2023年12月11日


ブルックナー:交響曲 第8番 ハ短調 第1楽章 [2023] / Anton Bruckner:Symphony No.8 in C minor I. Allegro moderato

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♪第56話:指揮者の解釈でこんなに違う!? サマーコンサートの特別企画「ブル8 コーダ聴き比べ」

お久しぶりです、みなさん!
CMSLシンフォニックオーケストラのアンドウトワと、風華レアです。

トワ:美里さんの映像コンテンツが凄いことになってるわね。

レア:なんだかドンドン進歩してしまって、私たちが置いて行かれるみたいです。

トワ:でもさ、新しいシリーズの「月夜のダンス」は凄くいいと思うよ。私もクラシックの聴きどころをピックアップして、コンパクトにまとめてご紹介したいと思ってたんだ。

レア:美里さんが踊ってたチャイコフスキーの「ロメオとジュリエット」も、あの名旋律が登場するまでかなりの時間がかかりますからね。せっかくのいい旋律なのに一般的に知られてない気がします。

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トワ:そうなのよ、あの曲に限らずクラシックってそういう旋律が多いよね。私も「Pray for Peace」の映像で第九の第3楽章の第2主題を使ってもらったのは同じような考えからなの。私は第九の中であの主題が一番好き。

レア:第1主題とは全然調性が離れた第2主題が始まるとドキッとしてジ〜ンときますね。私は第3楽章では最後のワルツの変奏で、旋律が弾むようにスウィングする場面が好きです。

トワ:いいよね〜、私もあそこが大好きだからコンサートでは少しテンポを落として、しみじみしながら指揮したよ。ああいうセンスがベートーヴェンは抜群だよね。

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レア:天才的ですよね。第九は間もなく全曲を公開予定なので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。

トワ:そうね、じゃあ本日公開のブル8に話を移しましょうか? この曲は夏休みの特別企画として、第1楽章全編と第4楽章のコーダのみを演奏したよね。

レア:はい、第4楽章コーダを作曲家のスコアに忠実に倣った演奏と、指揮者のトワさんの解釈を存分に盛り入れた演奏では、どれくらいの違いが出るかという実験的な試みでした。

トワ:ブル8はベートーヴェンの第九と並び称される交響曲の最高峰だけど、第4楽章のコーダだけは解せないという声をよく聴くわ。たしかに、スコアに忠実だとそこまで荘厳に壮大に進んできた音楽が、第4楽章のコーダで突然お祭りのように楽しくなって、最後は笑点のテーマのように「♪ミレド」とあっけなく終わるからね。私も最初にスコアを読んだときに「ほんとに?」と何度も確認し直してしまったよ。でも何度読み返してもたしかに「♪ミレド」で終わってた。

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レア:スクロヴァチェフスキさんが最近、日本で指揮した演奏を観たことがありますけど、トワさんが言う原典に忠実な解釈だったと思います。

トワ:あれは名演よね。ブルックナーの専門家だからこその作曲家の意図を汲んだ誠実な演奏だったと思うわ。最後の大指揮者のひとりだったと思う。たしかウクライナの出身よね。

レア:ではまずは夏休み期間のスペシャルコンサートから、第4楽章コーダを二つの演奏で聴き比べてみましょう。いずれもトワさん指揮のCMSLオケによる演奏です。


ブルックナー:交響曲 第8番 ハ短調 第4楽章 コーダ(速い・原典)


ブルックナー:交響曲 第8番 ハ短調 第4楽章 コーダ(遅い・トワ解釈)


トワ:あらためて聴いてみると、我ながら全く違った指揮だったわね。ふたつ目は若干、デフォルメを効かせたけど。

レア:もはや別の曲レベルですね。ここまでやるかっていう…。でもたしかに、ひとつ目のはもう少しドラマティックでもいいかなとは思います。

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トワ:私の解釈は歩きながら何時間もかけて、何度も頭の中で繰り返しながらこの表現に行き着いたのよ。でもここまでではないにしても、一般的には作曲家の指示より少しテンポを落として壮大に締めくくるのが主流よ。多分、クナッパーツブッシュの演奏が模範になってるのかな。

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レア:ブル8では私は第3楽章が好きです。敬虔な祈りに満ちた美しい音楽です。

トワ:多分、多くの人が同じことを言うと思うわ。私もそう。だから来年には第3楽章だけでもコンサートで演奏したいわね。全曲を演奏するにはもう少しオケの一体感が生まれないと。

レア:そうですね、そこはコンマスとしての私にとっても課題のひとつです。それではそろそろ曲紹介にいきましょうか?

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トワ:そうね、ではお聴きください。アンドウトワ指揮、CMSLシンフォニックオーケストラの演奏でブルックナーの交響曲第8番から第1楽章です。

トワ・レア:どうぞ!

ブルックナー:交響曲 第8番 ハ短調 第1楽章 / アンドウトワ指揮 CMSLシンフォニックオーケストラ




ブルックナー:交響曲 第8番 ハ短調 第1楽章 [2023]
Anton Bruckner:Symphony No.8 in C minor
I. Allegro moderato [16:51]




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posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 20:12 | 交響曲 (Symphony) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする