシアの関係は冷めたものとなり、離婚の調停が進んでいたのです。
見かねたポール・マッカートニーはある日、ジュリアンをドライブに連れ出しました。
助手席でうつむくジュリアンを励まそうと、ポールは即興で歌をうたい始めました。

♪ヘイ・ジュール(ジュリアンの愛称) くよくよするなよ 悲しい歌も明るくかえられるさ…

これが後のスタンダード曲「ヘイ・ジュード」の一節が生まれた瞬間です。
歌詞は一見、恋愛に悩む友を励ますような内容ですが、
実際は一歩踏み出せずにいる人を勇気づける、人生の応援歌です。
作詞ではジョンもアドバイスしたといわれます。

全編で7分を超える、ポップスとしては異例の長さが特徴で、歌詞を歌う前半と、
合唱と36人編成のオーケストラによる後半の、二部構成になっています。
前半が約3分で後半が約4分ですから、この曲のメインは後半の合唱と見ることができます。
即興的なポールの合いの手風のヴォーカルは、彼自身も二度と成せない程に感動的で、
ポールのベストパフォーマンスのひとつと言っていいかもしれません。

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現在開催中のロンドン五輪2012では、開会式のフィナーレにポールが登場。
8万人の大会場が一帯となった「ヘイ・ジュード」の合唱が印象的でした。
冒頭であらかじめ録音された音源と生演奏がずれて流れるというトラブルがありましたが、
ポールは何事もなかったかのように生演奏を貫き、ピンチを乗り切り大成功を収めました。

『いくつか、プレーバックでやるかもしれないという話もあったけれども、
我々はそれに逆らうことに決めた。そして、生で、生で、生でやったんだ!』
(ポール・マッカートニーのTwitterより)

そして歌を通して選手たちにメッセージを贈ったのです。

♪さあ始めるんだ 誰かが助けてくれるのを待っているのかい?
そうじゃない やるのは君自身なんだ 君ならできる
必要なムーブメントは君の肩にかかっているんだ

「ヘイ・ジュード」には政治色も宗教色もなく、特定の国歌でもありません。
純粋な人生賛歌であるからこそ、国を越えて世界中で大合唱できたのです。



ケロオケ
ポール・マッカートニー (ザ・ビートルズ):ヘイ・ジュード
Paul McCartney (THE BEATLES):HEY JUDE


*楽曲の著作権が継続中のため音源はストリーミング再生のみです



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2014年02月15日


J.S.バッハ:目覚めよと呼ぶ声あり 4. シオンは物見らが歌うのを聴く BWV645

主よ、人の望みの喜びよ / バッハ小品集
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山下和仁
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♪数学的にも美しいバッハの癒しの旋律

私事になりますが、昨年末から2月のこれまでにかけて、強い腰痛に悩まされていました。
音楽制作は長時間に渡るデスクワークなため、その負担がたまっていたのだと思います。

経験のある方ならおわかりいただけるかと思いますが、
その激しさは尋常ではなく、しばらく身動きできない日々が続きました。
一時は、もう立てなくなるのではないだろうか…と考えたほどです。

幸いなんとか持ち直して、こうして文章も打てるまでになりました。
そして、数ヶ月ぶりに音楽制作も再開することができました。

絶対安静で横たわる日々に、最もなぐさめられ心穏やかになったのは、
バッハのカンタータの一曲、「シオンは物見らが歌うのを聴く」でした。

この曲はBWV140のカンタータ「目覚めよと呼ぶ声あり」の第4曲で、
バッハの教会カンタータの中でも特に有名で、様々な編曲があり、
バッハ自身も後年、3声のオルガン・コラールに編曲しています。
おそらく自身もお気に入りの旋律だったのでしょう。

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今回この曲を取り上げるにあたって、当初はオリジナルのオルガンで
録音するつもりでしたが、ふと思い立ってギターの音色にしてみました。
そして、ギターは音の減衰が速いので、その分テンポも上げてみました。

バッハの音楽は不思議で、どんなアレンジにしても、
それ相応の形になって、違和感を感じさせません。
また、旋律が数学的に均整がとれ、造形としても美しく、
それが心理的な安心感につながっているのかもしれません。

肉体的に本当にしんどい時は、バッハが沁みるのだと知りました。
モーツァルトでもベートーヴェンでもなく…個人的な感覚かもしれませんが。


*大変長らくお待たせ致しました。
まだ本調子ではありませんが、少しずつ更新を再開させていただきたいと思います。
しばらくは小規模な編成の曲がメインになるかもしれませんが、
どうぞ長い目で見ていただけましたら幸いです。

そして、励ましのメッセージをありがとうございました。
とても勇気づけられました。
この場を借りて、お礼に代えさせていただきたいと思います。
ほんとうにありがとうございました。





J.S.バッハ:目覚めよと呼ぶ声あり 4. シオンは物見らが歌うのを聴く [ギター版] [3:51]
J.S.Bach:Wachet auf! ruft uns die Stimme, BWV645 ('Sleepers Awake')



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2013年05月21日


バリオス:ワルツ 第3番

バリオス作品集
新品最安価格:7%OFF ¥ 2,630 (2店出品)

5.0点 バリオス弾きの達人 渾身の2作目
5.0点 人生の哀しみを慈しむ「大聖堂」
5.0点 クラシックギター至高の名曲・名演奏
発売日:1995-04-01
メーカー:ソニーレコード
アーティスト:ウィリアムス(ジョン)

♪クラシックギターのレパートリーとして人気の曲

現代のクラシックギター界で、最も商業的に成功したギタリスト、ジョン・ウィリアムズは、
パラグアイのギタリスト・作曲家・詩人である、バリオスについて次のように語っています。

バリオスはギタリスト兼作曲家として評判はどうあれ、たくさんの中の最高の一人である。
その音楽は、大半が巧みに構成され、大半が詩的であり、大半が何かしらの美点を含んでいる。
しかもこれらの大半は、時代を超越しているという見方ができるのだ。

ウィリアムズは、1953年にアリリオ・ディオスにバリオスのパラグアイ舞曲や
ショーロを教えられてから、バリオスに傾倒するようになり、
バリオスの作品をクラシック・ギターの最もすぐれた楽曲として擁護した先駆者です。

また、自らもバリオスの作品集を何度か録音しており、
それらはバリオス演奏のスタンダードのひとつとして、高く評価されています。

バリオスは旅を愛するロマンティックな流浪の詩人でもありました。
大学卒業後のバリオスは、首都アスンシオンで本格的な演奏活動に入り、
その後はコンサートや録音活動を通じて、驚異的な演奏力で名を馳せていました。

そして、1916年からの15年ほどは、ブラジルで活動を続けていましたが、
1931年にはブラジルを離れて諸国を転々とするようになり、同年のベネズエラ公演では、
興行主の依頼で鳥の羽根で頭を飾り、パラグアイの民族衣裳を着て舞台に上がりました。
また、数年間「ニツガ・マンゴレ(Nitsuga Mangoré)」との偽名を名乗ったこともあります。

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こうした南米旅行を通じて多くの友情にも恵まれ、友人や支持者に自作の歌曲の詩を
手書きで与えていたために、バリオスの詩作品は、中南米(ラテンアメリカ)各地や
アメリカ合衆国で、異なる版が出回る結果となっています。

その後も中南米の国々で演奏活動を続け、1934年から1936年にはヨーロッパを訪問して
名声を博しました。晩年は中米のエルサルバドルの音楽院でギター科教授を勤めました。

ワルツ第3番は、1919年頃に作曲された作品8の、5曲のワルツの中の1曲です。
第4番ト長調と並ぶ人気曲で、クラシックギターのレパートリーとしても有名です。
NHKの番組で作家の五木寛之さんが「日本人の心情に訴える外国のメロディ」として、
この曲を取り上げたことでも知られています。


*音源の都合上、本来、ハーモニクス奏法の箇所がノーマル奏法になっています。
どうぞご了承ください。





バリオス:ワルツ 第3番 [4:01]
Augustin Barios Mangore:Valse No.3



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2011年06月08日


タレガ:アルハンブラの思い出

鳥の歌〜ギター小品集
新品最安価格:16%OFF ¥ 2,392 (5店出品)
レビュー平均: 5.0点 (2人がレビュー投稿)
5.0点 DVDも出ています
5.0点 選曲がグッド!
発売日:1991-09-21
メーカー:日本クラウン
アーティスト:山下和仁

♪トレモロ奏法の代名詞的なクラシック・ギターの名曲

「禁じられた遊び」でギターを習い始め、一応の形がつくと次に進むのは、
トレモロの名曲として有名な、タレガの「アルハンブラの思い出」ということが多いです。
旋律はシンプルで、弾くことも一見、安易そうに思えるからですが、
実際に始めてみると「禁じられた遊び」とは雲泥の差があるのに気づきます。

トレモロはそもそも、ギターのように音が減衰していく楽器が、
弦楽器や管楽器、また声楽のように、音を持続させるために生まれた奏法ですが、
クラシック・ギターの場合、基本的に薬指→中指→人差し指の順で、
同じ弦を弾(はじ)き続けなければならず、これを粒を揃えて持続するのは、
技術面だけではなく、筋力的にも強靭なものが要求されます。

高い技術があるのに、トレモロだけは苦手という奏者もいて、
セルシェルのようなギタリストでも、3本指では弾けないという例もあるほどです。
ですから、トレモロに憧れ、いざ「アルハンブラの思い出」に進んで、
そこで挫折してしまうという声も、よく耳にします。

実はギターのトレモロは、楽曲の打ち込みでも特に難しい作業のひとつです。
譜面通りにただ音符を並べたのでは、実際に音を鳴らすと、
まるでドリルか機関銃のように響いてしまいます。
現実に人間が弾いた場合、トレモロの一音一音に強弱の違いがあり、
また、それらが常に等間隔で鳴ってはいません。
微妙にズレや揺らぎがあり、それがまた人間らしさにつながっているのです。

ですがそれを再現するのは、とても細かな作業が必要となり、
それでこれまでは旋律を、ヴァイオリンで奏でた版を公開してきました。
しかし、やはり「アルハンブラの思い出」はトレモロがあってこその名曲なので、
多少の難はあるかもしれませんが、改めてトレモロ版として公開させて戴きました。

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タレガはショパンを敬愛し、同じように叙情性と技術面の融合を心がけていました。
ですから高度な技術を要する曲でも、旋律は美しいものが多く、
「アルハンブラの思い出」はその代表例ともいえる作品です。

この曲は彼がアルハンブラ宮殿を訪れた際の感動と印象を、
その日の宿でひとつの作品に、まとめたものだと言われています。
以前、テレビ番組である女優が実際にアルハンブラを訪れ、向かいの丘に立ち、
沈む夕日をバックにこの曲の生演奏を聴く、という企画を放送していました。
夕暮れのアルハンブラに響くトレモロは感動的で、その女優は涙を流していました。
タレガも同じような心境で、楽想を思い描いていたのかもしれません。

「アルハンブラの思い出」には当初、「祈り」という副題があったともされています。





タレガ:アルハンブラの思い出
Francisco Tárrega:Recuerdos de la Alhambra



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