2013年01月23日


リスト:超絶技巧練習曲 第9番 変イ長調 『回想』 S.139

リスト:超絶技巧練習曲
定価:¥ 2,000
中古最安価格:4%OFF ¥ 1,917 (5店出品)
5.0点 深く心に響く音楽
5.0点 神秘的きらめきから豪放華麗な音響まで
5.0点 聴かせる大人の練習曲
発売日:1999-07-23
メーカー:マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
アーティスト:アラウ(クラウディオ)

♪リストの女性的な側面が表れた夢見るような旋律

『(リストの回想は)黄色く変色したラブレターの束である』
                        - フェルッチョ・ブゾーニ

あたかもショパンを思わせるかのような、ロマン性にあふれる作品です。
その女性的で繊細な旋律美から、ショパンに影響されたともいわれるほどですが、
実はこの作品の原型が収められた『12のピアノのための練習曲』が出版されたのは、
1826年、リストがまだ15歳の青年だった頃のこと。

この時すでにリストはパリで天才ピアニストとして持て囃されていましたが、
ショパンがポーランドを離れ、パリへとやって来たのは1831年です。
つまり、『回想』が生まれた時には、おそらくリストはショパンを知りませんでした。

にも関わらず、こうした夢見るような旋律をリストは紡いでいました。
女性的なショパンに対して、男性的なリストという構図で見られがちですが、
『愛の夢』もそうであるように、リストにも女性的な側面はありました。
またショパンにも『英雄ポロネーズ』のような男性的な側面もあったのです。

難曲として名高いリストの12の超絶技巧練習曲集は、先述の通り、
まず1826年に初版がマルセイユのボアズローから出版され、
次いで1837年には、ジュレンジンガー社から第2版が出版されています。
そして更に、1852年には2度目の改訂となる最終版がまとめ上げられ、
これが現在私たちが知る『超絶技巧練習曲集』の完成作になっています。

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原題の『transcendante(超越)』という言葉には宗教的な意味があり、
肉体・精神・魂のすべてを超越するというのが最も近いニュアンスとされます。
晩年にはアッシジのフランシスに帰依し、4つの僧位を受けたほどのリストが、
『transcendante』という題に深い意味合いを込めたことは想像に難くありません。

リストは音楽家としてピアノの演奏技巧を極めることを通じて、
人間としての精神の高みをも極めることをめざしたのかもしれません。

尚、ディズニー映画『シンデレラ』の『A Dream Is A Wish Your Heart Makes』は、
リストの『回想』の主題が元になっているともいわれています。





リスト:超絶技巧練習曲 第9番 変イ長調 『回想』 S.139 [8:42]
Franz Liszt:Transcendental Études No.9 in A-flat major, S.139 "Ricordanza"



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posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 03:06 | 器楽曲・Piano | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする