2012年08月18日


ベートーヴェン:6つのバガテル Op.126

ベートーヴェン : ピアノ協奏曲全集
新品最安価格:12%OFF ¥ 3,496 (6店出品)
5.0点 デリケートでストロング
4.0点 今でも愛聴盤です!
5.0点 エレガントなピアノ、正確無比なオケ
発売日:1996-03-01
メーカー:ポリドール
アーティスト:アシュケナージ(ウラジミール)
ディスク数:3

♪ベートーヴェン最晩年にして最後のピアノ曲

6つのバガテルは1824年完成の、ベートーヴェンの最後のピアノ曲です。
死が2年後に迫った最晩年の作品ということもできます。
1824年と言えば、やはり最後の交響曲となった「第9」Op.125の完成年でもあり、
6つのバガテルOp.126はその直後に仕上げられました。

前年の1823年には「デイアベリ変奏曲」と「ミサ・ソレムニス」が書かれています。
更にその前年1822年は最後のピアノソナタ第31番と32番作曲の年です。
バガテル以降は5つの弦楽四重奏曲とひとつのカノンしか残しておらず、
そんなところからもベートーヴェン最晩年の心境がうかがえる作品にもなっています。

バガテルとは短かく文学的なピアノ小品曲のことです。
ベートーヴェンの有名なバガテルでは「エリーゼのために」があげられます。
これは単独のバガテルですが、ベートーヴェンは作曲の過程で未使用の旋律がたまると、
それらをピアノ小品のバガテルとして仕上げ、数曲ずつまとめて出版していました。

作品126についてベートーヴェンは「自分が書いた最高のバガテル」と記しています。
また第1曲のスケッチの欄外に「小曲の連作 Ciclus von Kleinigkeiten」と
書き込まれていることから、6曲を通して演奏することが意図されています。

スポンサードリンク


6つのバガテルは作品全体を穏やかな楽想が占めています。
まず第1、第3、第5曲は透明感あふれ、平穏な心境が伝わってきます。
こと第3曲のカデンツァやその後のトリル、アルペジオの何と軽やかなことでしょうか。
ベートーヴェンの心はもうすでに、半分天国にあるかのようです。

第2曲と第4曲は短調で足早な曲調ではあるものの、かつてのような切迫感はなく、
全体の緩やかな流れに、ほんの少し強めのアクセントを置いたというニュアンスです。
そして終曲の第5曲は、冒頭と最後の急速なプレストを除けば、
やはり平和的なアンダンテが、楽曲のほとんどの部分を占めています。

あまりに透徹として一切の翳りや不安もなく、どこまでも天上的な響きのためか、
劇的な効果の求められる演奏会では、取り上げられる機会が少ないようです。
しかしベートーヴェンが最後にたどり着いた境地を知る手だてとして、
そして何より私たちが心の平安をこの音楽から得るために、
6つのバガテルはもっと広く愛されてほしい作品だと思います。
シンプルな小品とはいえそこには、ピアノ音楽のエッセンスが凝縮されているのです。





ベートーヴェン:6つのバガテル Op.126
Ludwig van Beethoven:6 Bagatelles Op.126
1. Andante con moto 2. Allegro 3. Andante

4. Presto 5. Quasi allegretto 6. Presto



ブログパーツ
posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 01:36 | 器楽曲・Piano | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。