2013年02月15日


ドビュッシー:ベルガマスク組曲 第4曲 『パスピエ』

ドビュッシー:ピアノ作品全集
新品最安価格:13%OFF ¥ 3,641 (5店出品)
5.0点 理知的で明晰なドビュッシー全集
5.0点 現在、ドビュッシーを弾かせたら、ベロフが最高。
5.0点 レファレンス・コレクション
発売日:2007-08-29
メーカー:コロムビアミュージックエンタテインメント
アーティスト:ベロフ(ミシェル)
ディスク数:5

♪ベルガマスク組曲の終曲に置かれた不思議な雰囲気のピアノ曲

ベルガマスク組曲といえば何と言っても有名なのが「月の光」です。
ヴェルレーヌの詩にインスパイアされたこの曲は、その美しい旋律と叙情性から、
ドビュッシーの全作品の中でも特に愛され、管弦楽版としても親しまれています。

4曲からなるこの組曲の終曲に置かれたのが「パスピエ」。
第3曲「月の光」に続く第4曲ですが、この曲、少し趣きが変わっています。
まず「パスピエ」という形式ですが、フランスのブルターニュに起源を発し、
17世紀にパリで大流行した、8分の3拍子ないしは8分の6拍子の速い舞曲です。
passa-piedないしはpasse-piedが語源で、「通行する足」の意味を持ちます。

簡単に言ってしまえば、ワルツ調の社交ダンス曲といったところですが、
ドビュッシーのパスピエは違っていて、4拍子の行進曲風です。
左手はスタッカートでペダルを踏まず、キビキビと奏でられ、
右手も基本的に小気味よく進み、時にレガートで彩を添えます。

実はこの作品、当初はパスピエではなく「パヴァーヌ」という題名でした。
「月の光」も当初の「感傷的な散歩道」から改題されています。
「パヴァーヌ」といえばドビュッシーも影響を受けたフォーレ作が有名です。
これと混同されるのを避けて、直前になって題を差し替えたとも見られています。

ドビュッシーの「パスピエ」は、冨田勲さんによる編曲でも知られています。
こちらはシンセサイザーによる現代的な演奏ですが、
スタッカート主体の曲調がマッチして、まるでドビュッシーがデジタル全盛の
今の時代を見据えて作曲したかのような違和感のなさです。

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また、RPGのドラクエ1のフィールド曲「広野を行く」の出だしが、
パスピエに似ているとも言われ、実際、ドラクエシリーズの作曲者、
すぎやまこういちさんは、モチーフとして意識したと語っているようです。
ドラクエはテーマ曲もワーグナーの前奏曲を思わせるところがあります。

個人的には今回、「パスピエ」を制作していて何度か、
きゃりーぱみゅぱみゅさんの「つけまつける」を思い出しました。
どこか旋律に似た雰囲気があるのです。

このようにドビュッシーは印象派というひと括りでは済ませられない、
時代を越えた先鋭性を持っていました。

クラシックは苦手でも、ドビュッシーのピアノ曲は聴くという声も耳にします。
形式主義やロマン派などの枠を打ち破り、旋法や和声においても
独自の語法を確立させたドビュッシーは、現代に生きる作曲家なのです。





ドビュッシー:ベルガマスク組曲 第4曲 『パスピエ』 [4:06]
Claude Achille Debussy:Suite bergamasque 4. Passepied



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