2013年05月07日


リスト:《巡礼の年 第2年イタリア》 S.161 第4曲 「ペトラルカのソネット第47番」

リスト/巡礼の年:第2年「イタリア」
定価:¥ 2,039
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4.0点 新年最初に聴く
発売日:1994-09-05
メーカー:ユニバーサルクラシック
アーティスト:ブレンデル(アルフレッド)
時間:47(分)

♪イタリアの抒情詩人ペトラルカのソネットから作られた作品

あの日、あの月、あの年 あの季節、あの時間、あの時、あの一瞬 あの場所で私は捕われたのだ 美しい二つの目に、そしてあなたの奴隷となった (ソネット第47番より)

あたかも現代のヒット曲の歌詞のような、この熱く甘い詩を書いたのは、
14世紀イタリア・ルネサンスを代表する叙情詩人、フランチェスコ・ペトラルカです。

…1327年のある日のこと、ペトラルカは教会でラウラという女性に出会いました。
一目見たその瞬間、ペトラルカはラウラに心を奪われ、恋に落ちたのです。

私はこの地上で天使の姿を、 比類なき美をこの目で見た それを想うと嬉しくなり、悲しくもなる 目に見えるものはすべて、まるで夢か幻のようだ (ソネット第123番より)

しかし、ペトラルカは修道士でした。
恋愛や結婚を禁じられ、神にその一生を捧げるべき聖職者の身。
その上ラウラは、“夫人”や“奥様”といった表現から、多分、既婚者だったとうかがえます。
ラウラへの愛に苦悩するペトラルカは、自らの想いを詩に託したのでした。

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苦しみを糧として、泣きながら笑い、 死も生も同じようにいとおしい、 こんな私にしたのは、奥様、あなたなのです (ソネット第104番より)

これらの詩-ソネットはペトラルカの代表作『カンツォニエーレ』に収められています。
ソネットとはイタリアで生まれた14行の定型詩のことで、「小さな歌」を意味しており、
ペトラルカと、叙事詩『神曲』で知られるダンテによって完成されました。

1837年7月から1839年11月にかけて、リストはマリー・ダグー伯爵夫人と共に
イタリア旅行へ出かけ、文学作品や絵画など、様々な芸術作品に触れました。
それらから受けたインスピレーションを元に作曲された、
7つのピアノ曲がまとめられたのが、《巡礼の年 第2年イタリア》です。

『ペトラルカのソネット』第47番、第104番、第123番の3曲は、
それぞれ第4曲、第5曲、第6曲としてここに収められています。
マリー・ダグー伯爵夫人との、道ならぬ恋の只中にあったリストにとって、
ラウラへの断ち切れない想いを綴ったペトラルカの抒情詩は、
自らの心情をそのままに映し出した鏡のように思えたかもしれません。

リストは『カンツォニエーレ』の中から、第47番、第104番、第123番を選び、
まずはテノール独唱用の歌曲として作曲しました。
さらに、同時期にピアノ曲にも編曲し、《第2年イタリア》の作品としたのです。

一方、ラウラとペトラルカは、実際には交際をしていなかったといわれます。
ふたりはその後、会うこともなく、約20年後の1348年にラウラは亡くなりました。
しかし、ペトラルカはラウラがいなくなったその後も、
彼女を失った悲嘆を歌う詩など、ラウラへ充てた詩を書き続けたのでした。





リスト:《巡礼の年 第2年イタリア》 S.161 第4曲 「ペトラルカのソネット第47番」 [5:30]
Franz Liszt:Years of Pilgrimage "Second Year: Italy" S.161
4. Sonetto 47 del Petrarca (Petrarch's Sonnet 47)



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posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 09:16 | 器楽曲・Piano | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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