2012年03月25日


ビゼー:《カルメン》 第1組曲から 「間奏曲」

ビゼー:<アルルの女><カルメン>組曲
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レビュー平均: 5.0点 (1人がレビュー投稿)
5.0点 まさにフランス音楽の真骨頂
発売日:2009-05-20
メーカー:ユニバーサル ミュージック クラシック
アーティスト:モントリオール交響楽団 デュトワ(シャルル)

♪激しく情熱的なオペラの幕間に咲く可憐な一輪の花

今でこそオペラの不朽の名作として、動かぬ地位にあるビゼーのカルメンですが、
1875年の初演は惨憺たるもので、明らかに不成功と言い切れるほどのものでした。

当時のフランスのオペラ界では、華麗で娯楽として家族でも楽しめる、
オペラ・コミックという軽いオペレッタのようなものが人気でした。
スッペオッフェンバックなどの作曲家たちも、この例に漏れません。

しかし、ビゼーは違いました。
すでに「真珠取り」や「アルルの女」といった、現代にも残る作品を発表していた彼は、
当時のフランスのオペラ界の風潮に満足しきれず、
この状況に革命を起こすような作品を作りたいと考えていました。

そこで選んだ題材が、プロスペル・メリメの小説『カルメン』です。
人殺しや密輸人すら登場するこの物語は、オペラ・コミックには全く不適当でした。
作品を注文したオペラ・コミック劇場の支配人ルーヴァンは、当然これに反対。

ビゼーは台本作家のアンリ・メイヤックとリュドヴィク・アレヴィと相談して、
原作よりソフトな口当たりになるように、設定等を変えアレンジしました。
こうしてオペラ『カルメン』は、1874年にようやく完成して練習に入りました。

翌年の3月3日、初演会場のオペラ・コミックはビゼーの新作を見ようと、
つめかけたパリの名士たちやオペラファンで満員でした。
しかしふたを開けてみれば、ヒロインは薄汚れたタバコ工場の女工。
そしてケンカは始まる、泥沼の愛憎劇は展開するで、
夢のようなひと時を期待した聴衆は、一気に冷めてしまったのです。

結局、ビゼーはカルメンの真価を見ないまま、3ヶ月後に急逝してしまいます。
オペラ・コミックは台詞に音楽のつかない、ミュージカルのような形ですが、
ビゼーの死後、エルネスト・ギローがカルメンの台詞をレチタティーヴォに改作して、
グランド・オペラとして上演すると、その人気は見るみる高まっていったのでした。

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魅力的なアリアや旋律の多いカルメンには、様々な抜粋・編曲版があります。
中でも有名なのがフリッツ・ホフマンの選曲・編曲による第1組曲と第2組曲です。
指揮者によっては演奏順を変えたり、第1・第2組曲を1つの組曲として演奏したり、
2つの組曲から選曲してオリジナルの組曲を編むなど、その形態も多様です。

前奏曲」「ハバネラ」「闘牛士の歌」と、誰もが知る曲が並びますが、
フルート・ソロが印象的な、第3幕への「間奏曲」も組曲の内のひとつです。
この曲は1872年作曲の劇付随音楽「アルルの女」から転用されました。





ビゼー:《カルメン》 第1組曲から 「間奏曲」
Georges Bizet:Carmen Suite No.1 "Intermezzo"



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posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 16:57 | 歌劇 (Opera) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする