2020年02月29日


シューマン:交響曲第3番 変ホ長調 Op.97「ライン」第1楽章 [2020][AR] / Robert Schumann:Symphony No.3 in E flat major, Op.97 "Rheinische":I. Lebhaft

schumann05.jpg♪宇宙の悠久の時の流れを表したかのような雄大なシンフォニー

シューマンの交響曲第3番変ホ長調作品97「ライン」は、1850年に作曲され1851年2月6日にデュッセルドルフにおいてシューマン自身の指揮によって初演されました。

シューマンが完成した4番目の交響曲で、実質的には最後のものにあたります。しかし、2番目のものが後年改訂出版されて「第4番」とされたため、第3番に繰り上がりました。「ライン」の副題はシューマン自身が付けたものではありません。

日本初演は1927年9月25日、日本青年館にて近衛秀麿と新交響楽団によって行われました。シューマンの交響曲のなかで最も早く日本で演奏されています。

1850年、デュッセルドルフの管弦楽団・合唱団の音楽監督に招かれたシューマンは、9月に同地に到着すると夫妻で盛大な歓迎を受けました。シューマンはライン川沿岸を好んで散歩し、9月と11月にはライン川上流に位置するケルンにも足を延ばしました。

壮麗なケルン大聖堂に感銘を受け、折しもこの時期に挙行されたケルン大司教ヨハネス・フォン・ガイセルの枢機卿就任式の報に接し、交響曲の霊感を得たといいます。

シューマンは同年11月にチェロ協奏曲を完成させると、直ちにに交響曲の作曲に取りかかり12月には完成しています。

シューマンはライン川の川下りやそれを取り巻く環境に大いに触発され、第1楽章(ローレライ)、第2楽章(コブレンツからボン)、第3楽章(ボンからケルン)、第4楽章(ケルンの大聖堂)、第5楽章(デュッセルドルフのカーニヴァル)など、その音楽もまたラインに関連が深くなっています。



「ライン」はシューマンの交響曲のなかでも極めて音楽的な充実度が高く、そのインスピレーションにはベートーヴェンの大作群にも通じるものがあります。

ある日、お気に入りの丘陵地帯を歩いていた私は、脳裏に「ライン」の第1楽章が流れるのを聴きました。その調べは「川」の流れというより、宇宙の不変の法則や、悠久の天体の運行を表しているかのようでした。

*演奏内容と音響(アルゴリズムリバーブ)を改めた新録音です。
弦楽器と管楽器を分けて録音した結果、サウンドがよりクリアになりました。


シューマン:交響曲 第3番 変ホ長調 Op.97 「ライン」 第1楽章 [2020][AR]
Robert Alexander Schumann:Symphony No.3 in E flat major, Op.97 "Rheinische"
I. Lebhaft [9:56]




Schumann-Symphony-No3-Rheinische-1st-2020-AR.mp3



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posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 15:10 | 交響曲 (Symphony) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする