2016年08月25日


ホルスト:組曲 《惑星》 Op.32 から 第1曲「火星」 [新録音2016]


ホルスト:組曲「惑星」
価格:
カラヤン/ベルリンフィルハーモニー
ユニバーサルクラシック(2016-09-07)
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♪二つの大戦を予見したかのような驚異的な音楽描写

まず最初に驚くべきは、この曲が今から100年も前の作品だということです。
組曲「惑星」は第一次大戦が始まった1914年に着手され、1916年に完成しました。

まるで最新のハリウッドSF映画音楽のような響きには目を見張るばかりで、
人工衛星も宇宙天文台もない時代に、どうやってこのようなイマジネーションを
展開させることができたのか不思議でなりません。

ホルストは主に合唱曲を得意とした作曲家でした。
そんな彼にとっては異色とも言える「惑星」だけが有名なことについて、
ホルストは周囲に不満をもらしていたと言います。

しかし、この音楽には時代を超えた、飛び抜けたインスピレーションが感じられ、
そうなることも致し方ないことと言えます。

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第1曲「火星」は占星術に基づき「戦争の神」がテーマになっています。
基本的には「火星」と「水星」の位置が入れ替わっていることを例外として、
各惑星は軌道長半径上で太陽から近い順番に配列されています。

ですから「火星」の1曲目という順番はおかしいですが、
これには地球から見て距離が近い順という考え方もあるようです。
しかし、明確な理由はまだわからないようです。
ただ、音楽的には「火星」が最も第1曲にふさわしい雰囲気を持っています。

「火星」の驚くべき点は、同時期に開始された第一次大戦というより、
第二次大戦の原爆までもを予知したかのような描写が見られることです。

現代の最新の映画音楽でも通用するような先進性、
宇宙時代を遥かに先取りしたイマジネーション、
そして、大戦を予言するかのような描写など、
様々な意味で"驚異的"と言わざるを得ない作品が組曲「惑星」なのです。

組曲の完成がちょうど100年前の1916年であることに思いを馳せながら、
この"驚異"の音楽を聴いてみてください。


* 9年前の録音ではPCのスペック上、鳴らせなかったパートも補完しました。
また、アーティキュレーションに気を配り、より血の通った音楽を心掛けました。




ホルスト:組曲《惑星》 Op.32 から 第1曲「火星」 [新録音2016]
Gustav Holst:The Planets Op.32 1. Mars [7:35]
http://classical.seesaa.net/Holst-The-Planets-Mars-2016.mp3



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posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 12:19 | 管弦楽曲 (Orchestral) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする