2023年08月20日


ウェーバー:歌劇『魔弾の射手』 序曲 [2023] / Carl Maria von Weber:Der Freischutz Overture

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♪第30話:【トワ子の窓 第7回】ついに理事長のセバスチャン・ガロが登場! オケの現状について報告 Part2

(前回からの続き)

レア:そう言えばこのところ、オーボエの吉田綾乃さんの姿を見かけないようですが…

トワ:そうだねぇ、どうしたんだろう、何かあったのかしら?

ガロ:彼女はウィーンへの留学を希望している。既に準備中で間もなく日本を発つ予定だ。

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レア:えっ、そうなんですか? 全然知らなかった…

トワ:ウィーン留学はいつ頃から考えてらしたんでしょうか?

ガロ:比較的に早い時期からだ。トワに「もっと自分を出した方がいい」とアドバイスしたことがあったろう。その後、自分自身を省みて思うところがあったようだ。

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トワ:そうなんですか、綾乃さんには感謝しているんで残念です。ウィーンにはどれぐらい滞在する予定なんですか?

ガロ:具体的な日程は決めていないらしい。留学は彼女が尊敬するオーボエ奏者に直接師事するためのもので、彼女が納得するまでウィーンにいるようだ。

レア:音楽学院に入学するんですか?

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ガロ:そうではないようだ。なんでも彼女が尊敬するオーボエ奏者は唯一無二の音色を持っているらしく、その極意を習得するまでは帰らないと言っていた。

トワ:そのままウィーンで活動する可能性もあるんでしょうか?

ガロ:否定はできないだろう。本人がそうしたいのであれば、こちらが引き留める理由は何もない。

トワ:そうですね、私やレアもそもそもドイツとフランスで活動していたんですから。

ガロ:CMSLは楽団員が自らの気づきと学びを得て、それを糧に自由に望む場所に羽ばたくための通過点であってほしいと思っている。トワとレアもやがてはそれぞれドイツとフランスに戻る日が来るだろう。それまではこのオーケストラで、ここでしか得られないものを得て成長してほしい。

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トワ:わかりました。

レア:ありがとうございます。

ガロ:ところで最近はトワにコンサートのプログラムを任せているが、「運命」の日の「エグモント序曲」と「ブラームス第1番」の日の「魔弾の射手序曲」はどういった経緯で決めたんだ?

トワ:はい。まず「エグモント序曲」は調性は違うとはいえ「運命」と同じく"苦悩を突き抜けて歓喜に至れ"のベートーヴェンのモットーが集約されています。同じ日に演奏するのに相応しいと思いました。

ガロ:「魔弾の射手序曲」は?

トワ:ウェーバーのこの曲はドイツのオーケストラ音楽を語る上で、欠くことのできない重要な作品だと考えています。

ガロ:どういった点が?

トワ:まずハ短調の悲劇的な曲想から始まり、最終的にはハ長調で輝かしく終わるのが「運命」にも通じています。それに楽曲の顔となる主要主題は、後のワグナーの「タンホイザー」にもよく似た旋律を確認できます。さらに「ブラームス交響曲第1番」の第4楽章に登場する牧歌的なホルンのソロやトロンボーンのコラールには、「魔弾の射手序曲」のムードが少なからず感じられます。同時代のベートーヴェンを継承しつつも、ワグナーからブラームスに至るまで、この曲がドイツの管弦楽曲に与えた影響は計り知れないと考えています。

ガロ:まるで試験の模範解答のようだな(笑)たしかにその通りだ。いい選曲だったと思う。

トワ:あと、これは個人的なことなんですが、中学生の時に吹奏楽部でホルンを吹いていて、夏のコンクールの課題曲が「エグモント序曲」だったんです。

ガロ:ほう、いい課題曲じゃないか。

トワ:でも、私はホルンがとにかく苦手で、演奏でよく音をひっくり返していたんです。それがトラウマでコンクール本番でも怖くてほとんど音を出せませんでした。

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レア:それは残念ですね〜。

トワ:その上、当時の私はまだベートーヴェンがよくわからなくて、と言うよりむしろ嫌いなくらいで「こんな深刻にならなくてもいいんじゃないか」と思っていたんです。

ガロ:中学生にはベートーヴェンの意味はわからないかもな。

トワ:そんなこともあって、リベンジの意味も込めて今回のプログラムに組ませていただきました。

レア:リベンジはできましたか?

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トワ:まあまあかな、でも綾乃さんやレアのアドバイスは活かせたと思うし、今の私としてのベストは尽くしたつもりです。

ガロ:それならよかった。「魔弾の射手」はどうかな?

トワ:この曲は難しくて未だに演奏の正解が見えないんですけど、これも今の私ができるベストにはなったと思います。

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レア:今日は何だかお二人とも真面目で調子が狂っちゃいますね、でも新鮮でよかったです。それでは曲紹介を。

トワ:アンドウトワ指揮・CMSLシンフォニックオーケストラの演奏でウェーバーの歌劇「魔弾の射手」序曲です。

トワ・レア:どうぞ!



ウェーバー:歌劇『魔弾の射手』 序曲 [2023]
Carl Maria von Weber:Der Freischutz Overture [11:04]



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posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 01:52 | 管弦楽曲 (Orchestral) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする