2012年11月09日


ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 Op.67 「運命」 第4楽章 [新録音2012]

ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」、コリオラン序曲
新品最安価格:¥ 3,980 (3店出品)
中古最安価格:27%OFF ¥ 2,900 (2店出品)
5.0点 情報量の多さに驚く
5.0点 音が3Dになっている。
発売日:2012-09-26
メーカー:EMIミュージック・ジャパン
アーティスト:クレンペラー(オットー)
フォーマット:Limited Edition Original recording remastered SACD

♪運命に打ち克ち完全勝利の勝どきをあげる第4楽章

ただで屈服することはできない。
私は運命の喉もとを引っつかんで立ち向かうのだ。

L.V.ベートーヴェン

これはベートーヴェンが音楽家としては致命的な耳の病に苦しみ、
薄れゆく自らの聴力に絶望を抱きながらも、
必死にその不安と闘っていた頃に書かれた手紙の一節です。

ベートーヴェンが親友で医者のベーゲラーに耳の異常を初めて訴えたのは、
1801年の6月29日付のベーゲラーに宛てた手紙においてでした。
この時、ベートーヴェンはちょうど30歳。
音楽家としていよいよこれから、という真っ只中でした。

「私の耳は三年前から段々聴力が衰えてきた。
私は人に向かって自分は聾であると伝える気にはなれない。
私がもし他の分野の専門家だったら話は別だが、音楽家の私には致命的だ。

劇場で練習に立ち会っても、少し遠いと楽器も肉声も、高い音は全く聴こえない。
だからオーケストラのすぐ側に座らないとならない。

私はしばしば絶望的にならずにはいられない。
私は神の造り給いし者の中で、一番不幸なのかもしれない。
だが、それが運命だというならば、耐えるしかない。」

交響曲第5番ハ短調「運命」の、最初の三つの楽章の草稿は、
こうした苦境の最中である、1800年と1801年に着手されたとみられています。
その後、主治医の勧めで訪れた、美しいハイリゲンシュタットの自然に癒された彼は、
自らの運命に立ち向かうことを決意し、再び精力的に作曲を始めたのでした。

こうして1808年に完成、初演された交響曲第5番は、
ベートーヴェンの人生観が最も凝縮された作品になりました。
すなわち「苦悩を突き抜けて、歓喜に至れ!」です。

「運命」では第1楽章冒頭の、タタタターンの主題があまりに有名ですが、
演奏時間の長さや交響曲史上初めて、ピッコロ、コントラ・ファゴット、
トロンボーンを追加した規模の大きさからも、ベートーヴェンが、
第4楽章に最も力を入れ、この曲の中心と考えていたことは明らかです。

スポンサードリンク


第1楽章の運命に対する闘争。第2楽章のやすらぎ。
そして第3楽章で再び運命に立ち向かい、不敵にも笑い飛ばした後、
いよいよ、これでもかと勝どきの声をあげる第4楽章が切れ目なくやってきます。

ここで描かれる勝利は、地上的な勝った負けたの次元のものではなく、
もっと宇宙的で神の次元に突入するような絶対勝利です。
そこにあるのは絶対真、絶対善、絶対美、絶対愛、絶対和の世界。
こうした神人合一の境地に達する音楽を書けたのは、
まさにベートーヴェンひとりであると言っても、過言ではありません。

交響曲第5番の荘厳な輝きは、今も世界中の人々に感動と、
生きる勇気と希望を与え続けているのです。

*演奏内容と音響をあらためた新しい録音です。






ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 Op.67 「運命」 第4楽章 [新録音2012]
Ludwig van Beethoven:Symphony No.5 in C minor, Op.67
4. Allegro - Presto



ブログパーツ
posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 10:00 | 交響曲 (Symphony) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする