2012年04月20日


エルガー:威風堂々 第1番 ニ長調 Op.39 [新録音2012]

エルガー:「威風堂々」第1番~第6番、弦楽セレナード
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レビュー平均: 5.0点 (1人がレビュー投稿)
5.0点 エルガー・チクルス完結!
発売日:2009-10-21
メーカー:エクストン
アーティスト:アシュケナージ(ウラディーミル)
フォーマット:SACD

♪第2の国歌としてイギリス国民に愛される名歌

イギリス・ロンドンで毎年夏に開催される、世界的なクラシック音楽祭「ザ・プロムス」。
8週間に及ぶシリーズの最終日(ラスト・ナイト)では、BBC交響楽団と合唱団、
そして聴衆が一体となって、『威風堂々』を歌い上げてフィナーレを締めくくります。
その高揚感に満ちたシーンからは、いかにイギリス国民が第2の国歌として、
この曲を愛しているかが、否が応でも伝わってきます。

『威風堂々』とひと口に言えば、ニ長調の第1番か、あるいはその中間部(2:00)の、
トリオの有名な旋律、『希望と栄光の国』(Land of Hope and Glory)を想起しますが、
実際にはエルガー自身が完成させた、第1番から第5番までの5曲と、
アンソニー・ペインが補完した第6番の、全6曲の行進曲集を指します。

原題"Pomp and Circumstance"は、シェイクスピアの戯曲『オセロ』第3幕第3場の、
『Pomp and Circumstance of gloriouswar』という台詞から取られています。
「壮麗、華麗」を意味するPomp、「儀式張った、物々しい」を意味するCircumstance。
『威風堂々』の訳はこれらから考えて、かなり意訳に近いかもしれませんが、
ウェーバーの『魔弾の射手』のように、指折りの名訳と呼んでもいいと思います。

1901年に作曲の第1番は、友人のアルフレッド・ロードウォルドに捧げられました。
ロードウォルドはリヴァプールで繊維会社を経営する実業家で、
自ら組織するリヴァプール・オーケストラ協会の指揮者でもありました。

彼はエルガーの理解者として経済的な援助を惜しまず、
これに感謝したエルガーは、ロードウォルドとオーケストラに第1番を捧げたのです。
作曲年の10月19日にリヴァプールにて、ロードウォルドの指揮で初演されました。

3日後の1901年10月22日、ロンドンのクイーンズホールでの演奏会は大盛況で、
秩序を回復するために、2度のアンコールに応えたと指揮者ウッドは伝えています。

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国王エドワード7世は中間部のメロディを「いずれ世界中に広まるだろう」と絶賛し、
エルガーに歌詞を付けることを勧めました。
そこでエルガーは翌年に、国王のための『戴冠式頌歌』(Coronation Ode)を作曲。
終曲に中間部の旋律を用いて、作家A.C.ベンソンの祖国を讃える内容の詩を付け、
『希望と栄光の国』というアルト独唱、合唱団と管弦楽のための曲に仕上げました。

さらにこの曲の人気に目をつけた出版社が、独立した歌曲として売り出し、
『希望と栄光の国』は国歌に次ぐ、国民的な愛唱歌となっていったのです。
現在でもザ・プロムスなどにおける演奏がBBCで放映される際には、
歌曲の最初の部分でエリザベス2世女王の映像が、必ず流されることになっています。

*演奏と音響を刷新した新録音です





エルガー:威風堂々 第1番 ニ長調 Op.39 [新録音2012]
Sir Edward William Elgar:Pomp and Circumstance March No.1 in D Op.39



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posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 19:54 | 管弦楽曲 (Orchestral) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする