2012年03月17日


ベートーヴェン:交響曲 第4番 変ロ長調 Op.60 第1楽章

ベートーヴェン:交響曲5&4番
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レビュー平均: 4.5点 (4人がレビュー投稿)
5.0点 フルトヴェングラー、チェリビダッケを凌ぐ
5.0点 演奏も音も良い
4.0点 曲の新しい側面が楽しめた。
発売日:1998-08-21
メーカー:EMIミュージック・ジャパン
クリエーター:バイエルン放送交響楽団 / クレンペラー(指揮)

♪ベートーヴェンの幸福な時代が表現された交響曲

「ふたりの北欧神話の巨人の間にはさまれたギリシャの乙女」

シューマンにこう評された、1806年作曲のベートーヴェンの交響曲第4番は、
第3番「英雄」や第5番「運命」に比べて、たしかに地味な存在ではあるものの、
演奏によっては巨大なスケール感を発揮する、中期の充実した作品のひとつです。

ロマン・ロランをして“傑作の森”と言わしめた、この時期のベートーヴェンの作品には、
唯一のヴァイオリン協奏曲や三つのラズモフスキー弦楽四重奏曲、
また、ピアノソナタの「ワルトシュタイン」「熱情」といった名作が並びます。

「英雄」を書き上げたあと、ベートーヴェンはすぐさま次の「運命」に着手しました。
しかし、この手を一旦休め、あたかも一気呵成に仕上げたのが第4番です。
いつもは推敲に推敲を重ねるタイプのベートーヴェンですが、
第4番に関してはスケッチも見当たらず、わずかな期間で完成しています。

この頃のベートーヴェンは恋をしていました。
相手は昔のピアノの生徒だった、ヨゼフィーネ・フォン・ダイム伯爵未亡人です。
周囲の勧めで27歳も年上の、ダイム伯爵と結婚したヨゼフィーネでしたが、
芸術への理解も乏しい夫との関係は冷めたものだったようです。

そして伯爵は1804年にプラハで急死しました。
この頃から1806年にかけて、ベートーヴェンとヨゼフィーネが恋愛関係だったことが、
彼が遺した手紙の内容から確認されています。
恋の喜びの只中にあったベートーヴェンは、重厚な「運命」から一旦手を引き、
明るく快活な第4番の中で、自らの踊るような感情を爆発させたのです。

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柔和で平静なベートーヴェンの側面が、色濃く出た交響曲ではあるものの、
第4番は決して女性的で流麗な、慎ましいだけの作品ではなく、
むしろ最もベートーヴェン的なダイナミクスを持った、剛胆な乙女でもあるのです。

1806年秋に完成したこの曲は、オッペルスドルフ伯に献呈され、
1807年3月、ロプコヴィッツ侯の邸宅で開催された、予約演奏会で初演されました。





ベートーヴェン:交響曲 第4番 変ロ長調 Op.60 第1楽章
Ludwig van Beethoven:Symphony No.4 in B-flat major, Op.60
1. Adagio - Allegro vivace



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posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 15:42 | 交響曲 (Symphony) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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