レクイエム ニ短調 K. 626は、モーツァルトが作曲したレクイエム(死者のためのミサ曲)です。モーツァルトの死により作品は未完のまま残され、弟子のジュースマイヤーにより補筆完成されました。
1791年8月末、モーツァルトがプラハへ出発する直前、見知らぬ男性が彼を訪ねました。男性は匿名の依頼主からのレクイエムの作曲を依頼し、高額な報酬の一部を前払いして帰って行きました。
9月中旬、プラハから戻ったモーツァルトは『魔笛』の残りを急いで書き上げ、9月30日の初演に間に合わせました。その後、レクイエムの作曲に取りかかりましたが、体調を崩しがちとなり、11月20日頃には床を離れられなくなってしまいました。
12月になると病状はさらに悪化して、モーツァルトは再び立ち直ることなく12月5日の未明に他界しました(享年35)。彼の葬儀は12月6日にシュテファン大聖堂の十字架チャペルで行われました。
4日後の10日にはエマヌエル・シカネーダーなどの勧めにより、ホーフブルク宮殿の前にある皇帝用の聖ミヒャエル教会でのミサで「レクイエム」の初演がそれまで完成した形で行われました。
モーツァルトは、自身が死へと向かう病床でレクイエムの作曲を進めていました。妻コンスタンツェの妹ゾフィーは、モーツァルトが最後までベッドでジュースマイヤーにレクイエムについての作曲指示をし、臨終の時もまだ口でレクイエムのティンパニの音を表そうとするかのようだったと姉アロイジアとニッセン夫妻に宛てた手紙の中で述べています。
全14曲のうち、モーツァルトが完成させたのは第1曲だけで、第2曲第3曲等はほぼ出来ていたものの、残りは未完のまま作曲途中にモーツァルトは世を去りました。
第11曲 サンクトゥス【聖なるかな】以降については、モーツァルトによる草稿は伝わっていないものの、フライシュテットラーやジュースマイヤーに対し何らかの指示がされた可能性はあります。
*演奏と音響を改めた新録音です。オケよりも合唱が前に出るよう心がけました。
モーツァルト:レクイエム ニ短調 K. 626:第11曲 サンクトゥス [2019][AR]
W.A.Mozart:Requiem in D minor, K.626:11. Sanctus [1:58]
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Mozart-Requiem-11-Sanctus-2019-AR.mp3
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