
交響曲第6番『悲愴』はただの音楽ではありません。
チャイコフスキーが作曲の大家ではなく、ひとりの人間として明かした心の真実です。
彼は作曲しながら感情の迸りを抑えられず、涙で譜面が見えなかったと語っています。
第1楽章は『悲愴』の核心であり、特に展開部 (11:45) には最も長い演奏時間が費やされています。
ここに"人間"チャイコフスキーが伝えたかったことのすべてが集約されています。
チャイコフスキーは完成後に出版商のユルゲンソンに送った手紙の中に、
「傑作を書きました。これは私の心からの真実と申しましょう。
私は今までにないほどの誇りと満足とよろこびを感じています」と記しました。
またコンスタンチン大公には「私は今度の交響曲の作曲に全精神を打ち込みました」と伝えています。
初演後は「この曲は、私の全ての作品の中で最高の出来栄えだ」と周りの人々に語りました。
作曲家が一切のきれいごとを排除し、命がけで自身の本心をさらけ出しているからこそ、
『悲愴』には聴く者の胸の奥にまで届く、特別な響きがあるのだと思います。
*前回に比べて展開部のテンポを落とし、より綿密な表現を心がけました。
ベルリンフィルハーモニー大ホールの舞台から20m付近の音響を使用しています。
チャイコフスキー:交響曲 第6番 ロ短調 Op.74 《悲愴》 第1楽章 [2023]
Peter Ilyich Tchaikovsky:Symphony No.6 in B minor, Op.74 "Pathetique"
I. Adagio - Allegro non troppo [21:38]
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Tchaikovsky-Symphony-No6-1st-2023.mp3
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