R.シュトラウス:交響詩〈ドン・ファン〉posted with あまなつ on 2010.03.02クレンペラー(オットー)
ユニバーサル ミュージック クラシック(2006-02-15)おすすめ度の平均:至純なワーグナー
♪愛する妻の誕生日に奏でられた音楽の贈りもの
1870年12月25日の早朝のことでした。
スイス・ルツェルンのワーグナー邸の曲がり階段には、
この日のために集められた楽団員たちがスタンバイしていました。
最上段のワーグナーが指揮を振り始めると、
そこには世にも美しい楽の音が響き渡っていきました。
驚いて部屋から出てきた妻と3人の子供たち。
その曲はこの日が誕生日の妻コジマへのプレゼントとして作曲され、
密かに練習が重ねられてきた室内管弦楽用の音楽でした。
そしてこの曲は夫妻の初めての男の子の名であり、
また自らの楽劇のタイトルにもちなんで「ジークフリート牧歌」と名づけられました。
演奏が終わるとワーグナーは、感激に震える妻のもとに歩み寄り、
総譜を手渡したといいます。
子供たちもこの作品を「階段の音楽」と呼んで喜び、
その日のうちに何度もアンコール演奏されたということです。
リストの娘にして指揮者ハンス・フォン・ビューローの妻でもあったコジマは、
ワーグナーとは24歳も離れた年下の女性でした。
しかし二人は出会って間もなく惹かれあい、
数年後晴れて結婚できた時にはすでに3人の子供がいたのです。
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楽劇の中では官能と純愛の対比を描き、
女性の至純な愛の勝利を謳ってきたワーグナー。
コジマと3人の子供たちに囲まれたルツェルンでの暮らしは、
そんな彼の理想が現実となったかのような、
人生の中で最も幸福な時だったのかもしれません。
娘ほどに年の離れたコジマをワーグナーがどれほど純粋な心で愛し、
大切に想っていたかが、この作品のたおやかな旋律に滲み出ています。
R.Wagner:Siegfried-Idyll
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