2024年05月26日


リヒャルト・シュトラウス:交響詩《死と変容》作品 24 [2024] / Richard Strauss:Tod und Verklarung Op.24

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♪第74話:新加入の楽団員 白瀬まひろを招いて… この曲の聴きどころを紹介

みなさん、こんにちは!
CMSLシンフォニックオーケストラ、首席指揮者のアンドウトワです、コンサートマスターの風華レアです。

トワ:そして今回は素敵なゲストをお呼びしています。

まひろ:皆様、初めましてこんにちは。CMSLシンフォニックオーケストラで2ndヴァイオリンを担当している白瀬まひろです、どうぞよろしくお願い致します。

レア:まひろさんはゴールデンウィーク期間に公開していたオケのスペシャル動画でお披露目されたんですけど、こうしてお話を聞くのは初めてですよね?

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まひろ:そうなんです、何をお話したらいいのか…、とても緊張しています。

トワ:リラックスしてね。私なんかレアから話の8割は冗談とか言われてるんだから、あんまり真面目になり過ぎなくていいのよ。

まひろ:ありがとうございます、では少し肩の力を抜いてお話しさせていただきます。

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レア:今回お届けするリヒャルト・シュトラウスの「死と変容」には、まひろさんの個人的な思い入れがあると聞きましたが…

まひろ:はい、実はリヒャルト・シュトラウスのこの交響詩は昨年の今頃まで聴いたことがなく、ほとんど知らない曲だったんです。「英雄の生涯」とか「ドンファン」などは有名ですし「アルプス交響曲」は高校のオーケストラ部で演奏をしたことがあります。でもなぜか「死と変容」には触れることがなかったんです。

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トワ:それがなぜ、去年の今頃になって知ることになったんですか?

まひろ:はい、何を隠そう偶々見たこの番組を通じてだったんです。その時もトワさんとレアさんが進行を務めていて、特にトワさんはしきりにこの曲のすばらしさを力説していました。それで興味を持って音源を聴いてみたんです。CMSLのオーディションを受けたのもそれがきっかけでした。

トワ:そうなんだ、それはうれしいな。それで実際に聴いてみてどうだった?

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まひろ:導入はとても静かでほの暗く「これはやっぱり取っつきにくいかな」と戸惑いました。でも少し過ぎるとコンマスのレアさんが奏でるきれいでやさしい主題が聴こえてきて、その後、曲調が一変して激しくなってからは、次々と違う景色が展開して知らずに引き込まれていました。

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レア:私は実際に弾いていて、コーダの圧倒的な全合奏に思わず身震いしたんですけど、まひろさんも何か感じるものはありましたか?

まひろ:物語の主人公は病床で死に抗いながらも、結局はそれに勝てずに息を引き取ってしまいます。でもそこからがこの曲の本当に感動的なところなんです。

トワ:(黙ってうれしそうに話を聞いている)

まひろ:死を迎えた主人公の前に突然、天国への階段のような光り輝く世界が開けてきて、それがどんどん広がる中を彼は上昇していきます。そしてついには眩い大きな光の中に彼は溶け込みひとつになっていくんです。3月に私は初めてオケの一員としてこの曲に参加させていただいて、ひとりで音源を聴いていた時とは比べ物にならないくらい感動しました。

トワ:前回もお話ししたけど、リヒャルト・シュトラウス自身が死を間近にした病床で、しばらく意識不明に陥った時間があったの。しばらくして目を開けたシュトラウスは側にいた妻と娘に向けて「私が『死と変容』で描いた世界に間違いはなかった」と言い残して完全に息を引き取ったの。人生の最後に語るほど「死と変容」はシュトラウスにとって特別な作品だったってことね。

レア:たしかトワさんはドイツ・オーストリアのオーケストラ音楽の王道を締めくくる重要な作品だと言ってましたね?

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トワ:これは個人的な考えだけど、ハ短調(Cマイナー)またはハ長調(Cメジャー)で始まり、同主調のハ長調で締めくくる音楽が王道を象徴するひとつの型だと思ってるの。モーツァルトの「ジュピター」、ベートーヴェンの「運命」、シューベルトの「ザ・グレイト」、ワグナーの「マイスタージンガー前奏曲」、ブラームスの交響曲第1番、ブルックナーの交響曲第8番がその例ね。

そして最後を締めくくるリヒャルト・シュトラウスの「死と変容」には過去の王道作品を総括するほどの内容の濃さと味わいの深さがあると感じているわ。何度聴いても何度演奏しても飽きないし、演奏するたびに「まだまだ全然だめだ」とガッカリするけど、それだけに生涯をかけて取り組むべき作品だと思っているの。私にとってはあまりに重要で大事な作品だわ。

まひろ:多分、トワさんのそういう思い入れもあって、このオケで演奏した時に特に強い感銘を受けたのかもしれません。それだけでもいい経験ができたと感謝しています。

トワ:そう言ってもらえるとうれしいわ。あと、王道に付け加えるとウェーバーの「魔弾の射手」序曲もハ短調からハ長調への展開が劇的だわ。ドイツの国民的歌劇という意味でもラインナップに入れるべきかも。あと番外編ではジョン・ウィリアムスの「ETのテーマ」。あれもハ長調で輝かしく終わるんだけど、途中に「♪ミファソ・ソソソソ・ソードーファー」ってベートーヴェンを感じる主題が出て来るのよ。去年、松本のフェスティバルでジョン・ウィリアムス自身が指揮しているのを見て、あらためてそう感じたわ。

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まひろ:「ETのテーマ」いいですよね。ぜひ、このオケで演奏してみたいです。夏休みの子供向け企画などにもぴったりですよね。

トワ:そうね、一度ベートーヴェンみたいにドイツ王道風に指揮してみたいわ。「遅過ぎます!」って、レアたちにまた怒られるだろうけど(笑)

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レア:そう言えば、まひろさんの楽団員紹介映像を観たんですけど、ラヴェルのピアノ協奏曲とよくマッチして素敵ですね。何度も観返しています。

トワ:あれはホント最高だわ。映像編集の美里さんも腕上げたわよね。私もこれまでのCMSLの映像コンテンツで一番観てるかも。真夜中に薄暗い静かな部屋で観ると最高なのよ。帰ったら今夜も観ようっと!



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まひろ:ひとつひとつのシーンを別の日に別の場所で撮影して、何の説明もなく言われるままにポーズをとっていたんですけど、出来上がった映像を観て「あぁ、こうなるんだぁ」って驚きました。私も自分じゃなくて、誰か他人のことを見るような感覚で映像を観返しています。素敵な作品に仕上げていただいてうれしいです。

トワ:その美里さんの姿を見ないけど、編集で忙しいのかしら?

レア:美里さんは今、撮影で北海道に行っています。編集だけじゃ飽き足らなくなって、素材になる元の映像そのものから自分で撮りたくなったということで、美瑛とか自然の美しい場所をまわってるみたいです。「やっぱりクラシックには自然の風景がよく似合う」と言ってました。

トワ:それはそうね、次回のマーラーもそういう感じになる予定とか?

レア:そう言ってました、まだどうなるか映像は観てないですけど。海辺の映像がメインになるみたいです。

まひろ:いいですね〜、楽しみです!私も撮影に参加させていただいたんですけど、どこでどう使われるかは全く知らないんです。

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トワ:私たちもそうよね。いきなり「ヨガのポーズとってください」とか言われたからそうしたけど、あれがどうなってるのか想像もつかないわ。

レア:私もいくつかのシーンを撮りましたけど、今は仕上がりを待つばかりですね。それではそろそろ曲紹介にいきましょうか?

トワ:そうね、まだ話したりないけど、私はいつも「話が長い」って言われるから我慢しておくわ。

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レア:それではお聴きください、アンドウトワ指揮CMSLシンフォニックオーケストラの演奏でリヒャルト・シュトラウスの交響詩「死と変容」です。

トワ・レア・まひろ:どうぞ!!!

リヒャルト・シュトラウス:交響詩《死と変容》作品 24 [2024] / アンドウトワ指揮 CMSLシンフォニックオーケストラ(ミュージックビデオ1&2)






リヒャルト・シュトラウス:交響詩 「死と変容」 Op.24 [2024]
Richard Strauss:Tod und Verklarung Op.24 [26:38]




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posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 06:20 | 管弦楽曲 (Orchestral) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする