Beethoven/Mahler: Symphonies
posted with あまなつ on 2013.07.03
価格:
Living Stage(2003-07-07)
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♪目覚めへの内なる闘いと努力を極限まで描く
ベートーヴェンが初めて詩人シラーの「歓喜に寄す」を読み、心からの感銘を受けたのは、
まだボンに住んでいた10代の青年時代のことです。
この時、いつかはこの詩に曲をつけたいと願ったベートーヴェンでしたが、
実際に形になるには、実にほぼ30年もの月日を要したのです。
この間、ベートーヴェンは何度も曲をつけることを試みています。
23歳、41歳、47歳と三度に渡ってスケッチ帳に、詩の断片が散見されているのです。
しかしこれらはおそらく歌曲としてのアイディアで、よもや交響曲の終楽章として、
大々的に取り上げることになるとは、夢にも思わなかったことでしょう。
第9のプランが初めて登場するのは、1817年から18年にかけてのスケッチ帳です。
まずは第1楽章のスケッチが現れ、それに続くスケッチ帳には、
第9とは別の交響曲のプロットが記入されていて、次のような案が記されています。
「アダージョの頌歌、交響曲中に教会調で頌歌を加える…終楽章で次第に声楽が
加わるように…管弦楽編成は、通常の十倍の大きさで…」
結果的にはこのふたつのプランが合わさり、第9へと結実することになります。
シラーの詩を終楽章に用いたのは、1822年から23年の本格的な作曲時です。
まず第1楽章が完成し、次いで第3、第2楽章の順で書き上げ、
合唱を伴う第4楽章には、最後まで苦労したといいます。
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当初、第4楽章は弦楽四重奏曲Op.132の終曲を、管弦楽であてるはずでした。
交響曲に声楽を入れるという発想は、当時まったくの型破りで、
さすがのベートーヴェンもどうすべきか散々迷ったようです。
しかし、若い頃からのシラーの詩に対する熱い思いがこれを押し切り、
ついに1824年4月2日、人類の至宝「交響曲第9番 ニ短調」が完成したのです。
初演は嵐のような大成功を呼び、5回のアンコールに呼ばれたベートーヴェンは、
あまりの疲れで正気を失い、自宅に運ばれ礼服のまま朝まで寝ていたのでした。
初演の舞台でベートーヴェンは、気がふれたかのような激しさで指揮棒を振りました。
しかし耳の聴こえない彼と楽団員の呼吸が合うはずもなく、
実際には傍らに立つ劇場の指揮者ウムラウフの指示に従ったのでした。
ベートーヴェンはウムラウフ以上に体を動かし、ピアニッシモではもぐり込むように屈み、
フォルテッシモでは飛び上がらんばかりの様子だったといいます。
楽団員と自分がずれていることなどおかまいなしでした。
この時、ベートーヴェンの頭の中にはどんな音楽が鳴っていたのでしょうか?
尋常ならざる指揮の姿から察するに、きっときれいごとではない、
命がけギリギリの音楽を思い描いていたに違いありません。
そんなことを踏まえて今回、7年ぶりに新たに録音し直しました。
演奏内容、音響共に、まったく違ったものになっています。
ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 Op.125 「合唱」 第1楽章 [新録音2013] [15:11]
L.V.Beethoven:Symphony No.9 in D minor, Op.125
1. Allegro ma non troppo, un poco maestoso
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