2012年04月04日


プーランク:即興曲第15番 ハ短調 「エディット・ピアフを讃えて」

田部京子ベスト~CDデビュー10周年記念盤
新品最安価格:14%OFF ¥ 1,716 (4店出品)
レビュー平均: 5.0点 (1人がレビュー投稿)
5.0点 なんとなく名曲集、ではありません。
発売日:2003-10-22
メーカー:コロムビアミュージックエンタテインメント
アーティスト:田部京子

♪伝説のシャンソン歌手エディット・ピアフへのオマージュ

「ピアフはまさに、偉大というべき存在だった。彼女の真似は誰にもできない。 - F.プーランク」

プーランクの即興曲第15番ハ短調は、「エディットピアフを讃えて」の副題の通り、
フランスの伝説的なシャンソン歌手、エディット・ピアフに捧げられた作品です。

20世紀前半から、中頃にかけてのフランス芸術界は、詩人ジャン・コクトーを中心に、
様々なジャンルの芸術家たちが、フランス芸術の新たな在り方を模索していました。
ピアフはコクトーの盟友で、その親友的関係はコクトーの晩年まで続きました。

自身もフランス6人組の一人として、新しい音楽の在り方を探していたプーランクは、
コクトーの元に頻繁に出入りする中で、ピアフとも交流を持つようになったのです。

プーランクはこの曲で、ピアフの芸術家としての姿勢や存在、生き方を讃えました。
クラシックとシャンソンというジャンルの違いを越えて、
二人はたがいに認め合い、理解し合える間柄だったのです。

ですからプーランクはこのピアノ曲のモチーフとして、
ピアフも大事に歌っていた、あるシャンソンのフレーズを引用しました。
日本では「枯葉」のタイトルで知られる、スタンダード曲「Autumn Leaves」です。

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シャンソンが元になっているためか、この曲は現代的で洒落た風情があり、
プーランクのピアノ・ソロ作品の中でも、異質な存在になっています。
1959年のプーランク60歳、ピアフ44歳の年に作曲されました。

短調で進められて来たこの曲が、最後に光射すように長調に転じて、
そのまま締めくくられるのかと思いきや、再び短調で終わるのが印象的です。
あたかも波乱万丈だったピアフの人生を、そこに映し出しているかのようです。

この曲を聴くとブラームスの「間奏曲」や、シベリウスの「樅の木」などの、
感傷的で少し寂しげなピアノ曲も聴きたい気分になります。
クラシックをあまり聴かない方でも、すんなり入ってくる作品だと思います。




プーランク:即興曲第15番 ハ短調 「エディット・ピアフを讃えて」
Francis Poulenc:Improvisation 15 Hommage à Edith Piaf

プーランク:即興曲第15番 ハ短調「エディット・ピアフを讃えて」 - ストリーミング再生



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posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 05:53 | 器楽曲・Piano | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする