2011年12月15日


ベートーヴェン:ピアノソナタ 第8番 ハ短調 Op.13 《悲愴》 第1楽章

ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番&第14番&第23番
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レビュー平均: 4.6点 (10人がレビュー投稿)
5.0点 一言で言えば、美しい。
5.0点 伝説となった名演奏が1000円とは…絶句!
5.0点 月明かりそのもののような「月光」
発売日:2006-11-08
メーカー:ユニバーサル ミュージック クラシック
アーティスト:ギレリス(エミール)

♪3大ソナタに数えられるベートーヴェン初期の名作

ベートーヴェンにとっての指標であり、越えなければならなかった存在は、
ソナタ形式のような古典的な様式を確立させた、ハイドンやモーツァルトでした。
ピアノの名手としてウィーンで名を上げ、いよいよ作曲も本格的になったのは、
およそ1800年前後、ベートーヴェンが30代に差しかかった頃のことです。

なんとか先人たちを乗り越えようというベートーヴェンの試みは、
この時期に作曲されたピアノソナタにも、はっきりと表れています。
例えば1798年から翌年にかけて作曲の第8番「悲愴」では、
第1楽章のソナタ形式に序奏がつき、この楽想がその後にも応用されています。

また、1801年に作曲された第14番「月光」では、
第1楽章がアダージョで、第3楽章に初めてソナタ形式が置かれています。
いずれのソナタでも当時としては、斬新な手法が採られています。

そしてこれらの試みに、すでにロマン派の兆候が見えています。
ベートーヴェンはひと括りに古典派とされることの多い作曲家ですが、
実際には古典派とロマン派の中間に置かれるべき存在で、
様々な革新的試みを成しながら、両者の橋渡しをしたとも言えます。

30歳前後と言えば、ベートーヴェンの主軸である交響曲の第1番が作曲され、
同じく主要なジャンルである弦楽四重奏曲も、ものにしつつあった時期です。
そして有名なハイリゲンシュタットの遺書が書かれたのは32歳の頃ですから、
いかにこの数年が彼の内面の変化の上で、大事だったかがうかがえます。

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「悲愴」は「運命」「コリオラン序曲」と同じハ短調です。
ベートーヴェンは内的闘争を描く時にこの調を用いていますが、
そのどれもが彼の作品の中では特に重要な意味を持っています。

難聴の兆候が表れ始めた1798年に着手されたハ短調の悲愴ソナタ。
ベートーヴェンは襲い来る試練を意識しつつ、筆を進めていたかもしれません。
第1楽章にはそれを思わせる重厚な響きがあり、強い意志力が感じられます。





ベートーヴェン:ピアノソナタ 第8番 ハ短調 Op.13 《悲愴》 第1楽章
L.V.Beethoven:Piano Sonata No.8 in C minor, Op.13 "Pathetique"
1. Grave - Allegro di molto e con brio



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posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 06:02 | 器楽曲・Piano | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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