
♪シラーの詩に着想を得てから完成に三十年をかけた交響曲の最高峰
ドイツのボンに暮らした青年ベートーヴェンが、シラーの「歓喜に寄す」に感銘を受け、
いつかはこれを形にしようと思い続けて、ほぼ30年後に完成したのが交響曲第9番です。
1822年に本格的に作曲に着手したベートーヴェンは、手始めに第1楽章を一気に書き上げました。
次いで第3楽章、第2楽章の順で仕上げ、最後まで苦労した末に、第4楽章を完成させました。
1824年のウィーンでの初演当時、ベートーヴェンの耳は完全に聴こえなくなっていました。
ですから大人数のオーケストラを束ねて指揮するのは、到底不可能なことでしたが、
それでもベートーヴェンは絶対に自分が指揮をするのだと、頑として譲りませんでした。
仕方なく、補助指揮者として、会場となったケルントナートーア劇場の指揮者ウムラウフが、
ベートーヴェンの傍らで指揮しましたが、楽団員たちは実際にはベートーヴェンには構わず、
ウムラウフの指揮に従い、演奏は進行しました。
第1楽章が始まると、ベートーヴェンはピアニシモでは屈み込むように、
フォルテッシモでは飛び上がらんばかりに、気違いのように棒を振りましたが、
耳が聴こえないため、オーケストラの音とは次第にずれていきました。
しかし、全楽章が終わると観客は初めて耳にした偉大な音楽に、割れるような拍手を送りました。
耳の聴こえないベートーヴェンはそれに全く気づかず、アルト歌手が客席側に向けたおかげで
ようやく聴衆の熱狂に気づき、深々と子供のように丁寧にお辞儀したといいます。
鳴りやまない拍手に応え、ベートーヴェンは袖から5回も舞台に戻らなければなりませんでした。
指揮と聴衆の熱気に疲れ切ったベートーヴェンは、その後正気を失ってしまい、
友人たちに家まで送られたものの、礼服のまま朝まで眠り続けたということです。
*演奏と音響を改めた新録音です。演奏内容は全面的に変更しました。
ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 Op.125 「合唱」 第1楽章 [2019][AR] 02
L.V.Beethoven:Symphony No.9 in D minor, Op.125
I. Allegro ma non troppo, un poco maestoso [14:56]
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Beethoven-Symphony-No9-1st-2019-AR-02.mp3
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