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2008年03月23日


ワーグナー:歌劇《ローエングリン》 第1幕への前奏曲

ワーグナー管弦楽曲集 I
クレンペラー(オットー)
EMIミュージック・ジャパン(2006-08-23)
おすすめ度の平均: 5.0
5ワーグナーの決定盤

♪混沌の俗世を越えた神々しい響き

こんなにも神聖で、高貴な響きを持った音楽があるでしょうか?
歌劇「ローエングリン」については「第3幕への前奏曲」
の回にもお話ししましたので、ここではこの曲が特に
感動的に用いられたチャップリンの映画「独裁者」
について触れてみたいと思います。

「独裁者」が公開された1940年はナチス全盛時。
その最中にヒトラーに反旗を翻し、チャップリンは
映画を通して命がけで平和のメッセージを伝えました。
物語のラストシーン。
失意に打ちひしがれるヒロインに対して、
チャップリン演じる床屋の亭主はラジオからこう語りかけます。

「ハンナ、聞こえるかい?ごらん、雲が晴れて光が差してくるよ。
人類は憎しみを乗り越えて、もっとやさしさに満ちた世界に入っていくんだ。
だから元気を出して、ハンナ。Look up,Hannah. Look up!・・・」

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その声に誘われるようにハンナは目に希望を湛えて空を見上げます。
背後から流れてくるローエングリン第1幕前奏曲。

ヒトラーは熱烈なワグネリアンであり、歌劇「ローエングリン」を特に好んでいました。
チャップリンはあえてこの曲をラストに用いることによって、
ローエングリン前奏曲はナチスのものではなく、
平和を愛する人類すべてにとっての神聖な音楽であることを示したのです。








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posted by アンドウトワ at 14:39 | オペラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする