2012年06月03日


サン=サーンス:死の舞踏 Op.40 (リスト編曲 S.555)

アンコール
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レビュー平均: 4.8点 (5人がレビュー投稿)
5.0点 強烈な個性
5.0点 ヴィルトオーゾ
4.0点 聴衆を熱狂させたピアニストの超絶技巧
発売日:1990-04-21
メーカー:BMGビクター
アーティスト:ホロヴィッツ(ウラジミール)

♪幻想的なハロウィンの一夜を描いた交響詩

『死の舞踏』はサン=サーンスが1874年に作曲した有名な交響詩です。
原曲は1872年作曲の歌曲で、詩人アンリ・カザリスの詩に着想を得ています。

― ハロウィンの深夜0時になり教会の鐘が鳴り終わると、
死の神が現れヴァイオリンを弾き、墓石を叩いて合図をする。
すると大勢の骸骨たちが現れて、不気味な踊りを始め、それは激しさを増す。

夜中に響き渡る骨と骨が擦れあう音。
最高潮では「最後の審判」の「怒りの日」をもじった旋律が姿をみせる。
しかし雄鶏の声が夜明けを告げると、骸骨たちは墓場に帰っていく…。

こうした様が音楽で描かれ、カザリスの奇怪な詩の世界を表現しています。
また、スコア冒頭ではカザリスの詩から、以下の数行が引用されています。


ジグ、ジグ、ジグ、墓石の上
踵で拍子を取りながら
真夜中に死神が奏でるは舞踏の調べ
ジグ、ジグ、ジグ、ヴァイオリンで

冬の風は吹きすさび、夜は深い
菩提樹から漏れる呻き声
青白い骸骨が闇から舞い出で
屍衣を纏いて跳ね回る

ジグ、ジグ、ジグ、体を捩らせ
踊る者どもの骨がかちゃかちゃと擦れ合う音が聞こえよう

静かに!突然踊りは止み、押しあいへしあい逃げていく
暁を告げる鶏が鳴いたのだ


リストはこの曲を1876年にピアノ・ソロ用にアレンジしています。
サン=サーンスにとっての出世作となった歌劇「サムソンとデリラ」の初演で、
自らタクトを振るなど、リストはサン=サーンスを評価し擁護していました。

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実は管弦楽版の『死の舞踏』は発表当初、評判はよくありませんでした。
初演の夜も演奏会場には、非難の口笛が鳴り渡ったと伝えられています。
しかしリストはこれにも態度を変えず、ピアノ曲として新たな生命を吹き込んだのです。

リストが亡くなった1886年、サン=サーンスは1曲の交響曲を書き上げました。
「オルガン付き」の名で知られる代表作、交響曲第3番ハ短調です。
サン=サーンスはこのスコアに「リストを追慕して」と記し、
生前に自分の音楽を理解してくれた、彼に対する感謝と敬慕の念を示したのでした。





サン=サーンス:死の舞踏 Op.40 (リスト編曲 S.555)
Saint-Saens:Danse macabre Op.40 (Liszt arr. S555/R240)



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posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 16:35 | 器楽曲・Piano | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする