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発売日:1999-09-22 メーカー:EMIミュージック・ジャパン アーティスト:ミルシテイン(ナタン) | |||
♪ヴィヴァルディと並ぶイタリア後期バロック音楽の巨匠
イタリアの後期バロック音楽と言えば、まずヴィヴァルディの名が浮かびますが、
それに比肩するほどの演奏技術と作曲の量、質を誇った人物がいます。
1678年生まれのヴィヴァルディから、遅れること14年後の1692年に、
イタリアのピラーノに生まれた、ジュゼッペ・タルティーニがその人です。
タルティーニはほとんど独力で、ヴァイオリン演奏を身につけたと言われ、
高度な技巧の開発により1728年、パドヴァに音楽学校を創立しました。
また彼は常に新たなヴァイオリン奏法を模索していたとされ、
そうした状況下、ある夜、不思議な夢を見るに到ります。
「おまえがもし魂を売るなら、願いを何でも叶えてやろう」
夢の中に現れ、そう言ってタルティーニに迫る悪魔の言葉に、
彼は恐れをなして自らの魂を売ってしまいました。
その代償として悪魔はタルティーニのヴァイオリンを手に取り、
超人的な技巧で世にも美しい曲を弾き始めました。
人間の想像力を超えた名演奏に、狂喜、陶酔するタルティーニ。
やがて目覚めた彼は、跳ね起きると急いでヴァイオリンをつかみ、
今聴いた演奏を再現しようと試みましたが、まったく不可能でした。
しかし、何とか記憶をたどりながら書いたのが、
後に彼の代表作となる、ト短調のヴァイオリンソナタでした。
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この曲にタルティーニは自ら「悪魔のトリル」と名づけました。
三つの楽章からなるこのソナタの第3楽章に、
「悪魔のトリル」と呼ばれる、奇怪で超人的なトリルが現れます。
タルティーニは生涯に多くの作品を残しましたが、
そのほとんどがヴァイオリン協奏曲とヴァイオリンソナタでした。
同時代の主流であったオペラや宗教音楽は、まったく作曲していません。
また、現存する作品は少なく、残った作品も作曲時期などが曖昧なため、
現在も学者たちによって、時期別の分類が試みられています。

タルティーニ:悪魔のトリル (ヴァイオリンソナタ ト短調) 第1楽章
Giuseppe Tartini:Devil's Trill Sonata (Violin Sonata in G minor)
1. Larghetto affettuoso
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