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発売日:1996-10-25 メーカー:ユニバーサルクラシック アーティスト:ピリス(マリア=ジョアオ) | |||
♪晴れやかで流麗にして甘美なノクターンの人気曲
ノクターン第5番嬰ヘ長調は、1833年出版の『3つのノクターン』Op.15の第2曲です。
第1曲のノクターン第4番ヘ長調と同じく、1831年から32年にかけて作曲されました。
Op.15はノクターンの創始者ジョン・フィールドの影響から抜け始めた作品で、
後の作風にも通じるような、ショパンのオリジナリティが随所に表れています。
世間的にも“ショパンのノクターンはフィールドを超えた”と評価されますが、
当のショパンは「フィールドと並び賞されて、僕は嬉しくて走り回りたい気分です。」
と手紙の中でその喜びをあらわにしています。
旋律を大事にするフィールドを、ショパンはとても敬愛していたのです。
第5番はショパン特有の翳りや感傷的なところがなく、
どこまでも晴れやかで流麗、甘美な作品です。
Doppio movimentoと表示された中間部は、煌びやかなアルペジオが印象的で、
嬰ハ長調の5連符の上に付点リズムという独創的な構成です。
シンプルながら3部形式の中に魅力が凝縮されていて、
演奏効果も高く人気があるため、頻繁に取り上げられています。
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作曲された1831-32年は、ショパンがパリに来て、まだ駆け出しの頃で、
社交界の貴婦人たちを相手に自作を披露したり、レッスンを施したりしながら、
作曲家、演奏家としての基盤を固めていた時代です。
若き無名の音楽家を、パリはそう簡単には受け入れてくれませんでしたが、
リストはこの天才を見逃さず、積極的にパリの楽壇に紹介しました。
これが追い風となり、ショパンは気鋭の音楽家として花開いていったのです。
やがてショパンの音楽は革新性をもって、独自の世界を築き始め、
ついには恩人リストに勝るとも劣らぬ、変幻自在の境地へと到りました。
男性的で劇的な演奏効果で、外に向けてアピールするリストの音楽と、
女性的な繊細さで、ひとりの人に向けて聴かせるようなショパンの音楽。
両者はあたかも太陽と月のように、それぞれの光を輝かせていたのです。
ショパン:ノクターン 第5番 嬰ヘ長調 Op.15-2
Frédéric François Chopin:Nocturne No.15 in F sharp major, Op.15-2
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