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発売日:2002-01-23 メーカー:ワーナーミュージック・ジャパン アーティスト:ラビノヴィチ(アレクサンドル) アルゲリッチ(マルタ) | |||
♪自身にとって集大成ともいえるラフマニノフの白鳥の歌
《交響的舞曲》は1940年に作曲された、ラフマニノフにとって最後の作品です。
この曲のプランが立ち上がったのは、遡ること25年前の1915年。
この時点でラフマニノフは新しいバレエ音楽の構想を持っていました。
そしてこの時にスケッチされたモチーフの数々が、後の完成時に活かされるのです。
本格的な作曲に先立って、まず2台ピアノのための版が8月10日に完成されました。
2台ピアノ版の初演はラフマニノフの自宅で開かれた私的な演奏会で、
作曲者自身とウラディミール・ホロヴィッツの共演により行われました。
この版には作品45aという作品番号が与えられています。
2台ピアノ版の完成後、ラフマニノフは指揮者のユージン・オーマンディに宛てた
8月21日付の手紙の中で、新しい交響的作品を作曲中であること、
そして完成後にそれをオーマンディと、当時オーマンディが音楽監督を務めていた
フィラデルフィア管弦楽団に献呈したい旨を述べていました。
この時点でラフマニノフは『幻想的舞曲集』として着想しており、
各楽章に「真昼」、「黄昏」、「夜中」という標題を付すことも構想していました。
9月22日に開始されたオーケストレーションは、5週間後に完成しました。
その間ラフマニノフは1日14時間もこの曲に取り組んでいたといわれます。
作品に自信を持ち、自身で“最高の作品”であると考えていた彼は、
この楽曲が早くバレエとして具体化することを心待ちにしていました。
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ラフマニノフはオーケストレーションの完成前にこの作品を、
振付師ミハイル・フォーキンにピアノで披露していました。
フォーキンは以前にも、ラフマニノフの『パガニーニの主題による狂詩曲』を、
バレエ化した舞踏家で、今回もフォーキンの振付けが構想されていたのです。
しかし、ふたりの間の交渉はうまく進まず、初演の翌年の1942年に
フォーキンが亡くなったため、この構想は実現には至りませんでした。
オーケストレーションは10月29日に完成し、各楽章の標題は破棄されて
3つの楽章からなる《交響的舞曲》として発表されました。
初演は1941年1月3日にユージン・オーマンディ指揮、フィラデルフィア管弦楽団に
よって行われ、好評を以て迎えられました。
しかし批評家の評価は芳しくなく、”古い手法の焼き直し”などと言われましたが、
緻密な構成力と高い技巧性から今日では、ラフマニノフの集大成ともされています。
こと第1楽章中間部(3:46)でサクソフォン(ここではピアノ)が奏でる旋律は、
ラフマニノフならではの哀愁と寂寥感を湛えています。
作曲者は楽譜の最後に自身の手で「主よ、あなたに感謝します」と記しました。
「何が起こったのか自分でもわからないが、多分これが私の最後の煌きになるだろう」
と述べた通りに、《交響的舞曲》はラフマニノフの白鳥の歌となったのでした。

ラフマニノフ:交響的舞曲 Op.45 第1楽章 [2台ピアノ版] [11:49]
Sergei Vasil'evich Rachmaninov:Symphonic Dances Op.45
1. Non allegro [2 Pianos]
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