♪第72話:スティーヴィーの名曲をカバーしたサトレアの新作をアンヌと上川リルがサポート
みなさん、こんにちは!
CMSLシンフォニックオーケストラのコンサートマスター・風華レアと、CMSL所属のピアニストの永井美里です。
美里:さて早速なんですがレアちゃん、まずはスペシャルなゲストをお呼びしましょうか?
レア:そうですね、今回の私たちのMVで大活躍してくれたこのお二人です!
アンヌ:みなさん、こんにちは。CMSL所属のアーティスト・アンヌです。
リル:初めまして、こんにちは! CMSLのオケでコントラバスを担当している上川リルです。どうぞよろしくお願い致します。
美里:リルちゃんは番組に初登場ですね。どうですか?今の気分は。
リル:今回私は美里さんとレアさんのMVに主役で出演して、初めて演技もさせていただきました。今ここにこうして座っていることも含めて何もかもが夢のようです。まだあまり実感がわきません。
レア:リルさんは楽団員紹介の映像で初公開してから反響が大きくて、オケのメンバーたちも「女優顔だ」と言ってとても注目していますよ。
リル:とんでもないです。ここに入るまでそんなこと言われたことないですよ、このオケはきれいな方が多いですし、私なんかとてもとても…
美里:今回サトレアで取り上げたスティーヴィー・ワンダーの「レイトリー」なんですけどMVは当初、私たち二人だけで撮影して仕上げる予定だったんです。ところがいざ撮影が終わって音楽と合わせてみると、映像と曲のムードがまったく合ってなくて「これは困った」と思ったんです。それで考えた結果「そうだリルちゃんを主人公にしてMVを撮り直そう」とひらめきました。リルちゃんはビジュアルがいいからMVの画が作りやすいと思ったんです。
レア:後半の泣きの演技がすごく良かったです。どうやって本当に泣いたんですか?
リル:子供の頃に飼っていたハムスターのハムちゃんが死んでしまった時のことを思い出して泣きました。私の人生で一番悲しい出来事だったんです。
美里:そうなんだ…、私もいきなり「泣いてください」とお願いして、まあ無理だろうなとは思ったんだけど、きれいに涙を見せてくれて本当に助かりました。このMVの中で一番のお気に入りです。
レア:そうですね、私も完成した映像を観て、思わずつられて泣きそうになってしまいました。また曲とよくマッチしているんですよ。
美里:「レイトリー」は、恋人の気持ちが自分から離れていく淋しさを歌った曲で、実際に歌詞にも「Cry」とか「Goodbye」といったフレーズが出て来るんです。それでここは泣いてもらうしかないと思ってリルちゃんに無理なお願いをしました。
レア:でも、その場面は音楽の展開もとてもきれいですよね。転調してキーが上がっていくとヴァイオリンを弾いている私も、気持ちが一緒に上昇していくような感覚になりました。
美里:後半の転調とサビの再現は本当に美しくて、ポップスとは思えないレベルに達してると思います。この曲は私の父が好きでよく家の中でかけていて、私もそれを聴きながら「いい曲だなぁ」ってずっと思っていたの。それで今回のサトレアの新作として、ぜひ取り上げたいとレアちゃんにお願いしました。
アンヌ:「レイトリー」は数あるポップ・バラードの中でも特別な存在の曲じゃないでしょうか?私も以前から好きでよく聴いていました。
美里:スティーヴィーが歌う原曲にはボーカルとピアノの他にウッドベースが入っていて、これが曲のムードを形づくるいい味わいを出しているの。それでどうしてもそれを加えたいと考えた時に、以前にアンヌさんが「少しだけウッドベースもやってた」と言っていたのを思い出して、それで急遽、演奏をお願いしました。そのあと、MVを撮り直す時に折角だから映像にも出演してもらおうと思って、演奏シーンだけでいいからとお願いしました。おかげで映像に幅が出ました、ありがとうございました。
アンヌ:でも考えてみたらウッドベースって言ってもコントラバスをつま弾くようなものだから、コントラバス奏者のリルさん自身が弾いてもよかったのかなと…。
リル:最初は美里さんにそう言われたんですけど、私はコントラバスをウッドベースとして弾いたことがないから無理ですとお話ししたんです。ポップスだから演奏のニュアンスも全然違うし…、それでアンヌさんに話が行ったんだと思います。
美里:そうなの、そうしたらアンヌさんが期待した以上に上手く弾いてくれて助かりました。サトレアはテンポを自由に揺らすので、合わせるのは大変だったと思うんですけど。
アンヌ:大変なんてものじゃなかったです(笑)実際に演奏テンポを計測して数値化したら、とんでもないレベルの揺らぎになっていると思いますよ。お二人は長く一緒にやっているから呼吸も合わせられるかもしれないですけど、初めて合わせた私には目が回るような録音でした。
レア:美里さん、最近特にピアノ演奏のルバートが激しいんですよ。この前もショパンのピアノ協奏曲のリハーサル現場で美里さんがあまりに頻繁にテンポを揺らすんで、指揮するトワさんと少し口論になったりしてました。私はもう何か月もサトレアで合わせてきているので、気配を察して美里さんに合わせるのは慣れっこです(笑)
美里:音楽は"生き物"だと思うんで、その時の状況や気分によってテンポが揺らぐのが当然だと思うんです。以前はそれを抑制してたけど、そういう無理はもうやめました。そうしたら演奏がもっと楽しくなりました。
アンヌ:それはそうでしょうけど、合わせるレアさんやトワさんは大変だと思いますよ〜。私はちょっと合わせただけでもうグロッキーでしたから(笑)
レア:私なんてコンマスの立場だから、どちらも個性が強い自由人の美里さんとトワさんに挟まれて、いつも大変な思いしてます。もう慣れたんで今は楽しんでますけど(笑)
アンヌ:ところでトワさんがひょっこり撮影現場に現れて、ワンシーンだけ出演してますよね。
(飛び入りで撮影に参加したアンドウトワ)
美里:パチンコが終わって帰る途中に立ち寄ったとかで「私も出してよ〜」とせがまれました(笑)
レア:トワさんは今回は演奏にも全く関係ないんで、本来はおかしいんですけどね。まあ、友情出演ってとこですか?
美里:うん、そうだね。では長くなったんでそろそろ曲紹介に行きますか? 主役のリルちゃんのお話をあまり聞けなくて申し訳ないんですけど。
リル:いえ、全然大丈夫です。
美里:リルちゃんには今後、チャイコフスキーの「悲愴」を公開する際に、あらためて番組に出演してもらおうと思ってるの。「悲愴」はリルちゃんにとって大事な1曲だと聞いてるから。
リル:はい、お話ししたいことがたくさんあります。「悲愴」はコントラバスを始めたきっかけになった曲なので。
アンヌ:いいよね〜「悲愴」。私、交響曲の中で一番好きかも。いつ聴いてもグッとくるわ、きれいごとじゃないから、音楽が。
レア:私もレコーディングした時に震えがきました。私も話したいことがいっぱいあります。
美里:じゃあ、「悲愴」についてはまた、あらためてじっくりお話しするということで。それでは聴いていただきましょう! サトレア・フィーチャリングにアンヌと上川リルで、スティーヴィー・ワンダーの「レイトリー」です。
全員:どうぞ!!!
SatoLea(永井美里&風華レア)feat.アンヌ・上川リル | スティーヴィー・ワンダー:レイトリー
(作曲家の著作権が継続中のためポッドキャストによる配信はありません)
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