
この4月からバーチャルコンサート・シリーズで公開してきた楽曲のほとんどには、
あるひとつの共通項があり、それが一貫したシリーズのテーマにもなっています。
それは楽曲の構成はいずれも、ベートーヴェンの交響曲「運命」がモデルになっていて、
短調の第1楽章に始まり、同主調で長調の終楽章に終結することです。
全編を通じて暗闇から光、苦難から勝利、絶望から希望へと至る変遷が描かれています。
例えばベートーヴェン自身の「第九」はニ短調からニ長調、
ブラームスの交響曲第1番はハ短調からハ長調、
ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」はホ短調からホ長調、
チャイコフスキーの交響曲第5番もまたホ短調からホ長調、
そしてラフマニノフのピアノ協奏曲第2番はハ短調からハ長調という具合です。
今回のブルックナーの交響曲第8番も、そうした「運命」モデルを踏襲した作品で、
「運命」と同じくハ短調からハ長調という展開を通じて、闇に対する光の完全勝利を描いています。
また、第8の第1楽章では「第九」第1楽章のタターンという動機が用いられ、
「第九」と同じく第2楽章に短調のスケルツォ、第3楽章に緩徐楽章が置かれています。
しかし、ベートーヴェンの場合は人間が主役として中心にあるのに対して、
ブルックナーではむしろ大宇宙や大自然が前面に出て、
その偉大さを前にして佇む人間存在の孤独さ、小ささが描かれています。
ですから第8でも苦難に立ち向かう英雄像が見えるものの、闘争の末に勝利するというより、
一旦はすべてを受け入れ、その上でそれらを超えていくというような懐の深さも感じます。
第4楽章のコーダでは、それまでの楽章の主題が長調で混然一体となって絡み合い、
否定しようもない完全な光の勝利が爆発するなか、圧倒的な威力で全曲を終結します。
第1楽章の最後では短調で物寂しく響いた「ミレド」のフレーズ(正確には半音下降を含む)は、
終楽章の最後ではオーケストラの全体合奏で華々しく「ミレド」と長調で演奏されています。
あるひとつの共通項があり、それが一貫したシリーズのテーマにもなっています。
それは楽曲の構成はいずれも、ベートーヴェンの交響曲「運命」がモデルになっていて、
短調の第1楽章に始まり、同主調で長調の終楽章に終結することです。
全編を通じて暗闇から光、苦難から勝利、絶望から希望へと至る変遷が描かれています。
例えばベートーヴェン自身の「第九」はニ短調からニ長調、
ブラームスの交響曲第1番はハ短調からハ長調、
ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」はホ短調からホ長調、
チャイコフスキーの交響曲第5番もまたホ短調からホ長調、
そしてラフマニノフのピアノ協奏曲第2番はハ短調からハ長調という具合です。
今回のブルックナーの交響曲第8番も、そうした「運命」モデルを踏襲した作品で、
「運命」と同じくハ短調からハ長調という展開を通じて、闇に対する光の完全勝利を描いています。
また、第8の第1楽章では「第九」第1楽章のタターンという動機が用いられ、
「第九」と同じく第2楽章に短調のスケルツォ、第3楽章に緩徐楽章が置かれています。
しかし、ベートーヴェンの場合は人間が主役として中心にあるのに対して、
ブルックナーではむしろ大宇宙や大自然が前面に出て、
その偉大さを前にして佇む人間存在の孤独さ、小ささが描かれています。
ですから第8でも苦難に立ち向かう英雄像が見えるものの、闘争の末に勝利するというより、
一旦はすべてを受け入れ、その上でそれらを超えていくというような懐の深さも感じます。
第4楽章のコーダでは、それまでの楽章の主題が長調で混然一体となって絡み合い、
否定しようもない完全な光の勝利が爆発するなか、圧倒的な威力で全曲を終結します。
第1楽章の最後では短調で物寂しく響いた「ミレド」のフレーズ(正確には半音下降を含む)は、
終楽章の最後ではオーケストラの全体合奏で華々しく「ミレド」と長調で演奏されています。
ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 第1楽章 [2020][IR]
Anton Bruckner:Symphony No.8 in C minor
I. Allegro moderato [17:38]
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
Bruckner-Symphony-No8-1st-2020-IR.mp3
ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 第2楽章 [2020][IR]
Anton Bruckner:Symphony No.8 in C minor
II. Scherzo. Allegro moderato - Trio. Langsam [16:34]
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
Bruckner-Symphony-No8-2nd-2020-IR.mp3
ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 第3楽章 [2020][IR]
Anton Bruckner:Symphony No.8 in C minor
III. Adagio. Feierlich langsam [26:55]
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Bruckner-Symphony-No8-3rd-2020-IR.mp3
ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 第4楽章 [2020][IR]
Anton Bruckner:Symphony No.8 in C minor
IV. Finale. Feierlieh, nicht schnell [26:17]
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
Bruckner-Symphony-No8-4th-2020-IR.mp3
*第2楽章は初出、第4楽章は12年ぶりの新演奏・新録音です。
*全楽章にベルリンフィルハーモニー大ホールの音響を使用しています。
*全楽章にベルリンフィルハーモニー大ホールの音響を使用しています。
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