2023年09月25日


ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ(ピアノ版・管弦楽版) [2023] / Maurice Ravel:Pavane pour une Infante defunte

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♪第40話:【特別企画】トワ・レア・美里が久々に集結! 亡き王女のためのパヴァーヌをピアノとオケで聴き比べ

みなさん、こんにちは。
CMSLフィルハーモニックオーケストラのアンドウトワと、風華レア… そして、永井美里です。

トワ:お久しぶりですね!美里さん。お会いするのは確か2か月ぶりぐらいになると思います。

美里:そうですね、記憶が定かではないくらいですね。

レア:私はそれぞれの番組でお二人とお会いしていますけど、トワさんと美里さんが一緒なのは確かに久しぶりですよね。

トワ:美里さんと言えば8月に行ったポーランドとドイツの旅ですね。旅行記も見ましたよ。得るものが多い旅になったみたいですね。

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美里:はい、海外旅行は初めてということもあって、色々と刺激というか衝撃と言ってもいいことがありました。

レア:何だか雰囲気が変わりましたよね? 以前より大人びたというか…。

トワ:表情がキリっとしてますよ。何かを決意したような感じ。

美里:西欧のクラシックゆかりの地は写真や動画などでいくつも見ていましたけど、やっぱり実際に行って観るのとは全然違っていました。

トワ:どんなところが?

美里:例えばショパンの生家はとても広い庭園の中にあって、落ち着いた独特のムードがありました。「あぁ、こういうところでショパンは生まれて育ったんだな」って。

レア:実際には一歳になるかならないかで家族でワルシャワに引っ越してるんですよね?

美里:そうなんだけど、引っ越した後も家族で何度も遊びに帰ってたみたいだし、やっぱりここがショパンの音楽の原点なんだなって肌で感じたよ。

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トワ:バーデン・バーデンのブラームスハウス。私はドイツに住んでたから一度は行ってみたいと思いつつ、実際には行けたことがなかったから羨ましかったです。

美里:ブラームスハウスは少し小高い丘みたいな場所に建っていて、そこから眼下に街並みを見下ろす感じなんです。クララが近くに家族で住んでたから、きっとここからクララの家の方を見ながら楽想を練ったり、物思いに耽ったりしてたんだろうなって思いました。

レア:なんだかとてもお洒落な感じの部屋ですよね? 写真で見て私もぜひ行ってみたいと思いました。

トワ:ブラームスハウスは交響曲第1番を書き上げ、ドイツ・レクイエムの大半を作曲した場所で、音楽ファンとしては実際にその部屋に立ったらたまらないものがあると思います。

美里:交響曲第1番は第4楽章に印象的なホルン独奏の主題があって、これはブラームスからクララへのラブコールだと言われてるんです。だからこの部屋からクララを想いながら旋律を紡いだのかもしれないと思うと、大げさではなく身震いする思いでした。

トワ:あぁ、私も行きたい。実際にハウスを訪れたら絶対に指揮にも影響が出ると思う。

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レア:交響曲第1番を演奏する時には必ず部屋のことを思い出しそうですよね。あと、美里さんがブラームス好きとは知りませんでした。以前からなんですか?

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美里:ブラームスの誕生日が5月7日で、私は5月9日と近いこともあってか、何となく音楽が自分の肌に合うみたい。間奏曲は本当に大好き。

トワ:ドイツもいいけど、いつかはみんなでウィーンにも行ってみたいな。ベートーヴェンの散歩コースとしても有名なハイリゲンシュタット、バーデンの周辺を散策してみたい。

美里:ベートーヴェンやチャイコフスキー、マーラーなどは、散歩を日課にしていましたよね。作曲にもいい影響があるんでしょうか?

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トワ:私ごときの話で申し訳ないけど、椅子に座って机に向かうよりも、外に出て歩きながらの方が遥かに考えがまとまりやすいよ。思いがけないアイディアがひらめいたりもする。私はコンサートの楽曲に取り組む時は、必ず歩きながら全体像をイメージして組み立てるよ。作曲も多分、歩きながらの方が捗るんだと思うわ。

レア:頭の中で作曲するんでしょうか?歩きながら。

トワ:ベートーヴェンは五線紙と鉛筆を持って日暮れまで散歩しながら、何かひらめくとそこに書きつけていたみたい。それで夕方6時から酒屋でワインを飲んで、帰宅すると10時には酔ったままベッドに入って寝てた。翌日は早朝から作曲を始めて、午後2時頃まで楽譜を書き続けてた。多分、楽曲の構想は、ほとんどが散歩中に頭の中でできていて、あとはそれを譜面に書いて形にするだけだったんだと思う。

美里:ダンスの振付師も身ひとつ動かさずに頭の中だけで、1曲の最初から最後までをイメージできるっていいますよね。

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レア:モーツァルトは一瞬のひらめきの中に、交響曲の全楽章のイメージがあったって聞きました。

トワ:まあ、それはまた特別な天才だけどね。でも芸術は頭の中のイメージがすべての発端なんじゃないかしら。

美里:私もそう思います。芸術に限らず、モノづくりって多かれ少なかれ、そういうところがあると思います。

レア:素敵なお話ですけど、今回お届けする曲についてもお話ししなければならないので…。

トワ:そうだった、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」ね。これは美里さんが旅行に行く前に、夏休みの特別企画の一環としてコンサートで披露したプログラムでした。

美里:私が原曲のピアノ版を弾いて、オーケストラがラヴェル自身による管弦楽の編曲版を演奏して、両者を聴き比べてみるという企画でしたね。

トワ:どちらもいいよね〜。ピアノ版はラヴェルがまだパリ音楽院に在学中に作曲して、発表すると若い人たちを中心に大人気になったんだとか。

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美里:各所のサロンでも盛んに演奏されたんですけど、ラヴェル自身は内容に不満足だったようで、10年後に自身が管弦楽用に編曲したんです。

レア:「亡き王女のためのパヴァーヌ」といえば、耳にするほとんどがオーケストラ版ですよね。でもほんと、ピアノもオケもどちらも素敵です。大好きな曲です。

トワ:交通事故で記憶喪失になったラヴェルが偶然、街でこの曲を聴いて「いい曲だな、一体誰が作曲したんだろう…」って言ったというエピソードは面白いよね。作った本人が自分の曲に感動するという。

美里:記憶をなくして客観的な立場で聴いてもいい曲だってことですよね。たしかに、誰が聴いてもいい曲だと思います。

トワ:あとはルーブルにあるヴェラスケスの「青いドレスのマルガリータ王女」にインスパイアされたって話もあるわね。

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レア:そうなんですか? 私、パリに居たからルーブルは何度か行きましたけど、そんなこと知らずに王女の絵画を見てました。今度行ったらしっかり意識して見ないと!

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トワ:そうね、そしたら同じ絵がまったく違って見えるかもね。それでは曲紹介にいきますか。

美里:はい、永井美里のピアノ演奏でラヴェル作曲の「亡き王女のためのパヴァーヌ」ピアノ版と、

レア:アンドウトワ指揮、CMSLシンフォニックオーケストラの演奏で、同じく「亡き王女のためのパヴァーヌ」の管弦楽版です。

トワ・レア・美里:どうぞ!



ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ [2023](ピアノ版)
Maurice Ravel:Pavane pour une Infante defunte [5:42]



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ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ [2023](管弦楽版)
Maurice Ravel:Pavane pour une Infante defunte [6:41]



Ravel-Pavane-pour-une-Infante-defunte-2023-Orchestral.mp3



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posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 04:09 | 管弦楽曲 (Orchestral) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする