2012年05月22日


モーツァルト:ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488 第2楽章

モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 第24番
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5.0点 芳醇旨口の強烈な逆襲
5.0点 内田光子の再録
5.0点 さらなるモーツァルト表現の高みへ
発売日:2009-08-05
メーカー:ユニバーサル ミュージック クラシック
クリエーター:内田光子(演奏) クリーヴランド管弦楽団(演奏)

♪歌にもなった繊細で優美な緩徐楽章

モーツァルトは1781年(25歳)に故郷ザルツブルクからウィーンに拠点を移します。
そしてここからいよいよ、その天才ぶりが存分に発揮されていきます。
妻共々、金銭感覚に疎く、常に生活に苦しみ始めるのもこの頃からです。

暖をとるゆとりもなく、冬の晩に妻と踊り明かし、寒さを凌いだという話もあるほど。
しかし、その貧乏生活がモーツァルトに、驚異的な速度で作品を書かせました。
ウィーンの音楽好きの貴族たちは、金銭的な援助を一切しませんでした。
ですからモーツァルトはひたすら新作を書き、演奏会を開くしかなかったのです。

ピアノ協奏曲はそのいい例で、窮状を打開するために予約演奏会を催しては、
それに合わせてギリギリで作品を仕上げ、練習する間もなく本番に入っていました。
そして自ら演奏して収入を得て、なんとかその都度を凌いでいたのです。

ですが、そうした現実生活には関係なく、作品は深化をみせていきます。
この時期に書かれたピアノ協奏曲は特に傑作揃いで、
1785年の第20番ニ短調を筆頭に、死の直前に書かれた第27番変ロ長調まで、
駄曲はまったく無く、モーツァルトのキャリアの中でも重要な作品が並びます。

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1786年春の予約演奏会のために作曲された第23番イ長調は、
トランペットとティンパニという、華やかな楽器のない室内楽的な作品で、
当時まだ新しかったクラリネットを、オーボエの換わりに用いています。
こうした木管群の響きが第23番に、より落ち着いた雰囲気をもたらしています。

またこの曲の第1楽章では、モーツァルト自身がカデンツァを書き残しています。
第20番以降の作品でこの作業はほとんど見当たらず、
即興性の余地のない、完成したイメージが彼の中にあったことを思わせます。

第2楽章は8分の6拍子の、シチリアーノ風のアダージョです。
感傷的な旋律の深い趣きは、モーツァルトの緩徐楽章の中でも格別です。
80年代に薬師丸ひろ子さんがこの曲に歌詞をつけて、
「花のささやき」というタイトルで歌っていたことでも知られています。





モーツァルト:ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488 第2楽章 [6:30]
Wolfgang Amadeus Mozart:Piano Concerto No.23 in A major, K.488
2. Adagio



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posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 16:53 | 協奏曲 (Concerto) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする