ラフマニノフ：交響曲 第2番 第3楽章（冒頭） [2024] / Sergei Vasil'evich Rachmaninov：Symphony No.2 in E minor, Op27 III. Adagio

♪第70話：楽団員紹介の動画が人気のクラリネット奏者 宮下由紀乃が初登場！入団のごあいさつ

みなさん、こんにちは！
CMSL所属のピアニスト永井美里です。
いつも番組にお越しくださりありがとうございます。

美里：さて早速ですが今日は前回に予告した通り、素敵なゲストをお呼びしています。

由紀乃：はじめまして、こんにちは。1月からCMSLのオケでクラリネットを担当している宮下由紀乃です。どうぞよろしくお願い致します！

美里：由紀乃さんは最近始まったオケの楽団員紹介映像の中でも特に人気で、ぜひ素顔を知りたいとの声が多く寄せられていました。ご自分でもそういう実感はありましたか？

由紀乃：全くないです（笑）むしろ「なんで私が？」という思いばかりが先行してしまって、今もなぜ自分がここにいるのか不思議です。でもみなさんに気に入っていただけていると思うとうれしい気持ちでいっぱいです。本当にありがとございます。

美里：私も撮影に同行したり、あとで映像を編集したりしながら「なんて清楚で愛らしい雰囲気なんだろう」って思ってました。だから私も一ファンとして、今日は色々とお話をうかがいたいです。

由紀乃：なんだか申し訳ないです、私なんかのためにお時間を割いていただいて…でもなんでもお答えします、よろしくお願いします。

美里：まず、由紀乃さんが音楽の道に進むことについて、特にお母さんから強い反対を受けたとのことですけど、どんな感じだったんですか？

由紀乃：実はそれは過去形ではなくて今も続いています。特に活動歴もない、ほぼ自己流で勉強してきた私がプロの世界で通用するわけがないと言い続けています。

美里：由紀乃さんは現在二十歳の大学2年生ですよね？これまで例えば吹奏楽部でクラリネットを吹いていたとか、誰かに師事したりとか一切なかったんですか？

由紀乃：はい、クラリネットは全くの独学です。今はYouTubeにもたくさん教則動画があったり、上手い人が演奏する動画も無数にあるので、そういうのを見ながら自己流で勉強して練習してきました。

美里：それでここまで吹けるのは、ある意味逆に凄いですよね。でもお祖母さまは由紀乃さんの音楽の夢を応援してくれたとか？

由紀乃：はい、ある時、私は進路のことで母と大ゲンカしたんです。私は音楽関連の大学か専門に行きたいと言ったんですけど母は頑として受け入れず、結局そこは私が折れて普通の大学に行くことになりました。でも心の中では音楽は絶対にあきらめないと強く思っていました。祖母はそうした事情を知って、相談してきた私に「由紀乃の心の高鳴る方へ行きなさい」と言ってくれたんです。

美里：いい言葉ですね。

由紀乃：母は「音楽でお腹は満たされない、もっと現実を見なさい」と繰り返し言っていました。でも祖母は「たしかに口から摂る食事も大事。でももっと大事なのは魂が求める心の栄養よ。生命にかかわるのは心の養分が枯れた時なの。だからあなたの魂が満たされる方へ行きなさい」と言ってくれました。それが今も私の心の支えになっています。

美里：なんて素敵なお祖母さま。思っても中々そこまでは言えないものだけど。

由紀乃：祖母はアメリカ人で思ったことをハッキリと言葉にするタイプなんです。でもそれが自分にとってはとても有難かったです。

美里：あぁ、それじゃ由紀乃さんもトワさんやアンヌさんみたいにクォーターなんだ。まったく気づかなかった、驚き…。

由紀乃：ですよね、自分でもどこにそんな血が流れてるんだろうって不思議に思います。もっと白人の方みたいにスタイルよく生まれたかったです。

美里：全然気にすることないよ〜、むしろ私が自分の背が低くて周りとのバランスがとれないから困ってます。ところでCMSLのオーディションの時に理事長から言われた言葉が印象に残っていると聞きました。何を言われたんですか？

由紀乃：私は音楽を学校で学んだことがないし、コンクールで受賞したとかどこかで活動したとかの音楽歴が一切ないので「こんな私でも大丈夫ですか？」と聞いたんです。そうしたら理事長は「私は過去の履歴は全く気にしません」と言いました。「そういうことに判断を頼るのは、それを超えた可能性を目の前にいる人のうちに見出す力がないからです」とも言いました。

美里：実技はしたんですか？

由紀乃：はい、面接の対話はごく短い時間で、その代わり実技にはじっくり時間をかけていました。私は理事長の要望に応えて色々な曲を色々なスタイルで演奏しました。

美里：今回、由紀乃さん主演のMVを急遽撮影することになって、そのためにレコーディングしたのがラフマニノフの交響曲第2番第3楽章でした。これは由紀乃さんの要望だったんですか？

由紀乃：実技でメインで吹いたのがこの曲でした。私がクラリネットを始めたきっかけになった曲で、今も自分にとってかけがえのない大切な1曲です。

美里：「きっかけ」と言いましたけど、一体どんなことがあったんですか？

由紀乃：さっきも話したアメリカ人の祖母が大のクラシック好きで、ロスアンゼルスの家に遊びに行くと決まってこの曲をかけて聴かせてくれたんです。クラリネットのどこかもの悲しい、けれどあたたかい音色に魅かれて、いつしか大好きな楽器になっていきました。ですから今回のレコーディングでソロを吹かせていただいて本当に夢のような時間でした。

美里：初めてとは思えない、気持ちの行き届いた素敵な演奏でしたよ。指揮者のトワさんも感心していました。

由紀乃：ありがとうございます、これから活動していく励みになります。でも自分ではまだまだだと思っています。特に速いパッセージなどは苦手なので、それを克服するのが今の課題です。でもがんばります！

美里：ラフマニノフの交響曲第2番第3楽章は由紀乃さんが独奏したクラリネットの部分と、それに続くオーボエ独奏の部分が本当に好きで、今でも聴くたびに震えて涙がとまらなくなることがあるの。だから映像編集でもBGMに使うことが多くなっています。でも意外にもラフマニノフのピアノ協奏曲は頻繁に演奏されるのに、交響曲は名盤紹介にさえ載っていないことが多くて残念です。こんなに素敵な音楽なのにあまり知られていないのがもったいないです。ぜひ今回の演奏を通じてもっと多くの方に、このすばらしい音楽を知っていただきたいです。

由紀乃：冒頭から始まる主題も素敵ですよね。昔、和久井映見さんが主演した「妹よ」という月9ドラマでも使用されていたと聞きました。

美里：うん、それいつか私も観たいと思ってるの。どんな使われ方してたんだろう？きっと感動的な場面で流れてたんでしょうね…。それではお時間も来たんで、そろそろ楽曲紹介に行きましょうか？

由紀乃：はい、お願いします。

美里：アンドウトワ指揮、CMSLシンフォニックオーケストラの演奏、クラリネット独奏は…

由紀乃：はい、私、宮下由紀乃の独奏で、

美里：ラフマニノフの交響曲第2番から第3楽章の冒頭部分です。

美里・由紀乃：どうぞ!!

ラフマニノフ：交響曲第2番 ホ短調 Op.27 第3楽章（冒頭）[2024] / Sergei Vasil'evich Rachmaninov：Symphony No.2 in E minor, Op27　III. Adagio - CMSL SYMPHONIC ORCHESTRA / TOWA ANDO

ラフマニノフ：交響曲第2番 ホ短調 Op.27 第3楽章（冒頭）[2024]
Sergei Vasil'evich Rachmaninov：Symphony No.2 in E minor, Op27
III. Adagio [4:22]

再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら

Rachmaninov-Symphony-No2-3rd-2023-2.mp3