♪第78話:永井美里からオケ運営の現状に関するご報告
みなさん、こんにちは!
CMSL所属のピアニスト、永井美里です。
大変お久しぶりの更新となってしまいました。
今年に入ってからとにかく動画コンテンツを充実させようということで、私を含めて楽団員全員がそのことに集中してきました。
おかげさまで事務所の純利益も上昇傾向で、これなら楽団員の方々にも満足なお給料を支払えそうな兆しが見えてきました。
私たちがCMSLに入った1年目は番組を頻繁に更新しつつ、同時に音源も続けて配信していましたが、正直なところその時点ではまだまだ赤字でした。
そこで翌年から動画に力を入れるようになり、なんとか収支がとんとんの形に持ち込めましたが、それでも黒字には遠く楽団員へのお給料も未払いが続きました。

そして迎えた本年度はクラシックとは直接関係のないボーカルものを多く制作するようになり、その結果やっと黒字経営と言えるような運営状況になってきました。
不本意ではありますが、まずはオケが存続しないことには何も始まらないので、今はこういう時期なんだと心に決めてみんなで新たな試みに挑戦してきました。
本当はクラシックのみで正常な運営を行いたいのは山々なんですが、正直なところそれは今の段階では難しいと言わざるを得ません。
日本のクラシックファン人口は100人にひとりともいわれています。そうした中で大所帯のオーケストラを運営するのが困難なのは当然なのかもしれません。
それでも、ミュージカル化して大成功した「のだめカンタービレ」のような例もあるので、私たちにももっとできることがあるんじゃないかと色々と模索中です。
まだまだ迷い多く、一貫性がないのがもどかしいですが、それでも少しずつでも理想とする形に近づけるようにがんばっていきますので、引き続き応援のほどどうぞよろしくお願い致します。
さて、動画ではすでにハイライトを公開しましたが、今回私がお届けする「展覧会の絵」は、ロシアの作曲家ムソルグスキーが急逝した友人の建築家ハルトマンの遺作展を訪れた際、そこで受けた印象をもとに作曲された10曲からなるピアノ独奏用の組曲です。
残念ながらムソルグスキーの生前にこの曲が演奏されることはありませんでしたが、後に多くの管弦楽版の編曲が出たことにより広く知られるようになりました。
中でも管弦楽の魔術師と呼ばれたフランスの作曲家ラヴェルによる編曲は群を抜いており、今では「展覧会の絵」の管弦楽版といえば必ずと言っていいほど、ラヴェル編曲版が演奏会などで用いられています。ラヴェルはムソルグスキーの大ファンだったようで、編曲の話が持ち上がった際には喜んで引き受けたといわれています。
ムソルグスキーは幼少期にピアノでリストを弾きこなし、作曲は誰に師事することもなく独学で学んだという天才肌です。私は「展覧会の絵」をピアノで演奏する度に、そのことを人づてではなく自分のものとして実感していました。

特に組曲を締めくくる大曲「キエフの大門」は別格で、あたかも宇宙空間を浮遊するかのようなスケールの大きさに圧倒されます。これはもう地上世界の門ではなく、神に至る天国の大門を描いているのではないかと思ってしまうほどです。
「展覧会の絵」はラヴェル編曲の華やかなオーケストラ版の印象があまりに強いので、それと比較するとピアノ独奏版はやや物足らない感があるかもしれませんが、そうならないように頭の中で宇宙的なイメージを広げながら気持ちはオーケストラに負けないつもりで弾いてみました。
お楽しみいただけたらうれしいです。
ムソルグスキー:組曲《展覧会の絵》から 「キエフの大門」(ピアノ独奏)[2025 新録音]
M.Mussorgsky:"Pictures at an Exhibition"
10. La Grande Porte de Kiev (Piano) [5:32]
Mussorgsky-Pictures-at-an-Exhibition-La-Grande-Porte-de-Kiev-2024-Piano.mp3




