レスピーギ : 交響詩「ローマの松」
posted with あまなつ on 2010.08.07
トスカニーニ(アルトゥーロ)
BMGメディアジャパン(1999-05-21)
BMGメディアジャパン(1999-05-21)
おすすめ度の平均:
他の録音とは根本的に別世界です。絢爛豪華な音の絵巻物の歴史的名演奏
良くも悪くもトスカニーニ
トスカニーニにしかできない、決定的名盤
権威的で、かつ象徴的なローマ3部作
♪古代ローマへの憧憬と幻想を勇壮な管弦楽で描く
レスピーギと言えば代名詞的に引き合いに出されるローマ三部作。
印象派的な「ローマの噴水」、芸術的な「ローマの松」、
そして通俗的な「ローマの祭」の三作の交響詩です。
この中で最も取り上げられるのは、演奏効果も高いローマの松です。
自ら指揮した初演のプログラムにレスピーギはこう記しています。
「『ローマの松』では私は、記憶と幻想を呼び起こすために
出発点として自然を用いた。極めて特徴をおびてローマの風景を支配している
何世紀にもわたる樹木は、ローマの生活での主要な事件の証人となっている。」
松に象徴される自然を、時代を見つめる生きた証人とすることで、
憧憬や幻想も含めた古代ローマへの郷愁を音楽を通して描いています。
全4部からなるこの交響詩の最後を飾るアッピア街道の松は、
オーケストラ・サウンドの醍醐味を堪能できる壮大な作品です。
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あたかもラヴェルのボレロのように盛り上がっていく様はまさに圧巻。
リムスキー=コルサコフに師事したレスピーギのオーケストレーション力が、
5分ほどの曲の中に凝縮され、遺憾なく発揮されています。
舞台裏にも置かれた金管楽器は、場合によって客席の脇、後方、
または2階席等にも配置され、劇的で立体的な音響を響かせることもあります。
アッピア街道は古代ローマの国道一号線とも言える原点のような道。
“すべての道はローマに通ず”と言いますが、
古代ローマ軍の進軍の様子を描いたこの曲は、
同時に人類のたゆまぬ文明の進歩を描いているようにも聴こえてきます。
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